1964年にデビューしてから半世紀以上、レーサーとして走り続ける鈴木章夫選手にお話を聞きました。
(取材日 11/18)
―まずは選手になられたきっかけは何ですか?
うーん、試験に受かったもんでなったんです。自分、オートレース知らなかったんですけど、受けてみたら受かったので。
―それまでオートバイには乗っていたのですか?
50ccのには乗っていました。
―選手になられてから長い時間が経っていますが、一番記憶に残っているレースとかありますか?
もう、長すぎてないよ。(笑)
―記念レースで初めて勝った時は?
ああ、嬉しかったですね。
―逆に苦しかったこととかはありますか?
そうですねえ、養成所がみんな厳しいって言ってたけど、自分はそんなに厳しくはなかったですね。
―レースするにあたって、日々取り組んでいることとかありますか?
それがないでね、まあ、歩いたりすることかな。それぐらいかなあ、まあ、昔は魚釣りとかいろいろやったんですけどね。最近は魚が釣れんもんで、昔はたくさんいたんでね。
―オートレースってある時期がくると、お弟子さんを持つことがあると思うんですが、その時ってどうだったんですか?
それは1回、弟子を持ったんですけど、辞めちゃったもんでね。
―どなたですか?
それは言っても分からないと思う。けっこう早く辞めちゃったんでね。なんで、そういう流れがないっていうかね、みんなみたいに系統みたいなのはないんでね。弟子取れば、またその弟子が弟子を取るんだろうけどね。でも、辞めちゃったもんで。
―普段、整備される時に仲間とかってのはどうなんですか?
まあ、近くにいる人が、手伝って欲しい時は手伝ってくれるけど、普段は一人でやってますね。
―エンジンに車名をつける時にこだわりとかあるんですか?
こだわりはないですけど、とりあえずは地名が多いですね。それと、呼びやすいというか、そういう名前があればそれにするし、地名でなければいかんとかではなくてね。
―ランギトトって車名の時もありましたよね?
あれも地名ですね。地図とか見て決めました。
―トマトトトマトってのもありましたね?
それは回文。
―今まで何度も乗り換える機会はあったでしょうね。
そうですね、だから車名ももの凄くあります。
―同じ公営競技のボートレースで高齢な方がいるんですけど、ご存知ですか?
うん、あのね、浜松で新聞に時々載るもんで、それを見て、やってる人いるんだなあと思って。
―意識とかはしますか?
それはないです。まあ、自分が辞めればその人が一番古くなるもんで、早く自分辞めた方がいいかなって思うぐらいで(笑)別に意識はしてないですよ。
―交流は?
ないですよ。
―改めて、ここまで選手生活を振り返って、思うところってありますか?
そうですね、いつ辞めようかと思って。
―お体が元気なうちは走り続けるのでは?
いやー、結局そのバランス感覚とかね、反射神経とかかなり落ちてるもんで、いつまで続けられるのかな、って程度で今ね。
―それでも今も走られているのは素晴らしいですね?
まあ、きついきついって言いながらずっとやってるけど、安全にっていうか、怪我しないように、それが一番ですね。
―これからも良いレースを見せていただければと思います。インタビューありがとうございました。
いやいや、こちらこそ。
(インタビュー取材・文 高橋英紀)
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大きな怪我から復活した永井大介選手。SG日本選手権を振り返り、年末のスーパースターへ意気込みを語っていただきました。
(取材日 11/20)
―まずは選手権お疲れさまでした。
ありがとうございます、なんとか頑張ってきました。
―復帰後の川口ではレース後半がきついと話されてましたが。
浜松へいって腰回りを修正して初日乗ったら6周走れて、とりあえず今節の腰回りはこれで固めようと。エンジンは川口でケースとかヘッドを換えておいて、初日は冷えてたのもあり1着が取れたしいいかなっと思ったんだけど、暖かくなってきたら、いい所がなくなり3日目は最悪の状態になってしまった。試走で青山(伊勢崎31期:青山周平選手)に7コも離されちゃってね。
―そこからマシンを立て直したんですね。
回転が上がるようにヘッド回りとかキャブをいろいろ調整して、4日目、準決勝と徐々に良くなって、久々に青山より出てる感じだったし、タイヤも良かったんだと思う。
―準決勝を1着でクリアして、枠番選択がありましたが。
