南関東勢が過去5年連続で勝っているこのレース。今年も大挙6頭が遠征してきた。
マテリアルガールは3歳時に2000メートルで3連勝があるように、この距離で抜群の成績を残してきた。4歳になっての2勝も川崎と浦和の2000メートル戦。しかも武蔵国オープンは牡馬相手の準重賞で逃げ切り。ここは同じ左回りの2000メートル。ほかに逃げそうな馬は地元のオンザブロッサムと、外枠のミニアチュールくらい。メンバー的にマイペースでの逃げ切りが叶いそう。
ラブラブパイロは昨年末の東京シンデレラマイルで、4コーナー16頭立ての後方2番手から大外を追い込み、勝ったスピーディキックにクビ差まで迫った。前走門別に遠征したノースクイーンカップでは向正面中間から早めに進出すると、直線で力強く抜け出した。前が競り合って末脚が生かせる展開ならこの馬の出番だ。
ティーズハクアは一昨年3歳時、浦和・桜花賞で9番人気ながら2着と好走し、その後は1800メートル以上の距離で好成績を残している。昨年のこのレースでは3着。その後、A2以下の川崎2000メートル戦を制し、今年4月、牝馬限定の準重賞ではマテリアルガールの2着。ただそのとき7馬身も差をつけられているだけに、◎◯とはちょっと差がありそう。連下争いの筆頭。
サルサレイアは3年以上勝ち星から遠ざかり苦戦が続いているが、そんななかでも昨年のこのレースでは2着に入り、その後も東京シンデレラマイルで3着、牝馬の準重賞3着ではマテリアルガールに先着するなど、強敵相手の好走はある。昨年の水沢から今回は舞台が盛岡に変わったが、左回りでも好走はしており、人気がなければ狙ってみたい。
ビジンは中央オープンで頭打ちとなって浦和に転入。初戦は3番手を追走したものの、3コーナー過ぎで手応え一杯になり、行ったままとなった1、2着馬からは離された。中央ではダートの中距離で3勝しており、芝では2500メートルを制しているように、この距離は苦にしないはず。取止めとなったOROカップから再度の盛岡遠征。転入初戦のレースぶりだけでは見限れない。
地元の期待はミニアチュール。今シーズン、一時期は短距離を走ったが、ここに来て1600、1800メートルと連勝は、ここを狙ってのことだろうか。ただ遠征勢相手に勝ち負けまではどうだろう。
◎9マテリアルガール
◯6ラブラブパイロ
▲12ティーズハクア
△2サルサレイア
△3ビジン
△11ミニアチュール
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ここはシンメデージーの相手探し。デビューから6連勝で東京ダービーJpnI指定競走の西日本クラシックを制し、そして臨んだ東京ダービーJpnIでは地方馬で唯一掲示板を確保する4着。つまりここまで地方馬には先着されていない。ほかに重賞勝ち馬が2歳時のワラシベチョウジャだけというメンバーでは、よほどのアクシデントでもない限り、負ける場面は想像できない。
相手筆頭は、そのワラシベチョウジャ。3歳になって勝ち星がないとはいえ重賞で2着3回、3着1回。前走、兼六園スプリントは1番人気に支持され、勝ちに行ったぶん、前3頭の先行争いが激しくなり、争った2頭は5着と最下位に沈むところ、ワラシベチョウジャはなんとか3着に粘った。距離はマイルまでしか経験がないものの、ゆったりマイペースで流れに乗れば上位を期待できる。
佐賀のフークファンタジーは、ここまで3勝はいずれも1400メートルだが、1750、1800メートルという中距離でも強敵相手に好走はある。好走するときと凡走の落差は大きいが、前走古馬B級相手に2着は評価できる。あとは初遠征で能力を発揮できるかどうか。
アコーは2走前、3歳になっての初勝利が古馬B6戦。そして前走は古馬B1特別で着順こそ5着だが、勝ち馬にコンマ5秒差と古馬相手に善戦。5走前の新緑賞、4走前のクイーンカップはともに差のある敗戦だったが、その後の3戦で力をつけた。
前走中央の未勝利馬相手に圧勝のニホンピロホリデーも3着争いなら。地元勢では前走トライアルの石川門カップを逃げ切ったガガヒャクマンゴクがどこまで。
◎3シンメデージー
◯11ワラシベチョウジャ
▲1フークファンタジー
△12アコー
△6ニホンピロホリデー
△10ガガヒャクマンゴク
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タイガーインディは黒船賞JpnIII・3着好走のあともますます充実した印象だ。前走オグリキャップ記念は、ゴール前3頭の接戦を内から抜け出した。勝ちタイム1分24秒0も、ラブバレットのコースレコードにコンマ4秒と迫る優秀なもの。それにしても2走前に制した地元の兵庫大賞典も、オグリキャップ記念も、ともに今年から1400メートルに距離短縮されたということで、タイガーインディにとってはなんという幸運だろう。中央の重賞実績がある馬たちが重いハンデを背負うなか、JpnIIIで3着がありながら、その黒船賞JpnIIIのときより1キロ軽い55キロというハンデにも恵まれた。
メイショウテンスイは、3歳時にこのレースで2着に好走して以来、4年ぶりの佐賀出走。一時期不振が続いたが、ここ3戦で復調し、前走で久々の勝利。その前走は福島ダート1700メートル戦だが、中央のワンターンの1400メートルより、同じコーナー4つのコースということでは展開的にもむしろプラスと思える。重賞勝ちがないゆえのハンデ57キロも有利だ。
ここ2戦、大敗が続いたサンライズホークだが、気性的な難しさから能力を発揮できるときとそうでないときの落差が大きい。昨年勝ったときより4キロ増量されての59キロが果たしてどうかだが、能力を発揮できれば勝ち負けまである。
