NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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石川ダービーから石川優駿へと名称変更となり、1着賞金は昨年までの700万円から1000万円に増額となった。
ナミダノキスは中央未勝利から転入して3連勝。初戦の1400メートル戦が2着に9馬身差、2戦目の1500メートル戦が2秒の大差、そして前走石川優駿トライアル特別(1900メートル)は2着に3馬身差だが、当然相手のレベルは上がっており、それでも最後は流すような感じでのゴールで、着差以上に余裕があった。その距離で完勝しているのは当然アドバンテージとなるが、父ホッコータルマエ、母の父マンハッタンカフェという血統からもスタミナ勝負ならなお有利といえそうだ。
対するは、このレースのトライアルであり金沢三冠の一冠目でもある北日本新聞杯を制したリケアマロン。3コーナーから一騎打ちとなったダブルアタックを直線あっという間に突き放して5馬身差をつけた。
さて、初対戦となるこの2頭、強いのはどちらか、ということになりそうだが、過去7回行われた石川ダービーでは、金田一昌調教師が4勝に、吉原寛人騎手が4勝。第1回、第2回はこのコンビでの勝利だったが、その後の2勝ずつは別々の馬での勝利となっている。今回は前者◎が金田調教師、後者◯が吉原騎手。果たして5勝目はどちらか。なお金田調教師は北日本新聞杯2着だったダブルアタックも出走している。
3番手にはノトキリシマ賞を制したハリウッドスマイル。門別から転入して、金沢に限ればここまで7戦して4勝、2・3着各1回。前走、古馬A2特別で先着されたマリンデュンデュンはその勝利で7連勝中という実力で、その2着という結果はおおいに評価できる。
石川優駿トライアル特別でナミダノキスの2着だったロックシティボーイは、中央ではダート2100メートルまで経験しており、この距離なら再度上位を狙えそう。
2歳時にネクストスター金沢を制したダヴァンティは、冬休み明けの3歳A1特別も勝ってデビューから4連勝。ただその後2戦連敗しているが、前走は古馬B1の1400メートル戦で流れが忙しかった。地元の同世代同士ということでは見直しも可能。
◎6ナミダノキス
◯9リケアマロン
▲2ハリウッドスマイル
△7ロックシティボーイ
△1ダヴァンティ
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コールミーメイビーは門別から名古屋に転入して初戦となった2歳11月のゴールドウィング賞は最下位に敗れたが、年末に名古屋初勝利を挙げると、3歳になって中央芝への挑戦を続けた。4月の東海クイーンカップでは11番人気で3着に好走し、5月のカルガモ特別で僅差の2着、中1週で臨んだ5月末のメイドリーム戦では4コーナー手前で先頭に立つと、直線突き放して5馬身差圧勝。ここに来ての急上昇は、中央に挑戦を重ねてきた成果といえそうだ。同世代の牝馬同士なら重賞初制覇のチャンス。
ワラシベチョウジャは、デビューから5連勝でネクストスター笠松を制した。その後勝ち切れないレースが続いているが、前走新緑賞では中団から直線伸びて2着と見せ場をつくった。復活の重賞制覇も期待できそう。
リュクスブリランテは中央未勝利から転入して3連勝。前走1400メートルの勝ちタイム1分28分9は、重賞で勝ち負けにはややもの足りないが、中央時は1800メートルで3戦しており、今回1600メートルでさらなる上積みがあれば好勝負できそう。
カルテメトレスも中央未勝利から名古屋に移籍して4戦3勝、2着1回。その2着も中央との条件交流で、先着されたのは中央馬。地方ではまだ一線級との対戦はないものの底を見せていない。
新緑賞で2着ワラシベチョウジャに1馬身半差で3着だったキスリング、牝馬の準重賞・梅桜賞で僅差2着だったカピタンらも上位を狙えそう。
◎10コールミーメイビー
◯2ワラシベチョウジャ
▲6リュクスブリランテ
△3カルテメトレス
△9キスリング
△7カピタン
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ダート路線の体系整備でダートグレードを中心に短距離が充実したことに関係してか、地方重賞でも重賞の距離短縮傾向がいくつかの主催者で目立っている。兵庫では兵庫大賞典が1400メートルとなって、2400メートルで行われていたこの六甲盃も1870メートルとなった。これで兵庫では2000メートルを超える長距離重賞がなくなり、姫路2000メートルの白鷺賞が最長距離というのはちょっと寂しいような気がする。
2000メートル以上の重賞で実績を重ねているセイカメテオポリスだが、園田の小回り1870メートルなら1周目のスタンド前の直線で確実にペースが緩むので、長距離と同じようなリズムでレースができそう。昨年来、遠征競馬でも結果を残しており、地方馬同士なら能力上位といえる存在。
