リンゾウチャネルに史上5頭目の北海道三冠がかかる一戦。
現在のホッカイドウ競馬三冠は、北斗盃が内回り1600メートル、北海優駿が外回り2000メートルで、三冠目の王冠賞が外回り1800メートルだから、二冠を制した馬にとって三冠目は距離もコース適性でも不安になる要素はない。とはいえこの距離体系になった2015年から2017年まで3年連続で二冠を制した馬がいた。
2015年は北斗盃と王冠賞をオヤコダカが制したが、二冠目の北海優駿は、なんとスタート直後の落馬だった。
2016年、三冠に王手をかけたのはスティールキング。しかし三冠目の王冠賞では、北斗盃2着、北海優駿3着だったジャストフォファンに逃げ切りを許し、4馬身差をつけられる完敗だった。
そして2017年は岩手から遠征のベンテンコゾウに三冠の期待がかかったものの王冠賞では3着。2着ストーンリバーに7馬身差をつけて圧勝したのは、いまや北海道の不動の古馬チャンピオンとなったスーパーステション。2歳から3歳の前半は万全の状態にはなく、3歳での重賞初挑戦が三冠目の王冠賞だった。以来、今年7月17日の星雲賞まで地元門別では2年に渡って負け知らずの快進撃となっている。
さて、今年三冠に王手をかけたリンゾウチャネルは、北斗盃、北海優駿とも2着に3馬身差をつけての完勝。一昨年のスーパーステションのような新興勢力も見当たらず、よほど展開が荒れるとかでもない限り三冠の可能性は高そうだ。
以下、リンノレジェンド、シベリアンプラウド、ダイキンボシと、北海優駿の2〜4着そのままの順番という、なんともつまらない予想になってしまった。この3頭の中で外回り1800メートルに適性がありそうなのは、やはりリンノレジェンドだろう。
3歳でデビューしてここまで5戦、3着以内を外していないバンカブルスターが新興勢力といえなくもないが、前走が古馬C2C3戦で2着。さすがにここで勝ち負けまでは厳しいだろう。
◎9リンゾウチャネル
○2リンノレジェンド
▲7シベリアンプラウド
△3ダイキンボシ
△5バンカブルスター
王冠賞の出走表はこちら
キヨマサは今年で4回目の出走。初めて出走した2016年は中央所属として勝利。その後兵庫に移籍し、一昨年にも勝って昨年が2着。今年園田では重賞で3着と好走し、A級特別でも勝ち星があるという実力なら、別定58キロでもここでは断然だ。
ダンツブライトは3歳500万下の芝1200メートル戦で7着だが勝ち馬からコンマ7秒差というスピードがあり、さらに今年2月のたんぽぽ賞で2着、トライアルの大隅特別を逃げ切りと、佐賀のダートにも適性を見せている。斤量差を生かしてキヨマサをおびやかす場面があるかもしれない。
ミスターベアーは中央所属として出走した2015年が5着、佐賀に移籍して出走した2017年が8着で1年おきの出走となる。近走B級でも差のないレースをしていて、大隅特別2着からの参戦ということでは、過去2回より充実ぶりがうかがえる。
トライアルのえびの特別2着で大井から参戦のペニテンテス、昨年3着以来長期ブランクがあったカシノランペイジ、今年たんぽぽ賞を勝ったエリーバラードなど、連下候補は混戦だ。
◎7キヨマサ
○6ダンツブライト
▲8ミスターベアー
△5ペニテンテス
△12カシノランペイジ
△2エリーバラード
霧島賞の出走表はこちら
地元金沢勢は過去10年で2勝と苦戦が多く、今年は4頭が参戦してきた園田のダービー戦線を戦ってきた馬たちが強力だ。
兵庫チャンピオンシップJpnIIで地方最先着の3着だったバンローズキングスはそれまでの実績からフロック視され、兵庫ダービーは3番人気での出走ながら他馬を圧倒して充実ぶりを見せた。初めての遠征競馬でどうかだが、能力で一枚抜けていることは間違いない。
兵庫ダービーは5着だったテツだが、続く前走の古馬B2特別での2着は評価できる。
