女子オートレーサーを牽引してきた川口所属の佐藤摩弥選手。2011年に44年ぶりの女子レーサーとしてデビューし注目を集めた。それから12年、2023年7月17日、地元川口で行われたGIキューポラ杯で女子オートレーサー初のGI制覇を飾りました。その時のお話、今後のこと、女子レーサーについてなど色々とお話していただきました。
(取材日:2023年7月28日)
インタビュー / AKI
AKI:GI初優勝おめでとうございます!今のお気持ちはいかがですか?
佐藤:ありがとうございます!周りの方が「すごい!」「おめでとう!」と言ってくれて嬉しいですね。私自身も嬉しかったです。ただ、SGだったらもっと喜べたのかな、という風にも思えるようになりました。自分の中では、S-1(伊勢崎31期:青山周平選手)、S-2(浜松32期:鈴木圭一郎選手)がいない中で勝てた。誰でもチャンスがあるという中で勝てた、チャンスをものにできたというのは良かったと思います。ただ、やっぱりSGを獲るためにはトップの2人に勝たないといけないので、GIとSGの壁というのをなお感じましたね。あの2人がいなかったから獲れたのかな、とどこかで思っています。もちろん嬉しいんですけどね!今年は本当に調子が良くて、良い状態の時にグレードで勝てるか勝てないかというのは大事なこと。勝てたというのは大きいです。
AKI:優勝した節の車の状態はいかがでしたか?
佐藤:キューポラの時の消音マフラーは、6月末に優勝した時のマフラーとは違って正直厳しいと感じていました。準決まで1着は取れず。あまり良い感触ではなかったですね。セッティングを扱って少しずつ上向いてはいたと思います。後は、下周りを扱ったのも良かったと思います。準決と優勝戦に関しては、以前完全優勝した時のタイヤをはいて走りました。それも良かったですね。優勝戦までに全体的な上積みはあったと思います。
AKI:スタート自体はどうでしたか?
佐藤:スタートで良い位置に行けたのが大きかったですね。凄く良いとは言えないエンジンでもスタートで良い位置が取れれば展開は全く違うので。消音マフラーのスタートも最初に比べると失敗は減りましたね。宏和くん(浜松32期:鈴木宏和選手)が内枠にいたので、そのスタートに乗っていければ、と思っていました。先に行こうとは思ってなかったので展開は予定通り。私自身は良いスタートではなかったんですが、宏和くんが行ってくれたので良い位置につけれました。
AKI:その後、鈴木宏和選手を追う足というのはどうでしたか?
佐藤:多分、宏和くんが立ち上がりでがぶったか滑ったんですよね。失速したとこを捕まえられた感じです。全てはあそこですね。あれがなかったら絶対抜けてなかったです。もちろん気持ちは行きたいんですが厳しいと思っていました。自力じゃ抜けない感じ。エンジンは宏和くんの方が仕上がってましたし。本当にたまたま。相手のミスではあるんですが、そこを捉えられたのが1番ですね。その後、2番手に立ってから先頭に立つまでも時間がかかってしまって。高石さん(川口28期:高石光将選手)の車の状態も良さそうで、後ろにつけた時も最初は隙がありませんでした。慎重になりましたね。けど、その後先頭に立ってからは、抜かれないように走ることに必死。コースを守って。青旗の時に外から音が聞こえたので、懐しっかり取って最後は内に宏和くんが来ると思ったので内をしめて。上手くブロック出来て良かったです。
AKI:ゴールの瞬間というのはどうでしたか?
佐藤:「やったーーー!」という感じ。獲れるチャンスはあると思っていたので、獲れる時にしっかり獲れてホッとしました。ホッとしたという気持ちの方が大きかったかな。期待されてる事は分かってたので、優勝出来て安心しました。
AKI:SGのお話も出ましたし、周りの方からも次はSGという声もあると思います。
佐藤:んー。やっぱりSGはまだ遠いですね。今年はSG優勝戦で2着があったんですが、その時も消音マフラー。消音マフラーもあってか、エンジンが仕上がってるという人がいませんでした。誰が優勝してもおかしくないような感覚がありましたね。私もそうですけど、消音マフラーはまだまだ苦戦してる人は多いと思います。だからこそ、あの時は誰も仕上がっていなかったのでチャンスがあったかもしれません。普通マフラーになると青山くんとか手が付けられないくらいじゃないですか。差は凄く感じますね。
AKI:GIタイトルホルダーになりました、今後の目標は何か掲げているんですか?
佐藤:元々、目標を立てるタイプではなくて。SGを優勝するために何をするか、とかそこまで考えていません。どちらかというと、まずは目の前の一走一走をというタイプですね。ただ、トップ2人はとにかくストイック。とにかくずっと仕事をしています。本当にすごい事だと思うんです。ただ、自分は同じことをしてしまうと仕事に対する楽しさがなくなっちゃう気がするんです。私は仕事を楽しんでした方が結果に繋がるタイプだと思っています。開催も増えてきて、練習もすれば良いとは思っていません。集中力が大事だと思います。集中していないと上手く車をコントロールすることが出来ないと思いますし。女性の30歳を過ぎたら体力的にもピークは過ぎてると思うし、私は割とマイペースに。やる時はしっかり仕事に集中するというやり方です。このスタイルは20代前半の時とは違います。今は成績が良いからモチベーションを保ててるのはあると思います。ただ、1年前はずっと調子が悪かったんですが、メンタルだけは大丈夫でした。この仕事は一喜一憂し過ぎたらダメ。もちろん勝てたら嬉しいんですけどね。ダメな時はダメなことを引きずっても何も良くない。「そのうち良くなるか!」というスタンスで。もちろん部品交換とかいろんなことを試しますが、それでも悪い時は考えすぎても疲れるだけでダメなので、自分のペースで頑張ろうと思っています。
AKI:減量もかなり話題になりましたが、その後もキープされていますよね。
佐藤:そうですね。減量も結果成績に繋がってるかもしれません。体重だけでなく、体を動かすことによって気持ちも前向きになりますし良い方向にいきます。リフレッシュになって良かったかもしれません。全部が良い方向にいきましたね。最近は週1でトレーニングに行ってる感じでなんとかキープ出来ています。
AKI:最近は女子レーサーの活躍も目立つようになりましたが、佐藤選手から見てどう思いますか?
