11月29日に行われたばんえい競馬の重賞、ドリームエイジカップは4、5、6、7歳および8歳以上の各馬齢から収得賞金上位2頭ずつが出走して争うという馬齢別の対抗戦。サラブレッドと比べて現役生活の長いばんえい競馬ならではの重賞だ。
断然人気に支持されたのは、ばんえい競馬における重賞最多勝記録を更新し続けている(ここまで24勝)オレノココロだったが、勝ったのはアオノブラック、2着にメムロボブサップが入り、もっとも若い4歳馬のワンツーとなった。
シーズン最初に行われるばんえい十勝オッズパーク杯や、このドリームエイジカップのように、基礎重量が700キロ台で古馬重賞としてはわりと負担重量の軽い重賞では、若い世代が台頭することもめずらしくはないが、これまでほとんどの古馬重賞のタイトルを分け合ってきたオレノココロ、コウシュハウンカイという10歳2強の牙城が崩れつつある。
今シーズン、ばんえい十勝オッズパーク杯こそコウシュハウンカイ、オレノココロのワンツーだったものの、続く北斗賞、旭川記念、ばんえいグランプリは6歳のミノルシャープが重賞3連勝で一気に台頭。岩見沢記念はコウシュハウンカイが巻き返したが、北見記念はこれまた6歳のメジロゴーリキが10歳2強を抑えて制した。このときのメジロゴーリキは最低人気。とはいえ昨シーズン5歳時から古馬重賞で2着2回、3着3回と能力の高さを示していて、いよいよ今季後半の高重量戦で結果を出した。
そしてオレノココロの今シーズンは、2着3着の善戦までで、重賞での勝ち星はない。
昨シーズン(今年3月)のばんえい記念で2着だったセンゴクエース(8歳)、3着だったホクショウマサル(9歳)らは今シーズンの活躍が期待されたが、そのばんえい記念の影響が残り重賞では苦戦が続いている。さらに7歳世代はやや谷間となっており、それだけに6歳世代の台頭が目立っている状況だ。
競馬を将来的に盛り上げていくには世代交代は必然。現在のばんえい競馬には、馬齢による定年はないが、これまでばんえいの古馬戦線を牽引してきた2強は年が明けると11歳。コウシュハウンカイはばんえい記念を最後に引退、種牡馬となることが予定されている。ばんえい記念4勝目を狙うオレノココロは、その後どうするのかはまだ伝えられていないが、引退する可能性が高い。
となれば、それらに代わるスター候補に期待したいところ。今シーズン、このあとさらに重い重量となる正月の帯広記念、そしてシーズンを締めくくるばんえい記念で一気に世代交代が進むことになるのかどうか注目となる。
園田1400メートル、笠松1600メートルで他馬を寄せ付けない圧倒的なレースを見せてきたラジアントエンティのスピードが、このメンバーでは一枚も二枚も抜けている。今回はおそらく隣のトンデコパが逃げてその2番手か3番手だろうが、小回りコースも経験しているだけに死角になるような要素もない。もし勝てば、東京2歳優駿牝馬を待たずして、グランダム・ジャパン2歳シーズンの優勝が決まるのではないだろうか。
金沢シンデレラカップではクビ、ハナという接戦の決着で惜しくも3着だったリスカルダメント。ここまで勝ち星はフレッシュチャレンジのみだが、門別の2歳オープンで戦ってきたレベルの高さは見せた。
地元の期待はゴールデンヒーラー。知床賞では門別の重賞で好走しているスティールグレートに2馬身半差をつけて完勝。知床賞は重賞格上げとなった2012年以降、北海道勢の勝利が続いていたが、はじめて地元馬に勝利をもたらした。今回も北海道勢相手にどんなレースを見せるか。
ルビーブランケットは門別で2勝。ここまでの経験が門別の1000〜1200メートルだけに、初めてコーナーを4つ回る小回りコースがどうか。
トンデコパはテンのスピードは素晴らしいが、連対は1200メートルまで。マイペースで逃げてどこまで粘れるか。コーナーを4つ回る小回りコースなら、意外にペースが落ち着いて粘る場面はあるかもしれない。
◎1ラジアントエンティ
○10リスカルダメント
▲3ゴールデンヒーラー
△6ルビーブランケット
△2トンデコパ
