全国区のタイトルを目指すエスワンプリンスにとっては負けられない一戦だ。というより、普通に走ってくれば楽勝だろう。前走笠松に遠征したオッズパークグランプリ2013は、ラブミーチャン、ナイキマドリードには離されたとはいえ、順当に3着は確保した。さすがに前2頭はともにダートグレードのタイトルがある馬だけに、力の違いを見せつけられた。見据えるのは、次はどこに遠征するのかということだろう。
相手筆頭はアティロン。唐津湾賞、嘉瀬川賞と連勝し、一線級が出走したはがくれ大賞典はさすがに5着に敗れたが、エスワンプリンス以外に重賞で勝ち負けという馬がいない今回のメンバーなら2着を死守したいところ。無理にエスワンプリンスを負かしにいくとかでもしない限り、馬券圏内を外すことはなさそう。
そのほかで2着に食い込む可能性があるのはマイウエイ。前走予定していたセントポーリア賞は除外だったが、その前の春寒賞(A1)では差のない3着だった。
セントポーリア賞5着のゴールドマイン、松浦川賞でゴールドマインに先着する6着だったミライカントリーあたりが、上記の馬たちが崩れたときの馬券圏内候補。
◎エスワンプリンス
◯アティロン
▲マイウエイ
△ゴールドマイン
△ミライカントリー
グランダム・ジャパン3歳シーズンの第3戦。7連勝中のロマンチックが登録だけで出走してこなかったのはなんとも残念だが、それによって半数ほどの馬にタイトル奪取のチャンスがありそうで、馬券的にもおもしろそうなメンバー構成になった。
ビックナゲットは、花吹雪賞、飛燕賞で、そのロマンチックの2着。その間の日峯特別ではダイリングローバル、ゴールドペンダントの後塵を拝していたが、飛燕賞で巻き返した。昨年12月以降は1750または1800メートルのみしか使われていないのもアドバンテージ。福山から移籍した渡辺博文騎手は、先週の佐賀桜花賞でもレコパンで3着に入っており、早くも新天地で重賞制覇のチャンス。
2歳の早い時期に期待の高かった1頭、オリンポスは、九州ジュニアチャンピオン4着のあとブランクがあり、復帰戦となった前走、いきなりの古馬B2戦で2着と好走した。九州ジュニアチャンピオン以外は1400メートル以下を使われていて、末が甘いところがあるように、距離にはやや不安がある。
すでにグランダム・ジャパンのポイントを稼いでいるのが、若草賞2着のホクザンルージュ。前走菊水賞惨敗が気になるところだが、ロマンチック不在のこのメンバーならあっさりという場面も考えられる。
エイシンルンディーは園田クイーンセレクション7着が負けすぎのような気もするが、前々走で古馬B級に入っての勝利なら見直す余地はある。
2歳時にデビューから3連勝し、佐賀のこの世代ナンバー1かと期待されたカシノアルテミスだが、ロマンチックと対戦して負けてからはさっぱり。ただ古馬B級との対戦でもそこそこ走っており、同世代同士で巻き返しがあるかどうか。
◎ビックナゲット
◯オリンポス
▲ホクザンルージュ
△エイシンルンディー
△カシノアルテミス
大高坂賞で先着を許したマチカネニホンバレが不在となれば、グランシュヴァリエの実績が抜けている。地元高知での出走はそれほど多くないが、ダートグレードを除けば地元で他馬に先着を許したのは、そのマチカネニホンバレ以外では、昨年2月のだるま夕日特別でのレーザーブレイドのみ。意外にもこの二十四万石賞は初挑戦となる。
中央オープンの実績があったクイックリープは、黒船賞JpnIIIではコスモワッチミー(4着)に続く5着。ラブミーチャンに先着したことは自信になったのではないだろうか。1900メートルは中央時代を含めても初めての距離だが、マイル前後でも好走があることから、地元同士のゆったりした流れなら問題なくこなせると見る。
