
ブライトファントムは中央から転入して昨年は1500/1700メートルで好成績を残していたが、年明け2戦目からはこの超短距離を中心に使われるようになって920メートルで6戦4勝、3着2回。準重賞の湾岸スターカップを勝って、さらにA1特別も連勝して目下3連勝。前走の勝ちタイム54秒3はメンバー中最速。5歳になってこの舞台で素質開花といえそうだ。
ラヴラブクロフネは、ブライトファントムが3連勝とした琉金特別では序盤からハナに立ってレースを引っ張り、直線でも先頭でそのまま押し切るかに思えたが、最後はブライトファントムの瞬発力に屈して1馬身差2着。続く前走、習志野きらっとスプリントでも南関東の快速馬相手にハナを主張し、6着ではあったが勝ち馬と1秒1差は評価できるもの。厳しい相手とのレースを経験しての上積みがあれば逆転も。
中央2勝クラスから転入初戦となるのがマリブパイン。昨年春に昇級した2勝クラスでは9戦して6着が最高という成績だったが、1000〜1400メートルで常に勝ち馬とは1秒前後の差と、着順ほどは負けていない。いきなり勝ち負けになる可能性はある。
ベストリーガードはダート1700/1800メートルの中央オープンで上位実績。船橋を経由しての転入初戦となった920メートル戦でハナ差2着に好走し、転入3戦目で臨んだ昨年のこのレースを制した。連覇が期待される一戦だが、半年ぶりの休み明けでどうか。
ツキシロは1500/1700メートルのA級特別で好走を続け、今回初めての920メートルの舞台でどうか。
フィードバックはこれまで名古屋920メートル戦には5回出走して、いずれも勝ち馬とは1秒以内の差で掲示板は確保しているが、迫る場面まではない。湾岸スターカップでも、勝ったブライトファントムに0秒5差の4着だった。今回も連下争いまで。
◎11ブライトファントム
◯5ラヴラブクロフネ
▲1マリブパイン
△4ベストリーガード
△10ツキシロ
△6フィードバック
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昨年は7月下旬以降、悪天候による走路状態の悪化で盛岡の芝コースが使えなくなり、このレースもダート変更で行われた。今シーズンは芝コースの改修が行われたようで、ここまで芝のレースは予定通り行われている。
2歳戦はやはり北海道勢が強力で、過去10年で北海道7勝に対して地元岩手は3勝。しかもダート変更となった昨年も含めて近4年連続で北海道勢が勝利。今年は北海道からの遠征が3頭で、そのうちクラウニングカップ、ブルーメンガルテンは、ともにアタックチャレンジ勝ちがあり、オープンやウィナーズチャレンジで2着。そしてここまで連対を外していないという実績であれば、やはりこの2頭が中心となる。
クラウニングカップはデビューから3戦すべて1700メートルを使われているという距離経験もあるが、それ以上に対戦してきた相手のレベルが高い。2走前のアタックチャレンジでアタマ差2着にしりぞけたミリオンクラウンは、JRA札幌芝のコスモス賞で2着に健闘。また前走ウィナーズチャレンジで2馬身先着されたマロンソレイユは、アタックチャレンジでミリオンクラウンに8馬身差をつけて圧勝していた。
一方のブルーメンガルテンは1勝、2着3回だが、負けたときも着差はわずか。距離延長と芝コースに対応できるかがカギになりそう。
前哨戦の若鮎賞で直線鮮やかに抜け出したのがセイクリスティーナ。勝ちタイムは、若鮎賞が重賞格上げになって以降で初めて1分40秒を切る1分39秒1。果たしてその時計が単純にこの馬の能力の高さなのか、それとも改修した芝コースの状態でタイムが出たのか。その真価が試される。
北海道からあと1頭はベイビーザロック。未勝利戦を勝ったのみだが、アタックチャレンジでも大きくは負けていない。
トゥーナスタディは若鮎賞ではセイクリスティーナの2着だったが、直線で一旦は先頭に立っての接戦で、展開次第では、と思わせるレース内容だった。続く芝1600メートルのフューチャーステップを1分40秒4という好タイムで勝った。
イタズラベガは、そのフューチャーステップでトゥーナスタディに1馬身差2着。芝の適性はありそう。
◎2クラウニングカップ
◯12ブルーメンガルテン
▲8セイクリスティーナ
△10ベイビーザロック
△13トゥーナスタディ
△7イタズラベガ
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ヴィーリヤは中央未勝利から転入して7連勝。重賞初挑戦だった兵庫サマークイーン賞は、園田では初の1700メートルも問題なくこなし、2着プリムロゼに4馬身差をつける完勝。その勝ちタイム1分50秒8は、メンバーの持ちタイムで最速。ハンデ55.5キロは、牝馬としてはやや背負わされた感があるが、前走兵庫サマークイーン賞より0.5キロ軽いということであれば、そのパフォーマンスは発揮できる。1番枠からハナを切って逃げ切る可能性大。勝てば、牝馬の勝利は2014年のエーシンサルサ以来で、サラブレッドのレースになってからは3頭目となる。
エイシンレオは一昨年3歳6月のデビューから17戦14勝。今回格上挑戦での重賞初挑戦。前走1700メートル戦を不良馬場とはいえ59キロを背負って1分51秒3の好タイムで制した。今回はそこから一気に5キロ減となるハンデ54キロなら、いきなりの重賞制覇も期待大だ。
中央3勝クラスから転入したエイシンレジュームは、転入初戦を5馬身差で圧勝し、2戦目は2着に負けたとはいえ、勝ったオマツリオトコはダートグレードでも実績がある元中央オープン馬。能力上位は間違いないが、今回はトップハンデ57キロに加え距離実績がないのがどうか。
