今年から1400メートルに距離短縮となり、園田・楠賞の指定競走となった秋の鞍。ダービーグランプリを目指す2000メートル前後の路線に対して、楠賞を目指す3歳秋の短距離路線が形成されつつある。
園田オータムトロフィーを圧倒的なスピードで快勝したステラモナークはその短距離路線を選択。楠賞を目標としてここに遠征してきた。名古屋1400メートルは3月に若草賞を6馬身差で圧勝しており不安材料はない。南関東の重賞勝ち馬も遠征してきているが、そのスピードは一枚上手と見る。
浦和のエストラードは、中央未勝利から移籍して3戦2勝。前走川崎1400メートルの古馬B2・B3戦では、4コーナー5番手あたりからうまく馬群をさばいて差し切った。3歳馬がこの時期に古馬のそのクラスで勝ちきったという能力は評価できる。前走馬体重プラス16キロと、減っていた馬体重を戻しての成長もうかがえる。
岐阜金賞ではダルマワンサとの一騎打ちに敗れて惜しくも東海三冠を逃したニュータウンガール。2歳10月のジュニアクラウン以来となる1400メートルでどうか。
全日本2歳優駿JpnIを制して2歳チャンピオンとなったヴァケーションだが、その後は勝ち星から遠ざかってしまった。前走2100メートルの戸塚記念でも見せ場をつくれず初めて二桁着順に沈んだ。距離短縮で、久々の吉原寛人騎手が鞍上となって復活はあるか。
中央1勝クラスから名古屋に移籍し、古馬A4特別を逃げ切ったコパノライダーも3歳同士ならヒケをとらない。
岩手で重賞2連勝のあと再び名古屋に戻ってきたエイシンハルニレは、このメンバーに入ってどこまでやれるか。
◎10ステラモナーク
○3エストラード
▲4ニュータウンガール
△11ヴァケーション
△8コパノライダー
△12エイシンハルニレ
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サブノタマヒメはデビューから5連勝。2着との最少着差はデビュー戦の2馬身半。前走金沢プリンセスカップは3コーナー過ぎで先頭に立つと、逃げ粘っていたマナバレンシアを直線で軽く突き放して3馬身差。さらに3着のエムザックベールには5馬身差をつけた。一戦ごとに力をつけている。牡馬相手でも現状、能力は一枚抜けている。
エムザックベールは、門別からの転入初戦となった金沢プリンセスカップではサブノタマヒメから8馬身離されて3着。門別ではオープンでも好走していたという実力ならもっと走っていい。転入2戦目での巻き返しに期待。
デビューから勝ちきれないレースが続いたシンフジだが、ここにきて2連勝。これまでサブノタマヒメとは4度対戦して3、2、2、2着。サブノタマヒメさえいなければ何度も勝っていたはず。前走は4コーナー手前でラチ沿いから先頭に立って楽勝。力をつけて逆転なるかどうか。
勝負はおそらくここまで3頭。9月1日のJRA認定競走でシンフジを負かしているフューリアス、前走でシンフジの3着だったタクシードライバーらも上位食い込みを狙う。
◎1サブノタマヒメ
○10エムザックベール
▲3シンフジ
△11フューリアス
△2タクシードライバー
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コーナーを4つ回る1230mというめずらしい条件を狙ってなのか、フルゲート12頭に遠征馬5頭が参戦。園田の地方重賞で、遠征馬のうち4頭が東日本からというのもめずらしい。
2頭出しの浦和・小久保智厩舎からブラックジョーに期待する。中央オープンから移籍して、2着のあとA2以下特別とオープン特別を連勝。コロナの影響で1週延期となったスパーキングサマーカップが7着で、オーバルスプリントJpnIIIは6着と、重賞ではさすがに相手が強かった。とはいえそれほど大きく負けたわけではない。中央ではダート1200〜1400mを中心に使われていただけに、この距離でこそという期待はできる。
地元兵庫勢では、中央から転入後1230m戦を3連勝したナムラムート。佐賀に遠征したサマーチャンピオンJpnIIIが地方馬最先着の5着で、園田チャレンジカップも5連勝となったナリタミニスターに3/4馬身差2着。そのナリタミニスターが不在となれば、ここで重賞初制覇の期待も。
