過去10年で750kgのトップハンデでこのレースを制した馬が5頭もいる。16年センゴクエース、17年マルミゴウカイ、19年キタノユウジロウ、20年メムロボブサップ、23年キングフェスタ。そのうちキングフェスタを除く4頭は、今回のタカラキングダムと同じく牡馬の最軽量馬と40kg差で勝った。逆にいえばタカラキングダムはこの重量差で勝てば、それら近年の活躍馬のように将来が有望になる。が、今回のメンバーでは頭までは難しいと見てタカラキングダムは△までとした。
ハンデ差が大きい同世代同士の重賞は勢い重視でクリスタルゴーストに期待する。昨年12月以降、3着以内を外したのが3回だけ。柏林賞、はまなす賞では、ともに20kg差でタカラキングダムの2着。それが今回30kg差となったとあれば逆転の可能性はかなり高い。
ジェイライフも同様に好調続きで、6月以降はすべて3着以内。山鳩賞、はまなす賞がともに3着で、先着されたのはクリスタルゴーストとタカラキングダム。前走A1特別を勝った勢いでクリスタルゴーストと同じ720kgならチャンスはある。
マルホンリョウユウは、柏林賞ではタカラキングダムより10kg重いトップハンデ720kgで3着だったが、今回は逆に10kgもらうことになった。当然勝ち負けまで。
ホクセイタイヨウは昨年3歳4月のB4格付からほとんど連対を外さない成績でクラスを上げてきた。その中には、ばんえい大賞典、ばんえい菊花賞、ばんえいダービーで2着という惜しいレースも。今回の730kgは楽ではないが、重賞でそれだけの実績があれば引き続き上位争いも期待できる。今回この馬に初騎乗となる、デビュー3シーズン目の中村太陽騎手の期待も大きいことだろう。
750kgトップハンデのタカラキングダムは3着まで。世代重賞で3着が3回あるジェイヒーローまで押さえる。
◎5クリスタルゴースト
○7ジェイライフ
▲6マルホンリョウユウ
△3ホクセイタイヨウ
△2タカラキングダム
△8ジェイヒーロー
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昨年まではOROオータムティアラとして行われていた3歳牝馬三冠目だが、第5回の今年は水沢開催となって"ORO"が消えてオータムティアラとして行われる。二冠目のひまわり賞上位馬と中央未勝利からの転入馬の対戦といえそう。
ひまわり賞は先行勢の勝負となって、コモリリーガルが4コーナーから突き放し、コンバットスプーンに5馬身差をつける圧勝。ただコンバットスプーンは、続く水沢1600メートルの3歳A組戦で、1番枠を利してハナを取ると、直線後続を寄せ付けず牡馬相手に4馬身差の圧勝。その水沢でのレースぶりを評価する。
コモリリーガルは、2歳時に園田プリンセスカップ、盛岡のプリンセスカップ、そして岩手移籍2戦目に前述ひまわり賞を制し、ここまで重賞3勝は実績最上位。初めての水沢コースに変わってどうか。
中央からの転入馬ではメイザーキックに期待できそう。中央の新馬・未勝利戦では2着4回とあと一歩のところで勝ち上がれず。今年3月以降はダートで5戦して2着1回を含めそのうち4戦で勝ち馬と1秒以内の差で好走。転入初戦では2番手から先頭に立って直線を向いたが粘りきれず3着。距離延長がどうかだが、福島ダート1700メートル戦では勝ち馬と0秒3差の4着があり、平坦の水沢コースがプラスになれば。
金沢で重賞2勝を挙げ、転入初戦となったひまわり賞で1番人気に支持されるも3着だったのがリケアマロン。3番手から4コーナーで前をとらえにかかったものの、逆に直線で離されてしまった。転入2戦目での変わり身があるかどうか。
中央未勝利戦で2着2回から転入初戦となるジェイエルジェティ、ひまわり賞は8着も2走前のやまびこ賞ではコモリリーガル(5着)に先着する3着だったセイバイラック、中央未勝利から転入初戦を勝ったカウネウスらも上位食い込みの可能性。
◎8コンバットスプーン
○11コモリリーガル
▲4メイザーキック
△2リケアマロン
△5ジェイエルジェティ
△3セイバイラック
△12カウネウス
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今年金沢の2歳戦では牝馬もそこそこ勝っているのだが、地元馬の出走はわずか2頭で、遠征馬を合わせての7頭立て。北海道から遠征の3頭の厩舎は、いずれも過去にこのレースを勝った経験があり、やはり北海道勢が有力だ。
例年、このレースに遠征してくる北海道勢は、重賞入着級かJRA認定競走を勝って重賞初挑戦かというレベルの馬たちだが、1200メートルのフルールカップで2着のトレヴェナ、同3着のレディーティアラは、ともにここまで3着以内を外していない。そのフルールカップでは、トレヴェナは後方から、レディーティアラは中団から、ともに直線脚を使って伸びてきた。直線の長い門別だからこそというレースぶりで、直線236メートルの金沢コースでどんなレースを見せるか。フルールカップの着順どおりトレヴェナを上位としたが、展開次第で2頭の後先は変わるかもしれない。