スマートビクターは中央2勝クラスから転入して2勝、2着1回。1700メートルのタイム比較では◎◯にやや劣るが、ここまでの3戦より軽い56キロで上昇の可能性。おそらく逃げるヴィーリヤの2番手で、ペースを落とせれば粘り込む場面も。
ブラックバトラーは兵庫転入後、笠松遠征も含めて5戦すべて3着以内。A2格付けで56.5キロはやや見込まれた感じ。
フラフはここまで重賞では新春賞、六甲盃ともに6着だが、メンバー的に軽くなったところで上位争いの可能性。
◎1ヴィーリヤ
◯6エイシンレオ
▲9エイシンレジューム
△2スマートビクター
△5ブラックバトラー
△8フラフ
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セイルオンセイラーは名古屋所属として昨年このレースを制し、今回は兵庫に移籍して連覇を目指す。今年1月の名古屋記念、梅見月杯はともに2着だったが、兵庫に移籍して半年ぶりの実戦となった前走1870メートルのA1特別でアタマ、ハナ、アタマという4頭接戦の2着。ひと叩きされての上昇があれば連覇の可能性は大きい。
高知からの遠征がサンライズグリット。中央から転入して最下級条件から順調にクラスを上げ、重賞初挑戦だったトレノ賞は5着だったが、今の高知のレベルの高さを象徴するように、1〜3着馬は中央のオープン・準オープンからの転入馬だった。井上瑛太騎手は昨年名古屋のゴールド争覇で重賞初制覇を果たし、7月には地元高知でも重賞勝利。今度は笠松での重賞制覇の期待だ。
ダンネワードは昨年4歳になって以降、20戦して15連対。重賞初挑戦となったトリトン制覇は大差の8着だったが、前走名港盃は、中央オープンから船橋を経由して転入してきたサンテックスの2着。5歳だがまだまだ成長している。
イイネイイネイイネは3歳時のMRO金賞(金沢)以来重賞勝ちから遠ざかっているが、それでも重賞入着は何度かあり、A級特別では常に勝ち負け。人気がなければ狙ってみたい。
メルトは今年正月の名古屋記念を制し、その後は7月にA1特別で1勝を挙げたのみだが、強敵相手の重賞挑戦が多いだけに、今回は手頃な相手関係といえる。
キャッシュブリッツは昨年大晦日以来の休み明けとなるのがどうか。昨年秋には笠松のオータムカップで重賞初制覇を果たし、笠松コースではこれまで7戦して連対を外したのは岐阜金賞の4着と、東海ゴールドカップの10着だけ。能力的には見劣らない。
◎4セイルオンセイラー
◯7サンライズグリット
▲5ダンネワード
△6イイネイイネイイネ
△1メルト
△10キャッシュブリッツ
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基礎重量54キロに対して、別定重量の加増があるのは59キロ・ダノンスコーピオン、57キロ・チカッパの2頭だけ。過去にはダノンレジェンドが60キロでこのレースを勝ったことがあるが(2016年)、JBCスプリントも含め短距離のダートグレード9勝と、別格の強さだった。過去10年で57キロ以上を背負ってこのレースを勝ったのは、ほかには昨年のドンフランキー(57キロ)だけ。とはいえそもそも57キロ以上を背負って出走してくる馬自体が少なく、上記2頭のほかには3頭のみで、3着2回、4着1回。短距離戦で高重量となると、おそらく避けてしまう馬が少なくないと思われる。
また地方馬は過去10年で1勝、2着2回、3着4回という実績があるが、ブルドッグボス、ラブバレット、ポアゾンブラックという3頭のみによるもので、ラブバレットはこのレース初出走時にさきたま杯JpnII・4着という経験があり、ブルドッグボスとポアゾンブラックにはダートグレードで2着という実績があった。今回、地方馬には、中央からの転入馬も含めてダートグレードで掲示板内の経験のある馬はおらず、馬券圏内は中央馬同士の争いとなりそう。
サンライズアムールはデビュー3戦目以降ダート1200メートルを中心に使われ、オープン特別で4勝という実績。ダートグレード初挑戦だったカペラステークスGIIIは4着だが、斤量1キロ差だったチカッパ(6着)には先着。その後2戦は重量に苦しめられ着外だったが、前走水無月ステークはトップハンデ・タイの58.5kgで勝利。今回は別定増量なしの54キロで、しかもチカッパと3キロ差がついたとあれば重賞初制覇のチャンス。
昨年の覇者ドンフランキーは東京盃のJpnII勝ちで57キロを背負ったが、チカッパも同じく東京盃のタイトルで今回57キロ。その斤量自体は背負い慣れているが、今回はダノンスコーピオン以外の中央3頭と3キロ差をどう評価するか。
アドバンスファラオは、今年3月のコーラルSでオープン初勝利。走るときと走らないときの落差が大きく中心としては狙いにくいが、54キロなら勝ち負けまでチャンスはありそう。森秀行厩舎はこのレース5勝。笹川翼騎手にも期待だ。
補欠から繰り上がったヒビキは3勝クラスを勝ったものの、オープン特別では3着が最高という成績。前走水無月ステークスは、勝ったサンライズアムールより3.5キロ軽い55キロで13着。今回は同重量で、その差を埋めるにはよほどの上積みが必要。
ダノンスコーピオンはダートで3戦して東京スプリントJpnIIIでの6着が最高という成績。今回は斤量差も考えると、他の有力馬の凡走など展開的な助けがないと厳しそう。
◎4サンライズアムール
◯6チカッパ
▲7アドバンスファラオ
△14ヒビキ
△9ダノンスコーピオン
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