ミカエルシチーもは昨年末に転入して1230mで9戦7勝、2着1回、目下3連勝中。まだ底を見せていないが、重賞初挑戦でどこまでやれるか。
小久保厩舎のもう1頭、エッシャーもA2下の準重賞勝ちがあり、プラチナカップ4着なら十分通用する。保園翔也騎手は先週の姫山菊花賞で期待されたセンチュリオンでは残念ながら3着。ここでリベンジなるか。
昨年来、重賞4勝を挙げているエイシンエンジョイは押し出される形で△まで。
ここまで勝ち鞍がすべて1000mというアザワクだが、3歳牝馬が定量で、古馬の牡馬と2kg差というのはちょっと条件が悪い。
◎4ブラックジョー
○6ナムラムート
▲2ミカエルシチー
△5エッシャー
△1エイシンエンジョイ
△7アザワク
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重賞勝ち馬は2年前のMRO金賞(金沢)を制したドリームスイーブル、昨年のゴールドジュニア(笠松)を制した兵庫のオオエフォーチュンの2頭のみ、そして8頭立てとやや寂しいメンバーとなった。
昨年のこのレースで3着だったシャドウチェイサーは目下3連勝中。しかも前走東海クラウンは、ハナをとって直線後続を突き放し、2着スパークルメノウに7馬身差をつけての圧勝。好調の勢いに期待する。
兵庫から遠征のコスモヴァーズは、今年ここまで勝ち星がないものの、重賞では5着6着が2回ずつ。2走前の摂津盃では勝ったジンギにコンマ9秒差という内容なら、このメンバーに入ればチャンスはあるのではないか。
ドリームスイーブルは4歳以降、重賞では3着が最高という成績だが、A1・A2の特別ではたびたび勝ち負け。冒頭のとおり重賞実績馬が少ないメンバーなら久々の重賞制覇も期待できそう。
スパークルメノウは、前走東海クラウンこそシャドウチェイサーにちぎられたが、その前まで3連勝でA1特別を制した。今回重賞初挑戦でも互角にやれるのではないか。
今年兵庫から転入したアリオンダンスは、マーチカップ3着に、オグリキャップ記念4着。1900メートルは力を発揮できる舞台。
◎2シャドウチェイサー
○1コスモヴァーズ
▲7ドリームスイーブル
△3スパークルメノウ
△6アリオンダンス
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2年前ではあるが佐賀記念JpnIIIのタイトルがあるルールソヴァールは、転入後、月1回のゆったりしたローテーションでここまで3連勝。いずれも危なげない勝ち方。7頭立てとはいえ、道営記念を見据えて有力馬が揃ったが、田中淳司厩舎ではこれまで2012年モエレビクトリー、15年グランプリブラッドが、中央オープンからの転入で道営記念を制しているように、ここは期待大の一戦。
ヤマノファイトは、船橋から転入初戦の特別戦がルールソヴァールに1馬身半差の2着で、続く旭岳賞はスタートで躓いて落馬。続く前走も相手を考えればやや物足りない2着だった。ただ転入前、今年2月の報知グランプリカップで3着だったという南関東での実績を考えれば、このメンバーでも十分やれる。
スーパーステションは、約1年ぶりの復帰戦となった前走は、逃げて直線でも先頭だったが、残り200mを切ってオヤコダカにとらえられると最後は息切れした感じで3着。その時の直前追い切りが坂路37.1 - 24.2で、まだ仕上がりきっていなかった。今回は36.4 - 23.8という好タイムを出しているだけに、前走以上は確実。
星雲賞、笠松・くろゆり賞と連勝中のクインズプルートだが、このメンバーに入ると勝ち負けまではどうだろう。
今季序盤の赤レンガ記念を勝ったステージインパクトはその後の成績がいまひとつ。ただ昨年の道営記念でも旭岳賞、瑞穂賞と差のある敗戦からの2着だっただけに軽視はできない。
◎5ルールソヴァール
○6ヤマノファイト
▲3スーパーステション
△4クインズプルート
△1ステージインパクト
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