これまで3月中旬以降に行われてきた若草賞だが、名古屋競馬場移転にともない、今年度の開催が3月11日までとなっていることから、この日程となったようだ。
南関東から遠征の2頭にとっては、ここで賞金を加算できれば中1週で桜花賞に出られる可能性があるし、仮に桜花賞に出られなくてもグランダム・ジャパンのタイトルを狙うことができる。
川崎のヤマイチリリーは北海道2勝から移籍して2連勝のあと、桃花賞では4着だったが、1、2着馬とは前半の位置取りの差だった。門別での最終戦でもオープン2着の実績があり、ここは戦ってきた相手を考えれば能力上位だ。
北海道での実績といえば、高知のアンティキティラは門別の2歳オープンからJRA認定ウィナーズチャレンジを連勝しての移籍。佐賀に遠征した花吹雪賞では水の浮く不良馬場ながら好位から抜け出しての完勝。これで移籍後3連勝と底を見せていない。3歳になってからの経験でヤマイチリリーとの能力差がどうだろう。
迎え撃つ地元筆頭はレイジーウォリアー。2歳時のゴールドウィング賞こそ3着だったが、前走新春ペガサスカップではスタートからハナをとると、そのまま後続を寄せつけず7馬身差の圧勝。そこで2着だったアップテンペストはその後重賞2連勝という実力だ。3歳になって力をつけた。
中央未勝利勝ちから転入して2連勝のグレタは押し出される形での△まで。
門別1勝から船橋に移籍したラッキーミーティアも南関東で2勝。兵庫の重賞で上位争いのアンサンらにも可能性はありそう。
◎5ヤマイチリリー
○7アンティキティラ
▲4レイジーウォリアー
△3グレタ
△10ラッキーミーティア
△2アンサン
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2月23日に佐賀で行われた九州産馬による交流のたんぽぽ賞では、飛田愛斗騎手がタケノサイコウをまこと見事な騎乗ぶりで勝利に導き、中央から転入しての連勝を9に伸ばした。
出走10頭中6頭が中央馬だが、コロナの影響で鞍上はすべて地元佐賀の騎手。山口勲騎手の1番人気イールテソーロが逃げ、差なく2頭が続いて、中央の人気上位馬3頭が先行集団を形成。向正面に入ると4番手以下はやや離れた。タケノサイコウの飛田騎手は、スタート後の直線では中団よりうしろにいたが、徐々に位置取りを上げていき、3〜4コーナーで一気のまくり。4コーナーを回るところで4頭が横一線となっての追い比べは見ごたえがあった。
そしてゴール前。大外のタケノサイコウが抜け出し、飛田騎手はガッツポーズ。2着イチザウイナーには3/4馬身差だが、着差以上に余裕のある勝利。直線争った中央3頭のうち、佐賀のトライアルを使っていたのはイールテソーロだけで、あとの2頭は佐賀初参戦。飛田騎手は、どこから仕掛けていけば勝てるか、まるで中央有力3頭の能力がわかっていたかのように差し切った。
ゴール後、「スーパーヤングチャンピオン、君の名は、ヒダマナト」という中島英峰アナウンサーの決め台詞もよかった。
飛田騎手にとっては、デビューからわずか4カ月半ほどだった昨年のこのレースが重賞初制覇で、そして連覇。地元佐賀所属馬にとっては、2001年のコウセイロマン以来、じつに21年ぶりのたんぽぽ賞制覇となった。
それで今年も気になるのが、佐賀のリーディング争い。昨年は、このたんぽぽ賞当日に飛田騎手は1日6勝を挙げる活躍で、2月末日現在で、飛田騎手34勝、山口騎手32勝。デビューからまだ4カ月半ほどという若者が、佐賀では絶対的存在の山口騎手とリーディングを争い、一時的とはいえ上回っていたことは驚きだった。
今年はここまで、山口騎手27勝に対して、飛田騎手25勝。とはいえ騎乗数は飛田騎手のほうが少なく、勝率と収得賞金では飛田騎手が上回っている。山口騎手は、3月28日の誕生日で52歳。今年なのか、来年なのか、世代交代という可能性はありそうだ。
話は変わるが、少し前のこと。スカパー!で佐賀競馬の中継を見ていて、ある映像に釘付けになった。
『うまてなし。』という、佐賀競馬場移転開設50周年のプロモーション映像だ。
YouTubeの佐賀競馬オフィシャルチャンネルでも公開されているので、ご覧になった方もいるのではないだろうか(フルバージョンはこちら)。
おなじみ、中島アナのナレーションで、「しかし、そのみちのりは、決して平坦ではありませんでした。九州の競馬をともに盛り上げてきた、中津競馬、荒尾競馬の廃止。九州地方競馬、最後の砦......」とはじまる。中津競馬、荒尾競馬がまだ元気だった頃を知っている身としては、一瞬差し込まれた懐かしい映像には、おおっ!となった。
出演は、騎手や調教師だけでなく、主催者や従事員のみなさんが、ぞろぞろとパドックに入ってくる場面は壮観だ。
そして佐賀競馬場にかかわる人々を紹介していく。まずは正門横にある、龍ラーメン、のだ屋のおじちゃん、おばちゃん。ここから始まるのが、ファンにとってはうれしい。清掃員、警備員の紹介まである。そして、「頼まれたら、なんでも焼いちゃう、うまてなし。」という紹介は、佐賀競馬場を知るファンにとっては、ニヤリとする場面だ。
この映像をつくったのは、おそらく広告代理店なのだろうが、センスがいい。競馬が好きな人がつくったに違いない。
