高知から遠征の2頭が強力だ。エプソムアーロンは中央オープンから大井に移籍し、大井では勝ち星こそ挙げられなかったものの、オープンや重賞で走った。そして高知に移籍すると4連勝。福永洋一記念では人気のマチカネニホンバレを3馬身ちぎる圧勝だった。820メートルのペースについていけるかだが、大井の1200メートル戦を経験しているので、対応可能と見る。
高知のもう1頭ファイアーフロートは、中央芝のオープンで昨年10月に勝利。今年春に高知に転入して、1600メートル戦を勝って1400メートル戦で2着。スピードがあることはわかっているが、あとは地方のダートでそれが発揮できるかどうか。
地元勢ではキューティガビーが最有力。A1特別ではなかなか勝ちきれないものの、今年の2勝はいずれも1230メートル戦。とはいえ兵庫では3~4コーナーしか回らないレースは今回が初めてで、その舞台でもスピード能力が生かせるかどうか。
佐賀から遠征のエーシンパナギアは、中央では500万勝ちまでだが、使われていたのはダートの短距離ばかり。佐賀での近走は中長距離戦を中心に使われているが、超短距離戦でこそ能力を発揮する可能性はある。
マイネマグノリアは昨年8月以来勝ち星から遠ざかっているが、4走前に中央との条件交流で3着と好走。その経験を生かせれば。
◎9エプソムアーロン
○1ファイアーフロート
▲3キューティガビー
△12エーシンパナギア
△10マイネマグノリア
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キタノタイショウはばんえい十勝オッズパーク杯を制したものの、その後の2戦はいずれも掲示板に載れず。しかし昨シーズンのばんえい記念は惜しい3着で、同2着のギンガリュウセイとともに今シーズンの古馬重賞戦線の中心となるのは間違いない。700キロ台後半の重量なら巻き返してくる。
ホッカイヒカルは、安定した障害力で成績も安定してきた。昨シーズンはばんえい十勝オッズパーク杯、チャンピオンカップと重賞を2勝。今季のばんえい十勝オッズパーク杯は5着に敗れたが、障害3番手からゴール前での接戦から脱落してのもので、内容的にはほとんど差がない。800キロ台中盤より重い高重量戦では苦戦するが、800キロ前後までなら見劣りはしない。
ホクショウダイヤは、今季4戦3勝、2着1回と絶好調。ただ昨年もまったく同じくシーズン明け4戦3勝、2着1回で2番人気に支持されながら7着に敗れているように、このレースとは相性がよくないのかもしれない。
フクドリは、まだ重賞タイトルこそないものの、昨シーズンは岩見沢記念2着、北見記念3着と、高重量の重賞で上位を争える力をつけてきている。
ギンガリュウセイは、ばんえい十勝オッズパーク杯では障害を先頭でクリアしたものの、キタノタイショウに交わされ惜しくも2着。しかし昨シーズンもそうだったように春から初夏にかけてはあまり調子の上がらないタイプ。加えて、昨シーズンは勝ち星がばんえいグランプリ、北見記念と重賞のみ2勝だったように、年齢を重ねて、かつてのトモエパワーのようにスピード勝負には向かない脚質になってきている可能性はある。
シベチャタイガーは、昨シーズン、岩見沢記念3着、北見記念2着と見せ場をつくった。この馬も重量の軽い一般戦より、流れが遅くなる重賞のほうがチャンスはある。
◎6キタノタイショウ
◯2ホッカイヒカル
▲5ホクショウダイヤ
△4フクドリ
△8ギンガリュウセイ
△10シベチャタイガー
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昨年のこのレースはジャングルスマイルがナムラダイキチを1馬身半差でしりぞけ、そのあたりまでは確実に「金沢2強」だったのだが、その後は完全にナムラダイキチの1強となっている。今年は金沢でJBCが行われるのにともない、時期を繰り上げて行われた北國王冠では、やはりナムラダイキチが楽勝。逃げたジャングルスマイルは3着に沈み、3~4コーナーでこれを交わしたタートルベイが2着という結果だった。
