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馬券おやじは今日も行く(第55回) 古林英一

未来の競馬場のあり方

 全国津々浦々のばんえいファンのみなさま、残暑お見舞い申し上げます。といいながら、北海道はすでに秋にはいった感があります。

 8月20日、帯広市にあるとかちプラザにおいて、NPO法人とかち馬文化を支える会が主催した「未来の帯広競馬場デザイン・コンクール」審査会が開催されました。コンテストへの応募は20件あまりあったそうですが、そのうち事前審査を通過した優秀作品5件のプレゼンテーションが当日の審査会でおこなわれ、グランプリ、準グランプリ、市民賞が選ばれました。

 当日プレゼンテーションがおこなわれた優秀作品は、以下の5作品でした(発表順)。

(1)上田ヨセフ氏
  「十勝の真ん中帯広競馬場」

(2)河口晋一氏
  「最強の集客施設」

(3)十勝馬事振興会青年部会・宝田浩二氏
  「未来の帯広競馬場」

(4)帯広畜産大学輓曳研究会・大江史晃氏
  「未来のばんえい・帯広競馬場構想」

(5)夢希掴(ゆめきかく)・堀内康秀氏
  「命を担う本拠地確立化プロジェクト」

 小生はタイムキーパーということで、発表中に時間を知らせるベルを鳴らす係を担当しました。学会発表などでは何度も経験があるのですが、時間を厳守してもらいたいという気持ちと、例え規定時間を多少オーバーしても十分発表してもらいたいという気持ちとが葛藤し、案外気を使う役割なんですよ、これが。学会発表のときなら、時間厳守を結構強く訴えます。ここだけの話、といいつつこんな場で書いてしまえばここだけの話にはなりませんが、総じて学者(特に中高年の人文社会系の学者)は発表時間を無視してだらだら話す人が多いんですよ。学校の先生はとかく話が長いっ!…と天に唾する小生。ところが、今回は皆さん、時間を極めて厳格に守っていただいたのでほんとに助かりました。

 予定外だったのが、審査委員による審査。当初20分くらいを予定していたのですが、これが30分を超える白熱した審査になりました。審査委員は金山紀久氏(帯広畜産大学教授)を委員長に、秋元和夫氏(十勝信金地域経済振興部)、絲山秋子氏(作家)、黒田栄継氏(十勝地区農協青年部協議会)、笹川良子(帯広消費者協会)、藤岡賢(帯広青年会議所)、そしてNPOとかち馬文化を支える会理事長・柏村文郎氏(帯広畜産大学)の7名。小生は審査の現場にいなかったので内容は知らないのですが、後でちらりと聞いたところ、審査委員の方々はまことに熱心に議論をされていたようです。

 で、グランプリには(4)の帯広畜産大学輓曳研究会の作品が、そして準グランプリには(3)の十勝馬事振興会青年部の作品が選ばれました。(3)の作品は当日会場に集まった人たちの投票で決める市民賞もあわせて獲得しました。詳細については、近日中にとかち馬文化を支える会のブログに掲載を予定しております(現在は速報が掲載されてます)。

 わが国の競馬の歴史をみると、街のなかにあった競馬場が郊外に追いやられ、そして馬券の発売低落によって廃止に追い込まれたという事例が多々あります。競馬なんぞは健全な市民がやるものじゃないという偏見は未だ根強いものがあります。最近でも、某場外馬券発売所設置をめぐる地元説明会の場で、地元地区のある人が「馬券発売所が出来るとクオリティーの高くない人が来る」などと発言したケースがあります。確かに、小生のクオリティーが高いかといえばまあ高くはないですわな。しかし、人間の評価にクオリティーなんていう表現が使われるとは知りませんでした。全国の馬券好きのみなさん、ちょっとムカッとしません? 実名をあげて、全国の競馬ファンに、いやがらせ、いや、抗議のFAXを送る運動を呼びかけようかとさえ思いましたが、小生はクオリティーは高くないけど、まあええ年した大人なのでそんなことはしませんでしたけど。

 馬・競馬を、もちろん馬券も含めて幅広く市民の文化・娯楽として定着させようという意識がこれまで殆どの地方競馬の主催者になかったことは大きな問題だと小生は思っております。ばんえい競馬の存続はこれまでの競馬のあり方を変える契機になったように思います。競馬と競馬場のあり方について、帯広市も真剣に考えているようです。今回のコンテストが競馬と競馬場を地域の共有資源として考えるきっかけになればいいなと、馬券おやぢの小生はしみじみ思うのであります。

 コンテストの後、審査委員をつとめてくれた絲山秋子さんを囲んだ飲み会が競馬場内のリッキー小屋でありました。何でリッキー小屋だったのかというと、絲山さんが競馬場内にテントを張って宿泊したからです。何でも、全国を「一人キャンプ」をして回っているのだそうです。あいにくの大雨のなか、無事に朝を迎えられたのでしょうか? ちなみに、絲山さんって、とっても面白いおねえさまでした。

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