川口所属の35期。2023年1月7日にデビュー初優勝完全Vを飾りました!試走タイム3.30から大逃げ。1番人気に応えての優勝!初優勝について、選手になるきっかけ、いろんなお話をしてもらう中で、小椋選手の意外な素顔が見えてきました。
(取材日:2023年2月17日)
インタビュー / AKI
AKI:デビュー初優勝おめでとうございます!初優勝を決めたお気持ちいかがですか?
小椋:ありがとうございます!安心したというのが1番大きかったですね。自分は全然結果を出せていなくて、師匠(川口26期:山際真介選手)と色々相談しながら走っていたんですが、なかなかうまくいかまくって。8着ばっかりとか、3連単に絡めないとか。試走タイムが出てもレースはボロボロというのがずっと続いていました。お客さんの期待を裏切ることが自分の中ですごく焦りになっていました。なので、優勝できたということは少し自信にも繋がって安心しました。
AKI:川口は去年の12月から全レースが消音マフラーとなりましたが、消音マフラーに関してはいかがですか?
小椋:以前川口で何度か乗ったことはあったんですが、12月が久々の消音マフラーでした。消音マフラーは2級車に合いやすいと言われていて、自分も乗りやすさは感じていました。それから年明け最初の開催、優勝する1節前にエンジンを乗せ替えていました。以前、本田さん(川口34期:本田仁恵選手)が使っていたエンジンでそれがすごく良くって。最初はセッティングが合ってなかったのでそこから試行錯誤をしていったら最終日に1着が取れました。そもそものエンジンのベースが良かったんだと思います。合わせていくとどんどん良くなっていきました。そのまま連続開催でナイトレースだったんですがそこから3連勝。そこからトントン拍子に優勝することが出来ました。
AKI:優勝した節は初日から感触は良かったんですね!
小椋:そうですね。全然違いました。とにかく乗りやすくていつもより安心して走れていた感じです。けど、自分はすごくネガティブで準決勝戦も「勝てるわけないだろうなぁ」と思い力を抜いて臨みました。ぎりぎりではあったんですけど、準決を1着でクリアして「えぇ!!!!?優勝戦!?まじか!!」と自分で驚いちゃって(笑)「私が乗っちゃっていいの!?こんな上手くいっていいの!?」と自分が1番信じられない状態でした(笑)本当にエンジンが良かったんでしょうね。
AKI:そして迎えた優勝戦、コメントでは一睡も出来なかったとお聞きしました。
小椋:全く、ほぼ一睡もできない状態でした。優勝戦は雲の上の存在といういか、自分は一般戦Bの人間だったので「優勝戦!?本当に!?」という感じ。寝たら夢が覚めちゃうんじゃないかと思っていました。そのまま寝れず。ナイトレースなので優勝戦まで時間があったんですけど、とにかくおどおどしてしまって。師匠にセッティングをレースのぎりぎりまでどうしようと悩んで一緒にエンジンをかけてくれました。とにかくどうしよう!となってる私を見て師匠が「落ち着け。」と声をかけてくれました。最終的に師匠がエンジンの音を聞いてくれてセッティングを決めました。本当に手取り足取りでたくさん教えてもらっています。
AKI:優勝戦の試走タイム3.30と好タイムでしたね!
小椋:いやー、本当にエンジン様様です。セッティングを少し変えていったらグリップを開けやすくなって、奥まで突っ込んでも怖くないエンジンになっていました。これは乗せ替えてからずっと思っていたんですが、パワー、トルクがあって、重い音で進んでくれて乗りやすく走りやすいエンジン。試走タイムを見た時は「絶対測り間違いだよね?」と思いました(笑)そんなわけないだろう!と。今までは3.3台の試走を出すのがいっぱいだったので驚きました。3度見くらいしちゃいましたね。
AKI:試走を見た後、ピットの中ではどんな状態でしたか?
小椋:完全に固まっちゃってて。人気になっていると思っていたのでそこで緊張しちゃって。もうドキドキでした。試走終わってレースぐらいが気持ち的には良かったですね(笑)あの発売時間がきつかったです。緊張のままスタートラインに立ったんですが、1度目は治親さん(川口29期:青木治親選手)のフライング。自分はそこで気持ちが一度リセットされたというか、ガチガチのスタートの中フライングがあって「ここで一回落ち着こう!」と走路を1周出来たのがよかったです。パニック状態だったのがリセットされた感じ。2回目のスタートは落ち着いて切れました。いつもスタートタイミングは13くらいのイメージで切っているんですが、優勝戦の時は03で「あ、フライングしたー!!」って思ったんですけど、赤ランプは付かず「あれ?行っていいの?」となりました。
AKI:スタート決めて独走でした!
小椋:そうですね。本当にエンジン様様ですね。6周回は強烈に長かったです。「まだ終わらないの?まだ終わらないの!?」という感じ。さらに、消音マフラーで音も聞こえず、ナイトレースでモニターも付いておらず。なので、ずっと真後ろに選手がいると思っていました。「絶対くる、次のコーナー絶対来る!」とずっと思いながら。フルストレスな6周回でした(笑)ゴール戦を切った時も本当に信じられないような。「え?本当に?私1着!?」とよく分かっていない状態でした。
AKI:信じられない中での優勝。その後、周りに選手の皆さんが集まってきたと思いますが、どんな感じでしたか?
小椋:その状態でも「え、優勝、、、?」という感じで(笑)けど、やっぱりいろんな選手の方が「おめでとう!」と声をかけてくださってすごく嬉しかったですね。自分は1着回数も少ない方で、あまり「おめでとう!」と声をかけてもらうことすら少なかったので慣れてないというか。あんなに沢山の方に声をかけてもらえて本当に信じられない状態でした。
AKI:優勝を実感したのはいつ頃ですか?
小椋:家に帰って自分の優勝がネットニュースになっているのを見た時ですね。「あぁ、本当に勝ったんだ、すごっ。」となりました(笑)上がりタイムも3.387も自分でびっくりしました。
AKI:女子選手デビュー初優勝最短記録(1年0ヶ月30日)を更新しましたがいかがですか?
小椋:エンジンが良くて、セッティングやいろんなものが重なって優勝したと思っていて。新井(伊勢崎35期:新井日和選手)とかは実力的に本当にすごくて、この記録と自分の実力は見合ってないと思っています。そんなに実力もなくたまたまころっと勝てちゃったとしか思っていないです。なので少し複雑です。
AKI:そんな風に感じていたんですね!もちろんエンジンもですが、乗り手がいるからこそだと思いますよ。
小椋:本当にネガティブなんですよね。よくないんですけど"自分なんて"と思ってしまうところがあって、私でいいのかなぁという感じです。
AKI:ただ、一つ優勝というのは自信に繋がった部分もあるんじゃないですか?
