4月1日から高知で騎乗を開始した、オーストラリアのクイーンランドレーシング所属の賀谷祥平(かや しょうへい)騎手。
上智大学を卒業後、オーストラリアに渡ってジョッキーライセンスを取得、さらにその後は現地の大学院を卒業して会計士の事務所を開業するなど、多彩な才能を見せる35歳です。
赤見:まずは2日間の騎乗を終えて(7戦2着1回4着1回)みて、どうでしたか?
賀谷:ダートはちょっと違うなと思いました。ペースが速いし、紛れが少ないので、いかに強い馬に乗せてもらえる騎手になるかだなと。でも基本的には、やってることはどこでも同じですし、日本は安全で乗りやすいです。
新鮮だったのは、ファンの方の存在ですね。騎手紹介式をしてもらって、声も掛けてもらって。「サイン下さい」って言われたのも初めてだったので、すごく嬉しかったです。オーストラリアでは、騎手はそういう風に言われる存在ではないので。
赤見:上智大学を卒業して、オーストラリアに行ったんですよね?日本で騎手になるっていう考えはなかったんですか?
賀谷:なかったですね。競馬学校に合格するのは大変なことだし、狭き門なので、日本でっていうのは考えもしなかったです。
もともとは競馬ファンで、見ててカッコいいなと思ってて。大学生の時に就職活動も多少はしたんですけど、でもやっぱりジョッキーになりたいと思って、オーストラリアに行ったんです。
赤見:大変なことも多かったんじゃないですか?
賀谷:そうですね。騎手になるための学校に行って、最初は英語も大変でしたけど。実際にデビューしてからは、移動とかも大変でした。かなりの距離を自分で運転して、レース終わったらまた帰って来てっていう。だから、日本に来て調整ルームがあるっていうのはびっくりしました。道具も運ばなくていいし、すごくいい環境ですね。
赤見:オーストラリアで騎手デビューした後に、大学院にも行ったということですけど、かなり向学心が高いですね。
賀谷:そんなことないんですよ。向うでは騎手をしながら他の職業をするっていうのがけっこうあって。見習い騎手の期間が終わると全員フリーになるんですけど、そうするとかなり時間があるんですよ。だから、大学院に行って資格を取って、今はケアンズで会計士の事務所をしているんです。日本とはちょっと違う環境なんですよ。
赤見:今回は3か月の期間限定騎乗ですけど、この時間はどんな風に過ごしたいですか?
賀谷:やっぱり、勝ちたいです。とにかく勝ちたいですね。今高知は騎手の人数も多くて、チャンスはそれほど多くはないかもしれないですけど、出来る限りたくさんの馬に乗って、出来るだけ学べればと思っています!
異色の経歴を持つ賀谷祥平騎手。
6月30日まで高知で騎乗しますので、どんな活躍を見せてくれるか楽しみですね♪