佐藤:私なんかは小さい頃からバイクに乗っていたので、オートレースの世界に入ってもクラッチ操作とか当たり前なことってあると思うんです。けど、バイクに乗ってこなかった女子選手が普通に走れてること自体凄いなと思います。みんなスタートも上手だし。男女の差はないって言いたいんですけど、どうしても筋力的に差は絶対にあるんです。スピードは出せるかもしれないんですけど、競走車を押さえるっていうのは、男性の押さえる力と女性の押さえる力の感覚は違うと思います。消音マフラーは特になんですけど、しっかり押さえないといけないんですよね。最近は慣れてきましたけど、手の力がなくなるくらいいっぱいになるんです。そう思うとやっぱり筋力は必要だなと凄く思うようになりました。女子選手のこれからの課題は筋力的な部分じゃないかなとも思います。もしかしたら、最近の好調の要因は筋トレをするようになって下半身のトレーニングが効いているのかも。車を押さえる力が上がって操作性が安定したことによって成績に繋がってるのかもしれません。1人で走る分には良くても、人を捌くとなると車を押さえて操作するというのが必要になる。女子レーサーって逃げたら速いと思うんですが、捌くとなるとまだまだ苦労してるイメージがあるんです。それって、車のコントロールが出来ていないからじゃないかな。そうすると車を押さえる力というのは絶対的に必要になると思います。逆にその部分ができるようになれば女子レーサーってもっと活躍できると思うんです。今は女子レーサーを教える側が男性で、その辺の教え方も男女の力の違いを考えていけないのかなと思います。日和ちゃん(伊勢崎35期:新井日和選手)なんかは、バイク未経験なのに凄くバイクの使い方が上手いと思うんだけど、まだコントロールが出来てないのかな?と思うところもあります。そこができればもっともっと上があると思います。十分上手なんですけどね。まだまだ女子レーサーが強くなる可能性は十分にあると思いますよ。
AKI:佐藤選手も追い付かれないように!ですね!
佐藤:そうですね。実際、女子戦とか多少意識しちゃうんですよね。みんなで一緒にレベルを上げていきたいと思っていますし、いずれ負けてしまう時がきてしまうとは思うんです。ただ、今はまだ女子No. 1でいたいなと思います。まだまだ負けたくないです。そういう点で、女子レーサーのレベルが上がってきてる事は良い刺激になってます。本当に。今の成績に影響してると思いますよ。日和ちゃんとか、翔子ちゃん(浜松35期:西翔子選手)とか本当に楽しそうに練習に行くんですよ。それは速くなるよなと思っています。そういう姿を見るとまた刺激になりますね。何年か前に女子戦をしてた時と今は全然違います。女子のレベルが全体的に上がってるのは間違いありません。業界全体が盛り上がって、その中で私が1番が良いです(笑)この負けず嫌いが1番の武器だと思います。
AKI:それでは最後に読んでくださった皆様にメッセージをお願いします。
佐藤:GI優勝が話題になって、新聞でも裏一面にしてもらったりして、オートレースを知らない人も「何これ?」と思うキッカケになったと思います。1人でもオートレースを好きになってくれる人がいたら良いなぁと思っています。ファンの皆さんは次のステップ"SG優勝"を期待してくださってる方も多いと思います。選手13年目でここからもっと上手くなるというのはなかなかできることではないと思いますが、自分ではまだ成長できると信じてやってるので、少しずつでも成長できるように、今よりさらに強くなれるように。"現状維持"の考えではそれ以下になると思うので"今よりさらに強くなる"を目標に頑張っていきます。そして、今回の女子レーサーGI初優勝で話題になって、「私もオートレーサーになりたい!」と思ってもらえれば。ちょうど38期の選手候補生も募集してるので、私を目標にと言ってもらえるようにこれからも頑張ります。
(写真の一部は川口オートSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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山陽所属の35期。2021年12月11日にデビュー。デビュー戦から3連勝と勢いを見せるが、デビュー3ヶ月後に落車。5ヶ月ほど離脱を余儀なくされました。しかし、1級車に乗り換えた3節目、7月15日に地元山陽でデビュー初優勝を飾りました。初優勝のこと、今後の課題や目標など、お話して頂きました。
(取材日:2023年7月25日)
インタビュー / AKI
AKI:初優勝おめでとうございます!お気持ちいかがですか?
永島:1番はホッとしましたね。今まで3回くらい優出したんですが全て準優勝だったので、また最後の最後でやられるんじゃないかと思いました(笑)やっと1回優勝できましたし、まずは優勝することが1つの目標だったので優勝できて良かったです。
AKI:優勝戦の節、初日は不安定な走路コンディションでの2着でしたが振り返っていかがですか?