小椋:そうですね。自分自身、今は安心して走れています。上がりタイムも安定してきたので本当に良かったなぁと思っています。
AKI:元々バイク経験がありましたよね?
小椋:はい、ロードレースをしていました。3歳からなので19年くらいです。6、7歳の時に川口のキューポラ杯のポケットバイクのイベントに出させてもらって。その時のお客さんに衝撃を受けました。もちろんお金を賭けてるというのは当時はわからなかったんですが「あんなに応援してもらえるって凄い!」となりました。なので、入りはオートレースというよりもお客さんの雰囲気、熱い応援の感じが凄く好きで、"ここで走りたい、オートレーサーになりたい!"と思うようになりました。ロードレースを続けていたのも、オートレースの試験で特例にかかりたくてやっていました。けど、自分の実力では特例に引っかからず。ただ、特例に引っかからないかもと思っていたので、高校卒業してからは整備士の仕事をやっていました。とにかく受かりやすいように整備士の免許を取って3年くらい整備士をして試験を受けました。そして、試験に受かってオートレースの養成所に行きました。
AKI:それこそ新井日和選手は整備が遅いから「頑張らないと」とご本人が仰っていたんですが、小椋選手は整備の面で分かる部分もあり選手になってからもプラスポイントになっているんじゃないですか?
小椋:それでもまだまだですよ。器具は知ってはいましたが競走車の整備は養成所に入ってから習ってという感じなので、自分も整備は出来ず覚えるのも遅い方。なので、事前に少しでも勉強しておいて良かったと思いました。同じ0からのスタートだったら絶対について行けてなかったと思います。それに、今は新井もすごく整備が早いですよ。
AKI:ただ、オートレーサーになるために色々行動に移していたというのは素敵ですね!
小椋:とにかく試験に落ちたくなかったんですよね(笑)絶対オートレーサーになりたいという思いがあったのでなんとか頑張りました。
AKI:夢を叶えて選手になった今、夢の舞台で走っていることをどう思っていますか?
小椋:もうとにかく嬉しいです。そして、私の名前が入った応援タオルとかを振ってくださる方を見ると凄く嬉しいです。厳しい言葉すらも嬉しいんですよね。熱い気持ちで応援してもらえていると思うと。自分のレースじゃない時も、走路の近くで観ていて歓声が上がると鳥肌が立ちます。「凄いな〜!やっぱ良いなぁ〜!!」となります。上手くいかずキツイと感じる時もその歓声やお客さんの姿を見ると頑張れます。お客さんが好きで憧れた世界なので、お客さんに助けられながら走れています。
AKI:そうなると、初優勝は無観客レースでしたが、次は有観客で優勝してウイニングラン、インタビューとお客さんの前にいきたいですね!
小椋:そうですね!お客さんの声を色々聞けたら嬉しいなと思います。
AKI:今後の目標は考えていますか?
小椋:目標はあんまりデビュー当時から変わっていなくって。1番人気になっている時にしっかり勝てる選手になりたいなと思っています。もちろん、試走が出てない時も頑張るのは当たり前なんですけど、1番人気にしてもらった時はその期待に応えられる選手になりたいと思っています。それがベースになっていますし、"1番人気"というのを見るとすごく嬉しいし頑張ろうと思えます。お客さんあっての仕事ですし、自分はお客さんが好きでこの世界に入ったので、1番人気にしてもらったからには1着を取りたいですし、お客さんの思いを裏切りたくないと常に思っています。常に自分の目標はここにあります。単純にバイクをいじって走るということも好きですし、試走が出て人気になるということが自分のモチベーションになっています。選手になってから好循環でここまできていると思います。
AKI:それこそ、初優勝の時は1番人気に応えての1着でしたよね!
小椋:そうなんです。ナイトレースでお客さんはいなかったんですけど、人気になっててお客さんが画面越しでも観てくれてるんだと思うとすごく感動しました。1番人気っていうだけで嬉しくなっちゃいます。なので、これからも、1番人気の時はそれに応えられる選手になりたいというのが目標です。
AKI:今の1番の課題はなんですか?
小椋:乗り方ですね。ロードの乗り方、体が内側に入っちゃっていて。その乗り方がすごく嫌で色々試行錯誤しています。今は、腰回りを師匠と全く同じ、少し小さくした感じにしていて。乗り方も真似していてコピーしようとしています。まだ自分の色、乗り方が出来ていません。なので、師匠みたいに綺麗に乗れればと思いながら色々やってみています。師匠の乗り方がすごく綺麗で、何から何までお手本にしています。人としても学ぶことしかないですね。本当に凄いです。師匠みたいに乗りたいです。今はまだ2級車で修行期間。もう少しで1級車の練習も始まって、ようやく同じラインに立てるのですごく楽しみです。
AKI:お話を聞いているとすごく充実した選手生活になっていそうですね!
小椋:今はとにかく楽しいです。バイクのセッティングをして良くなったと感じたことがレースでも一致してきて。バイクをいじるのもすごく楽しいです。今までは分からずレースに行っていたことが分かりだして、結果も出てきて本当に楽しく、充実しています。優勝してからも着はなんとか取れていますが、エンジンありきなので今のうちに実力をつけていきたいです。
AKI:それでは最後に読んでくださっている皆様にメッセージをお願いします!
小椋:自分の目標は1番人気を裏切らないこと。お客様に応援してもらっている限り、常にいい走りが出来る様に頑張ります!
(※写真は川口オートFacebookより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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2022年の大晦日。スーパースター王座決定戦で見事優勝に輝いた鈴木選手。6年ぶりのスーパースター制覇となりました。その時のお話、選手10年目となる今年、変化してきた気持ちなどお話してくださいました。
(取材日:2023年2月20日)
インタビュー / AKI
AKI:スーパースター王座決定戦、優勝おめでとうございます!お気持ちいかがですか?
鈴木:ありがとうございます。スーパースターの優勝は6年ぶり。トップスタートからの逃げだったので嬉しかったというよりも長かったという感じです。
AKI:川口は去年の12月から新走路になり、スーパースターが新走路一発目のレースとなりましたが感触はどうでしたか?