ラッキードリームは、前走A1特別でまさかの3着。道中は好位のうしろでがっつり内に閉じ込められ、3コーナーからペースアップしたところで動き出すのが遅れてしまい、4コーナーあたりの位置取りで万事休す、というレースだった。巻き返しのかかる一戦。
人気の盲点になりそうなのがドンカポノ。中央3勝クラスから転入してここまで3戦オール連対。中央では1400〜1600メートルを中心に使われ、前走1400メートルの兵庫大賞典でタイガーインディの2着と、短距離で好走を見せている。一方で、転入初戦の1870メートル戦でもラッキードリームにクビ差2着という好走もあった。能力的にも差はないはず。
同じく中央3勝クラスから転入したメイショウハクサンは、徐々に園田のレースに慣れたか3戦目で園田初勝利を挙げ、4戦目となった前走では、直線、スマイルミーシャを振り切って4馬身差をつける圧勝。重賞初挑戦となる今回、他地区の有力馬も参戦するメンバーでどんなレースを見せるか。
兵庫女王盃JpnIIIでは6着だったスマイルミーシャだが、地方馬同士ではまだ連対を外していない。牡馬の一線級が他地区から遠征してくるここは試練の場となりそう。
ガルボマンボは一昨年の楠賞以来となる園田参戦。前走福永洋一記念が見せ場をつくれずという内容で、調子に波のあるタイプだけに今回はどうか。
◎4セイカメテオポリス
◯11ラッキードリーム
▲2ドンカポノ
△6メイショウハクサン
△9スマイルミーシャ
△7ガルボマンボ
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バウンスライトは中央未勝利から転入し、3歳の下級クラスを連勝したあと挑戦したイーハトーブマイルでは4コーナーでまだ8番手という位置取りから直線よく伸びて3着に好走。今回、ウイナーカップを制したレッドオパールは不在となって、そのときのメンバーから相手強化という感じもないだけに重賞初制覇のチャンスと見る。
ミヤギシリウスは、イーハトーブマイルは5着だったが、冬休み明け初戦のあやめ賞を制し、留守杯日高賞では、その後イーハトーブマイルを制するレッドオパール(3着)に次いでの4着。デビュー以来、掲示板を外したことがないという安定したレースぶりなら、ここでも確実に上位を狙える。
コンバットスプーンはイーハトーブマイルでは9番人気という低評価ながら、バウンスライトに先着しての2着。スローペースの単騎逃げという展開に恵まれた感があり、あらためて実力が問われるところ。
リトルカリッジは11月に太夫黒特別を勝ってきっかけをつかむと、年末の金杯では好位からゴール前で抜け出し重賞初勝利。今シーズン重賞で3戦して結果が出ていないが、巻き返しのかかる一戦。
サンエイキャノンはスプリングカップでリトルカリッジ(4着)に先着する3着だったがものの、その後、盛岡コースに替っての2戦が惨敗。好成績の水沢に戻ってどうか。
マルケイフォルテは盛岡芝のデビュー戦3着あと、ダートを使われ6戦オール連対。重賞初挑戦の今回は一気の相手強化で、ここで勝ち負けには水沢1400メートルの持ちタイムを1〜2秒縮める必要がありそうだが、果たして。
◎10バウンスライト
◯8ミヤギシリウス
▲2コンバットスプーン
△1リトルカリッジ
△9サンエイキャノン
△7マルケイフォルテ
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ハクサンアマゾネスは昨年9月、名古屋の秋桜賞でまさかの惨敗を喫したあと6連勝。年末の移転50周年記念金沢ファンセレクトカップで地方競馬の重賞最多勝記録を更新して引退かと思われたが、今シーズンも現役続行。前走利家盃はまるで調教かのように流して8馬身差圧勝だった。今回はこれといった強敵もいないだけに、よほどのアクシデントでもない限り重賞23勝目はほぼ確実といえそう。
エイシンアンヴァルは兵庫から転入してここまで3戦。金沢スプリングカップは3着だったが、先着された2頭は今回不在。そして前走利家盃はハクサンアマゾネスに8馬身差の2着。自分の競馬をすれば今回もおそらく2着争いだろうが、真っ向勝負に出たときにどうか。
ダイヤモンドラインは、利家盃は4着だったが、続く前走のA1特別では、金沢スプリングカップを制したソーラーフレアに6馬身差をつけて圧勝と調子を上げてきた。相手候補はこの2頭で馬券を絞りたいが、圧倒的に強い馬が1頭いると2着以下は実力どおりに決まらないこともあり難しい。
フォルベルールは南関東A2から転入して、金沢では2、3、2着。中央3勝クラスから転入したサジェスは利家盃では7着だったがそれが実力ではないと思われる。このあたりも上位争いにはからんできそう。
◎10ハクサンアマゾネス
◯7エイシンアンヴァル
▲1ダイヤモンドライン
△9フォルベルール
△6サジェス
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