エーデルワイス賞JpnIIIで地元最右翼と目されるリオンダリーナがこの時期に遠征するとはちょっと意外だった。デビューからの3連勝は、2着馬との着差が4馬身、2馬身、1馬身半と、圧倒的といえるほどの差ではないものの、2走目は直線後続の脚色を測りながらで余裕があったし、前走リリーカップもゴール前で2着馬に差を詰められたものの危なげのないもので、3着馬には6馬身差がついていた。評価すべきは、ここまで3戦すべて1000メートル戦(良もしくは稍重)で1分00秒台をマークしていること。今年門別1000メートルの2歳戦で、勝ちタイムが1分00秒台だったのは7回あるが、そのうちの3回がリオンダリーナだった(8月10日現在)。そしてリリーカップの勝ちタイム1分00秒5がここまでのところ最速。スピード能力最上位は間違いなく、あとは輸送や距離延長や4つのコーナーなど、いくつもある初めてのことを克服できるかどうか。
ラブミールイスはここまで川崎で4戦1勝、2着3回。前走初陣賞では馬体を併せて直線を向いたベアバッキューンに7馬身離されたが、そのベアバッキューンは、続く重賞・若武者賞で2着に9馬身差という圧倒的な強さを見せた。そうした強敵相手の経験と、距離も経験しているアドバンテージで、リオンダリーナにどこまで迫れるか。
船橋のリヴェルベロはデビュー4戦目の大井1200メートルが初勝利で、続く重賞ルーキーズサマーカップで2着。勝ったライトスリーに7馬身離されたが、これは相手が悪かった。上位食い込みに期待だ。
ヴィルミーキスミーは、前走重賞フルールカップこそ5着だったが門別で2勝。小牧太騎手がどんなレースを見せるか。
地元勢では、デビュー戦こそ3着だったが、前走未勝利戦を8馬身差で圧勝したウイングスオールにさらなる上積みがあれば。
ミニフィーユは新馬戦を勝っただけだが、それが5馬身差の圧勝で、3着馬にはさらに4馬身差をつけた。820メートルの勝ちタイム50秒9は、今年ここまで園田820メートルの2歳戦が11戦行われたなかで2番目のタイム。素質は高そうだが、いきなりこのメンバーに入ってどこまでやれるか。
◎7リオンダリーナ
◯3ラブミールイス
▲1リヴェルベロ
△11ヴィルミーキスミー
△8ウイングスオール
△4ミニフィーユ
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佐賀デビュー馬限定の2歳重賞。
ポリスヴィークルはデビューから2連勝。デビュー戦はダッシュがつかず3番手からとなったが、直線単独先頭に立っていたサガノオジョウサンをゴール前100メートルだけ脚を使って差し切った。続く前走はスタートからハナをとると、テイエムサガボーイに競りかけられる厳しい展開も、3コーナーで振り切るとそのまま後続を寄せ付けず、サガノオジョウサンに今度は4馬身差。直線では何度かうしろを振り返って脚色を確認する余裕を見せての完勝。レースに慣れてくればまだまだ強くなりそうだ。
ミトノドリームのデビュー戦は直線で後続を突き放し6馬身差。その900メートルの勝ちタイム54秒9は、ポリスヴィークルのデビュー戦よりコンマ1秒遅いだけ。それがゴールでは余裕をもってのタイムということであれば、可能性を感じさせる。ポリスヴィークルがそうだったように、一度使われての成長があれば脅かす場面までありそう。
8月25日の1400メートル戦で1〜3着だったカシノアップビート、エイヨーシンワ、ダブルバースデーは、互いに勝ったり負けたり。ポリスヴィークルを負かすにはもう一段階レベルアップが必要かも。
サガノオジョウサンはデビューから2戦ともポリスヴィークルの2着。前述1400メートル戦の上位馬との連下争い。
◎9ポリスヴィークル
◯2ミトノドリーム
▲7カシノアップビート
△10エイヨーシンワ
△1ダブルバースデー
△4サガノオジョウサン
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コニパはデビュー戦を勝ったのみだが、そのデビュー戦は、4コーナー手前まで引き付けて、直線では軽く追っただけで後続を突き放した。2着に2秒2の大差。勝ちタイムの1分0秒9は、今年盛岡ダート1000メートルで行われた2歳戦では最速のタイム。連戦連勝という馬がいないメンバーということであれば、この馬の可能性に期待してみたい。