鈴木:新走路もなんですけどレース自体間隔が空いてしまって、スーパースター用の統一タイヤも当てられていませんでした。というのも、山陽でタイヤを当てようかなと考えていたんですが、その山陽がコロナで欠場になってしまって。何も準備ができていない状態でした。なので、スーパースターは整備日にエンジンどうこうよりもタイヤをホイールにはめる作業、当てる作業から始まりました。そして、当ててみたタイヤは全部悪くて。エンジンもタイヤからなのか分からないんですが感触が悪く感じて。前検日にもタイヤを当てるも悪くて、エンジンの整備を始めました。非常に悪い状態で、そのままレースに行ったら試走タイム3.35とかいう感触しかなく。なので、下回りをして、実績のあるヘッドとシリンダーに交換しました。替えたら「まぁレースになるかなぁ?」というところまで初日の朝練で持っていくことができました。タイヤもそこそこ使えそうな物が見つかって、初日はそのタイヤで行きました。そしたら、スタートも良く、そのまま逃げる展開で上がりタイムも良く。その前の日までは試走3.35という状態だったので良くなってくれてホッとしましたね。
AKI:スーパースター始まるまではかなり厳しい感触だったんですね。
鈴木:今回は良いところ優勝戦残れれば良いなぁくらいの感じでした。けど、初日になんとか形になって、2日目も外枠からスタートかまし切ることはできなかったけど、前の松尾さん(山陽26期:松尾啓史選手)に近づく感じもあったし、大きな整備をするような悪い状態じゃないなと思いました。逆に何をしようかなといった感じ。そこまで悪くもないし、パーツも替えるほどでもなく、別のところで消音マフラーに合わせていきたいなぁという感じでした。そのままリング交換くらい、あとはヘッド周りの調整くらいで4日目まで走りました。
AKI:4日目は4着と連を外しましたが、その時はどんな状態だったんですか?
鈴木:スタートも切れず展開も悪く4着。タイヤも初日のタイヤが使えるな〜というレベルで他に良いタイヤがなく。色々乗り比べてはいたんですが、4日目はタイヤが良くなかったという感じもありましたね。エンジンももうひと仕上げしないと優勝は厳しいなという感じでした。なので、メタルを交換して、軽さが気になったので重さを出すために下回りのパーツを交換、タイヤは初日の物に戻して行きました。スーパースターの統一タイヤは自分は良くなかったですね。ほぼ全部外れという感じ。乗り方などでタイヤの使い方が違って合う合わないがありますからね。
AKI:優勝戦はどこの枠を取るのか気になっていたんですが、4日目と同じ3枠。驚きました!
鈴木:いろんな思いがあって3枠になったんです。自分、負けた枠で勝ちたいと思うところがあって。リベンジというか、4日目に3枠で負けたので3枠で勝ちたいみたいな。あとは、インタビューでも言ったように、川口の2枠はスタート空回りしやすい感触があったということ。そして、3枠でSGを獲っていない枠、と主に3つの理由で3枠になりました。あとは、青山さん(伊勢崎31期:青山周平選手)の隣は嫌だとか。スタート展開的に考えて隣だといつも通りのレースになってしまうので1人挟みたいなという感じでした。色々重なって3枠を取りました。結果良かったですね。ただ、イメージした展開ではなかったです。スタートは3番手発進の想定でした。
AKI:トップスタートというのは考えてなかったんですね!
鈴木:全然、全く考えてなかったです。自分のありったけの力でスタートを切っているんですけど、枠なり行けたら良いなぁという感じでした。なので、スタート後の景色は想定外でした。「ここから10周長いな...」と。最初に周回盤を見たのが4周目。「まだ4周かぁ。」という感じ。そこから残り1周までは見なかったんですが、とにかく自分を信じてグリップを開けて走るという感じでした。走ることに集中ですね。
AKI:長い10周回になりましたね。
鈴木:長かったですよ〜。けど、スーパースターを取るのが6年ぶり、獲れなかった5年間を考えたら疲れは吹き飛びましたね。やっぱり優勝した方ができなかった時よりも疲れないです。やってることは同じですから、優勝してもできなくても。あとは、今回がスーパースター初優勝と思っていて。初めて獲った時は事故レースだったんで複雑な思いもあり気持ちくもなかったのでカウントはしてないんですよ。だから、初めて清々しく新しい年を迎えられたなという感じでした。
AKI:表彰式はどんな思いでしたか?
鈴木:人数制限もされていてお客さんは少ないのかな?と思いながら表彰台に向かったんですけど、かなりのお客さんがいて、寒い中残って下さっていて本当にありがたかったです。スーパースターだからと他のSGと特に変わりはないんですが、初日からSG優勝戦のようなメンバーで8周回あるし疲れる開催。なので、優勝という形で締めくくれたのは気持ちいいですね。
AKI:表彰式では少し目がうるっとしているような、していないような感じがしました。
鈴木:泣いてないですね。寒かっただけでした(笑)泣くかなと思っていたんですが、夢の中にいるような感じで現実味がありませんでした。疲れすぎてなのか、前日に負ける夢を見たからなのか分からないんですが、そこまで現実味がなく泣けませんでした(笑)夢では想像通りの展開で3着でしたね。3番手発進の3着で負けるという。そうならないようにと思って本番はスタート3番手から捌くイメージいこうとしたんです。が、そのイメージも使うことなく優勝しちゃいました。
AKI:3枠でもSG制覇を成し遂げましたね!
鈴木:そうですね。本当は1枠を取りたかったんですが先に取られて、いつもだったら2か4枠のところ。赤は競走車の青と合わないから好きじゃないんですよね。けど、色々重なって「今回は3だろう!」と思って3枠を選びました。自分でもびっくりするくらい上手くハマりましたね。
AKI:去年はSGオールスターも獲り、No. 1にも返り咲きましたが、どんな1年でしたか?
鈴木:パッとはしてないかな。運もありましたね。怪我もしなかった。落車もしたけど怪我をしなかったので運は良かったかなと思います。No. 1に返り咲いたのも運ですよね。青山さんが事故した分のマイナスがあって、自分は事故しなくって。来期は逆で、青山さんが事故せず、僕が事故をしてしまってのポイント差。成績的には良くもなく悪くもなく、安定はしていたなと思います。
AKI:No. 1が奪われてしまいましたが、そこへの意識はどうですか?
鈴木:一つ目指せるものがあるから、逆に良いのかなと思います。目標は昔から立てないから、自分を頑張らせるものが一つでもあればやる気は出てきます。なので、No.2になることもNo. 1を目指せるという良い意味で捉えて頑張っていきたいですね。
AKI:トップを見てきた圭一郎さんですが、モチベーションを保つのはどうされているんですか?