2日目だったかな、1枠の日があったんだけど、時計の見える角度が変わるんですよ。ずっとセンターからタイミング的にも安定して切れてたから3枠にしました。一番先に選べたとしてもセンター枠を選んだと思いますね。
―そしてレースはナイススタートが切れましたね。
よーし!と思ったんですけどね、1周目の4コーナーかな、一発で青山に入られちゃって。付ける位置も難しかったし、エンジンも準決勝と違い勝ってる感じがなかった。浜松の最終レースはエンジンが変わりやすいんですよね。上積みを狙って初日のタイヤでいったんだけど、掛かりもいまいちでしたね。
―長丁場の10周戦でしたが。
やっぱり最後はキツかったですね。圭一郎(浜松32期:鈴木圭一郎選手)を突っ張ってたんだけど、10周1コーナーで目一杯抵抗しようと思って突っ込んだら、立ち上がり開けられなくて直線でカブせられちゃいました。それでも、スーパースターのポイントが取れたので、最高ではないけど、とりあえず良かったですね。怪我をしたときには考えられなかったですから。
―伊勢崎(SGオートレースグランプリ)で激しい落車事故でしたよね。
あれはヤバかったですね。内側で落車してるのが分かって、外へ開けて回避しようと思ったんだけど、自分ではどうする事もできなくて車が金網の方へ向いてしまったんですよね。
―その辺の意識とか記憶はあるんですね。
はっきり覚えてますね。最後までハンドルだけは離さないようにして。金網に突っ込んで、地面に叩きつけられたんですよね。すぐに目は開いたんだけど、呼吸ができなくて、ヤバイヤバイと。うなり声を出すように、ブオーっと息を吐いたら呼吸ができるようになったんですよ。ただ、痛すぎて動けなかったですね。
―診断の結果は。
胸椎圧迫骨折とあばらが左右1~2本折れてて、それと左膝の靭帯損傷ですね。あたりどころが悪かったら本当に危険でしたね。弟子の坂井が守ってくれたのかなって思いました。
―そして、年末の大一番、スーパースターへ向けてですが。
若い子たちの勢いが凄いから、年々厳しくはなるけど、もう一踏ん張りしたいよね。落車してから違和感があるハンドルの修正だったり、SGで通用にするエンジンに仕上げていかないとね。
―決定戦には残りたいですね。
去年はフライングしてしまい決定戦に残れなかったから、今年はなんとか最終レースを走りたいですね。ただ、乗るだけじゃなくて、センターあたりの枠順に入れるようにポイントも取っておきたい。嫁さんに、バーキンというエルメスのバッグが欲しい、と言われてるんですよ。人生一回しかないから、一個くらい持ってても良いんじゃないかと。次にSGを勝てたら買ってあげると約束してるので、なんとかプレゼントしたいですね。
―それは頑張らないとですね。
ですね、あまり待たせないように頑張ります。
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伊勢崎所属の35期。デビューして2年。9月川口オートでデビュー初優勝を飾りました。そして、そのままの流れで次の節の開催でも優勝。連続優勝を飾りました。初優勝は1号車からの逃げ、2度目は5号車から捌いての優勝。どんな優勝戦になったのか。お話していただきました。
(取材日:2023年11月24日)
インタビュー / AKI
AKI:初優勝おめでとうございます!初優勝を飾って今の気持ちはいかがですか?
菅野:ありがとうございます。嬉しいですね。けど、少し時間が経って今は壁にぶつかっている感じです。
AKI:初優勝の節を振り返って、車の状態はどうだったんですか?
菅野:あの時は同期の佐藤励くん(川口35期:佐藤励選手)に部品を貰って。それを入れて音をかけたら良い音が出ました。彼は凄いなぁと思いましたね。優勝できたのは80%彼のおかげ。20%が自分の力です(笑)けど、「この部品は試走3.29しか出なかった。」とか言ってくるのでプレッシャーもありました(笑)ただ、その部品を前検日に入れたらコロっと感触が変わって。もう全然違いましたね。エンジンが持って行ってくれました。
AKI:手応えがある中で勝ち上がりました。優勝戦緊張はありませんでしたか?
菅野:緊張はなかったですね。師匠の小田さん(伊勢崎26期:小田雄一朗選手)がいたんですが、"絶対に優勝したい!"という気持ちよりも"小田さんに優勝を見せてあげたい!"という気持ちの方が大きかったんです。小田さん喜ぶ顔をしてくれるので。なので、第三者的な感じというか緊張よりも"喜ばせたい"という気持ちが勝っていました。
AKI:緊張せずに走った6周回はどうでしたか?
