金沢のシーズン最初の重賞に役者が揃った。ナムラダイキチは2011年6月の転入初戦以外、地方馬で先着されたのはジャングルスマイルのみ。それもたったの3回。名古屋グランプリJpnIIでは4着に負けたとはいえ、中央勢上位独占の一角は崩し、他の地方馬には大差をつけた。金沢所属馬はいまだダートグレードを勝ったことがなく、この馬にはぜひその壁を越えてほしいところ。
相手はやはりジャングルスマイル。ダートグレードや南関東の重賞ではちょっと足りないものの、地元や東海地区の重賞では常にタイトルが意識できる実力。それだけにナムラダイキチに真っ向勝負を挑んだときに、力尽きて他馬に付け入るすきを与えるかもしれない。
2頭の間に割って入るとすればタートルベイ。上記2頭がいなければ金沢ではほぼ安泰という実力。中日杯は惨敗だったが、冬季休養明けの初戦でしっかり立て直してきた。
おそらくナムラダイキチ中心で、この2頭が相手という馬券に集中しそうで、買い方は難しい。
4番手以下は、A1特別で安定して上位に入るマーベラスキング、A2特別2連勝中で未知の魅力があるガンズオブナバロンだが、上記3頭のどれかが崩れたときの3着候補。ただオッズを考えると、ここまで手を伸ばせるかどうかは微妙。
◎ナムラダイキチ
○ジャングルスマイル
▲タートルベイ
△マーベラスキング
△ガンズオブナバロン
開幕週に行われる3歳馬のレースとしておなじみのスプリングカップだが、今年度から重賞扱いとなった。
ここは2歳時にダートの重賞で2勝を挙げたロックハンドパワーに期待だろう。年明けの金杯でも1番人気に推されたが、2番人気のブリリアントロビンに3馬身差をつけられての2着。しかし今回、そのブリリアントロビンが不在というメンバーなら負けられないところ。全国区へと羽ばたくためにもここで好スタートといきたいところ。
中央に移籍していたハカタドンタクが岩手に戻ってきた。昨年は重賞で2着3着が計4回と、もうちょっとのところで勝ちきれなかった。3歳になってレベルアップが見られるのかどうか、楽しみなところ。
金杯4着で、冬季休催明けの3歳A級戦で2着のブラックタイガー、同3歳A級戦で4着のゴールドボンバーあたりが、重賞実績のある◎○の2頭に対してどこまでやれるか。
◎ロックハンドパワー
○ハカタドンタク
▲ブラックタイガー
△ゴールドボンバー
サイモンロードの名古屋大賞典での果敢な逃げにはちょっとシビレた。結果、勝ったホッコータルマエからは2秒3離されての4着だったが、それでも地方馬最先着。ランフォルセにも先着して中央勢上位独占の一角は崩した。中央時代からマイル以上を使われ、1400mの白銀争覇では4着に敗れているが、名古屋大賞典で見せたスピードがあれば、地方同士なら一気に押しきれると見る。
デジタルゴールドはクラス別定の尾張名古屋杯を制したものの、その他の重賞ではもう一息。とはいえ、昨年秋にはA1特別で3連勝。特に近2走は、ともに2着に6馬身差をつける圧巻の逃げ切り勝ち。休み明けがどうかだが、充実してきていることは確かだ。
ミヤジメーテルは昨年7月の名港盃を制し、ほかにもたびたび重賞で上位争い。重賞実績ではデジタルゴールドより上の評価もできる。
兵庫から遠征のワールドハンターは中央オープンの実績で復権なるか。連戦連勝で下級条件から上がってきたメモリージルバは、オッズパークグランプリや名古屋大賞典よりメンバーが軽くなったここで結果を残したいところ。
◎サイモンロード
◯デジタルゴールド
▲ミヤジメーテル
△ワールドハンター
△メモリージルバ
兵庫若駒賞、園田ジュニアカップを制したエーシンクリアーが戦線離脱で混戦模様。北海道から転入してきた牝馬のユメノアトサキが中心。前々走の園田クイーンセレクションでは逃げ粘ってピッチシフターの半馬身差2着。ピッチシフターといえば、エーデルワイス賞2着で、名古屋に移籍後3連勝。全国区での世代トップクラスの牝馬と接戦を演じた実力は間違いない。1700m戦は12月に4着に敗れているが、前走で4馬身差の快勝。父はサウスヴィグラスだが、このくらいの距離はこなせそうだ。
園田クイーンセレクションでやや離れた3着だったホクザンルージュが逆転を狙う。笠松のゴールドジュニア5着、グランダム・ジャパン3歳シーズンの初戦、福山の若草賞で2着と、遠征競馬で揉まれた経験が生きるはずだ。
イチノバーストは、園田ジュニアカップでエーシンクリアーに1秒差をつけられての3着。デビュー以来3着を外したのは一度だけ。ここ5戦連続で1700m戦を使われていることもプラス。
ライキピアは、園田ジュニアカップでエーシンクリアーの5着。ここまで10戦して2勝、2着5回と勝ち切れないレースが多いが、この世代のトップクラスと上位争いをしてきている。
トロイビーンはここまで2歳時の1勝のみだが、それがエーシンクリアーを負かしてのもので、その後もエーシンクリアーやホクザンルージュを相手に好走。ただ近走勝ち切れないレースが続いているのは気になるところ。
前走で3歳A級特別を制したエーシンラピッドだが、1700m戦は門別時代も含め4戦していずれも掲示板外。距離の克服が課題となりそうだ。
◎ユメノアトサキ
◯ホクザンルージュ
▲イチノバースト
△ライキピア
△トロイビーン
△エーシンラピッド