永島:季節的にもよく斑走路を走らされてましたね。山陽は独特の斑走路になるので、2級車の時はコース的に厳しく上手く走れませんでした。けど、1級車になってからはだいぶ乗れるようになったかなと思います。インコースを使えるようになるので、内を走れるように練習してレースでも上手く走れるかなと思います。初日は緒方さん(山陽30期:緒方浩一選手)に負けての2着だったんですが、やっぱりすごいですね。
AKI:2日目は良走路でしたが、エンジン的にはいかがでしたか?
永島:あまりこれと言って"良い"という感じではありませんでしたね。後半垂れるし、タイヤも低く無理ができない状態でしたね。元々、1級車は練習の時からあまり良い感触は得られなかったんです。師匠の福永さん(山陽25期:福永貴史選手)にも「エンジンあまりでてないね。」と言われたりもしていました。自分自身まだ"良い1級車"というのが分からないので、練習を見てもらってアドバイスをもらいながらキャブを扱ったり整備をしたりしています。2級車に乗っていたので、1級車に乗るとどうしても速く感じてしまうんです。
AKI:練習での感触から、1級車デビューはどうだったんですか?
永島:1級車に乗り換えて2日間は雨だったんですが、湿走路は悪い感じはせず。2級車の癖でフワッと外に膨らんでしまったりはあったんですが、変に滑ったりもせず2日目は1着を取ることが出来ました。ただ、最終日の良走路はエンジンは進まないし、コースも定まっていないし、最後は2級車みたいな抜かれ方をしてしまいました。そこから、セッティングと走り方を考えて2節目に臨みました。
AKI:課題を考えながらの2節目、準決は惜しくも3着でした。
永島:その時は斑走路でした。まだ、インコースに自信がなく外を走っていたら、インコースの速い、岡部さん(山陽19期:岡部聡選手)や篠原さん(飯塚26期:篠原睦選手)に捌かれてしまいました。悔しかったですね。篠原さんから「ああいう走路は内走ってた方が良かったよ。」と声をかけてもらって、周りからも「練習あるのみだね。」と言ってもらったのでしっかり夕練をしてきました。やっぱりインコースを使えたら強いですよね。場合にもよりますが、内が乾いた時は内をしっかり走れるようになりたいですね。
AKI:そして、その次の節に優出。2日目の晴れは少し不安が残るレースになりましたが、優勝戦の日は試走からどんな感じでしたか?
永島:試走タイムを見たらみんなほぼ同じタイムで「これは逃げないといけない!」と一気にプレッシャーを感じましたね。けど、その分「試走タイムが出てるしもう逃げるしかない!」と覚悟が決まりましたね。
AKI:スタート振り返るといかがですか?
永島:2級車に比べたら全然良いですね!そつなく切れてる方だと思います。ドカ遅れもありません。
AKI:そこから6周回はいかがでしたか?
永島:もうドキドキでしたね。長かったです。周回盤は4周見てなかったんですが、パッと見たら「2」ってなっていて。「うわー。あと2周!!ここからが問題なんだよなー!!」と思っていました(笑)そこから、2周は人間の垂れもありました。乗る方もまだまだ全然ですね。6周回どう組み立てるかとか課題はまだまだですね。後ろの影も見えていました。ナイター照明は、どの角度からでも影が見えるので「やばい!また最終コーナーでやられる!!」と思いながら、「けど、1級車だから今回こそは逃げないと!」と思っていました。優勝戦の前に行ったリング交換が力強さに繋がって逃げることが出来ました。
AKI:整備を行っていたんですね!
永島:そうですね。1級車に乗り換えて6、7走していたので、底上げを狙ってリング交換を行いました。練習の感じも少しいいなという感触はありました。後は、タイヤをいっぱい探しましたね。雨おろしのタイヤで行こうとしたら跳ねてしまって。なので、優勝戦ということもあり取っておいた1番良いタイヤを付けて行きました。なので、エンジン、タイヤも良い状態で臨めました。
AKI:ゴールした瞬間というのはいかがでしたか?
永島:ゴールした瞬間は実感が湧かなかったですね。「あれ?に、逃げた??」という感じ。その後、2周回っている時に先輩方が祝福してくださっている姿を見て「あ。取れた!」とホッとしましたね。やってることはいつものレースと一緒なんですけど、出迎えてもらった時に「おめでとう!」と声をかけてもらったことが嬉しかったですね。
AKI:去年は怪我をして3ヶ月ほどレースから離れた時もありましたよね。
永島:ちょうど1年くらいに前に復帰前の練習参加で車に乗ったんですが「この先大丈夫なのかなぁ」と心配になりましたね。2ヶ月の入院もあり、"オートレースが出来るかどうか"よりもまずは"自分の足がちゃんと動くのか"ということから考えていましたね。ただ、今となれば右足じゃなくて良かったなと思います。右足だと復帰はもっと遅れていたと思いますし、踏ん張りがきかず車を上手く押さえられなかったかもしれないと。とは言っても、不安はたくさんありましたし、復帰前の練習でも上手く乗れず。そんな時に、師匠や周りの方に沢山助けてもらいました。怪我もあったので、整備のこと、乗り方、レースのこと、より一層厳しく指導していただいています。二度と事故が起きないように見てくださってるんだろうなぁと思います。その怪我もまだプレートは入っているんですが、普通にレースは出来るので落ち着いてはいます。
AKI:"優勝"という1つの目標をクリアしましたが、今後の目標はなんですか?