菅野:いつもの6周回でした!(笑)2級車の時の優勝戦で加賀谷さん(川口27期:加賀谷建明選手)にやられて負けたこともあったし、絶対勝てるという感じもなかったので、いつもの逃げという感じでした。
AKI:最後の最後に池田選手(川口23期:池田政和選手)が追いついてきて接戦になりました!
菅野:際どかったですね。内から見えていましたし、これは差されるんじゃないかな?と思っていました。けど、自分はグリップを開けるしかないのであとはお祈り(笑)ゴールした時は差さってると思ったんですが、ビジョンをちらっと見たら自分が写っていたのでそこで優勝したかどうか判断しました。「あ、残ってたんだ!」という感じ。その後は、「あれ?この後どうするんだっけかな?どこで止まるんだろう?」と考えてました。「やったー!」よりもそればかり考えていましたね(笑)喜ぶ余裕がなかったんでしょうね。余裕がなくその後のことを考えだしてしまいました。「どうしよう、どうしよう。」と。
AKI:身内がすぐ集まってきたと思いますがどうでしたか?
菅野:その節自体に伊勢崎の選手は少なかったんですが、同期は沢山いましたし、小田さんが凄く嬉しそうにされていたので良かったです。自分より嬉しそうでした。
AKI:優勝の実感はすぐにわきましたか?
菅野:実感は優勝インタビューに向かう時に感じました。「優勝したんだな~」って。けど、優勝インタビューが終わってからは浸ることもなくすぐに次に切り替えてました。小田さんがよく言うんですが「この先の人生で何回走るのかを考えると、初優勝も大切だけどステップアップしていく内の一つだから。」と。優勝する前から言われていました。そのことをずっと思って走っていましたし、初優勝がハンデをもらっての逃げ展開。すぐ次に切り替えた感じでした。ただ、小田さんはそんなことも言いながらめちゃくちゃ喜んでくれました(笑)小田さん良い人なんです。
AKI:初のウイニングランはいかがでしたか?
菅野:帽子飛んで行きました!(笑)あとは寒かったですね(笑)けど、最後まで残ってくださる方が思ったよりもいて、寒いのに申し訳ないなぁと思いながらありがたいなぁと思いましたし、伊勢崎でもできたら良いなぁと思いました。
AKI:初優勝を無事飾りましたが、次の節には二度目の優勝を決めました。
菅野:川口での連続斡旋だったので何もせずに。エンジンを壊さないようにを考えて臨んだ開催でした。励くんの部品様様です。それくらい今まで乗っていたエンジンとの差があったということですね。凄く乗りやすかったです。
AKI:連続優勝は考えましたか?
菅野:あんまりでしたね。ただ、小田さんは凄く考えてましたね。その節も同じ斡旋だったので「おう、連続優勝気負ってるか?」と言われたんですが自分はそうでもなく。けど、「チャンスの時に優勝できることも大切なことだぞ。」とも言われましたね。ただ、自分は抜け出すまでにめちゃくちゃもたついてしまうし、ハンデも下がっていたし、B級戦ということもあって後ろからのレースだったので優勝は厳しいだろうと思っていました。
AKI:そんな中、捌いて優出を決めました!
菅野:準決が1番良かったかもしれないですね。いつもリプレイを見て「ここ走った方がいいよ」というアドバイスや指導を小田さんがしてくださるんですがその通りにできなくって。レースに夢中になっちゃうんです。そんな中、準決勝は7枠から。「車を内に向けられないならこのコースを走ってこい!」と言ってもらって冷静にいけたというか、内の選手を気にしすぎず、小田さんに言われたコースだけを考えながら走ったら前に行けたという感じ。なので「気づいたら捌けちゃった!」と言う感じでした。けど、言われた通りのコースを走れて捌けた良いレースだったと思います。レースも凄く集中できていました。
AKI:そして迎えた優勝戦。5号車からでした。
菅野:厳しいと思いました。結果的に勝てましたが、抜け出せちゃったと言うのが正直なところです。自分が通りたい道があいたという感じで、自分が綺麗に捌いたという感覚ではありませんでした。なので、「優勝できちゃったな~」という感じ。ただ、その時も小田さんはめちゃくちゃ嬉しそうでしたし、またしても自分より嬉しそうでした(笑)冗談まじりに「だいたい師匠がいない時に優勝するもんだぞ、これがオートのあるある。だから、お前は珍しいパターンだな!」と言ってたんですがそれすらも嬉しそうでした(笑)自分は小田さんがいる節の方が成績が良いので逆パターンですね。小田さんの心の広さに甘えてレースができています。良い環境を作っていただいています。そういうところに本当を感謝しながら、尊敬しながらやっています。
AKI:二度の優勝を一気に決めました。ただ、冒頭でもあったように課題があるということで。
菅野:そうですね。今は課題しかないですね。特に捌き。成績が物語っています。1番は競走車と競走車の距離感が目測と違います。試走タイムも出るようになりましたし、単騎、逃げはだいぶ自信を持てるようになったんですが、捌く時に「あ。やばい!近い!」と思っていてもリプレイを見たら全然で。他の車に寄せて走るのが上手い選手って沢山いると思うんですが、自分がそれが思ってるよりも寄せれていなくめちゃくちゃ遠い。そこのすり合わせが全然できてないですね。修正をしていかないと捌きにつながらないと思っています。
AKI:最近のエンジン状態はどうですか?
