怪我から復帰した笹木美典騎手、11日に復帰初勝利をあげたと思ったら、続く12日にも勝ち星をあげました〜☆ジョッキーは勝つことがなによりの喜び!リハビリ頑張って復帰した美典ちゃんの、努力の賜物です。
そして明日は、岩手の皆川麻由美騎手が、盛岡・3レースで怪我から復帰です!!
4月20日のレース中、右ステッキを思いっきり打った時に肩を脱臼。3年前にも一度脱臼している箇所でした。
「ほんっとうに痛かったです。。3週間固定して、その後はもう馬に乗っていいってお医者さんに言われたんですけど、調教師の先生が心配して。自分の中では早く馬に乗りたい!乗れるようになったらレースに出たい!って気持ちが強かったんですけど、本当に先生が心配してくれて・・。
でも今は万全です!!」
ただ、脱臼は癖になると大変なことになるらしく、
「右ステッキを打つ時は、気をつけながら打たないと・・また脱臼したら自分が痛いだけじゃなくて、周りにも迷惑かけちゃうから。」
レース中に脱臼する・・というのは、私自身経験はないですが先輩騎手が脱臼しているのを見たことがあります。ちょうどその騎手が勝ったレースで、泣いていたのでよっぽど嬉しかったのかな・・・と思ったら、
「痛くて泣いてるんだよ!!」と怒られた記憶が。。曰く「骨折より痛い」んだそうです。
明日の復帰戦を前に、
「また怪我しないように気をつけます。でも乗れるのはすごく嬉しいですね!
今年の初めはせっかく調子良かったのに・・・時間はかかるかもしれないけど、また調子を上げられるように、そして見せ場のあるレースができるように頑張ります!!!」
と元気に話してくれました。
最後に、
「レディースで、また会いましょう♪」と言った言葉が、すごく力強かったです。
昨日美浦トレーニングセンターの検疫馬房にある手術室で、大井所属の【ティーケーストーム】の手術が行なわれました。右前膝の剥離骨折のため、骨片を摘出する手術です。その一部始終を取材して来ました。
今回は、あまり気持ちのよくない写真も出てきますが、「競走馬は骨折すると安楽死」という間違った見解を持っている人もいるようだし、どんな風にして競走馬の手術が行なわれているか、獣医さんたちや関係者の姿も見てほしいので、載せることにしました。
まずは、馬運車の中で準備が出来るまで待機しているストームくん。
初めての場所で緊張していると思いきや、なんとか私の手にかぶりつこうとやんちゃな面を見せてます。
準備が出来たので、手術準備馬房へ移動。
馬運車から降りた開放感か、着いてすぐに放尿してます。
この辺まではまだリラックスムード。
でも。。先生たちがレントゲンを撮ろうとすると、「やめろ〜」と暴れ出しました。
なんとか撮った写真がコレ。
どこが剥離骨折してるかわかりますか〜??
こっちは膝を曲げて撮ったバージョン。
矢印の先です。本当に小さい骨片。
身体や脚の汚れや埃をブラシで落として、うがいします。
そして、抗生物質と痛み止めの注射。
意外と注射はおとなしく打たせるストームくん。これで手術前の準備完了!麻酔に入ります。
いよいよ麻酔。こんなに大きな注射で打ちます。。痛そうだ。
麻酔を打つと、数分で朦朧として来ます。倒れる時に馬が怪我をしないよう、細心の注意を払います。
人間と違い、ベットの上で・・ってわけにもいかないし、510キロの身体が一気に倒れたら、それだけで骨折する可能性までありますから。ここは安全に安全に、獣医さんだけでなく、付き添いで来た関係者も力を合わせます。
安全に倒れたら、クレーンを使って運ぶのです。あまり気持ちいいことじゃないけど、馬に負担はかからないそうだし、510キロのストームくんを人間の手で運ぶことも出来ないし・・
手術台に固定したら、脚にビニールをかぶせていきます。
40分後、目が覚めたストームくんは大興奮。鼻をフウフウさせ、人間を威嚇するほどパニクっていました。
5分くらいしたらだいぶ落ち着いたけど、まだ麻酔のせいで少しボーっとしてます。
時間を置いて、馬運車へ。無事帰路に着きました。
今後の回復にもよりますが、全治は約3ヶ月。ここからはゆっくり休養し、回復を待ちます。
日本国内では内視鏡を使っての競走馬の手術ができる施設が、今私の知る限りでは3つしかないので、今回の美浦手術室では年間約100頭の手術をするということです。内視鏡による手術ができるようになり、劇的に回復率が上がったそうですよ。人間もそうですもんね。
獣医さんたちの技術の高さと経験の多さは素晴らしいし、関係者のストームくんに対する愛情も深い。
【ティーケーストーム】の怪我が一日も早く完治することを願っています。