鈴木:どうしているんですかね?どうもしてないんですよね(笑)負けず嫌いというか、負けた後のレースって勝てるんです。なので、モチベーションを保つのは負けることっていたら変ですけど、負けた分強くなれる感じがします。負けたら次はこうしようとなるところがモチベーションですかね。あとは妥協ができないんです。ある程度で勝てるかもしれない、トップクラスの選手からも「そのくらいの状態があれば優勝できるんじゃない?」と思われるのかもしれない。整備をすることもダメな方に行く可能性もあるのでリスクはある。でも、それが分かっていても気になるところがあればそこを直さないと気が済まないというか。そのままレースに行って負けた時の悔しさは整備をやって負けた時の倍以上あるので、そこは絶対妥協したくないです。やって負けたら仕方ないと。あとは、ある程度で勝てても気になるところがあるのにやらなかったら"サボってる"という感覚になっちゃうんですよね。自分だけの感覚なんですけど「少しでもやることあればやれよ!」って自分自身に言っちゃうんです。元々の性格もありますが、選手になってからこの感覚は増したと思います。あとは、出走表もモチベーションのひとつですね。自分の中でやりたいことのひとつに"出走表の連対率を良走路、湿走路共に100%にしたいんです。なかなかできないんですけど1回、1日だけできた日があって。毎朝出走表を見て「下がったな、上がったな」と思っています。単なる自己満足というか趣味の世界なんですけどね。
AKI:今年に入ってからのレースは優勝戦2着が続いていますがどう感じていますか?
鈴木:やっぱ悔しいですよね。しかも、ぎりぎり2着。もうちょいの所で優勝できていない。けど、今はこの焦るところを焦らないようにいきたいと思います。メンタルは元々強くなくって今も強い方ではないんですけど、去年の10月から朝お風呂に入って体を温めてからレースに行くようにしたんです。そしたら全く緊張しなくなりました。冷えて体も硬くなっていたんでしょうね。しっかり体を温めてから整備を始めるようになりました。
AKI:レース前、緊張されていたんですね!
鈴木:緊張しますよ。緊張というか不安というか。それが最近はだいぶなくなりました。選手10年目だからなのか、朝風呂が効いているのかちょっと分からないけど(笑)落ち着いてレースに臨めるようになりました。
AKI:ここまでの10年間を振り返るといかがですか?
鈴木:あっという間でしたね。10年経ってる感じがしないですね、まだ3年くらいの気持ちというか、新人みたいな感じです。新人も出てきましたがいつも通り負けないよう頑張るだけですね。どんなレースも負けないように頑張るだけです。
AKI:少し前の圭一郎選手と言えば「絶対負けないぞ!!」という気持ちが溢れている印象でしたが、少し雰囲気が変わりましたか?
鈴木:それは辞めました。事故になるから。自分が怪我しなくても、他の人が怪我しなくても響きますね。他の人に迷惑かけると悔しいとは違うメンタルの辛さがあるので事故だけは避けたいです。きっかけは去年のGII若獅子の準決です。前のハンデの選手に対して気を使いながら走らなきゃいけないところを後ろから追突しちゃうというのは良くないですし、No. 1がやってはいけないことだなという反省がありました。なので、落ち着いてレースをしていきたいです!
AKI:それでは最後にファンの方にメッセージをお願いします。
鈴木:1人でも自分の車券を頭で買ってくれているという気持ちを持ってどんなレースでも真剣に取り組んでいます。信頼してくださる方は是非買ってください。
先日、浜松オートのSGで見事優勝!今年のスーパースタートライアル戦1番乗りとなりました!連覇となるか!?今後の走りにも注目です!!
※写真は川口オートSNSより
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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昨年末のガールズ王座決定戦では危なげなく勝利!女子レーサーの中で圧倒的な強さを見せつけました。しかし、佐藤選手は去年の9月ごろまで成績は低迷。なかなか活躍が見られない時期が続きました。しかし、調子を取り戻し"強い"さとまや"が帰ってきました!年末までのこと、ガールズ王座への思い、今後目標など、お話ししていただきました。
(取材日:2023年2月18日)
インタビュー / AKI
AKI:年末のガールズ王座決定戦、1着おめでとうございます!
佐藤:ありがとうございます!
AKI:年末の舞台までの状態を振り返っていかがですか?
佐藤:去年の11月に行われたSG日本選手権が年末の王座決定戦トライアルに向けてのラストチャンス。準決勝戦まで行くも結果は3着。レース後はすごく悔しかったですね。けど、それまでの不調を考えるとSG準決勝戦での3着は去年の中では好成績だったので、悔しい中でもまだこれからチャンスはあるのかなと思える開催だったので良かったです。選手権が終わってガールズ王座の方に出場が決まって、そこからは「ガールズで勝とう!」と気持ちに切り替えました。やっぱり取りこぼしたくはないなと思っていましたし、負けられないなぁと。もちろんレースなので何が起こるかわかりませんし、絶対はないんですけど。後は賞金の50万が欲しいしというのと副賞のルイ・ヴィトンの鞄も欲しいなと思って。そっちの方が気持ちは強かったかもですね(笑)人間の心理って面白く、賞金の方が全然高いのに副賞がお得な感じがしちゃって欲しくなりました(笑)
AKI:ガールズ王座は一発勝負。復調してきていましたが、新走路、消音マフラーというのはどう感じていたんですか?
佐藤:心配はそこだけというか、車の調子はタイムも出てきて落ち着いて走れば勝てるかなと言う自信はありました。ただ、新走路も消音マフラーも苦手なのでどうなのかな?と。それが不安要素ではありましたが、ガールズ王座の前に新走路、消音マフラーで走ってみて、想像よりは乗れるという感触があって。飯塚の新走路の時は千切られまくって8着とかでみんなに心配されるくらいでした。そこまでだったらやばいなと思っていたんですけど、川口の新走路は接地感がないけど飯塚の新走路よりは乗れるなという感じ。少し安心しました。
AKI:迎えたガールズ王座ですが、試走タイム3.30でした。手応えはいかがでしたか?
佐藤:感触は良かったですね。前に日和ちゃん(伊勢崎35期:新井日和選手)がいて、試走では2級車ということもあり上手く車間が取れなくって。ただ、そこまで影響なくしっかり3.30試走出たかなという感じ。本番もミスなく走れれば大丈夫かなという感覚はありました。レース直前は緊張しなかったですね。むしろ、開催前の方が不安というか、勝ちたいというよりも「勝たないとまずいかな。」というプレッシャーがありました。周りにも「ガールズ頑張れよ!」だったり言われました。気にしないようにしていたんですが、周りにプレッシャーをかけられたという感じ。頑張れは良いんですけど"余裕だな!"と言われちゃうと「そんな甘くないですよ。」というか。去年、ガールズ予選走ってみて、自分の調子が良くなかったのもあるんですけど、2、3年前の頃とはレベルが違うというか、女子のレベルが上がってきているなというのは感じていました。なので、"絶対勝てる!"という自信はなかったですね。ただ、試走終わった後は緊張しなかったです。スタートラインに立った時も冷静に1コーナーの状況把握をしながらしっかり走ろうと思っていました。
AKI:結果的にレースはぶっちぎりの競走になりましたね!
佐藤:仕掛けが早かったですよね。安心というか、先頭立てて良かったですね。ゴールした瞬間もホッとしたという方が大きかったと思います。後は「ヴィトンゲット!!」となっていました(笑)
AKI:レース後はウイニングランや表彰式もありましたがいかがでしたか?