永島:もっとハンデを重くして、グレードレース常連になって、SGを目標に頑張りたいと思います。
AKI:今の1番の課題はなんですか?
永島:捌きも覚えていかないといけないですし、車を上手くコントロール出来てないので乗り方もです。その中でも1番は整備ですね。モータースポーツなので、整備は覚えていかなきゃいけないことがいっぱいあると思います。元々、ロードレースをしていたんですが、当時は「乗ることに集中しろ!」という感じだったので整備はほぼ出来ませんでした。けど、どうしたら良いかは分からなくても、セッティングの違いとか、乗った感覚というか、良い悪い、進む進まないとか、変化を感じることが出来るのでバイク経験は活きてると思います。
AKI:そのロードもオートレーサーになるために、という感じだったんですよね?
永島:そうですね。バイクに乗るきっかけは父の「バイクに乗ってみるか?」だったんですが、気が付いたら自分がガチになってた感じですね。レースをするようになったのは小学校6年生くらい。その後、オートレースの試験を受けられるようになった年齢ですぐに受けました。オートレーサーになるつもりでバイクに乗っていました。自分の将来の職業はオートレースと思ってやってきました。父の影響が大きいですね。オートレースも小さい頃から見させてもらっていたし、自分の名前の"潤太郎"は二田水潤太郎さん(飯塚3期:二田水潤太郎元選手)から頂いて父が付けた名前です。父が大のオートレースファンで息子ができたら"潤太郎"にすると決めていたみたいです。娘だったら"潤太郎子"だったらしいです(笑)
AKI:憧れて入った世界、オートレーサーになっていかがですか?
永島:思っていた以上に厳しい世界で大変なこともいっぱいあるんですが、成績が残ると楽しいですし、嬉しいです。他の職業とは違った嬉しさがあると思うので、やりがいのある仕事だと思います。夢にしてた仕事なのでオートレーサーなれて嬉しい限りです。
AKI:今後、どんな選手になりたいですか?
永島:お客さんがいてのオートレースなので、期待に応えられるように。悪くても3着以内、1番人気になった時はそれに応えられるような走りをして、コンスタントに成績を残せる選手になりたいです。
AKI:それでは最後に読んでくださった皆様にメッセージをお願いします。
永島:ここまで読んでいただきありがとうございます。1つの目標である初優勝を皆さんの応援のおかげですることが出来ました。まだまだですが、これから上位の選手を目指して頑張っていきたいと思います。これからも応援をよろしくお願いします。
(写真は山陽オート、川口オートSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
6月11日に伊勢崎オートで行われたGII稲妻賞。稲妻賞はだいたい梅雨時期に行われ、外来勢の斡旋は"湿走路の連対率が高い選手"となるなど雨巧者が揃います。そんな中、優勝を飾ったのは飯塚の荒尾聡選手。優勝戦では不安定走路を流石のテクニックで乗りこなし優勝。その時のお話をお聞きしてきました。
インタビュー / AKI
AKI:優勝おめでとうございます。優勝したお気持ちいかがですか?
荒尾:ありがとうございます。伊勢崎で優勝できたのは嬉しかったですね。伊勢崎での優勝は2回目。1回目は2010年のGIシルクカップ。それ以来の伊勢崎優勝でした。伊勢崎での優勝はこのままできないとさえ思っていました。地元の3枚看板、貢さん(伊勢崎22期:高橋貢選手)、清太郎(伊勢崎29期:早川清太郎選手)、周平(伊勢崎31期:青山周平選手)。ただでさえ強いのに地元ではさらに強さを増す。普通開催でも全然優勝できる気がしませんでした。なので、稲妻も優勝できる気配もなく。優勝できるなんてびっくりです。
AKI:稲妻賞の節を振り返ると、初日は4着でしたが車の感触はどうだったんですか?
荒尾:良くなかったかな。稲妻賞の前の山陽も同じ。自分が思うセッティングをしても思うように出ない。何をしても力が出ない感じ。そんな中、稲妻賞2日目に原因を見つけて。「これやっ!!」となりました。結果はカムに問題があって。交換してエンジンかけた瞬間から違いましたね、直ったって。そこからセッティングをしてエンジンは良くなりました。
AKI:良くない状態はいつからあったんですか?
荒尾:今年の初めからですね。去年のスーパースターは違うエンジンだったんですが、終わっても斡旋的に地元に戻れず。同じ車で走っていたんですがエンジン出ず。乗り戻ってから少しずつよくはなっていたんですが後一歩が足りない感じ。力がない感じですね。そこからカムの問題に気づいて良くなりました。自分の思うセッティングでエンジンが出だした、整備がしやすくなりましたね。上がりタイムも良くなって手応えは変わっていましたね。ただ、だからと言って"優勝できる!"という感じでもなく。優勝する!と思ってできるもんでもないし。なので、一つ一つのレースにしっかり向き合う感じ。そしたら優勝できちゃいました。
AKI:準決勝では金子選手(浜松29期:金子大輔選手)に敗れての2着で優出でしたが振り返っていかがですか?
荒尾:自分もエンジンは悪くなかったんで。大輔がかなり良かったんだと思います。後は、道中で自分がワンミスした時にやっぱり大輔がいて。上手かったですね。
AKI:優勝戦は雨が降ったり止んだりでしたが、雨巧者の荒尾選手はその辺りはどう感じていたんですか?
