昨年から地方全国交流になったこのレース。酷暑まっさかりの中、北海道からの遠征にはちょっと驚いた。そのほか浦和、金沢から遠征があっての10頭立て、のはずが、金沢のジャーニーマンが残念ながら出走取消で9頭立てとなった。
浦和のレッドゲルニカは、中央から移籍して今回が3戦目。中央のオープンでは二桁着順が多く頭打ちの成績だったが、それでも勝ち馬から1秒前後の差では走っていた。大井、浦和でのオープン特別は6、5着だったが、このメンバーに入れば能力上位は間違いない。
クインズプルートは中央1勝クラスから北海道に移籍。1年半ものブランクがあって門別で復帰した今シーズンは、赤レンガ記念2着に、前走星雲賞では2着に4馬身差をつけて逃げ切った。その実力ならここでも十分通用する。ただ、この暑い時期に北海道からの遠征では当日の状態が気になるところ。
アドマイヤムテキは正月の名古屋記念を制したが、その後は準重賞の東海クラウンで1勝を追加したのみ。前走名港盃は惨敗だったが、これは距離が長かった。マイルに戻ってあらためての期待だ。
中央3勝クラスから転入したニホンピロヘンソンは、3戦目となった前走東海クラウンがアドマイヤムテキから差のある3着。そこからの巻き返しがあるかどうか。
ここ2戦がいまひとつのスムーズジャズだが、昨年は東海桜花賞、サマーカップで2着があり、4月から5月にかけて連勝したときのレースぶりが戻れば上位争いも可能。
◎3レッドゲルニカ
○6クインズプルート
▲8アドマイヤムテキ
△1ニホンピロヘンソン
△2スムーズジャズ
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マーサマイディアはメンバー中唯一のウィナーズチャレンジ勝ち。そのウィナーズチャレンジは、先行争いからハナに立つと、3〜4コーナーでは息を入れるような感じで、直線では内で食い下がっていたレディブラウンを突き放した。将来性を感じさせる内容で、ここでは能力が一枚上と見る。ただデビュー戦で勝っているとはいえ、1000メートルの距離短縮で流れに乗れるかどうか。
ルイジアンナはデビューから1000メートルのみを使われ3戦2勝。前走オープンのルビー特別は、スタートからデスブローとの一騎打ち。クビから半馬身ほどの差で主導権を握ると、直線でも競り合ったまま、しかしその差を最後まで詰めさせずゴールとなった。稍重でも1分0秒6という好タイム。2番枠から一気にスピードで押し切る可能性も。
デビューから4戦目のアタックチャレンジが初勝利となったのがエムオーシャトル。不良馬場とはいえ勝ちタイム1分0秒9は、ここにきての充実ぶりを感じさせた。
1000メートル戦で2勝を挙げているブルースウェード、ルビー特別でルイジアンナにクビ差2着だったデスブロー、ウィナーズチャレンジから栄冠賞と強いメンバーと戦ってきたトンデコパなどにもチャンスはありそう。
◎9マーサマイディア
○2ルイジアンナ
▲5エムオーシャトル
△8ブルースウェード
△10デスブロー
△7トンデコパ
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重賞3勝でJpnI勝ちのヤマニンアンプリメか、重賞4勝のコパノキッキングか。前者が56キロ、後者が58.5キロというハンデなら、ヤマニンアンプリメを中心にとった。同じ浦和1400メートルを舞台に行われた昨年のJBCレディスクラシックとJBCスプリントでは、ヤマニンアンプリメが勝ったレディスクラシックのほうが勝ちタイムがまさっていた。加えてヤマニンアンプリメの前走プロキオンステークスGIIIは、牡馬相手に3着と善戦。勝ったサンライズノヴァはJpnI(南部杯)勝ちがあり、2着エアスピネルは芝重賞3勝という実績馬。地方のコーナーを4つ回る1400メートル戦への適性ということでもヤマニンアンプリメに分がある。
一方のコパノキッキングには、今回武豊騎手が初騎乗。好スタートなら逃げられるし、控える競馬もできるコパノキッキングにとって、7番枠は絶好の枠順。浦和のJBCスプリントJpnIではほとんど勝ちに等しい内容での2着だったが、あらためて地方の小回りコースで、コーナーを4つ回る競馬をこなせるかどうか。
メイショウテンスイは、前走3勝クラスでの勝利が2歳時以来久しぶりの勝利。今回のメンバーでいきなり勝ち負けまではどうかだが、オープン勝ちのサヴィとの比較なら3キロのハンデ差は有利と見る。
