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【集中連載】3連単はこう狙え!(1) 斎藤修

 いよいよ8月6日から、ばんえい競馬にも3連複・3連単の馬券が導入される。地方競馬の中でもばんえいだけが、この3連複・3連単の馬券に取り残され、かなりの年月がたっているだけに、待ちに待った導入といえるだろう。

 ただ地方競馬の場合、規模がそれほど大きくない主催者では、単に馬券の種類を増やせばいいというわけではないので難しい。馬券の売上げが分散してしまい、適正なオッズにならないことがあるからだ。たとえば、高知や福山では3連複・3連単の導入と前後して、早々と枠連を廃止してしまったし、高知では一時期、複勝をやめていた時期もある。

 ばんえい競馬では、馬連複を導入するときでさえも反対意見が多かったが、それは馬券の発売所が本場と専用場外に限られていた時代の話。ばんえい競馬でも、いまやネット投票(電話投票も含む)の発売が、総売上の3割近くを占めるようになった。おそらくこの割合はさらに大きくなるものと思われる。そうした中で、特にばんえい競馬はフルゲートが10頭と限られているだけに、高配当が期待できる3連単の導入は必然ともいえた。

 さて本題。ばんえいでの3連単は、トリガミ覚悟でボックスかマルチで高配当を狙いたい。

 地方競馬の、それも頭数の少ない競馬場では、3連単でもとにかく低配当が目立つ。3桁配当などもそれほどめずらしいことではない。そうしたところでの3連単の狙いは、フォーメーションで、いかに点数を絞れるかになる。

 しかしばんえい競馬では話は違う。平地の場合、単勝1.0倍や1.1倍という断然人気の馬が飛んでしまうことはなかなかない。ところがばんえい競馬の場合、断然人気の馬でも、たとえば第2障害で仕掛けるタイミングを間違えたり、膝をついてしまったりすれば、簡単に着外という場面もめずらしくない。それゆえばんえい競馬では、断然人気の馬がいたとしても、単勝元返しという配当を目にする機会はほとんどない。ようするに、平地の競馬に比べて不確定要素が多いのだ。それがばんえい競馬でのおもしろさでもあり、怖さでもあるのだが。

 4頭ボックス24点買いなら、その中に断然人気の馬が1頭いたとして、それが着外に飛んでも高配当をゲットできる可能性がある。1頭軸または2頭軸のマルチなら、断然人気馬が3着になっても馬券をゲットできる可能性はある。

 たとえば現実的な例としては、カネサブラックを考えてみたい。カネサブラックといえば、もともと安定した成績には定評があったが、今年2月以降6連勝と、圧倒的な存在となった。しかも、1トンのばんえい記念を勝ったかと思えば、700キロ台で争われるばんえい十勝オッズパーク杯も、今シーズンの勝利で4勝目となった。これほど幅広い負担重量で勝ち続けられる馬というのも、歴史的に見てもそう何頭もいない。

 陣営には申し訳ないが、次の馬券の狙いは、カネサブラックがいつ負けるか、だ。平地の競馬では、たとえばシンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクトなどのように、長きに渡って連戦連勝という馬がたまにはいる。しかしばんえい競馬の場合、それはほとんど不可能だろう。ばんえい記念などの定量戦を除き、勝てば勝つほど重量を背負うというばんえい競馬のシステム的な要因もあるし、先にも書いたとおり第2障害の駆け引きはやはり簡単ではない。

 というわけで今シーズンの古馬重賞では、カネサブラックが勝てばトリガミ覚悟、負ければ高配当という3連単を買い続けてみたい。

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