直近の4歳オープン、すずらん賞とライラック賞の結果を見ると、今回と同じような重量差で勝ったり負けたりで、そこから力関係を判断するのは難しい。安定しているのはやはり唯一のオープン格付け馬ニシキエーカンで、2着、2着。それぞれのレースの勝ち馬は、6番人気のアサヒリュウセイと、4番人気のエビスダイチ。
比較がむずかしいが、ばんえいダービー馬アサヒリュウセイを本命にしてみる。すずらん賞ではニシキエーカンと同タイムの接戦を制し、ライラック賞は負けはしたもののやはり僅差の接戦。その2戦も今回も10キロ差で、さらに重量が積まれる今回は逆転可能とみる。
ワールドピサは、すずらん賞、ライラック賞ともに4着。引き続きアサヒリュウセイとは20キロ差だが、昨年末から今年2月まで7連勝の勢いはまだ衰えていない。
ニシキエーカンは昨年8月以来勝ち星がなく、最大50キロのハンデ差は楽ではないが、4歳同士ならこのハンデ差でも好走している。イレネー記念ではブラックボスの2歳シーズン3冠を阻んで勝っているように、大一番で一発があるかもしれない。
ライラック賞を勝ったエビスダイチ、前走自己条件のB級1組戦を制したテンカムソウ、昨シーズンラストの4歳オープン・クリスタル特別を制したホクショウユウキ、復帰2戦目での復活がかかるブラックボスなども有力候補。
◎6アサヒリュウセイ
○7ワールドピサ
▲8ニシキエーカン
△2エビスダイチ
△9テンカムソウ
△5ホクショウユウキ
△1ブラックボス
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1着賞金40万円は、平地の競馬では日本でもっとも賞金の低い"ダービー"となるが、その賞金とは思えないほど役者は揃っている。
マインダンサーは金の鞍賞を制して高知の2歳チャンピオンとなったが、土佐春花賞では3着。しかし兵庫チャンピオンシップJpnIIに遠征して、着順こそ6着とはいえ、中央勢が掲示板を独占する結果で、地元兵庫勢を相手に地方馬では最先着だった。続く前走の古馬B級1組特別で差のない2着だったことからも能力は上位。
2番手にはコパノエクスプレス。北海道、南関東で重賞に出走し、高知転入初戦では、いきなり古馬A級3組で完勝。九州ダービー栄城賞に遠征したが、砂を被ったのを嫌って行き脚がつかず、それでも最後の直線は伸びて4着。赤岡騎手によると距離も長かったとのこと。それでも流れが落ち着く地元戦ならこなせる可能性はある。
アラマサシャープは、関東オークスJpnIIではさすがに勝負にならなかったが、その前の東海クイーンカップでは中団から直線伸びを見せての3着。この2戦で強い相手に揉まれて力をつけていれば勝負になる。
1冠目の黒潮皐月賞を制したニシノファスリエフが、なんと△になってしまった。土佐春花賞ではアラマサシャープとマインダンサーを寄せつけず、さらに黒潮皐月賞も圧勝。普通ならここでも1番人気になってもよさそうだが、さて、他地区に遠征してきた馬達との力関係がどうなっているか。
サハリは、金の鞍賞、黒潮皐月賞ともに3着。古馬のC級戦だがここに来て2連勝と力をつけている。
◎8マインダンサー
○4コパノエクスプレス
▲9アラマサシャープ
△5ニシノファスリエフ
△7サハリ
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中央からまた強力な馬が転入してきた。1000万クラスで頭打ちだったダノンボルケーノだが、転入初戦のA級戦では早め先頭に立つと、直線はほとんど追われることなく2着に大差をつけての圧勝だった。1800メートルまでしか距離経験はないが、前走の内容から2000メートルでも問題ないだろう。
ザドライブは、大井から転入して2連勝。前走あすなろ賞では直線を向いて先頭に立つと、コスモフィナンシェを楽に5馬身突き放した。まだ底を見せていない。
ロッソコルサは、昨年3歳秋の二冠に加え、桐花賞まで制した。今季初戦が2着で、それ以来2カ月ぶりとなるが、調子を戻していれば当然勝負になる。