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7月の吉野ヶ里記念では3着に敗れ連勝がストップしてしまったドラゴンゲートだが、それ以来の復帰戦となった五ヶ瀬川賞では、新人・飛田愛斗騎手が直線では後続の脚色を確認しながらほとんど追うところなく楽勝。そのレースぶりなら、地元同士ではまたしばらく負けないのではないか。
問題は相手探し。カクリョウはここ2戦のレースぶりがいい。特にドラゴンゲートと対戦した五ヶ瀬川賞ではスタートで出遅れて最後方からとなりながら、4コーナーで最内を突いて直線伸び2着に入った。今シーズン好調の石川慎将騎手の勢いもあったかもしれない。
五ヶ瀬川賞は4着だったフォークローバーだが2018年8月に笠松から転入して以降、佐賀では距離を問わず一度も掲示板を外していないという堅実ぶり。今年1月のウインターチャンピオンでもドラゴンゲートにコンマ4秒差の3着と好走しており、ここでも当然馬券圏内は狙える。
この秋にようやく調子を取り戻してきたオイカケマショウ、中央2勝クラスから転入して前走で初勝利を挙げたロトヴィグラスらも差はない。
◎10ドラゴンゲート
○7カクリョウ
▲1フォークローバー
△2オイカケマショウ
△9ロトヴィグラス
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まずは消去法で馬券圏内の馬を絞った。アアモンドグンシンは脚部不安の長期休養明けで仕上がり途上。今シーズン前半快進撃を続けたミノルシャープは賞金を稼いだぶん負担重量に苦しむ近況。フナノクン、ブチオは格下。北見記念を制したメジロゴーリキは高重量戦でこそ。というわけで残ったのは5頭。
このメンバーでオレノココロの770キロはかなり有利。今年は夏を順調に過ごし、復帰後3戦連続連対。以前のように障害で詰まるようなこともほとんどなくなったとあれば勝つ可能性はかなり高いと見る。
キタノユウジロウは、旭川記念、ばんえいグランプリ、北見記念を含め7戦連続5着。前走ピヤシリ特別は5番人気で4着だった。特に北見記念では5着とはいえゴール前差を詰めて、勝ったメジロゴーリキに1秒5差。上位5頭はほとんど同着といってもいいような僅差だった。古馬重賞でも通用するだけの力をつけた。
好調4歳馬メムロボブサップ、アオノブラックも、この重量なら一線級とも差のないレースができる。
コウシュハウンカイはオレノココロより20キロ重い790キロだが、700キロ台での20キロ増なら、この馬にとってはそれほどのハンデにはならない。
◎5オレノココロ
○6キタノユウジロウ
▲4メムロボブサップ
△7アオノブラック
△2コウシュハウンカイ
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プリマステラは北海道から転入して大敗もあったが、ここにきての2連勝のレースぶりがよくなった。前走1400メートル戦は2歳-2組だが、良馬場での勝ちタイム1分29秒7はメンバー中最速。ただその鞍上が新人の飛田愛斗騎手で3kg減だったというのは気になるところだが、とにかくこの馬の充実ぶりを評価する。距離伸びての父フリオーソにも期待したい。
アルティマソウルは、前走九州ジュニアチャンピオンでは、最後までシュリーデービーとの差を詰められず1馬身差2着。ただそれが7月以来3カ月ぶりの休み明けだった。叩き2戦目の上積みに期待だ。
3連勝で九州ジュニアチャンピオンを制したシュリーデービーは押し出される形で3番手評価。距離に不安があるとすればこの馬か。
この3頭の勝負で、どれかが崩れたときの押さえとして、ここ2戦がプリマステラの2着だったポストモダン。天山賞(4着)で距離を経験したモーモーブラック。
◎6プリマステラ
○10アルティマソウル
▲2シュリーデービー
△7ポストモダン
△3モーモーブラック
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