リワードアリオンは、昨年夏に建依別賞を制し、今年は久松城賞で2着。まれに惨敗はあるものの、昨年8月にA級に昇級して以降では、地元高知で3着を外したのはわずか2戦。期間限定騎乗中の山中悠希騎手がどんなレースを見せるのかにも注目。
ジュライザセヴンスは、だるま夕日特別でクイックリープに6馬身ほど離されての3着、3走前にはリワードアリオンに2馬身半差の2着など、トップクラスとの対戦ではやや分が悪い。乗替りでの赤岡騎手がどこまで持って来られるか。
ヒロカミヒメは、黒潮菊花賞以降勝ち星がないが、それでもA-1特別では常に上位争いできる実力。
ヘイハチキングは中央1000万下から転入して2着2回。変わり身があれば連下争いも。
◎グランシュヴァリエ
◯クイックリープ
▲リワードアリオン
△ジュライザセヴンス
△ヒロカミヒメ
△ヘイハチキング
佐賀桜花賞という大層な名前がついているもの、B級格付けの馬たちによる重賞。
3カ月の休養明けでもアドマイヤクリスに期待したい。名古屋からの転入初戦となった前走、1月13日のB1級特別では、スタートでダッシュがつかず最後方からという厳しい展開ながら、4コーナー5番手から佐賀の短い直線で前を交わしきった。今回はそのときの調子が戻っていればだが、さらに上のクラスにいっても通用する器かもしれない。
グランデアトレは、中央未勝利から昨年転入して、秋にはB1級1組特別で2勝。その後大井に転厩したが、再び佐賀に戻ってきた。初戦の前走はB1級特別で2着だが、勝ったのがロマンチックでは仕方ない。あらためて力が試される一戦。
マイネルポンピオンは、前走佐賀弥生賞を7番人気で逃げ切り勝ち。4コーナーで2着馬に迫られながら、直線で再び突き放した。とはいえB2級のメンバーで、今回クラスが上がって互角の勝負に持ち込めるかどうか。
前走中央からの転入初戦で1番人気に支持されながら4着に敗れたタイセイスナイパーは、今回あらためての期待。
福山から移籍してきた渡辺博文騎手が騎乗するレコパンもB2級では常に安定勢力。
◎アドマイヤクリス
◯グランデアトレ
▲マイネルポンピオン
△タイセイスナイパー
△レコパン
東海ダービーへ向けての勢力図が固まってくる時期だが、名古屋・スプリングカップの結果を重視したい。勝ったエストレーモは不在。となれば、1番人気で2着だったゴールドブラザーにあらためて期待する。出世レースとしても知られるゴールドジュニアでは、ホウライジェントルに4馬身差をつけての完勝。そしてスプリングカップは、楽な手ごたえのまま4コーナーで先頭に立ったが、直後でマークしていたエストレーモにゴール前で交わされた。とはいえ3着以下は寄せつけずというレースぶり。今回、3コーナーポケットからスタートする1600メートル戦で大外を引いてしまったのがやや不安ではあるが、好位に控える競馬で結果を残しているだけに、ここも力で押し切るだろう。
別路線組でこれといって目につくのは3歳の条件戦で5連勝中のトライアンフバイオくらい。ただ1400メートル戦しか経験がなく、前走も勝ったとはいえ後続にゴール前で差を詰められ、ギリギリの勝利だった。初距離に加えメンバーのレベルが格段にアップするだけに、さらに連勝というのも厳しそう。であれば、スプリングカップ3着のユーセイクインサー、同4着のホウライジェントルを着順通り評価する。
ゴールドジュニア7着のあと3歳1組特別で2連勝のコスモカリヨンが、その後さらに力をつけているようであれば上位争いも。
◎ゴールドブラザー
○ユーセイクインサー
▲ホウライジェントル
△トライアンフバイオ
△コスモカリヨン