あすなろ賞で1番人気になりながら4着に敗れたスーブルソー、シアンモア記念では期待されながらも大きく離されて最下位だったバトルドンジョンは、中央での実績上位なだけにまだまだ見限れない。
あすなろ賞ではザドライブに5馬身ちぎられたコスモフィナンシェだが、負けたとはいえ名古屋時代から連続連対を続けているように将来性はありそう。
◎6ダノンボルケーノ
○5ザドライブ
▲3ロッソコルサ
△4スーブルソー
△8バトルドンジョン
△10コスモフィナンシェ
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3歳牝馬でもオリンポスに期待。九州ダービー栄城賞は残念ながら7着惨敗だったが、その前にはB級3組戦を勝っており、前走B級1組のあじさい特別でも好位から抜け出して完勝と力を見せた。
1年先輩の意地を見せたいのがウルトラキング。デビュー以来崩れることがほとんどなく、23戦して、そのうち16戦が3着以内。着実にクラスを上げてきて、前々走ではB級重賞の佐賀皐月賞を勝利。前走B級1組のあやめ特別は4着だったが、巻き返しのかかる一戦。ただ全7勝のうち、5勝を挙げたのが1750メートル戦。この距離はもしかしてちょっと忙しいかもという可能性はある。
バルチクリッジは、佐賀皐月賞では6着に敗れたものの、こちらは使われているのが1400メートル中心。高知から佐賀に移籍後10戦して掲示板を外したのは、その佐賀皐月賞だけ。この距離ならチャンスはある。
B級の上位クラスで好走のアリューバニヤン、前々走の初夏賞ではアリューバニヤンに先着(2着)しているリアリーザアワールドが連下争い。
◎4オリンポス
○10ウルトラキング
▲12バルチクリッジ
△9アリューバニヤン
△6リアリーザワールド
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ラブミーチャンが出走するからなのかどうか、7頭立ての少頭数となった。そのラブミーチャンは、前走1200メートルの東京スプリントJpnIIIではセイクリムズン、セレスハント、ティアップワイルドら、この路線の常連を寄せつけずの完勝。大井の1200メートルではほんとうに強いレースをする。その後は、かきつばた記念JpnIIIやさきたま杯JpnIIなどに進む選択もあったが、中央相手ではやや劣勢な1400メートル路線には向かわず、このスーパースプリントシリーズ3連覇を目指してきた。一昨年のこのレースで出した46秒4がコースレコードで、昨年は47秒7。このメンバーではまさに格が違う。ちなみに今年ここまでダートグレードを勝った地方馬はラブミーチャンのみ。気の早い話だが、今年もNARグランプリの最優秀短距離馬のみならず、2年連続3度目の年度代表馬の可能性もある。
マコトカリバーンは、トライアルのエメラルドオープンを勝利。3番手追走から追い通しで、ゴール前、1番人気のデジタルゴールドをとらえた。そのときの勝ちタイムが良馬場で48秒2。ラブミーチャンなら、おそらく持ったままでこのタイムは出るだろう。どこまで迫れるか。
シンゼンユメノスケは、中央未勝利から転入して2戦目から5連勝中。前走、C級のトライアルしらゆり特別では、スタートからハナを奪うと後続を寄せつけず楽勝。軽く気合を入れただけでの勝ちタイムが48秒4なだけに、オープンクラスでも十分勝負になりそう。
イワクラギンガは、B級のトライアルの勝ち馬。その時の勝ちタイムが48秒0で、ラブミーチャン以外の馬ではこの距離の持ちタイム最速。とはいえ、そのときは重馬場。陸上的な言い方をすれば追い風参考といったところだろうか。
連下争いは、エメラルドオープンで3着だったバトルマグマまで。
◎7ラブミーチャン
○2マコトカリバーン
▲5シンゼンユメノスケ
△1イワクラギンガ
△6バトルマグマ
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