荒尾:んー。とは言っても、雨乗れる人が揃っていたからね。稲妻賞っていうのもあって。そんな中、優勝できたというのはさらに自信になるよね。内枠に雨メンバーがいたし。自分のスタート切って内がどこまで切れてるか、外がどこまで切ってくるか分からないし。朝練では全然ダメだったんですよね。乗れる気がしないというか。なので、優勝戦の前はセッティングをしてかなりエンジンをかけましたね。
AKI:スタート切って2コーナー立ち上がった時には3番手にいました!
荒尾:そうなんですよね。内に雨巧者も揃ってたし、道中インコースがカタくなるだろうと思っていたんで、セッティングをインコースより少し外したエンジン状態にしていました。結果的にそれが良かったのかな。
AKI:先頭立ってからはどうでしたか?
荒尾:先頭に立てればね、抜かれない自信はありました。なので、先頭に立った時は「抜けちゃった!!」となりました(笑)けど、そんな感じ。「頼む滑るなよ、滑るなよ、おおお、滑らんやった!やったー!」で先頭。その後、インコースをしっかり守って走れば抜かれない自信はあったので大丈夫と思っていました。
AKI:ゴールした瞬間はどうでしたか?
荒尾:「伊勢崎優勝しちゃった!」ですね、やっぱり。まさかまさかでした。
AKI:その後は表彰式、雨が降る中たくさんのお客さんが残ってくださっていましたよね!
荒尾:やっぱりうちわですよね(笑)伊勢崎YouTubeの企画で"荒尾うちわ"をこっそり作られていたんですが、その企画もあり準決勝がとにかく緊張しました。準決はクリアが最低でもノルマだなと。(内容は伊勢崎YouTubeでぜひ確認してくださいね!)そんな中、優勝は出来過ぎでしたね。自分のうちわをたくさんの方が振ってくれて嬉しいですよね。他場の選手なのにあんなに推してくれて。最高ですよね。ただ、顔がね!?もう少しあったやろってなりましたが(笑)結果的に優勝できたんで、清太郎と施行には感謝ですよね。お客さんと一体型の企画もすごく良いですよね。そういうのを飯塚のYouTubeでもしていきたいですね!もっともっとお客さんに楽しんでもらうことをしたいですね。
AKI:優勝、うちわ、と色々ありましたが、全体的に振り返ると稲妻賞いかがですか?
荒尾:楽しい!一種の祭りよね。結果、優勝までできて、ハッピーな節になりましたし、伊勢崎がさらに好きになりましたね!伊勢崎のお客さんも乗ってくれるし優しいです。
AKI:今年は3月に特別GIプレミアムカップを優勝し、6月にGII稲妻賞を優勝。良い流れがきていますね!
荒尾:そうですね。今後はグレードレースが続きますし。8月には伊勢崎でSGオートレースグランプリがあり、地元ではGIダイヤモンドレースがあるので、良い結果を残したいですね。
AKI:それでは最後に読んでくださった皆様にメッセージをお願いします。
荒尾:これからも一走一走を大事に走ります。応援よろしくお願いします!!
※写真は伊勢崎オートSNSより。
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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浜松所属の36期。デビュー戦から頭角を現し、デビューから約3ヶ月で初優勝を飾りました。初優勝のお話し、今後の目標や課題、オートレーサーを目指したきっかけなどお話していただきました。
(取材日:2023年6月10日)
インタビュー / AKI
AKI:初優勝おめでとうございます!
吉林:ありがとうございます!
AKI:優勝振り返っていかがですか?
吉林:ハンデ50mもらっていたので、優勝できるチャンスかなと思っていました。だからと言ってやることは変わらずいつも通り「一戦一戦勝とう!」と思って走っていました。
AKI:初めての優勝戦で初優勝となりましたが、緊張などはありませんでしたか?
吉林:緊張はありませんでしたね。予選も1着で車の感じも悪くなく。ただ、タイヤだけ決まらなくて、少し心配なまま優勝戦を迎えました。アーリーだったので優勝戦の時間がお昼ということもあり滑りが気になってタイヤがなかなか決まりませんでした。結局、良いタイヤがない中で選んで行ったんですが、試走から滑っていたし、スタート後の1~2コーナーも滑ってしまいました。雑な操作するといけないなぁという感じ。レースで自分の気持ちが上がるけれども、上がりすぎると滑りに繋がる。気持ちをどうコントロールするかが優勝戦の大変なところでしたね。
AKI:冷静ですね!優勝戦は緊張しなかったということですが、今までレースで緊張したことはありますか?
吉林:デビュー戦は死ぬほど緊張したんですが、それからは緊張というか気持ちが上がるというか、高ぶることはあるんですが緊張ではないですね。なので、優勝戦もいつも通り走れました。
AKI:気持ちを落ち着かせながら、タイヤの滑りを考えての6周回というのはいかがでしたか?
吉林:あとでリプレイ見て「後ろとはこんなに距離があったんだ!」と知りました。レース中は「いつ差されるんだろう!?」と聞こえもしてない音にドキドキしながら全力で走っていました。思った以上に集中していたんでしょうね。ゴール線切った瞬間は「勝った...?優勝した!?」という感じでふわふわしていました。ゴール後に2周ほど周回する時は噛み締めていましたね。「優勝したんだな、これで本当に優勝したんだ!」と。お客さんに手を振るのも感慨深いものがありました。嬉しかったですね。今は、優勝できて良かったという思いもありますが、ハンデが下がって捌いての1着と逃げ切っての1着は違うなと思うようになりました。捌いてからの1着の重みを感じています。なので、ハンデが下がっての1着は優勝するに近いくらい嬉しいものがあります。
AKI:デビュー戦からここまで良い流れでここまで来ているんじゃないですか?