ジャングルスマイルにとっては、最初から2着を狙うレースをすれば2着を確保できるだろうが、立場的にはナムラダイキチを負かしにいかねばならず、そうすると最後は息切れという可能性が高い。ジャングルスマイルとタートルベイは、ナムラダイキチに対してどう挑むかによって結果に影響する。
実力的には、最初にも書いたとおり、ナムラダイキチの1強で、ジャングルスマイルとタートルベイがその2番手という感じ。あとはA2特別で連勝中のガンズオブナバロン、北國王冠で4着だったアルドラが、展開次第で3着に食い込む余地があるかどうか。
ナムラダイキチにとっては、とりあえず10月の白山大賞典JpnIIIで中央勢を負かせる状態までもっていってほしいところ。
◎10ナムラダイキチ
◯8ジャングルスマイル
▲7タートルベイ
△4ガンズオブナバロン
△12アルドラ
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キリシマウイングが好調だ。ここ3戦はハナをとって3連対。前々走の錦江湾特別ではエスワンプリンスに1馬身差と食い下がった。今回も同じ1400メートル戦。真のオープンクラスがいないメンバーだけに、ハナを奪って逃げ切りを狙う。
ハタノアブソルートは南関東B級から転入し、A1・A2の特別で3、2着。前走は1750メートル戦で逃げて見せ場をつくったが、中央、道営、大井時代を通じてマイル以下を中心に使われてきたので、むしろこの距離も問題ないはず。
コパノモーニングは、B級特別3連勝から格上挑戦。佐賀に転入してから1400メートル戦に限れば9戦して8勝、2着1回。ここ3戦のタイム的にも、このクラスに入っても通用しそうだ。
2走前にA2戦を勝っているフェアリーズサン、このクラスで善戦しているグレイホークらは連下争いまで。
◎7キリシマウイング
◯5ハタノアブソルート
▲2コパノモーニング
△4フェアリーズサン
△10グレイホーク
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昨年は上位4着までJRA勢に独占されたが、今年も地方勢にはダートグレードで勝負になりそうな馬がなく、馬券圏内はJRA勢の争いと見るべきだろう。
ティアップワイルドは地方のダートグレードで2勝。マイペースで逃げか先行できれば強いレースをするが、一方で3走前の東京スプリントのように、馬群に揉まれるとそのまま終わってしまうこともある。今回は力関係のはっきりしたメンバーで、外枠に入ったこともあり包まれる可能性も少なく、力の発揮できそうな条件が揃った。
マルカバッケンはダート1200メートルばかりを使われ、オープン特別2勝の実績。サマーウインド以外にGI・JpnI級がいないメンバーならチャンスは十分。
セレスハントは、昨年のこのレースでは、その後JBCスプリントを制したタイセイレジェンドを寄せ付けず完勝。4月の東京スプリントでも、2着のセイクリムズンに1馬身差の3着で、ティアップワイルドには先着した。常に力を発揮できるタイプではないが、ときに一線級とも互角の勝負を見せる。8歳でも衰えは感じられない。
一応この順で印をつけたが、この3頭はいずれも今回得意の条件で甲乙つけがたく、どれが勝っても不思議はない。
2010年のJBCスプリントJpnIを制したサマーウインドだが、それ以来勝ち星がなく、さらに今年の2戦はともに8着、JpnI勝ちの実績ゆえ斤量を背負わされることもあり、復活を期待するのは酷かもしれない。
地方勢では南関東のキョウエイロブストが格上挑戦の形で遠征してきた。短距離で素質開花という活躍を見せ始め、まだ底を見せていない。JRA勢のいずれかが凡走すれば馬券圏内も。
地元北海道勢は、エトワール賞の勝ちタイムが良馬場で1分13秒5。このレースが門別1200メートルで行われるようになってからの過去3年を見ると、稍重で行われた3年前が1分9秒6で、これが今も残るコースレコード。過去2年は良馬場で、ともに1分11秒台中盤。いきなりタイムを2秒縮めるというのは難しそう。
◎11ティアップワイルド
◯8マルカバッケン
▲1セレスハント
△10サマーウインド
△6キョウエイロブスト
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