ホッカイドウ競馬のシーズン終了を待たずに兵庫に移籍したメジャースピリットが調子を上げてきた。2走前の2歳一組戦で4コーナー手前から馬体を併せて一騎打ちとなり、クビ差で屈した相手スマイルプロバイドは、先週の園田クイーンセレクションの覇者となった。そして年明け1700メートルの3歳一組戦は4馬身差完勝と、あらためて能力の高さを示した。今回、遠征に際して初騎乗となるのは小谷周平騎手。2014年9月、トーコーヴィーナスで制した園田プリンセスカップが重賞初勝利で、それに続く重賞制覇なるかどうか。
ゴールドウィング賞では意外な惨敗を喫したハイジャだったが、その後はやはり力のあるところを見せ逃げ切りで2連勝。ただ、逃げて結果を残しているこの馬に、笠松1600メートルの大外枠はちょっと厳しいかもしれない。
メモリーミリオンは、昨年10月にデビュー4戦目で初勝利を挙げて以降、3着以内を外さない堅実な成績。ここでも上位争いが期待できそうだが、ジュニアキングではやや差のある3着だっただけに1600メートルはちょっと長いかもしれない。
兼六園ジュニアカップを制した金沢のブライトエンプレス、転入後3戦目となるリックカグラあたりも押さえておきたい。
◎7メジャースピリット
◯10ハイジャ
▲8メモリーミリオン
△3ブライトエンプレス
△9リックカグラ
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牝馬同士でハンデが上下30キロ差はなかなかに微妙だが、最軽量750キロがセンゴクイチだけというメンバーなら、トップハンデ780キロの3頭がやはり能力では抜けている。
中心はセイコークイン。前哨戦のレディースカップは4着だったが、勝ったキサラキクより10キロ重いトップハンデだった。牡馬のオープンクラスとも互角のレースをしている実力を信頼する。
相手にはナナノチカラ。昨年のヒロインズカップがトップハンデ770キロで3着。今シーズンの始動は10月からで、ここからが本番と見る。ちなみに、ナナノチカラが7番枠に入ったときの成績は、5戦1勝、3着1回。
軽量760キロを生かすならマゴコロ。レディースカップでも負担重量に恵まれて2着に好走しており、それを含め11月以降6戦してすべて3着以内と好走。前走A2級で3着だったが、クラス以上の力はありそう。
レディースカップ、天馬賞を連勝しているキサラキクは△筆頭まで。明けて5歳になったばかりの牝馬にトップハンデの780キロは、文字通り荷が重いような気がする。
レディースカップ3着のアアモンドマツカゼもトップハンデより10キロ軽い770キロなら通用しそう。
ここ3走大敗続きのフェアリードールだが、クインカップを勝ったまでは好調続きだっただけに、調子が戻れば一発もあるかもしれない。
◎5セイコークイン
◯7ナナノチカラ
▲10マゴコロ
△3キサラキク
△8アアモンドマツカゼ
△2フェアリードール
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今開催のA級戦は、30日に1750メートルの球磨川賞があり、この鶴見岳賞は1400メートル戦で、どちらもS2重賞として実施される。登録は10頭あったが、寂しい6頭立てとなった。
注目は、なんといっても明けて4歳になったキングプライドだろう。7連勝で臨んだ中島記念は1番人気に支持されたものの、逃げたキョウワカイザーに突き放され、4馬身差をつけられての2着だった。しかし年明け初戦の自己条件は悠々と逃げ切り。近走、S1重賞で好走している馬がいないというメンバーだけに敗けるわけにはいかない一戦。
前走有明海特別組が4頭いて、その中で最先着、しかも勝ち馬から0秒5差で3着のコパノエクスプレスが相手筆頭。
有明海特別でコパノエクスプレスに1馬身差4着だったカシノタロンは、中央から転入2戦目での上積みがあれば逆転も。逆転といっても2着までだろうが。
同5着のタイセイマスタングは、カシノタロンから6馬身も離されており、どこまで差を詰められるか。
◎5キングプライド
◯1コパノエクスプレス
△6カシノタロン
△4タイセイマスタング
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3歳馬によるS2重賞で、この開催ではすでに3歳牝馬のS1重賞・花吹雪賞が行われている。
北海道から転入のサプールは、天山賞こそドンプリムローズに大差をつけられての3着だったが、カペラ賞では同じ3着でも3馬身半ほどに差を縮めた。そして佐賀初勝利となったのが続く前走のアルデバラン特別で、3番手追走から、逃げ粘るライオンクイーンをゴール前でとらえた。9馬身離れての3着だったタイムオブレディーは、その後花吹雪賞で、勝ったドンプリムローズから1馬身ほどの差で3着だった。その比較からも、サプールは転入後経験を積んで環境に慣れたこともあるのだろうが、確実に力をつけている。
相手には中央未勝利から転入したスラッシュ。転入後3戦目となった前走3歳-2組戦で5馬身差の圧勝。2戦目に2着に負けているのだが、その勝ち馬プリモプレストは花吹雪賞の2着馬。このメンバーなら十分通用する。
ストームメイは、前走ノカイドウ特別の勝ちタイム1分30秒5は、不良馬場とはいえ、2月11日に行われるたんぽぽ賞でそのまま通用してもおかしくない好タイム。もちろん今回の出走メンバー中では佐賀1400メートルの持ちタイムは最速。門別では一度1700メートルを経験(5着)しているが、佐賀では初めの中距離となる1750メートルで力を発揮できればチャンスはある。
中央から転入初戦のスイシンは距離と馬場がこなせれば怖い存在。
九州ジュニアチャンピオン4着のカンガルーレッドは、佐賀若駒賞ではネーブルホープ(2着)に先着を許しての3着だっただが、能力はこちらのほうがありそう。
◎4サプール
◯9スラッシュ
▲1ストームメイ
△5スイシン
△8カンガルーレッド
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スマイルプロバイドは、兵庫若駒賞こそマイタイザンの3番手を追走して直線一杯という苦しいレースになったが、その後は好タイムで2連勝。昨年末の充実ぶりがうかがえる。それにしてもその兵庫若駒賞をマイタイザンで制して自身の重賞初制覇となった杉浦健太騎手は、園田ジュニアカップを勝ったノブタイザン、そしてこのスマイルプロバイドと、この世代の複数の有力馬の主戦となっており、飛躍が期待される若手だ。
キニナルーイは佐賀から名古屋に移籍して4連勝中。デビューした門別から通算して9戦目が初勝利だったとは思えない充実ぶりだ。単騎の逃げからスマイルプロバイドとの一騎打ちも期待できそう。
あっと驚く一発の可能性は、リン。北海道から笠松に移籍後、中央を2戦して、ようやく笠松での出走となった前走で勝利。人気のスーパープレイが逃げ切ったかに思えたところ、後方からまくってきてゴール前で差し切った。まだまだ奥がありそうなレースぶりで、良馬場の笠松1400メートルで1分28秒8というタイムもこの時期の2歳馬(明けて3歳)としてはなかなかの好タイムだ。
9月に園田プリンセスカップを制したランランラン(当時は北海道所属)、ライデンリーダー記念でキニナルーイの2着だったベッロポモドーロ、勝ち星からは遠ざかっているものの強いメンバーと戦っているシャイニーネームなども、上位に食い込む可能性はありそう。
◎4スマイルプロバイド
◯3キニナルーイ
▲5リン
△10ランランラン
△12ベッロポモドーロ
△1シャイニーネーム
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