吉林:いや~、デビュー戦はスタート後に上手く膝当てに足をかけられなくて「うわ~」という状態で走っていました。たらればなんですが、しっかり体制が整っていれば2着ではなく1着取れたんじゃないか、と思うと。あれは一生悔しいですね。ただ、次の日には1着が取れて、前日のこともあったしめちゃくちゃ嬉しかったですね。表にはあまり出しませんでしたが(笑)ただ、次の日には7着。上手く行かないなぁと思いましたね。本当に厳しい世界です。
AKI:そんな中でもコンスタントに1着を重ねていきましたが、何か掴むものはあったんですか?
吉林:掴めるもの、自分の力、と言うよりも全て師匠(浜松27期:木村直幸選手)のおかげですね。練習もたくさん見てくださって、いつも気にかけてもらっています。なので、師匠のおかげでここまで勝ち進んで来れたと思っています。師匠に「セッティング変えてみたら?」とアドバイスをもらって自分なりに変えて乗ってみます。その後、「乗った感じどうだった?」と聞いてくださって。師匠がタイムを測っているので、そのタイムと自分のフィーリングを照らし合わせて教えてくださっている感じです。たくさんコミュニケーションを取ってもらっています。
AKI:優勝してハンデが下がって、人を捌くレースも増えてきましたがいかがですか?
吉林:ようやく少しずつ勝てるようになってきました。気持ちも落ち着いてきましたね。それまでは「まずいな...。10mハンデが違うだけでこんなにも違うのか。」と。人を捲るのってすごく難しいなぁと思いました。まだ完全に掴めてはいないんですが、少しずつ掴めてきた気がするので、さらにオートレースが楽しくなってきました。凄く楽しんで仕事をさせてもらってます。
AKI:7号車から1着取ったレースもありましたよね?
吉林:ありました!スタートラインに立った時は「あ~~~。」って思いましたね。前に人がいすぎて(笑)試走も難しかったですね、上手く着いて行けませんでした。けど、逆に1番後ろになって楽しみになりましたね。「どこまで捌いていけるんかな?」と。スタートは2級車ということもあり他の選手において行かれましたが、想定内。そこから「よし、行くぞーーーー!」と言う気持ちで走っていました。結果的に1着取れたので凄く気持ちよかったですし、嬉しかったですね。タイヤもセッティングもマッチして、試走タイムから自己ベストも出ていて良い状態でした。
AKI:7号車から勝った節の次の節の川口でも着取りまとめていましたよね!
吉林:そうですね。けど、川口はセッティングがうまく噛み合わず、ナイターなのでもっとタイムが出るかと思ったんですが出ず。準決は3着で優出を逃しました。消音マフラーの影響もあったと思います。煽りも出て悩まされましたね。なので、最終日の雨は恵の雨でした。雨が好きと言うよりも川口の晴れが良くなかった分ですね。経験を考えると今は地元浜松が1番走りやすいです。ただ、今後は浜松アーリーも消音マフラーになるので対策を考えないといけませんね。やっぱり音が聞こえないので、エンジンが伸びてるのか伸びてないのかが判断しづらいです。この感覚的なところは身につけていきたいなぁと思っています。
マフラーの個体差によっては止まりすぎる症状も出てしまって。自分は止まりすぎるのはあまり好きではないものの、止まらないと曲がれないのでちょうど良いところを探すのが難しいです。
AKI:色々お話聞きましたが、今の自分の中での1番の課題はなんですか?
吉林:1番はスタートですね。2級車だから1級車に行かれて仕方がないと言うところもあるんですが、同期の栗原(浜松36期:栗原佳祐選手)や一期上の佐藤励さん(川口35期:佐藤励選手)は食われないじゃないですか。だから、食われない何かがあるんだろうと思うんです。なので、そのスタートを切れるようになれば次の展開も変わってくるはず。スタート行かれて弾かれてが1番無駄だと思うので、課題はスタートですね。
AKI:目標は考えてますか?
吉林:1戦1戦1着はもちろんなんですが、普通開催での優勝は目標ですね。ランクやグランプリなどポイントも大切になってくるので、アーリーではなく優勝戦に乗りたいというのはありますね。将来大きなレースに出たいという気持ちもあるので、普通開催でも優勝できるようになりたいなと思っています。
AKI:オートレースとの出会いはどういう感じだったんですか?
吉林:元々オートレースがあることは知っていたんですが、詳しくは知りませんでした。オートレーサーになれるという考えがなく。普通に働いていました。そんな中、転職という話が出る中で、会社の先輩に「オートレーサーってどうなの?」と言われたことで「そういう道もあるか。」と思って。その1年後に36期の募集はあったので受けてみようと思って受けてみました。バイクは元々モトクロスはやっていたんですが、本気でやってたのは高校生まで。全国回るような感じではなく社会人になってからは趣味程度でやっていました。バイクで食べていこうなんて当時は考えてもいませんでした。分からないもんですね。
AKI:実際に選手になってみていかがですか?
吉林:やりがいを感じますね。あとは、やっぱり自分は二輪が好きだし楽しい。危険は付きものですが、オートレーサーの道に進んで良かったなぁと思いますね。なので、転職は成功です!
AKI:地元浜松の先輩はもちろん同期もかなり速いと思いますがその辺り意識はしますか?