佐藤:ゴールして1周回った時もファンの方が祝福してくれている姿が見えて嬉しかったです。試走も上がりも良くって次の日からも戦えるという感触があったのも良かったですね。
AKI:シリーズ戦の予選に入ってからの動きはどうでしたか?
佐藤:2日も2着が取れて予選突破が見えてきたのもあるんですが、そこで満足せず準決のために3日目はセッティングを試して行ったんです。消音マフラー特有なんですが、ちょっとセッティングを変えるだけで動きが大きく変わっちゃう。3日目は悪い方にいってしまいました。なので、準決では戻して。1着で優勝戦に進ことが出来ました。
AKI:優勝戦では準決勝で争った黒川選手(川口33期:黒川京介選手)との戦いになりました。
佐藤:そうなんです。優勝をすごく意識したレースになりましたね。チャンスはあるなって。正直、黒川くんが優勝戦の朝練で落車していたのでレースではノーマークでした。クロちゃんは厳しいだろうなと思って。なので、そのクロちゃんに負けたのはもう凄いなというか、感心しちゃいました。ビジョンも見ていましたが、すぐ後ろにクロちゃんがいて。自分が少し滑り出していて、最後グリップを開けられなくなったところを捲られちゃいました。悔しいですけど、タイムも出ていましたし、滑らしたりとミスはあったにしてもあの展開でクロちゃんに負けたというのはクロちゃんが凄かったという感じです。本当はガールズ王座とシリーズ戦で優勝できたらカッコよかったんですけど。当日は流石に悔しかったですね。
AKI:ただ、長く苦しい時期を乗り越えて、去年の終盤から状態は良くなってきましたね。
佐藤:そうですね。1年ぐらいは苦しかったですね。一昨年SGオールスターで優出してからパッタリでした。去年の9月に優勝するまで1年ちょっとですね。優勝した後は優出もたくさんしてグレードも優出して。なので、ランクは上がると思っていたんですが、昨日(2023年2月17日)のランク発表を見て「こんなに!!?」となりました。S級の20~30位くらいと思っていたのがS-14だったのでびっくりしましたね。「おおおぉ〜」となりました。今は最重ハンデの中でもインコースからのスタートで正直楽していたんですけど「あー厳しくなるなー!」という気持ちが大きいです。練習でインコースだと先行できる選手も外からスタート切ると枠を残されてしまったり、外のコースは本当に厳しいですね。4月からは試練です。でも、こうやって調子が上がっているうちに外で走れるのは良いことです。なので、今の良い状態を維持しつつ頑張っていきたいです。
AKI:今年も2月が終わろうとしていますが、何か目標とかはありますか?
佐藤:決まった目標は決めないタイプなんですけど、怪我しないで走りたいですね。実は今年は厄年で。占いとか良いことしか信じないタイプなんですけど、5歳からバイクに乗っていて骨折したのが厄年だけなんですよ。だから、厄年にビビりまくって厄祓いに行ってきました。なので、調子が上がってきたからこそ気をつけたいです。ランクが上がって位置も厳しくなって、厳しいところを入っていかないと勝てないのは分かっているんですけど、怪我とか事故したら意味がないので、そこは調子に乗らずに落ち着いたレースを心がけたいです。とにかく怪我のない1年にして、成績もついてきたら良いですね。後は、去年優勝してからパーツはほとんど替えてないんですが、今後は大きなレースも続いてくるので何か動き出そうかなと考えています。新品のパーツも準備していきたですね。怪我なく良い状態をキープして、またSGの優勝戦に乗りたいというのは目標としてあります。
AKI:佐藤選手は課題とかあるんですか?
佐藤:課題だらけですね。本当は大きなコースを回ってスピードを出したいとか思いますが、乗り方とか十数年やっていると変えるのが難しいんですよね。本当はそこも挑戦しなきゃいけないと思うんですが、元々がドドド持ちで、ドドドがある中で外回っちゃうと上手く走れず。後は減量してドドドがくる頻度が上がりました。重さの問題、前後の比重の問題でしょうね。浜松とかはハネがきやすいです。川口だと新走路、消音マフラーだとだいぶマシだったんですがくる時はすごく跳ねちゃう。その辺りが今の課題ですかね。
AKI:それにしても10キロの減量はすごいですね!!
佐藤:後はキープできるかどうかですね。最近は食べてしまったのでまた頑張んないと。実際減量して車の進み具合は変わったと思います。もちろんエンジンも安定して良いんですけど、エンジンがダメな時もダメな割に直線は伸びてくれるなと感じます。みんなにはエンジンすごく出ていると思われています。良いんですけど、2年前のめちゃくちゃ良い時と比べると全然なんです。けど、これだけ成績が良くなっているというのはそういうことだと思います。元々減量しようと思った理由は"洋服をおしゃれに着こなしたい"だったんですけど、結果として仕事にも良い影響があったので最高です。なるべくキープできるように頑張ります。
AKI:最近、新人選手が入ってきていますが、どうご覧になっていますか?
佐藤:浜松の新人やばいですよね!デビュー節で試走3.30って凄くないですか!?みんな優秀です。こわ!(笑)2級の内は捲られたくないな〜。佐藤励くん(川口35期:佐藤励選手)も今は2級車なのでスタートで食って勝てているんですけど、1級車になったらペロリと捲られちゃうと思います。それに、また37期養成所の合格発表でましたよね!みんな若い!ってなりました。もう最近は若いだけで羨ましいと思っちゃいます(笑)私も10年前は若かったたんだけどな(笑)
AKI:それでは最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。
佐藤:ずっと調子が悪い間も変わらず応援してもらって嬉しかったです。またSGの舞台で活躍している姿を見せたいと思っているので変わらず応援してもらえると嬉しいです。これからもよろしくお願いします。
(写真は川口オートSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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浜松所属の35期女子レーサー。モトクロスから転向しオートレーサーに。1月に1級車に乗り換え、その節に初優勝!初優出、初優勝を飾りました。初優勝のお話から、西選手の考えかた、求める高さが見えてきました。
(取材日:2023年1月12日)
インタビュー / AKI
AKI:初優勝おめでとうございます!
西:ありがとうございます!ハンデが最重ハンから40m前での優勝。1級車に乗り換えて初めての節だったんですが、2級車の時とハンデが一緒でした。初日は自分にプレッシャーをかけてしまって。"このハンデで1級車なら勝てないとおかしいよね"と思ってしまっていました。けど、2日目以降はタイヤ探しに必死になってそんなこと考える暇もありませんでした(笑)
AKI:1級車の感触というのはどうだったんですか?