唯一、北海道から転入がサンカリプソ。デビュー3戦目の初勝利は、レース中盤から馬群がばらけてやや能力差のあるメンバーではあったが、直線追い出されると後続を突き放して余裕の勝利。デビューから1000メートルのみを使われてきたが、レースぶりから距離延長にも対応できそう。
若鮎賞を6馬身差で圧勝したサウザンドマイルが不在となって、クビ、クビという3頭接戦の2着争いで先着したのがマツリダマスラオで、3着がステイクラッシー。続くJRA認定のフューチャーステップでは、ステイクラッシーが逃げ切った。若鮎賞と同じ盛岡ダート1600メートルで、稍重から良馬場となってもタイムを詰めてきた。さらなる上積みを期待したいところ。
一方のマツリダマスラオは、そのフューチャーステップでは、勝ったステイクラッシーから0秒6差の3着。その差を縮めることができるかどうか。
ポマイカイは若鮎賞では6着だったが、続く盛岡1400メートル戦では不良馬場とはいえ好タイムで僅差の2着。若鮎賞で先着された2頭に対して逆転の可能性もありそう。
◎4コニパ
○9サンカリプソ
▲3ステイクラッシー
△11マツリダマスラオ
△7ポマイカイ
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南関東から3頭、笠松から1頭が遠征してきての7頭立て。
ソリストサンダーはかしわ記念JpnI・2着2回などの実績で昨年大井に移籍。そして今回は昨年11月のマイルグランプリ4着以来、約10カ月ぶりの実戦で、どの程度の能力を発揮できるか。8割程度の復調でも、このメンバーなら勝負になる。
笠松のエイシンヌウシペツは重賞で何度か惜しいところがありながら、今年7月に地元のサマーカップで重賞初勝利。続く前走、撫子争覇では見せ場をつくれず6着に敗れたが、金沢ではお松の方賞で昨年の東海ダービー馬セブンカラーズの2着もあり、ソリストサンダーは別格としても、それ以外の南関東勢にはヒケをとらない。
浦和のブラックパンサーは重賞初挑戦だった昨年の浦和・ゴールドカップで2着と好走したが、今年は1200〜1600メートルの重賞・準重賞で4着が最高の成績。ただ常に南関東オープンのトップレベルとの対戦で、今回は相手がかなり楽になる。ここできっかけをつかみたいところ。
地元勢では、笠松・サマーカップでエイシンヌウシペツの4着だったエイシンギアアップ、前走準重賞・金沢鼓門賞を圧勝したエムティアンジェらは上位争いにからめるかどうか。
◎3ソリストサンダー
◯1エイシンヌウシペツ
▲6ブラックパンサー
△7エイシンギアアップ
△2エムティアンジェ
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キャリックアリードはスパーキングレディーカップJpnIIIで惜しくもクビ差2着。それでもグランダム・ジャパン古馬秋シーズンでは、表彰対象の地方馬ではその2着ポイントによって目下のところトップ。ここを勝てば、残す対象レースは、レディスプレリュードJpnII、JBCレディスクラシックJpnIというグレードレースのみで、地方馬にとってはポイントを稼ぐのが難しいだけに優勝がかなり近づく。大井転入後勝ち星こそないものの出走したのはすべてダートグレードで、しかもすべて4着以内ということでは負けられない一戦だ。
地元の期待はブリーザフレスカ。昨年のこのレースでは4コーナーで前をとらえ、直線だけで接戦の2着争いに大差をつける圧勝だった。続くゴールド争覇を制し、今年は勝ち星こそないものの牡馬相手の重賞で常に好走。地の利を生かしてキャリックアリードを脅かす場面まであるかどうか。
アンティキティラは昨年のこのレースでは、ブリーザフレスカに大差をつけられたとはいえ2着。今年は佐賀ヴィーナスカップを制し、兵庫サマークイーン賞で2着。そして読売レディス杯では地元のハクサンアマゾネスを相手にしなかった。地元高知ではなぜかいまひとつの成績だが、遠征ではとにかく強い。
ハクサンアマゾネスは、昨年のこのレースでは1番人気に支持されるもまさかの最下位。放牧から戻っての調整が万全ではなかったということのようだった。昨年の1、2着馬に、さらに強力なメンバーが加わってどうか。
春に若草賞土古記念を制した大井のグレースルビー、名港盃4着のケンドチョウライらも連下争いの候補。
◎7キャリックアリード
◯1ブリーザフレスカ
▲8アンティキティラ
△6ハクサンアマゾネス
△10グレースルビー
△3ケンドチョウライ
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