吉林:意識しますね。けど、おかげさまで慢心することがないですし、常にお手本になる人がいるので、敵対すると言うよりは見て勉強して自分にはプラスになるかなと思っています。ありがたいです。本当に環境が良い。師匠や周りの方に感謝ですね。
AKI:今後、どんなレーサーになりたいなど、理想の選手像はありますか?
吉林:イメージとしては、お客さんが買いやすい、「買っとけば来るよね!」と思ってもらえる選手ですね。それと自分としては、メンタルスポーツなので自分の気持ちをちゃんとコントロールしてレースに繋げられる選手になりたいです。安定した選手になりたいです。
AKI:ちなみに、車名の「アムラー」は安室奈美恵さんで合ってますか?
吉林:はい!安室奈美恵さんが好きなので。車名はすぐ決まりました(笑)小学校6年、中学1年くらいから好きなんです。なので、元気になりたい時は安室さんの曲を聴きます。気分が乗ってる時に聴くと乗りすぎちゃうんで(笑)めちゃくちゃ落ち込んでる時に聞くのは「Baby Don't Cry」です。後はシャッフルでいろんな曲を聴きます。
AKI:後一つ気になってることが...。特技の欄に「手でやる水鉄砲」と書いてあるんですが(笑)
吉林:あれは養成所のノリと言うか(笑)同期と特技どうしよう、と話し合ってる時に「直都よくお風呂で水鉄砲してるしそれで良いじゃん!」と言われて。そんな感じで自分は書いたんですが、みんな真面目に書いてて。「うわ、騙された!裏切られた!」ってなりました(笑)ただ、36期の中では1番飛ぶので特技です(笑)
AKI:それでは最後に読んでくださった皆様にメッセージをお願いします。
吉林:皆さんの応援のおかげで励みになってます。練習してる中でも応援してくださる姿を見るとモチベーションになります。その応援、声援を裏切らないよう、応えられるよう、一生懸命コツコツと練習して目標に向かって頑張るので、これからも応援よろしくお願いします。
(写真は、浜松オート、川口オートのSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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2023年4月11日、飯塚オートでデビュー初優勝を飾りました。怪我をして長期離脱を余儀なくされることもありましたが、それを乗り越え女子レーサー10人目の優勝者となりました。初優勝のこと、ここまでの選手生活、今後の目標や課題などお話ししていただきました。
(取材日:2023年5月15日)
インタビュー / AKI
AKI:デビュー初優勝おめでとうございます!
金田:ありがとうございます!
AKI:優勝した節の車の状態は良かったと思うんですが、改めて振り返っていかがですか?
金田:車の状態は良かったんですけど、有吉さん(飯塚25期:有吉辰也選手)とよく同じレースに組まれて毎回負けていました。だから「優勝は厳しいだろうなぁ」と走る前は思っていて。しかも、同期の落合(浜松33期:落合巧選手)もいて、「今回は落合かなぁ」とまで思っていました。大体、自分が走る時って状態面やメンバーを見てこうかなぁと思っているので、まさか優勝が出来るなんてびっくりしました。
AKI:ただ、エンジン状態を振り返るとかなり良い状態でしたよね?
金田:はい!今年に入って状態は良くって、大きなことはしていませんでした。いつも自分の整備は音を必死に聞いてセッティングを扱うことを繰り返しています。勝てない時はパーツ交換でどうとかではなく自分の技量不足なので、まずは整備で色々試しながら練習しながらという感じです。セッティングが合わないととにかく乗れないのでいつも必死。特に今時期とか季節の変わり目はセッティングがズレやすいじゃないですか。だから、初日からセッティングを扱うのに必死ですね。後はナイターも難しいです。ただ、消音マフラーは跳ねが治るので本当に良いです。今回の初優勝も跳ねなかったのが大きいですね。たまたまセッティングも合ってくれて。去年なんかは何をしてもセッティングが合わなくて迷子になってました。そうなると本当に乗れなくなります。ただ、今年に入ってからエンジンベースがずっと良いですし、色々試してセッティングも合うようになってきたのが大きいです。
AKI:整備的に何か良いところが見つかった感じですか?
金田:音とかも兄貴が(浜松28期:鈴木健吾選手)が色々教えてくれていて。自分の車と、健吾さんの車をかけ比べさせてもらったり一から教えてもらいました。そこから整備の方向性は本当に少しずつではあるんですが分かってきたかなという感じ。そして、その整備が当たれば走れるかなぁという感じになってきました。本当に少しずつですが分かってきた気がします。
AKI:最近は試走タイムも出るようになりましたよね!
金田:そうなんです!最初はあまりにも試走タイムがでず「試走やだ!」と思っていたんですが(笑)最近は試走タイムからしっかり出せるようになりました。
AKI:準決では同期の佐伯選手(山陽33期:佐伯拓実選手)が10m前にいて、2号車に金田選手でしたが振り返っていかがですか?