そのサヴィは、前走天保山ステークスがオープン特別初勝利で、今回は56キロ。同3着だったヒラソールは55キロ。実績2頭と互角に戦うにはもう少しハンデ差がほしい。ハンデの下限が52キロとなると、地方馬との能力比較で中央のオープン実績馬にもそれなりのハンデを与えなければならず、結果的にトップハンデの馬と能力差ほどハンデ差がつかないのが難しい。
地方馬では登録のあった有力馬がかなり回避してしまったが、中央2勝クラスから兵庫に移籍して目下3連勝中のナムラムートが52キロなら上位進出の可能性も。
◎1ヤマニンアンプリメ
○7コパノキッキング
▲12メイショウテンスイ
△5サヴィ
△11ナムラムート
△10ヒラソール
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2勝クラスからオープンを連勝し、プロキオンステークスGIIIで5着だったトップウイナーが引き続き好調と見て期待する。プロキオンステークスで先着された4頭は、JpnI勝ち馬2頭を含めいずれも重賞勝ち馬。5着でも評価を下げる内容ではない。地方は初めてだが、ダートに転向して中京で初勝利を挙げて以降、左回りのダートでは3戦3勝という成績もある。それにしても父が凱旋門賞を勝ったバゴ、母の父がテイエムオペラオーという血統からダートの短距離馬が出る(1800メートルも勝っているが)というのはおもしろい。
ヒロシゲゴールドは、前走京葉ステークスがオープン初勝利。とはいえ地方では昨年、東京スプリントJpnIIIが逃げてキタサンミカヅキ、コパノキッキングに差のない3着に粘り、その後クラスターカップJpnIIIでも、最後はヤマニンアンプリメに差し切られたものの、コパノキッキングは早目に競り落とした。マテラスカイとの先行争いがどうなるか。
ワンターンで近年の勝ちタイムが1分9秒前後というこのレースは、マテラスカイに向いていそう。ただ日本での勝利は一昨年のプロキオンステークスGIIIが最後ということでは、人気になるならむしろ敬遠したい。
ブルドッグボスには一昨年制した相性のいい舞台だが、そのときより5キロ重い59キロがどうか。ただ有力馬に逃げ・先行馬が揃っただけに展開の助けはあるかもしれない。
そういう意味では直線勝負のショームにも展開が向く可能性はある。
10歳でダートグレード(北海道スプリントカップJpnIII)初制覇となったメイショウアイアンだが、このレースでは一昨年が6着で、昨年が7着。それ以上を望めるかどうか。
◎12トップウイナー
○1ヒロシゲゴールド
▲9マテラスカイ
△3ブルドッグボス
△5ショーム
△7メイショウアイアン
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ボルドープリュネは笠松からの転入初戦となるが、前走に引き続いて鞍上は笠松の渡邊竜也騎手。2歳年末のライデンリーダー記念がニュータウンガールの3着で、その後3歳になってからは遠征馬が上位を独占した若草賞以外は3着以内を外さずにここまで来た。そして前走クイーンカップでは3コーナー過ぎで先頭に立つと、直線では後続を振り切っての完勝。充実をうかがわせるレース内容だった。牝馬同士のこのメンバーなら能力は高そう。
相手にも同じ生産・馬主のボルドーリブロン。こちらは門別から浦和で2勝を挙げて転入し、3戦目のORO開幕特別では牡馬相手に4着と好走。続く3歳A級戦を勝った。前走フェアリーカップは8着だったが、古馬の壁は厚かった。牝馬同士なら能力は上位。あとはここまで挙げている4勝が1400〜1600メートルなだけに1800メートルの距離がどうか。
2歳時に勝利を挙げられなかったマルケイマーヴェルだが、今シーズン初戦で初勝利を挙げると留守杯日高賞では地元最先着の5着。その後は3戦連続連対。2走前、ボルドーリブロンに2馬身半差で2着に敗れているが、能力的に差はない。
大井から転入初戦のあやめ賞を勝ったアンズビジン、6月以降2勝と調子を上げているエイシンナーサリー、今シーズン勝ちきれないレースが続いていたがようやく素質発揮のエリザベスキュートらも上位を狙えそう。
◎7ボルドープリュネ
○6ボルドーリブロン
▲4マルケイマーヴェル
△1アンズビジン
△2エイシンナーサリー
△12エリザベスキュート
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