兵庫の2歳チャンピオン、テンマダイウェーヴは、菊水賞、兵庫ダービーではそれほど注目されなかったものの、ともに2着と好走。ただ両レースとも勝ち馬からは離されており、着順をそのまま評価していいかどうかは疑問。走るときと走らないときの差が大きいタイプでもある。
石川ダービーであっと驚く圧勝を見せたロンギングルックは地元で迎え撃つ立場とはいえ、大挙遠征してきた兵庫勢をまとめて負かすまではどうだろう。
ぎふ清流カップを制して東海ダービー3着だったフォアフロントも連下争いまで。
◎9バンローズキングス
○11テツ
▲6テンマダイウェーヴ
△3ロンギングルック
△5フォアフロント
MRO金賞の出走表はこちら
中央時代に芝のオープンや準オープンでの実績馬が何頭もいて、その馬たちが今どれくらいの能力を発揮できているのかの比較になるが、芝は久しぶりという馬も少なくなく難解な一戦。
中央芝オープン勝ちのレッドソロモンは、4・5月に走った船橋の2戦が、着外ではあったものの勝ち馬からそれほど離されているわけではなく、久々の芝で能力を発揮できる状態にあると見る。
カレンラストショーは中央の芝準オープン勝ち。金沢に移籍して2戦目の前走1900メートルのA1特別を勝利。調子を戻してきたと見るべきか。距離延長の2400メートルはこの馬に向きそう。
サラトガスピリットも芝の準オープン勝ち。ただそれが一昨年のこと。ここ2戦は門別A級の特別戦で好走しており、今回のメンバーなら通用しそう。盛岡遠征で結果を残している北海道・林和弘厩舎ということでも注目だ。
ワールドレーヴは中央芝の準オープンで好走まで。近走大井では惨敗続きだけに、芝に戻って能力を発揮できるかどうか。
キャッスルクラウンは昨年のこのレースで2着だが、昨年より芝実績馬のレベルが高そうなだけに上位争いまであるかどうか。
◎9レッドソロモン
○8カレンラストショー
▲7サラトガスピリット
△6ワールドレーヴ
△5キャッスルクラウン
せきれい賞の出走表はこちら
このレース4連覇がかかるディアマルコが出てきたが、復帰後2戦の走りがイマイチだけにここは見送る。南関東から遠征2頭が強そうだ。
オルキスリアンは昨年12月のクイーン賞JpnIIIで3着に食い込んだ。その後も勝ち星こそないが、2走前、川崎の準重賞ファンタスティックチャレンジで2着。勝ったワンパーセントは、前日の浦和・プラチナカップで上位人気に支持されたであろう(この原稿を書いているのはレース前)実力馬。そのファンタスティックチャレンジでは牡馬相手に55キロで、今回牝馬同士でも55キロなのはむしろ楽になる。ただ地方同士の重賞でも成績にムラがあるのは気になるところ。盛岡のジャパンジョッキーズカップで個人優勝を果たし、金沢スプリントカップも制すなど好調の佐藤友則騎手にも期待。
ステップオブダンスは昨年からグランダム・ジャパン古馬シーズンを狙って遠征を続けているが、あと一歩のところで勝ちきれない。昨年のこのレースではディアマルコに5馬身差の2着。前走佐賀ヴィーナスカップも地元のハッピーハッピーと追い比べになってハナ差2着だった。とはいえ牝馬同士なら能力上位は確か。
エイシンミノアカは佐賀ヴィーナスカップでは4着だったが、3月の六甲盃では牡馬一線級相手に3着と好走。地元が舞台ならステップオブダンスとの差を詰めるのも可能。こちらはワールドオールスタージョッキーズの地方代表となり、地方全国リーディングの吉村智洋騎手が初騎乗となる。
クイントゥープルは前走の逃げ切りが圧巻だった。ただ重賞では昨年の姫山菊花賞で3着に好走して以降惨敗続きなのが気になるところ。
特別戦好走続きで重賞初挑戦となるステップシュート、一気の相手強化に斤量増となるエイシンエールらはどこまで迫れるか。
◎5オルキスリアン
○1ステップオブダンス
▲4エイシンミノアカ
△3クイントゥープル
△8ステップシュート
△10エイシンエール
兵庫サマークイーン賞の出走表はこちら