アンタエウスは、昨年7月のデビュー戦こそ3着に負けたものの、3カ月ぶりとなった2戦目以降は5戦4勝、2着1回。先着されたのは連戦連勝を続けるエムエスクイーンだけ。前走12月の若獅子特別は4コーナーまで食い下がったアップショウを直線で楽々と突き放して5馬身差圧勝。今回と同じ1600メートルの勝ちタイムが重馬場で1分44秒1。さらに2走前のセレクトゴールド第5戦ではエムエスクイーンに7馬身ちぎられたものの、アンタエウスの走破タイムは良馬場で1分43秒5。どちらも例年の新春ペガサスカップの勝ちタイムと遜色ないもの。強敵不在なら初タイトルのチャンス。
圧勝続きだったエムエスクイーンをライデンリーダー記念でゴール前まで苦しめたのがボルドープラージュ。まだまだ成長の余地はあるが、気性的に難があるようで、初めての名古屋遠征がどうか。
ライデンリーダー記念で直線一気の伸びを見せ、2着のボルドープラージュに半馬身差の3着に迫ったのがリードメロディー。10月以降、勝ちきれないレースが続いているが、2走前の古馬B1特別3着とライデンリーダー記念は見どころがあった。
マサノビジョンは中央未勝利から転入して2連勝。まだ底を見せていないが、今回は一気の相手強化となる。
門別未勝利から転入して4戦3勝のキャッチザウェーブ、前走が初勝利もエムエスクイーンの2着が2度あるトリマゴラッキらが連下候補。
◎6アンタエウス
○9ボルドープラージュ
▲12リードメロディー
△11マサノビジョン
△2キャッチザウェーブ
△10トリマゴラッキ
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サクラレグナムは昨年大井から転入し、高知では建依別賞を含めて2戦2勝。遠征競馬では勝ち星こそないものの、習志野きらっとスプリント3着、笠松グランプリ2着、兵庫ゴールドトロフィーJpnIII・4着など、出走したレースや相手を考えればその成績は素晴らしい。今年10歳になったが、おそらくここから黒船賞JpnIIIを狙うことになるのだろう。
黒潮マイルチャンピオンシップを制したコスタアレグレは、ダートグレードではさすがに分が悪いが、船橋の総の国オープンでは4着と好走。高知ではトレノ賞でサクラインザスカイのクビ差2着に負けたのみ。まだ底を見せていない。おそらく以上2頭を巡る争いになるのだろう。
ミサイルマンは転入3戦目での高知重賞初挑戦が高知県知事賞で3着。大井での実績から潜在能力は高く、今回は◎○が強そうだが、メンバー次第では重賞でも勝ち負けになりそう。
珊瑚冠賞2着のエイシンファイヤー、建依別賞でサクラレグナムの2着だったヨッテケらに馬券圏内に食い込む余地があるかどうか。
◎1サクラレグナム
○2コスタアレグレ
▲6ミサイルマン
△8エイシンファイヤー
△5ヨッテケ
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このレースは一昨年、昨年と兵庫からの遠征馬が連覇。園田では一昨年、古馬1400メートルの園田ウインターカップが新設されたが、ダートグレード以外で古馬の1400メートル重賞は少なく、必然的にこの路線が充実している笠松・名古屋に遠征してくることになる。昨年も笠松1400メートルの古馬重賞では、この白銀争覇(インディウム)のほかに、サマーカップ、笠松グランプリ(ともにエイシンバランサー)の3重賞を兵庫所属馬が制した。
今回も兵庫から強力な2頭が遠征。ナナヨンハーバーは、重賞タイトルこそ11月の兵庫クイーンカップだけだが、牡馬相手の重賞・特別で常に善戦。鞍上の吉村智洋騎手は昨年地方で296勝を挙げて全国リーディングとなり、今年もまだ3日間の開催だが22戦6勝、2着5回で連対率5割と絶好調だ。
相手には北海道から移籍初戦のタイセイバンデット。昨年は夏以降あまり結果が残せなかったが、盛岡の絆カップでは2着で同厩舎ワンツーを決めた。前走笠松グランプリは10着だったが、相手は相当軽くなっており、コース2走目の上積みにも期待。