菅野:試走タイムは出るんですが好きな感じではないですね。試走もグリップで出しにいってる感じ。なので、整備面も考えないといけないなと思っています。ただ、自分はあまりセッティングで悩む方ではないです。練習に行って良い悪いというよりは音を聞いて「これ!」と思ったセットで行くと今のところ大きく外れたことはないです。最近は小田さんのエンジンもかけさせてもらって色々学んでいます。"この音"と固定されてしまってるところがあると思うので、今後はそこをもっと広げられると良いなぁと思っています。なので、この辺かな?というのはありますね。ただ、音を聴いて小田さんに伝えたいことがあってもそれが上手く伝わらないというか(笑)自分の表現はなんかズレてるみたいです。例えば、「エンジンがボワっとしてる。」とか自分は言うんですけど「なんだよ、ボワっとって!どこがボワっとしてるんだ!」と小田さんに言われます(笑)「お前の表現は全然人に伝わらない!」とも(笑)それでも小田さんは一生懸命読み解こうとしてくれます。めっちゃ良い人です。
AKI:感覚的なもの、音とかも分かるんですね!!
菅野:まだ勉強中ですけど、感覚的なものはありますね。あとは、励に言われてパーツを交換したりもします。パーツを貰うだけ貰って自分で何もしないのもあれだし、せっかく速くしてくれようと動いてくれてるんで、自分でかけられる所はかけて。この前は新品ヘッドを買いました。
AKI:まずは一つ初優勝というところをクリアしましたが、今後の目標とかは考えるタイプですか?
菅野:目標は特に決めないです。デビューする時に"2,3年後に優出"と考えていたので思ったよりもトントン拍子に来ています。なので、一走一走しっかり走って、課題をクリアしていく感じ。漠然と5年後にこうでありたいという考えは持って走っています。永島潤太郎(山陽35期:永島潤太郎選手)とかは元々バイクに乗っていて、ドンっと結果を出していますが、自分はそっちのタイプじゃないというか。ボワっと「5年後こういうところで走っていたい。」と思っているタイプ。なので、特に焦りもないですし自分のペースで頑張っていきたいです。
AKI:ちなみに、5年後のボワっとはどんなイメージですか?
菅野:同期がみんな速いので、そこに追いつけるように。周りの人にも色々やってもらってるので追いついていかないと、とも思っています。なので、同期と同じ舞台で走れるようになっていたいです。
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
菅野:川口で2節連続で優勝できました。次は地元で結果を出せるよう一生懸命走ります。応援お願いします!
(写真は川口オートSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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11月5日、浜松オートで行われた「オッズパークpresents SG日本選手権オートレース」で見事優勝を飾りました。意外にも浜松でのSG制覇は初!!どんな開催になったのか、年末に向けてもお話ししていただきました。
(取材日:2023年11月15日)
インタビュー / AKI
AKI:SG日本選手権優勝おめでとうございます!
青山:ありがとうございます!
AKI:6日間いかがでしたか?
青山:長かったですね(笑)あとは、伊勢崎の普通開催と浜松SGと休みなしだったからなおさら長く感じましたね。SG初日が終わって半分終わったなという感じでした。
AKI:その伊勢崎ではスーパーハンデで優勝しての浜松SGでしたが、エンジンの状態はいかがでしたか?