金田:周りには「どう捌くのかな?」とレース前に言われていました(笑)結果はスタートで叩く形になってびっくり。まさかスタートでかわせると思ってなかったので本当に良い展開を作れました。優勝した節はずっと後半レースを走っていて、今考えると流れがすごく良かったですね。昼の練習では乗りづらかったんですが、レースは夜の時間帯なので「昼間にエンジンが合わないのは当たり前!」と自分に言い聞かせて焦らないようにしていました状態が良いのはもちろん、後半レースを走らせてもらって、優勝戦は新人選手が前にいたのでロングハンデ戦になり。ロングハンデ線になるのは私にとってはラッキーでした。やっぱり後ろの選手には短ハンデ戦だとすぐに追いつかれてします。けど、ロングハンデなら後ろの選手がスタートで少し体勢を作りにくい分、自分にとってはラッキーですよね。レース道中も後ろが少しごたついたところもあって自分にとって良い流れが出来上がっていました。それでも、試走タイム3.33も出て手応えはありましたが、後ろが速いしスタートで角度があるとはいえ追いつかれると思っていました。自分の車も良いけど後ろも速いという感じ。なので、優勝できるという気持ちは0%でした。自分ではないな、と。
AKI:先頭に立ってからはどういう思いでしたか?
金田:後半は後ろの気配もないので「もうこのまま優勝させて!!」と思っていました(笑)「お願いお願い、来ないで!!!!!」という感じです(笑)必死でした。消音でエンジンの音も小さいので後ろが来てるかも分からないですし。けど、影は見えてなかったのでもしかしたらいないかもと。ただ、レース後半垂れるのが私なので気は抜けませんでした。「やばいやばいどうしよう。」という感じ。なので、リプレイを見返したら思ったよりも距離があったので意外でした。
AKI:ゴール線通過した瞬間はどんな気持ちでしたか?
金田:やった!抜かれんかったー!!と嬉しかったですね。ただ、すぐに優勝したという感覚はなく、インタビューしながらも「あれ、本当に優勝したのかな?なんでここに立ってるんだろう?」と不思議な感じでした(笑)その後、家に帰ってからも実感はあまりありませんでした。できると思ってなかったからこそ実感がなかったのかもしれません。気負わず臨んだ分「本当に優勝できたのかな?」という方が大きかったですね。今はだいぶ優勝したんだな!と思えるようになりました。
AKI:ここまで怪我も多かったですよね。
金田:そうなんです。怪我が本当に大きかったですね。本当に骨が折れやすくって。トータルでいったら選手生活の2年くらいは怪我で休んでました。なので、きつい時期もありましたし、なんでこんな危ない仕事してるんだろうと思ったこともありました。
AKI:それでも、とても憧れてオートレーサーになりたかったんですよね!
金田:はい!元々は実家が浜松オートの近くてエンジンの音がよく聞こえていました。けど、行ったことはなく。高校生の時に友達が行くと聞いてついて行ったのが初めてです。そこで、伊藤信夫選手(浜松24期:伊藤信夫選手)のファンになりレース場に遊びに行ったら絶対車券を買う選手でしたし、かっこいいなと思っていました。そこから選手の試験に受けようと思って。自分が受けたい時期はなかなか選手募集が行われていなくて、募集がかからないかいつも確認していました。1年以上待ちましたね。その間はトレーニングに励んで。スポーツジムで働いていたんですが、そのジムにトライアスロンのチームがあって、練習に混ざらせてもらって体力作りして試験に備えていました。怪我も多く大変な仕事には間違いないんですが、選手になりたい気持ちが強かった分今も続けられてるんだと思います。せっかくなったからにはそう簡単に辞められませんね。
AKI:デビューしてここまでどんな選手生活ですか?
金田:最近やっとオートレースをしてるって感じがします。最初は逃げるばっかりで、レースに参加というよりは逃げて捌かれるだけ。けど、最近は人を捌く位置からのレースも増えましたし、整備の面でもここを扱ったからこうなった、ここが良くなったというのが少しずつ分かるところが増えてきて面白くなってきました。
AKI:今の課題はなんですか?
金田:やっぱりハンデが下がったので捌きですね。混戦になると「近い!」ってなりますし、上手い人は冷静に対処するから凄いです。内外とどっちにも対応できる体勢をとってるのが凄い。私は「どっちかな?こっちじゃなかった、あっちだった!」と冷静に判断ができていません。今はエンジンは良い分、勉強して余裕を作っていきたいです。
AKI:スタートに関してはどうですか?
金田:周りには安定してきた?と言われるんですけど、自分の中ではまだ苦手意識があります。やっぱりスタート落車で怪我をしたので今でも緊張します。少しずつ安定はしてきたかもですがまだ気持ち的には、ですね。なので、しっかり練習してレースに臨んでいます。同じタイミングで切れれば枠は主張できるかな?ここは行かなきゃという並び、オープンの時とかはしっかりタイミングを攻めています。けど、これはいつかフライングに繋がるので、クラッチのセッティングだったり切り方をもっと上手くならないとと思っています。
AKI:初優勝後のSG開催では1着もあり、準決まで勝ち上がりましたよね!
金田:そうなんです。あの時も乗りやすくて車も良い状態でした。準決は雨で大敗してしまったんですが、勝ち上がれたというのは大きな経験です。それに、結果は大きな着でも苦手な雨でスタートしっかり切れたのは大きな収穫だったと思います。良い経験をさせてもらえました。
AKI:いろんな経験をしながら初優勝を決めましたが、今後の目標は考えていますか?
金田:自分は焦ってしまうのでこれといって目標を決めるタイプではないです。目の前のレースを勝つ、この一節を勝ち上がっていく、を目標にしています。なので、大きい目標は決めず、目の前のレースを一生懸命頑張るのが目標です。
AKI:それでは最後に読んでくださった皆様にメッセージをお願いします。
金田:いつも応援ありがとうございます。応援があったからこそ怪我を乗り越えることができました。本当にありがとうございます。これからも一走一走頑張りますので応援お願いします。
(写真は飯塚オート、川口オートSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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