西:練習は地元の開催が少なくてなかなかできませんでした。乗ってはいたんですけど、跳ねていたみたいで。自分では気づいてなかったんですけど、師匠の松山さん(浜松26期:松山茂靖選手)が練習で後ろを走ってくれた時に「あれじゃ練習にならないよ。」と言ってくれて。なので、初日は勝たないとと思いながら不安も沢山ありました。
AKI:ただ、初日から試走タイム3.32を出して1着でしたよね!
西:そうですね。試走では2級車のようにコーナー突っ込んだら曲がりきれなくって。3.36くらいだろうなと思っていたら3.32も出ていて「1級車ってすごいな〜」と思っていました(笑)直線が全然違いますね。まずは初日1着とれてホッとしました。
AKI:準決勝では試走タイムを少し落としましたが、あの時の車の状態はどうだったんですか?
西:準決自体が10、11回目くらいだったんですがいつも準決で負けていて。自分の中で準決が鬼門、その緊張から前日あまり寝られませんでした。試走タイムを見て色々考えちゃうタイプなんですが、先輩から「力を抜いて走った方がいいよ。」とアドバイスをもらっていて行ってみたら思ったタイムが出なくて。それでも「落ち着けば大丈夫」とピットの中で言い聞かせて準決に臨みました。結構心配性で。モトクロス時代からそうで「100%大丈夫、しっかりやってきた!」と思わないと行ける!と思えないタイプです。その点、同期の新井(伊勢崎35期:新井日和選手)とかはメンタル強いと思うんです。そういうところは自分にはないのですごいと思います。
AKI:鬼門の準決を突破した時の気持ちはいかがでしたか?
西:2着ではあったんですけど優出が決まった段階で、次節はハンデが10m後ろに下がるだろうと思っていたんで、優勝戦ももちろんなんですがハンデ下がることがすごく楽しみと思っていました。やっぱり人を抜くっていう展開の方が楽しみという気持ちが大きかったです。
AKI:優勝戦は試走タイム3.32と初日同様に好タイムでしたが、手応えはいかがでしたか?
西:優勝戦は信夫さん(浜松24期:伊藤信夫選手)がいて優勝は厳しいと思っていました。山浦さん(浜松29期:山浦博幸選手)や平塚さん(浜松31期:平塚雅樹選手)とかも上がりタイム3.3台が出ていて、厳しいかなと思っていました。けど、その中で自分のベストを尽くそうと思っていたら逆に緊張しなくなって。もちろん優勝したいんだけど、どこかでまだ私には足りてないという気持ちがありました。結果的にはそれが良い力の抜け方になったんだと思いますし、いまだに優勝出来たことが不思議な感じもあります。
AKI:そんな中で迎えた優勝戦はどうでしたか?
西:本当は大きなコースを走ろうと思っていたんですが、ハネがきてそこからタイヤが滑ってと大きなコースを走れなくなっていました。なので、最後はコースが小さくなったんですけど、師匠には「あれは1級車のコースだったよ。」と言ってもらえて。ただ、自分の中では守りに入っちゃたんでそこが気になりましたね。耐え抜いたというレースになったので悔いが残る優勝戦になりました。なので、優勝自体は嬉しかったんですが、「やったー!」という感じではなく、ハンデも前だし、自分が思う試走タイム、上がりタイム、レース内容では無かったので課題が残る優勝になりました。なので、ゴールした後、先輩とかが集まってくれた時に管理の方に「もうちょっと喜んだ顔してください」と言われました(笑)ただ、勝てる時に勝てたというのは良かったと思います。優勝は運も関わってくると思いますし、「いくらハンデがあっても、チャンスを逃さず勝てたということは良いことだよ。」と周りに言ってもらって。確かにそうだなぁと思いました。
AKI:負けず嫌いというか、自分が納得して勝たないと、という感じなんですね!
西:負けず嫌いというのは最近言われるようになって「これが負けず嫌いか!」と気づきました(笑)モトクロスの前は陸上をやっていて、個人競技ばかりなんですがその時からこの感じが普通だったので負けず嫌いと意識していませんでした。自分の中のハードル、求めることが高いんだと思います。それが普通と思って生きてきたけど実は違ったというのに最近気づきました。
AKI:今後の目標はなんですか?
西:捲りだけで今は戦っているんですけど、自分の目一杯で走ると危ないと思っています。なので、余裕を持って、けど速い選手になりたいです。
AKI:となると、課題はどうですか?
西:2級車の時はハネがなくて、整備も教わりながらも乗り手を優先してきました。同期は2級車から跳ねたりして、タイヤのバランスを見たりと色んな対策をしている中、私は一個もやったことがないまま1級車に乗り替わりました。そしたら跳ねるようになってしまって。なので、これから傾向と対策をしていけるようになりたいですね。ハネがあって怖いとかはなく、まだまだ行けるのにハネがあって行けないという感じ。ハネが直ればもっともっと出来るという感覚があるので今後が楽しみです。乗るだけじゃダメなんだ、2級車の時は何もせずに走れて幸せだったんだなぁ、と気づきました(笑)
AKI:今後が楽しみというのはすごく素敵ですね!!
西:そうなんです。自分でもびっくりするほどオートレースが楽しくって。2級車の時も楽しかったんですけどそれこそ基本は乗るだけで。1級車に乗り換えてからは探究心というか、最重ハンの選手がどう走っているのかを考えたりするのがすごく楽しいです。もちろん見たからといって出来るわけではないんですけど、色んなことを考えることができてとても楽しいです。モトクロスはいつでも練習できたんですが、オートレースは練習の時間が限られています。なので、その限りある時間をどう過ごしていくかというのは難しいことではあるんですが、休みの日でもほぼリアルタイムでレースを見たりして他のことが何もできません(笑)日中、ナイター、ミッドとなったら永遠に見ていますね。それくらい楽しいです。
AKI:モトクロスからオートレースへの転向、実際にオートの競走車に乗ってみていかがですか?
西:バイクの扱いに慣れていてよかったと思うことも、やってない方が良かったと思うことも、どちらもありました。特にスタート部分が大きいですね。モトクロスのように切ってしまうというか、無意識の手の動きのところで練習しても直り切らないです。絵莉子さん(伊勢崎33期:高橋絵莉子選手)はモトクロス時代からスタートが速くって今も速い。クラッチの扱いが上手いからだと思うんですが、自分はモトクロスの時からスタートが苦手で。10年くらいモトクロスをやっていてずっと「スタートがね...。」と言われ続けていました。回り始めればいいんですがスタートは昔からの癖が抜けきれてないですね。1級車に乗り替わってパワーが出るようになって少しビビっている部分があります。慣れていくしかないですね。
AKI:師匠の松山さんや周りの先輩選手ともしっかり話をされていますよね。
西:そうですね。基本的には優しいんですが、ダメな時はダメとちゃんと言ってくれます。言うこと聞かないと怒られますが(笑)けど、これまでの経験がある分、整備でも走行でも聞けば答えてもらえるのですごく助かっています。それこそ、松山さんもドドド持ちなので、今の私の状況に関して色んな対策を考えているんじゃないかなと思います。聞くときは「ハネがきます。」だけじゃなく、「この辺りでハネるんですけど」と具体的に聞くようにしているんですが、ハネる位置で原因が分かるみたいですぐに答えてくれます。心強いです。
AKI:初優勝から始まった2023年、どんな1年にしていきたいですか?