青山:初日は伊勢崎からそのままでもそれなりには動くかなという感じでした。あとは足回りの感触がいつもより良かったですね。浜松はいつもゴツゴツしてどうにもならない感じが、今回のSGでは軽減されていていつもより乗りやすさがありました。伊勢崎でした足回りの調整が良かったのか、タイヤをいっぱい当ててきたのも良かったのか、はっきりはしないんですがいつもの浜松よりは感触が良かったです。
AKI:2日目は篠原選手(飯塚26期:篠原睦選手)に続いての2着となりましたが、車の状態としてはどうでしたか?
青山:スタート行けなかったのと、捲れそうな感じもあったんですがエンジン的に足りてなくって前には行けなかったですね。初日からセッティングを少し変えて行って良いところもあれば良くないところもあり。やっぱりスタートも行かなきゃなと思う2日目でした。
AKI:3、4日目と1着でクリア、準決が永井選手(川口25期:永井大介選手)を捌けずの2着でした。
青山:永井さんのペースが速かったし、抜けそうで抜けないような、自分のエンジンが足りてないなという感じ。2日目の篠原さんの時と同じ感じというか、やっぱりちょっと足りてなかったですね。行けそうで行けないし、行ったらコーナー曲がれないなぁという感じ。
AKI:その状態で勝ち上がっての優勝戦。枠番選択でまさかの展開でしたね!
青山:5号車になるんだろうなと思っていたし、予選道中も外枠からしかスタートを切っていなかったので、優勝戦も外枠で良いやと思ってたんです。良いスタート切れれば良い位置つけれるかなと思っていましたし。そうしたらまさか1枠で。想定していた5枠から1枠になると時計の見える感じが変わってくるし、1枠は少しのミスや迷いが遅れに繋がるので、少し心配だったし不安だったのが正直なところです。なので、1枠どうかなと思いつつ、あの状況なら1枠行くしかないなという感じで1枠を取りました。
AKI:1枠が残っていく心境は手放しに「やった!」という感じではなかったんですね。
青山:「え、まじか?なんでみんな取らないんだろう?」という感じ。いざ取ると予選で一度も1枠からスタートを切っていなかったので、いきなり1枠はプレッシャーがありましたね。まさかあんな展開になると思ってなかったので、枠番選択会の時は「なんかすみません。」という感じでした(笑)不安はあったけど、みんな不安はあるし、どの枠でもまずはスタート切らないと行けないので。8割くらいしめしめという感じ、残り2割は大丈夫かな?という気持ちでした。
AKI:そんな中での優勝戦、トップスタートとはなりませんでした。
青山:準決後、朝練でもクラッチの整備を気にかけすぎて、色々やりすぎちゃったのが遅れに響きました。余計なことしちゃいましたね(笑)行かないといけないと思って考えすぎちゃいました。けど、結果的にはスタート後の1コーナーから2コーナーで2番手につけれたので問題はありませんでした。結果的に5枠ではなく1枠だったからこそ少し遅れても良い展開に持って行けたので1枠で良かったです。枠を利用できました。
AKI:そこからの10周回はどうでしたか?
青山:1周回で上手く体勢が取れて、すんなりと車の向きが変わるところが準決よりエンジンが良くなってる感じがありました。永井さんも1周回で捉えられたのが良かったですね。けど、みんな試走タイムが出てたし、自分のペースが上がる感じもなかったのでコースを守りながら走りました。いつものスタイルですね。
AKI:そして守り切った先頭。浜松ではSG初制覇だったんですね!
青山:本当にここ最近、去年の特別GIプレミアムカップで優勝してからですね、浜松で大きなタイトルを取れるようになったのは。2013年にGI、GIIは取れてたんですがそこから取れなくって。ただ、プレミアムカップが取れたからと言って、今回のSGで優勝できるイメージは全くありませんでした。思ったより成績も残せてないし、ゴツゴツとする感じもあって上手く合わせられない。苦手得意とかは特にないと思ってるので、エンジンの調整が合えばどこのレース場でも走れるとは思っています。それがたまたま浜松だと優勝ができないのかなって。あとは、浜松の斡旋回数がそんなに多くないので、走る回数分を考えると経験値的に足りないのかなと思ったりしています。そんな中、浜松で成績を残せるようになって、今回のSG優勝できて良かったですね。最高です!
AKI:優勝戦後の表彰式はいかがでしたか?
