各馬の戦歴が浅いのはもちろん、他地区からの移籍馬がいたり、芝が初めての馬がいたり、能力の見極めが難しく難解なレース。5年前こそ1、2番人気での決着だったが、その後の勝ち馬は、9、8、8、6番人気。近4年の勝ち馬はいずれも未勝利で、ここが初勝利だった。
そして門別から移籍初戦の馬はこれまでにもいたが、今年は中央の芝を使われて転入初戦の馬が2頭いるという、例年よりレベルの高い一戦になるかもしれない。
そういうわけで本命は、未勝利でも中央から転入初戦のリッチアロマ。前走福島芝1200メートル戦は9着とはいえ、勝ち馬と1秒差、着差にして6馬身ちょっとの差。スタートはいまいちで後方からとなったが、徐々に位置取りを上げて直線でもしっかり脚を使っていた。デビュー戦で東京芝1600メートルを使われ勝ち馬から1秒3差の8着だった。盛岡の芝でも力を発揮できると見る。
スターサーバルは門別からの転入初戦。デビューからの2戦は1000メートル戦で結果がでなかったが、その後は1500メートル戦で2着、1着。父パドトロワなら芝でもという可能性はあり、回りは逆だが門別でコーナーを4つ回る競馬を経験しているのはアドバンテージになる。
盛岡芝1000メートルのデビュー戦を圧勝したのがマツリダスティール。直線で後続を突き放して7馬身差、59秒1はなかなかの好タイム。距離延長にも対応できそうだが、レベルアップするメンバー相手にどうか。
岩手デビュー馬でダート2戦2勝がゴールデンヒーラー、リュウノシンゲン。前走盛岡でのレースぶりからリュウノシンゲンを上にとった。
門別から転入初戦のインスピラーレは、前走こそ直線で止まってしまったが、デビュー戦のフレッシュチャレンジは好ダッシュから逃げて2着。1600メートルの距離をこなせれば上位争いも。
◎6リッチアロマ
○11スターサーバル
▲7マツリダスティール
△4リュウノシンゲン
△2ゴールデンヒーラー
△1インスピラーレ
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ミスカゴシマには2度驚かされた。地元の同世代同士ならまず負けないと思われた九州ダービー栄城賞では、トップレベルに出し抜けを食わされる形でまさかの3着。地元同士とはいえ古馬一線級が相手となる吉野ヶ里記念はさすがに厳しいと思われたが、直線鮮やかに差し切って見せた。ここはあらためての3歳馬同士で、しかも栄城賞で先着された2頭が不在というメンバー。ただ2000メートルの距離がどうなのか、という若干の不安はある。
相手にはリバイブ。九州ダービー栄城賞は見せ場なく11着だったが、それが3歳での復帰2戦目。しかし続く前走の古馬B-1特別では直線しぶとく伸びて差し切って見せた。ここにきての急上昇がうかがえる。2歳時には1800メートルのカペラ賞を圧勝しており、こちらは距離伸びてよさそうなタイプ。ミスカゴシマ相手でも頭まで考えたい。
マイネルヘルツアスは高知からの遠征。前走高知優駿(1900メートル)は3着馬から大差をつけられての4着だったが、2走前、1800メートルの山桃特別は7馬身差の圧勝だった。その走りを見せらればここでも勝負になりそう。高知の別府真司調教師は2014年にこのレースをクロスオーバーで勝っており、それ以来の2勝目も期待できそう。
この3頭の勝負と見て、以下は上位に食い込めるかどうか。栄城賞は6着も、その後B級に編入されて好走しているイケノアスリート。中央未勝利から転入して2連勝中のフリーファッション。3歳特別で3戦連続連対のシンカンワールド。
◎11ミスカゴシマ
○12リバイブ
▲8マイネルヘルツアス
△7イケノアスリート
△3フリーファッション
△6シンカンワールド
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中央3勝クラスから再転入したタガノジーニアスは、初戦の特別戦では強気に攻めてジンギ、ヒダルマの後塵を拝したが、名古屋に遠征した名港盃は、直線単独先頭のエイシンニシパをゴール前で差し切った。輸送もあって増えていた馬体を絞って兵庫勢3着まで独占というレースを制した。ここはジンギ、ヒダルマに対して雪辱がかかる一戦。