西:元々大きな目標とか、1年間の目標とか決めるタイプではないんですが、周りの方に「ガールズ王座頑張って!」と言われることが多くって。去年は出ることもできなかったので、今年は出場をしたいですね。後は、優勝してハンデが下がって厳しくなるとは思うんですけど、もっと後ろから走れるようになりたいです。
AKI:それでは最後に読んでくださっている皆様にメッセージをお願います。
西:デビューしてから1年半ほど経って初優勝することが出来ました。いつも応援してくださる方や師匠を初めグループの方のおかげで優勝することができたので、これからもっと活躍して色んな人に恩返しして、見ていて勇気や元気をもらえる選手になりたいと思います!良かったら応援してください。
(写真は浜松オートSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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飯塚所属の34期。2022年12月31日、オートレース界2022年を締めくくる飯塚ミッドナイト優勝戦でデビュー初優勝を飾りました。去年の4月に師匠の重富選手(飯塚27期:故・重富大輔選手)を病気で亡くしました。そんな中ひたむきに努力をし続けて掴んだデビュー初優勝!レースを振り返っていただきました。
(取材日:2023年1月17日)
インタビュー / AKI
AKI:初優勝おめでとうございます!
石本:ありがとうございます!
AKI:優勝したお気持ちはいかがですか?
石本:自分も嬉しかったんですけど、周りがすごく喜んでくれて「優勝できてよかったなぁ」と思いました。特に親の反応にびっくりしました。ミッドから帰ったら両親どっちも起きていてくれて、父が目を真っ赤にしてわんわん泣いていたんです。普段泣くような人じゃないんですけど、優勝戦を見返していたみたいで。その様子を母が動画を撮っていてくれていたんですがボロボロ泣いていて。選手になった時ですら泣かなかったんですが「やっとか~」という感じで喜んでくれたのが印象に残りました。自分も優勝できて「よかった~」とホッとしたというか安心しましたね。同期がどんどん優勝していく中で、優勝戦に何度乗っても勝てなくてを繰り返していたので本当にホッとしました。
AKI:今まで何度もチャレンジしてきた優勝戦、レースはどんな気持ちで臨まれたんですか?
石本:今までは「今日こそ絶対優勝するぞ!」となっていました。その分取れなかった時にガックシくるというか。同期の稚也(飯塚34期:長田稚也選手)、横(伊勢崎34期:横田翔紀選手)が勝っていく、年の近い同期が勝っていく中で焦りもありましたね。けど、優勝した時はそんな感じじゃないというか。「どうなるか分からないけど頑張ろう!」という感じで臨めたのが良かったのかなぁと思います。レース行く前までは気を負わず入れました。けど、いざ試走に行ってレース直前になると気持ちがガッと入っちゃって。それが、フライングにでちゃいましたね。
AKI:フライングを切った時というのは感覚的にどうだったんですか?
石本:「絶対自分だ~!」となりました。早すぎるフライングだったので点滅見るまでもなく自分だと分かりました(苦笑)けど、その時は気持ちをしっかり切り替えられたというか、買ってくれている方もいるだろうなぁと思ったし、勝てば初優勝と思ったら意外とパッと切り替えることが出来ました。2回目の方が落ち着いてスタート切ることが出来ました。
AKI:スタート後はどうでしたか?
石本:スタート行ければ展開を作れるとは思っていました。幸宏さん(飯塚29期:藤川幸宏選手)とは予選でも戦って直線で抜けたし同じ感じなら行けるだろうと思っていました。予選のことを頭に入れながら、幸宏さんの動きも見て走れたかなぁと思います。捌きが下手なのでスタート切って逃げる展開に持ち込まないとキツイなと考えていました。後ろからは治郎さん(伊勢崎30期:田村治郎選手)や佐久間さん(伊勢崎26期:佐久間健光選手)が追い上げて来ると思ったので、先頭に立ってからは準決のように走ろうと思っていました。いざ先頭に立ってからは「誰もこんでくれーー!!」と思いながら走っていました。後ろの気配も感じていましたしひとつのミスも許されない状況だと思っていました。一度滑ってしまったんですが、その後も落ち着いて走れたことが良かったと思います。以前、おやっさん(飯塚27期:故・重富大輔選手)の誕生日に優出して"優勝したい!!"という気持ちが強すぎて危ないレースをしてしまって結局優勝も出来ず最悪な形になっちゃいました。優勝したい気持ちが先行して危ないところに行かないということを今回の優勝戦ではずっと意識していました。フライングをして反省点もあるんですが、気持ちをコントロールできたことが今回の進歩だと思います。
AKI:ゴール後は空を見上げていましたね?
石本:はい。グループの人たちがゲートの所まで出て来てくれて祝福してくれているのを見た後に空を見上げました。ゴール後すぐは、「え、えっ!本当に優勝!?」という感じにもなっていたのでまだまだ冷静に走れてないなと思いましたね。その後ロッカーに戻ってからは、フライングを切っているのでまずは謝りに行かないと、という感じでした。ホッとしたのも束の間、まずは謝りのためにロッカーを走り回っていました。「優勝出来ました!ありがとうございます!」ではなく「すみません、謝ってきます!!」という感じ。グループの先輩にも「まずは謝ってこいよ!」と言われました(笑)謝り終わってから「おめでとう!」と声をかけてもらいました。なので、優勝を実感したのは、自分のロッカーに戻ってからですね。同じレースだった方にも「おめでとう」と言ってもらえたりして肩の荷が下りました。
AKI:2022年オートレース界最後の優勝戦で勝ったというのはいかがでしたか?
石本:年末ということもあって注目度があったというか、なかなかいつもレースを見れない友達も「見てたよ!」と言ってくれて、ファンの方からもお祝いの言葉をもらって、良いタイミングで優勝できたと思っています。おやっさんも年末のSSシリーズで優勝したりしていましたし、王座決定戦のトライアルにも出場が決まっていました。いつかは自分もSSで活躍したいです。もちろん今の実力では無理ですが、何年後、何十年後になるかもしれないですが、トライアル戦に出たいですね。
AKI:2022年ラストに一つの目標である"初優勝"をクリアしましたが、今後の目標はなんですか?