青山:正直勝手にアウェーな感じなのかなと思っていたんです。川口はそうでもないんですが、西はアウェーかなと。けど、実際は温かく迎えてもらえて「おめでとう!」と言ってもらえました。「あぁ、なんかもっと素直に喜ぶ姿を見せれば良かったな。」と思いました。はしゃいだら怒られちゃうかなと思っちゃったので(笑)けど、シャンパンファイトはいつやっても気持ちいいですね。なので、次浜松で優勝できたらもっとパフォーマンスできるようにしたいです!
AKI:前回のインタビューでは、今年の序盤はなかなか思うように走れなかったというお話がありましたが、夏からの勢いは良いですね!
青山:今年に入って上手く走れなかったし、2月のSG全日本選抜では準決で先頭を走るも3着まで後退してしまったり。我慢の上半期でしたね。その後、夏前にクランク変えてから徐々に良くなってきた感じ。後半は感じ良く成績が残せてますね。元々乗っていたクランクも実績はあったんですが、消耗品なので100%のパフォーマンスができなくなっていったんでしょうね。
AKI:乗っていてクランクを変えたら体感も変わっていたんですか?
青山:んー。正直乗っていて速い遅いは良くわからないんです。足合わせして、良いのかな悪いのかな?という感じなので1人で乗っている分には良くわからないんです。レースでも終わった後に時間が経ってから「ああだったのかな?こうだったのかな?」と。なので、レース中は自分を客観的に見れないというか。そんな感じがして。なので、今回のSG準決と優勝戦は自分の中ではそこまで感覚は変わらないけど、準決では抜けなかった永井さんが優勝戦ではなんか抜けちゃったという感じ。ということはエンジン良いのかな、という感じですね。なので、「今日これすごくいってるな!」という体感は自分はあんまり分かんないんです。「今日いってるな!」と思ったら全然出てないとかは選手のあるあるだと思います。思ったほど全然タイムが出てないとか。なので、試走の段階ではあまり分かってないんですが、SGは比較対象がいたので良い悪いがわかりました。
AKI:となると、レース前に「これだったら優勝狙えるぞ!」というような感じではないんですか?
青山:「今日はいけるな!」とかはあんまり思わないですね。考えてないと言えば考えてないというか。「今日はいけるな!」「エンジンいいな!」「今日は勝たなきゃ!」とかを考えすぎるとプレッシャーになって、冷静な判断ができなくなると思うというか。自分にあまり期待し過ぎず、平常心でレースができるようにしています。なので、試走が終わってからは、「あそこ扱ったのは失敗だったな。」「あれは良かったな。」とか自分のエンジン状態は考えたりするけど、レースの結果に関することは考えないですね。スタート行かなきゃとかは思うんですが、スタート後のことはあまり考えてなくって。優勝したい気持ちはもちろんあるし、自分が出来ることを発揮できるようにということを考えてます。その時のベストを尽くせるように頑張っています。
AKI:今回のSG優勝は年末のスーパースター向けて良い流れになりましたか?
青山:そうですね。悪いよりは良い方がいいですね。ただ、年末は消音マフラーになるから、経験値がだいぶ少ないし、去年も苦労したからどうかなって感じです。不安というか、自分の中で対策がないから未知数な部分が大きいですね。年末まで消音マフラーに乗れないので不安です。とはいってもやるしかないので。消音が大きなポイントになるとは思いますがやれることはしっかりして、見て勉強して備えたいと思います。タイヤも統一なのでしっかりあてて準備をしたいと思います。唯一スタートに関しての不安は今のところないですね。あとは、予選が4日間しかないのでそこでどれだけ合わせられるか。11Rと12Rは結構セッティングも変わってくるのでその辺も大切ですね。ここまで順調にこれているんで、年末まで油断せずスーパースターを迎えたいです。とりあえず目標は去年よりも今年、良い形で終われるように。去年が4着だったのでそれ以上の結果を残したいですね。そして、来年に繋げられるような5日間にしたいです。
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
青山:いつも応援ありがとうございます。これからもいつも通り一走一走一生懸命走ります。そして、いつも応援してくださる皆さんがいてモチベーションが上がっています。これからも応援お願いします。
(写真は浜松オートSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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いつもニコニコ、ちょっぴり天然な片野選手。みんなに愛され"リサマックス"の愛称でお馴染み!その片野選手が9月18日の飯塚ミッドナイトで念願の初優勝を飾りました!デビューから10年、どんな優勝戦、どんな想いだったのか、今後の目標などお話していただきました。
(取材日:2023年10月20日)
インタビュー / AKI
AKI:デビュー初優勝おめでとうございます!!