プチプラージュは唯一3着以内を外したのが1700メートル戦での4着だが、勝ったソルジャーフィルドはその後ブリーダーズゴールドジュニアカップで2着、2着のエイシンキャプテンは札幌芝のコスモス賞で3着という活躍だけに、これは相手が強く、評価を落とすものではない。むしろコーナー4つを経験したというのはアドバンテージになるかもしれない。
船橋のロシュニも地元のJRA認定競走で僅差の2着があり、北海道勢ともそれほど差はなさそう。
高知から遠征のナンシヨウトは九州産で中央からの移籍初戦。ダートも未経験で、これはさすがにやってみなければわからない。
◎1トレヴェナ
○3レディーティアラ
▲4プチプラージュ
△6ロシュニ
△7ナンシヨウト
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高知から3頭が遠征してきたが、カレンロマチェンコは中央オープンから移籍して最下級条件から13戦12勝と底を見せていない。前走は高知兵庫交流として行われた820メートルの園田サマーダッシュでゴール前4頭横一線の接戦を制した。高知1400メートル戦では、不良馬場で1分28秒台、重馬場で1分30秒台をマークしており、タイム的にも重賞で通用するはず。
ハナブサは昨年の佐賀・サマーチャンピオンJpnIIIで地方馬最先着の6着。今年は姫路1500メートル、園田1400メートルで計5戦して3着以内を外したのはタイガーインディが圧勝した兵庫大賞典だけ。今回は4カ月ぶりの実戦となるが、能力を発揮すれば勝ち負けになる。
スマイルサルファーは、連覇を狙った笠松・くろゆり賞は3着だったが、良馬場でも走破タイムを昨年より2秒3も詰めた。中距離を中心に使われていて、久々の1400メートル戦となった今年6月のA1A2特別でナムラタタの2着があり、この距離にも対応可能。
高知のイモータルスモークは園田FCスプリント2着のあと、船橋の習志野きらっとスプリントでは勝ち馬とはやや差があったものの5着と、南関東のトップクラスにも引けを取らないスピードを見せた。川崎所属として出走した今年2月の兵庫ウインターカップでは7着だったように、1400メートルでそのスピードを生かせるかどうか。
兵庫大賞典3着だったナムラタタ、園田1400メートルで12戦して10連対というテーオーターナーらは押し出されての△で、能力的に差はない。どこからでも狙える混戦といえそう。
◎10カレンロマチェンコ
○1ハナブサ
▲3スマイルサルファー
△4イモータルスモーク
△7ナムラタタ
△8テーオーターナー
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北海道のヴィヴィアンエイトは2歳時に笠松のラブミーチャン記念を勝利。3歳になって1200メートルのフロイラインスプリントでは直線外から豪快に差し切って2着に2馬身半差をつける快勝。1700メートルのフロイラインカップでも2着。古馬初対戦だったノースクイーンカップは7着だったが、JpnIIIの北海道スプリントカップでは地元最先着の4着に好走。輸送も距離もさまざまな条件に対応できた上での能力の高さに期待する。
地元の期待は当然、東海三冠を達成したフークピグマリオン。3コーナーからギアを上げてきて直線で差し切るというレースぶりだが、直線でムチを入れられるとフラフラしたり危うい面はある。直線が長くなった新・名古屋競馬場であればこそ勝てたという感じもあり、そうした気性面から1500メートルへの距離短縮には不安もある。
大井のマスターオブライフは、長期休養を挟んでデビューから3連勝と底を見せていない。前走、休み明けの古馬C1戦で、直線軽く気合をつけられただけで逃げ切り4馬身差楽勝は評価できる。キャリア4戦目での初遠征、初コースで能力を発揮できるかどうか。
大井のイモノソーダワリデは、クラシックチャレンジ3着、そして東京ダービーチャレンジを勝って名を上げた。東京ダービーJpnI(11着)、黒潮盃(7着)はさすがに相手が強かったが、今回のメンバーなら能力上位。ただ距離を伸ばして台頭してきただけに1500メートルはどうか。今年ここまで36勝と、デビュー3年目で一気に勝ち星を伸ばした鷹見陸騎手には重賞初制覇のチャンスとなる。
東海優駿でフークピグマリオンに1馬身半差2着に迫ったキャッシュブリッツ、古馬B1特別で3着と好走したエナジーロマネスク、マイル以下なら能力を発揮しそうなスティールアクターらも圏内。
◎10ヴィヴィアンエイト
◯11フークピグマリオン
▲12マスターオブライフ
△3イモノソーダワリデ
△5キャッシュブリッツ
△9エナジーロマネスク
△4スティールアクター
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