石本:まずは最重ハンになること。今は最重ハンの10m前で苦労して、成長して、最重ハンデで戦える選手になりたいです。周りにいる先輩が最重ハンで戦っている人ばかり。S級の選手はダメでも立て直すのが早い。そして、しっかり勝ち上がっていく。自分はムラが激しいのでまだまだです。まずは今の位置でしっかり戦えるようになって、いずれは最重ハン定着の選手になりたいですね。そして、先輩選手と最重ハンのスタートや捌き、整備の話ができるようになりたいです。これは、杏亮さん(飯塚33期:中村杏亮選手)やおやっさんにも言われてきて「圭耶が最重ハンになれば整備の話とかもっとできるようになるし、早く後ろに下がってこい」と言われてきました。本当にそうだなと思います。まだまだ到底及ばないけど最重ハンになってS級選手といろんな話をしてみたいです。まずは目の前のレースを一生懸命走って、綺麗なレースして勝てるようになるのが目標です。
AKI:となると課題はなんですか?
石本:今は課題しかありませんね。運に頼っているというか、スタート行って逃げているだけで展開作りも技量も全然足りません。その中でも、整備力は大きな課題です。久門さん(飯塚26期:久門徹選手)や杏亮さんを間近で見ていると、なんでその整備をするのか、考えた上での整備というのが自分にはまだ上手くできていないと感じます。自分は分からないけどやってみようという感じで、上手くいけば良かったとなるけど、上手くいかなかった時は色々扱って迷子になってします。原因がわからないまま扱ってどんどん悪くなっていく時もあります。だけど、久門さんや杏亮さんを見ているとしっかり勝ち上がっていくし、整備もしっかり合わせてタイムもアップしいていく。後はいい意味で潔いというか、1、2着でもこれじゃだめだと思ったら大きく切り替えた整備をされたりするんですが、自分は1着取れていたら良い状態だから壊したくないと思ってそれ以上整備を進められなかったりもします。結局展開に恵まれていただけで勝ち上がって行くと仕上げてきたS級クラスには太刀打ちできなくなってしまいます。後は整備の時間ですね。S級選手は扱って悪かったらすぐに元に戻せるんですが自分は整備も遅い。例えば、久門さんや杏亮さんが3個くらいできる整備を自分は1個しかできなかったり。自力でどうにかしていける力がないので整備は本当に課題ですね。整備のスピードと精度を上げていきたいです。もちろん乗り手もです。メンタルが弱いので、豆腐メンタルを卒業したいです(笑)初めての社会がオートレースでやっぱり厳しい世界なのは分かっていたけど、自分はまだまだ甘いなと思います。ガッと怒られるとポキっと折れてしまうタイプです。久門さんや杏亮さんは「くそー!」というハングリー精神が強いので自分もそう言うふうにメンタルを強くしたいです。初優勝はしたんですが浮かれている場合じゃないですし、冷静さを保つというのが今1番の課題ですかね。
AKI:その辺り、同期とはお話しするんですか?
石本:はい。稚也(飯塚34期:長田稚也選手)とよく話していていいなぁと思う考え方あって、会話していて良くなりそうな要素が出てくると「えー、自分もっと速くなっちゃうじゃん。」って言うんです。その言葉を聞いて「そっか、もっと速くなれる要素しかないんか!」と気付かされます。課題が山積みの方が、その課題がなくなっていった時にもっともっと速くなれる!と前向きに考えられるようになりました。稚也の方が年下だけど見習っていかなきゃと思いましたし、おごってないというか、調子に乗ってないのがまたかっこいいと感じます。やっぱり調子が良くなると少し浮かれてしまったりすることもあると思うんですが、そう言う事もなく。今までは同期に負けたくないと言う気持ちが強かったんですが"稚也がそこまでやれるんだったら!"と良い刺激になっています。自分がこの位置でだめだなんて言っていられないですよね。稚也と話しているとメンタル厚揚げくらいにはなります(笑)同期みんなで高め合っていきたいですね。
AKI:去年は師匠の重富選手が病気で亡くなられて大変な1年だったと思いますが、振り返っていかがですか?
石本:本当にいろんな意味で大変な1年でした。おやっさんが自分を見てくれていた時は最重ハンから30m前の時。初優勝の報告もですけど、もっと早めに後ろで走っていれば教わることも違ったんだろうなと思います。心配をかけてきたことをもっと自分がもっと早く気付いていればっていう気持ちはありますね。今はその分、久門さんや杏亮さんがいっぱい見てくれて怒ってくれていますがやっぱり後悔というか。当時の自分しか知らないおやっさんからしたら初優勝も信じられないと思います。なので、自分が頑張って結果を出すしかないです。去年1年で成長はできたと思うので、もっと上を目指して頑張りたいと思います。2022年本当に大事な1年になりました。今年は、去年の反省点を活かして綺麗なレースをして、危なくない捌き方で冷静に走りたいです。特に自分のグループは"綺麗なレース"を心がける先輩、速い先輩が多いのですごく良い環境だと思います。自分もそのグループにいてそういう先輩たちを超えていくのが恩返しになると思っています。
AKI:石本選手は小さい頃からオートレースを見ていたんですよね?
石本:はい。父と一緒に飯塚オートにきていました。金網のすぐそば、1番前で見ていました。爆音とオイルの匂いに惹かれて選手を目指してきました。自分が実際選手になって金網の中で走るようになると、金網の外で手を振っている子供たちが目につきます。恥ずかしいレースはできないなぁと余計に感じますね。まだまだだけど憧れてもらえるようになりたいです。見てくれている人は見てくれているのでなんとか食らいついていきたいです。
AKI:初優勝を決めてから、重富選手の車「テンヤシャ」に乗り換えてのレースですがいかがですか?
石本:やっぱりまだまだですね。そんな上手くいかないなと感じています。エンジンは絶対良いんです。けど、まだテンヤシャを乗りこなせてない感じ。自分のレベル不足ですね。これはおやっさんからの試練だと思って、このエンジンで最重ハンを目指そうと思います。きっとこのエンジンを乗りこなせるようになったらまた成長できると思うので腐らずに頑張ります。
AKI:それでは最後に読んでくださった皆さまにメッセージをお願いします。
石本:優勝した後に沢山の方に喜んでもらえて本当に良かったなぁと思いました。おやっさんにもファンの方は絶対に大事にしろよと言われてきましたし、自分もファンの方が買ってくれて見てくれて成り立つ仕事だと思っています。なので、ファンの方のためにも自分が活躍して恩返しをしていきたいです。そして、見てくれる方が1人でも多くオートレースに友達を連れてきたいと思えるように。そして、またその友達が他の友達を連れてきてくれて業界も盛り上がって欲しいなと思っています!沢山の方に見にオートレースを知ってほしいです。そのためにも良いレースをできるように頑張ります。応援よろしくお願いします!
(写真は飯塚オートSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。