もうひとつ、YouTubeのオフィシャルチャンネルでは、『てっちゃんの部屋』というのが始まった。"てっちゃん"というのは佐藤哲三さんのことだが、その第1弾(#1)は、飛田愛斗騎手との対談。騎乗技術について語るとても濃い内容で、最後のほうには、傍で見ていた金山昇馬騎手と、金沢から期間限定騎乗中の魚住謙心騎手も登場する。こちらも必見ですよ(こちら)。
9月に行われた園田チャレンジカップは、エイシンエンジョイ、ナチュラリーがハナを争って、エイシンエンジョイこそなんとか3着に粘ったが、後方で脚を溜め直線一気に追い込んだコウエイアンカ、ダノングッドで決着。ナチュラリーは最下位に敗れた。今回はさらに逃げ馬マイタイザンが加わってというメンバー。ならば控えて直線脚が使える川崎のベストマッチョを狙ってみたい。一昨年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIは逃げてゴール前まで先頭で惜しくも2着だったが、ラプタスが出遅れて結果的に逃げただけで、控えることもできる。一昨年7月のプラチナカップ以来勝ち星がなく、近走は着順の数字もよくないが、ダートグレードを中心に使われているためで、前走船橋記念も経験の少ない1000m戦で度外視できる。9歳だが中央馬相手に好走経験のあるコースだけに期待したい。
逃げ馬の中では、マイペースの逃げが叶えば、笠松に移籍して2戦目のエイシンエンジョイに期待。兵庫在籍時に重賞6勝という実績で、前述のとおりナチュラリーとのハナ争いでも3着に粘っており、逃げが予想される馬のなかでもっとも内の4番枠に入ったのも有利。
とはいえナチュラリーもここ4戦連続連対と調子を上げてきた。
園田チャレンジカップで3着エイシンエンジョイにクビ差4着と迫ったハナブサ、近走不振だがこの距離が合いそうな川崎のインペリシャブル、大井から転入して3戦好走のサンロアノークらも上位食い込みが期待できそう。
◎9ベストマッチョ
○4エイシンエンジョイ
▲6ナチュラリー
△3ハナブサ
△1インペリシャブル
△8サンロアノーク
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前哨戦のノカイドウ特別からは8馬身差で圧勝したイールテソーロが出てきたが、2、3着馬は不在。もうひとつの前哨戦ミヤマキリシマ特別からは1、2着馬が不在となって中央所属馬は3着のカシノプルタオルネのみが出走。ミヤマキリシマ特別を勝ったカシノリバイアサンのタイムは、ノカイドウ特別のイールテソーロ(1分30秒0)より2秒4も遅いタイムだったことがあるのかもしれない。
今回出走してきた中央6頭のうち4頭が中央1勝だが、その勝ち星はいずれも九州産限定戦。イールテソーロは中央未勝利だったが、圧勝したノカイドウ特別のレースぶりを評価する。
ミミグッドは、芝ではあるもののさざんか賞(1勝クラス)で勝ち馬からコンマ9秒差の7着というレース内容は評価できる。ただ前走初ダートで大敗しているだけに、地方のダートがこなせるかどうかが気になるところ。
地元勢ではタケノサイコウが中央馬相手にどんなレースを見せるか。もともと中央デビューで2戦大敗のあと佐賀に移籍後は無傷の8連勝。中央での2戦はともに芝だっただけに、ダートで素質開花という可能性に期待だ。
小倉の九州産限定・ひまわり賞でイールテソーロを3着にしりぞけて勝ったのがヒノクニ。ダート経験は門別に遠征したエーデルワイス賞JpnIIIのみで、それが最下位14着だったことでは、ダート適性が気になるところ。
小倉芝の九州産限定の未勝利戦を勝ったあとダートを使われてきたイチザウイナーには変わり身に期待したい。
◎5イールテソーロ
○8ミミグッド
▲2タケノサイコウ
△6ヒノクニ
△4イチザウイナー
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帯広記念は5着だったアオノブラックだが、勝ったキタノユウジロウ900kgに対して、トップハンデ920kgはさすがに厳しかった。今回はキタノユウジロウ、メムロボブサップのトップハンデ840kgに対して830kgならチャンスは大きい。連覇濃厚と見る。
今シーズンは岩見沢記念を勝ったのみのメジロゴーリキだが、この馬も830kgは有利で力を発揮できる。ただ当日の帯広地方は朝に雪予報が出ていて、馬場が軽くなってしまうと厳しいかもしれない。
メムロボブサップはトップハンデ840kgだが、昨年のこのレースでは850kgを課されていた(7着)ことを考えれば、今年は勝負になりそう。
このレース、過去3年連続で勝っているのが5歳馬の世代チャンピオン級の馬。ならばキョウエイリュウにチャンスありか。ただ3年前のメジロゴーリキが800kg、一昨年のアアモンドグンシンが810kg、昨年のアオノブラックが820kg。キョウエイリュウは、昨年のアオノブラックと同じ820kgだが、昨年はトップハンデ850kgが2頭いたのに対して、今回トップハンデは840kg。その重量差では勝ち負けまでは難しいか。
同じく5歳のカイセドクターが810kgなら見せ場以上もありそう。
帯広記念を制したキタノユウジロウはトップハンデ840kgがどうか。
◎5アオノブラック
○2メジロゴーリキ
▲3メムロボブサップ
△8キョウエイリュウ
△6カイセドクター
△1キタノユウジロウ
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