もう1頭兵庫からの遠征がブレイヴコール。一昨年の兵庫ダービー馬で、兵庫ゴールドカップではナナヨンハーバー(4着)に先着しての2着。全8勝のうち6勝を1400メートルで挙げている。
地元勢では、サマーカップでエイシンバランサーの2着だったストーミーワンダー、A2特別で好走続きのエビスリアンらに上位食い込みが期待できそう。
名古屋期待のサムライドライブは、ここ2戦がさっぱり。遠征はやはりよくないのかもしれない。
◎10ナナヨンハーバー
○1タイセイバンデット
▲9ブレイヴコール
△3ストーミーワンダー
△8サムライドライブ
△7エビスリアン
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ダートグレードのタイトルにはもう一息のところで手が届かないものの、地元同士ならカツゲキキトキトの絶対王者はゆるぎない。ダートグレード制覇をあきらめたというわけではないのだろうが、どうやら(ダートグレードを除く)地元古馬重賞完全制覇というのを目標にするという話しが伝わってきた。この名古屋記念は2017年にすでに勝っていて、新春盃は事実上A2以下の重賞なので例外とすると、2月の梅見月杯を勝てばコンプリートとなるのではないか。
相手は、マイル争覇でカツゲキキトキトの2、3、4着だった馬たちの再戦だが、1400メートルならメモリートニックを上位にとる。マイル争覇では予想通り逃げたものの、カツゲキキトキトに来られる前にポルタディソーニに並びかけられて直線で苦しくなり4着だった。
マイル争覇では、その流れで直線切れ、2着に入ったのがサンデンバロン。昨年の名古屋記念は1番人気にこたえての勝利だったが、重賞では人気を裏切ったり、逆に人気薄で馬券にからんだり、穴馬的なところがある。
ポルタディソーニは1400メートルでも勝ち星があるが、ほとんどが3歳前半までのもの。重賞をコンスタントに使われるようになった3歳秋以降は1600メートル以上のほうが良績を残している。
◎6カツゲキキトキト
○4メモリートニック
▲1サンデンバロン
△2ポルタディソーニ
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定量戦なら素直に格を評価してミノルシャープから。はまなす賞を3歳時に制して、今シーズンは銀河賞でメジロゴーリキを接戦の末にしりぞけた。その後はオープン格付けとなって、さすがに一線級が相手では勝ちきれないレースが続いているが、センゴクエースやオレノココロなどと上位争いという能力はおおいに評価できる。銀河賞に続く4歳シーズン二冠制覇の期待がかかる。
マツカゼウンカイは、ばんえいダービー2着に今年のはまなす賞を4歳で制した。銀河賞はトップハンデもあってミノルシャープの6着に敗れ、その後もミノルシャープとの対戦成績では1勝3敗。とはいえ3走前の北海道記者クラブ特別では同重量でミノルシャープに先着(2着)している。展開やさまざまな条件次第でこの2頭の後先は変わってきそう。
ばんえいダービーを制したメジロゴーリキの今シーズンは、柏林賞こそ6着だが着差はそれほどでもなく、はまなす賞ではマツカゼウンカイと僅差の3着で、銀河賞がミノルシャープの2着。その後の実績では上記2頭との比較でやや落ちるが、世代限定戦ということなら逆転という可能性もある。
ナナカマド賞を制しているゴールデンフウジンは柏林賞でも2着があり、ここ3戦ではA1からオープンとの混合で3戦連続連対と調子を上げてきた。
同世代同士の重賞では、近走不振でも重賞実績馬が能力を発揮というパターンがよくあり、柏林賞を制したジェイワン、そしてばんえいオークスを制したナカゼンガキタらにもチャンスはありそう。
この世代は重賞を複数勝っている馬が◎ミノルシャープと、今回は出走していないホクショウムゲン(ヤングチャンピオンシップ、イレネー記念)の2頭だけ。重賞はレースのたびに勝ち馬が変わる大混戦だ。
◎7ミノルシャープ
○8マツカゼウンカイ
▲1メジロゴーリキ
△3ゴールデンフウジン
△2ジェイワン
△4ナカゼンガキタ
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