片野:ありがとうございます!!!あんなタイミングで出来るなんて。全然成績が良くない時にポンっと取れた事が今でも不思議です。最初に優勝が決まった時はとにかくホッとしましたね。あとは、いつもの1着と同じような感じ。実感の湧かない1着、優勝でした。
AKI:お話にも上がりましたが、なかなか苦しいレースが続いてましたよね。
片野:そうなんです。最近は本当にボロボロで。優勝した後も全然勝てなくて。本当にあの節だけでした。今年の4月に飯塚で落車してから、立ち上がりでグリップを開けても進まない。とにかく車速がないという状態。そんな状態で優勝した節の初日もボロボロ。引きちぎられて7着。とりあえずやれることからやろうと思って、川原さん(川口26期:川原剛選手)と話し合いながらエンジンを扱って。扱ったと言ってもセッティングの範囲内。そうしたら少しずつ上向いて。2日目は上がりタイム3.4台が出てまず一安心。そして、1番すごかったのは3日目ですよね。ヘッド周りを少し扱ってレースに行ったら上がりタイム3.413!本当に少しだけしか扱ってないので驚きましたし、試走3.41だったのでお客さんには本当に申し訳なかったです。まさかあんなタイムが出るなんて。周りの選手に「リサマ、タイムギリギリだったぞ!3.413!」と言われたんですが、冗談だと思って「そんな出てないですよー!」なんて言ってたら本当に出てて。「えぇ!?」と驚きました。周りにいじられてるだけだと思ってたので(笑)なんであんなに出たのかは今でも不思議です。
AKI:ご自身の体感的にはどうだったんですか?
片野:確かに体感はいつもよりも競走車が寝てる感じはありましたが、そこまで乗りやすいわけでもなく。ただ、車速はいつもより出てる感じはありましたし、とにかく突っ込みでクルマが寝てる感じがありました。あとは2日目はずっと後ろの選手の影が見えてる気がして。本当はいないのに(笑)余計に必死に走っての3.413だったのかもしれません。
AKI:そんな状態で迎えた優勝戦はいかがでしたか?
片野:いつも優勝戦は緊張しちゃって。しないようしてても緊張するし、周りの方にも「いけるぞ!」と言われることもあって。けど、初優勝した時は自分に「優勝した!」と暗示をかけていました。「もう優勝したから緊張することないじゃん!」と言い聞かせていたんです。そうしたら不思議と緊張しなくなって。まさか本当に優勝出来るとは思っていませんでした。今回で21回目の優出だったみたいなんですが、そんなに優出してて優勝出来ないって!と思いましたね。ここまで色々ありましたが、今回は「優勝した、優勝した」と自分に言い聞かせて落ち着かせたことが良かったみたいです。みんなには「その時の流れがあって取れる時は取れるんだよ。」と言われ続けていました。そして、みんなが言う"優勝出来るタイミング"が分かりました。
AKI:優勝戦、スタート振り返っていかがですか?
片野:あの時は隣の野田さん(浜松24期:野田光宏選手)のスタートが良くて。練習でもいつも先行されていたんです。だから、優勝戦前にクラッチを扱って練習して。自分が納得するまでタイミングも練習していったらレースもそのタイミングで切れて。練習の甲斐がありました。
AKI:先頭を走り続け、最後は角南選手(山陽27期:角南一如選手)が迫っていましたが気づいていましたか?
片野:実はずっと影だと思ってて(笑)2日目のことがあったので影は見えるけど気のせいじゃないかな?と思ってたんですが実際は後ろにいました。本物の影でした(笑)
AKI:ゴールした瞬間というのはどうでしたか?
片野:ホッとしたというのと、周りを安心させることが出来たのかな?という感じ。以前、優勝戦の最終回で雅人さん(川口28期:中村雅人選手)にやられた時があったんですが、黒岩さん(川口26期:故黒岩明選手)が自分以上に悔しがっていて。なので「今回優勝出来て喜んでるかなぁ~?」とか思っていました。派閥のおかげでもあり、黒岩さんのおかげでもあり、本当に皆さんのお陰ですね。
AKI:優勝戦後のウイニングインタビューでは「涙が出るかと思っていましたが出ませんでした!」と仰っていましたよね。
片野:そうなんです。嬉しいがすごく出ちゃって。あとやっぱりホッとしたのが大きかったです。レース後にInstagramを見たら摩弥さん(川口31期:佐藤摩弥選手)が泣いたと知って。もし摩弥さんが同じ開催にいたら泣いちゃってましたね。レース後はみんなが喜んでくれて。おめでとうの連絡もとにかく凄くて通知が止まりませんでした(笑)最近連絡をとってなかった人からも連絡が来たりとか。一生分のおめでとうをもらった感じですね。
AKI:初優勝が飯塚オートとなりましたが、飯塚のイメージはどうなんですか?