ジンギは昨年10月以降連対を外していないが、重賞では菊水賞以来勝利がなく、2走前の兵庫大賞典ではタガノゴールドに3馬身突き放された。今回はあらためて古馬重賞初制覇を狙う。57キロのトップハンデでも、タガノジーニアスと2頭の勝負となりそう。
このレース連覇を狙うのがヒダルマ。前走は早目に並びかけてきたタガノジーニアスを直線で振り切り、逃げ切ったかと思ったが、仕掛けを遅らせたジンギにとらえられて2着。水の浮く不良馬場でマイペースで逃げられたぶんゴール前まで粘ることができた。あらためて強敵相手に逃げてどこまで粘れるか。
名港盃では直線追い込んでタガノジーニアスの2着に入ったストーンリバーも今回トップハンデ57キロ。ヒダルマを目標に他馬が早目に動いて直線末脚が生きる展開になればチャンスも。
51キロのアイスミディ、53キロのアーチデュークは軽ハンデを生かして上位に食い込めるかどうか。
◎2タガノジーニアス
○10ジンギ
▲4ヒダルマ
△11ストーンリバー
△12アイスミディ
△3アーチデューク
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グランシャリオ門別スプリントの再戦というメンバーだが、距離が200メートル伸び、斤量にも変化があって、それがレースにどう影響するかがポイント。
グランシャリオ門別スプリントを逃げ切ったアザワクは、習志野きらっとスプリントに遠征。スタートで一瞬ダッシュがつかず置かれてしまったが、すぐに盛り返してノブワイルドと4コーナーまで競り合った。それでもあまりバテることなく4着は健闘といえる。今回はグランシャリオ門別スプリントより2キロ増の53キロとなるが、習志野きらっとスプリントで南関東の一線級相手に厳しいペースで揉まれた経験は生かされるはず。
このレース連覇がかかるのがジョウラン。グランシャリオ門別スプリントは5着だったが、デビュー以来初めての1000メートル戦。1200メートルは能力を発揮できる舞台。
中央オープンから転入したニットウスバルは、北海道スプリントカップJpnIIIでは、前3頭の大接戦から2馬身差で4着と能力の高さを見せた。地元同士のグランシャリオ門別スプリントでは着順を下げて6着だったが、これは距離が短すぎた。このメンバーなら能力上位だが、短距離戦で58キロを背負うのはいかにも厳しい。
グランシャリオ門別スプリントで3着と好走を見せたオールドベイリーも58キロは歓迎できない。
同じく58キロだが、兵庫在籍時にサマーチャンピオンJpnIIIを含め重賞3勝のエイシンバランサーは上位食い込みに期待。
◎6アザワク
○1ジョウラン
▲5ニットウスバル
△9オールドベイリー
△7エイシンバランサー
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昨年11月に3勝クラスを勝って以降、勝ちきれないレースが続いているメモリーコウだが、地方が舞台の牝馬ダートグレードでは3、2、4着と常に善戦。2000メートルは仁川Sで12着だったが、牡馬相手で出入りの激しい厳しい展開だった。これまで4勝のうち1800メートルで3勝挙げているだけに、ゆったり流れる門別の2000メートルは合うはず。重賞勝ちがないゆえ、別定加増のない55キロでの出走も有利。
牝馬ダートグレード3勝で実績断然のプリンシアコメータ。このレースも過去2年とも2着と結果を残しているが、ときにまったく見せ場なくの惨敗もあり、狙い所がむずかしい。能力の高さは認めても、別定57キロでもあり、中心にするには不安がある。ゆえに対抗まで。
5歳ではあるものの新興勢力として期待したいのがシネマソングス。2勝クラスから3勝クラスを連勝してという勢いなら、牝馬同士のダートグレードでも通用する。あとは、初めての地方のナイターや、2000メートルの距離がどうか。
TCK女王盃JpnIIIを制したマドラスチェックは、それ以来7カ月ぶりの実戦、関東オークスJpnIIを制したレーヌブランシュは別定2キロ増の55キロで初めての古馬との対戦、ということで狙いを下げた。
◎9メモリーコウ
○1プリンシアコメータ
▲7シネマソングス
△6マドラスチェック
△14レーヌブランシュ
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