テイエムトッキュウは、カペラステークスGIIIを逃げ切ったスピードは評価できるが、58.5キロのハンデと、初めてのコーナー4つの1400メートルがどうか。
地方のダートグレードでは近走成績いまいちでもかつての実績馬が人気を落として好走することもしばしば。ラプタスはトップハンデ60キロは楽ではないが、59キロで兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIを制しており、地方の小回り1400メートルは得意とする舞台。人気を落としていれば連下で狙ってみたい。
アラジンバローズは中央オープンで好走実績があり、ここ2戦はいまいちも兵庫移籍初戦で佐賀の重賞・鳥栖大賞を制した。中央からの移籍馬で重賞を多数勝っている新子雅司厩舎だけに、54キロというハンデも侮れない。
◎12タイガーインディ
◯6メイショウテンスイ
▲7サンライズホーク
△10テイエムトッキュウ
△2ラプタス
△5アラジンバローズ
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北海道からの移籍馬が2頭。ともに門別で1勝していて、この時期はやはり地元デビュー馬より北海道デビュー馬のほうが強いと見るのが妥当だろう。
エムティパルはデビュー戦のフレッシュチャレンジは4着だったが、その勝ち馬イイデマイヒメはサッポロクラシックカップを制した。そして2戦目の1000メートル戦を3馬身差で勝利。1分1秒6はなかなかの好タイムで、このメンバーでは能力が抜けている。あとは移籍初戦で初めてのコーナー4つのコースで、その能力を発揮できるかどうか。
もう1頭、門別からの転入はビバロジータ。こちらはフレッシュチャレンジを勝ったが、2戦目のウィナーズチャレンジは7着大敗。とはいえ、前半ハイペースで飛ばした逃げ馬を追いかけたこともあり、また勝ったソルジャーフィルドはその後ブリーダーズゴールドジュニアカップ2着という世代トップクラスの1頭だった。距離経験ということでは、こちらにアドバンテージがありそう。
地元馬ではデビューから4連勝のショウガマッタナシが断然。とはいえここ2戦の1400メートルの勝ちタイムが1分30秒ちょっと。昨年このレースを制したダヴァンティの勝ちタイムが良馬場1分29秒4で、その先のネクストスター金沢では、勝ったダヴァンティから4着馬までが1分30秒を切っていた。今回、相当タイムを詰めてこないと、北海道からの転入馬との互角の勝負は難しいかもしれない。
あとは、新馬戦を勝っただけのアメージングビュー、1400メートルで1分31秒2という、ショウガマッタナシに次ぐ持ちタイムのあるムータニらが上位に食い込めるかどうか。
◎5エムティパル
○2ビバロジータ
▲4ショウガマッタナシ
△3アメージングビュー
△10ムータニ
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ばんえい競馬の重賞でも特に予想が難しい(と個人的には思う)世代混合重賞。はまなす賞は3・4歳馬の重賞で、経験からいえば4歳馬のほうが有利なはずだが、歴代の結果を見るとそうともいえない。もちろん負担重量差もあってのことだが、世代間のレベル差のほうが大きいように思われる。
たとえば一昨年は3歳馬が3着以内を独占し、昨年は4歳馬が3着以内を独占。つまり今年5歳になった2019年生まれの世代が2年連続で馬券圏内を占めた。しかもその3頭の顔ぶれは全く同じで1〜3着内で順序を変えただけ。そのうちの1頭クリスタルコルドは、今年北斗賞、旭川記念と古馬重賞を連勝。この世代には昨季4歳シーズン三冠を制したキングフェスタという世代王者もいて、この現5歳世代は、メムロボブサップ、アオノブラックら8歳世代に次ぐ黄金世代と言われている。それが、過去2年のはまなす賞の結果を見ても一目瞭然というわけだ。
ただ過去10年のデータで見ると、1着は4歳6頭に3歳4頭、2着は4歳3頭に3歳7頭、3着は4歳8頭に3歳2頭。3着内の合計では4歳17頭、3歳13頭だから、やはり4歳馬のほうが若干有利とはいえそうだ。そのうち牝馬は3歳馬が2着3回、4歳馬が3着1回。出走頭数自体少ないが、牝馬を狙うなら3歳馬。
ジェイライフは前走山鳩賞では1番人気で3着だったが、わずかの差。勝ったクリスタルゴーストが今回は10キロ増になったのに対してこの馬は据え置き。2着だったタカラキングダムは710キロで今回も同重量だが、3歳の軽量馬が加わったことで流れが速くなることが予想され、トップハンデ馬には展開的に厳しくなるはず。ジェイライフの重賞初制覇に期待する。
そしてオープン格付で実績最上位はタカラキングダム。山鳩賞では障害6番手から、勝ったクリスタルゴーストにコンマ3秒差まで迫った。展開次第ではトップハンデでもチャンスはある。
3歳馬の期待はミチシオ。前走A2との混合戦を勝っても引き続きB1格付で670キロ。トップハンデ2頭と40キロ差なら互角以上の勝負が期待できる。
マルホンリョウユウもオープン格付の710キロで、近走タカラキングダムとの対戦ではやや劣勢。ただ逆転できない差ではない。
クリスタルゴーストは山鳩賞を勝ったことでA2格付となり、別定重量増となってどうだろう。
ライジンサンは今季初戦となったばんえい大賞典がトップハンデで7着だったが、障害4番手から残り20mあたりまでは3着争いに加わっていた。1戦使われて状態上向きなら軽視はできない。
◎1ジェイライフ
◯5タカラキングダム
▲9ミチシオ
△8マルホンリョウユウ
△4クリスタルゴースト
△10ライジンサン
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