片野:飯塚は好きなレース場です。2級車の時から良いイメージで、タイムも出ていました。1級に乗り替わっても相性が良くて。そこで優勝できたのも嬉しかったですね。
AKI:デビューから優勝まで10年は長かったですか?
片野:長かった...(笑)けどあっという間のような。今まで何回も優勝のチャンスがあったのになんで今回なんだろうと思います。調子が良い時で「チャンスだよ!」と言われた時に優勝できなくって、凄く悪い状態の時にポンっと優勝できることは本当に不思議です。優勝した後も悪く本当に謎。けど、11月、12月とまた飯塚で走るのでそこで良くなるように整備を進めたいと思っています。
AKI:片野選手は元々バイク経験者ですよね?
片野:そうです。バイク経験でいったら12、3歳から乗ってるので17、8年も乗ってます。ずっと走ってずっとレースして、モータースポーツ漬けですね。人生の半分はバイクに乗ってます。バイクの前は空手やバスケもやってたんですが続かなくて。唯一続いたのがバイクだったんです。ハマってさらに職業にまでなっちゃいました。
AKI:オートレーサーを目指すようになったきっかけはなんだったんですか?
片野:オートレース自体は中学生の時に図書室の教員にオートレースの話をされたことがあって。FAXで選手の応募書類をもらったんです。けど、当時は実際にオートレースを見たことがなくどんな競技かは理解していませんでした。2回目は高校卒業した後、ロードの監督に「オートレーサーの募集やってるよ。やってみたら?」と言われて。そこから実際に船橋オートに見に行ったんです。その時に丁度穴見さん(山陽12期:穴見和正選手)がレースをされていたんですが、1人だけロードみたいな走り方をしていて!みんな重心が外なのに穴見さんだけ内、コースもインだし、それで速いし。穴見さんのインパクトがとにかく強かったです。そこから受けてみようと決めて受けてみたらまさか1回で受かってびっくり。自分から自発的に、というよりは周りの方に道を作ってもらった感じです。高校生の時に「白バイ隊どう?」と言われたこともあったけど学力も足りないし、自分の性格じゃ絶対取り締まれないです、弱いから(笑)なので、オートレーサーになれて良かったです。ここまで10年、一度も辞めたいと思ったことはないですし、やっていくものだと思っていました。バイクを始めたきっかけは親だったんですが、バイクを乗ることも、学校以外の友達もできていくことも楽しくって。世界が広がっていく感じですね。レースも周りの友達も好きで。そして、今はオートレーサーになって。オートの世界は体育会系で上下関係も厳しいですし、浮き沈みもある。そうなると自然と鍛えられますよね。新人のころはとにかく必死すぎてあまり覚えてないです。今思うと本当に大変でした。けど、だからこそ自分が成長できたと思います。きつい事があっても「これしかない!」という感じでしょうね。オートレーサーになれて本当に良かったです。あとは、お客さんにお金を賭けてもらうっていう今までにない感覚。ロードレースも自分だけじゃないんですが、またちょっと違うというか。お金を自分に賭けてくれてるっていうのは、やっぱりプレッシャーにもなります。みんなそうだと思うんですが。
AKI:その人気に応えての初優勝でしたね!
片野:本当によかったです!!船橋の頃からずっと応援してくださる方もいますし、応えることが出来て嬉しかったです。毎年目標は「優勝すること!」と言っていたので達成できてよかったです。
AKI:そうなると次の目標です!
片野:普通開催で優勝することです!みんないる前で優勝して、お客さんの前で表彰式をしたいです。また頑張ります!!まずは今の良くない状態から抜け出せるようにとにかく手を動かします。
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
片野:みなさんの支えがあってやっと優勝することが出来ました。今回はミッドナイトで優勝したシーンを見せられなかったことは残念ですが、SNS等でお祝いのメッセージを頂いてとても嬉しかったです。やっと皆さんに恩返しができたかなと思っています。最近調子が悪いんですけど、また元気なレースが出来るように手を動かして頑張っていきますのでこれからもよろしくお願いします!
(写真は飯塚オートレースSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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