2000年以降、ずっと佐賀勢に優勝をさらわれている荒尾ダービー。今年、佐賀勢は3頭だが、強力なメンバーが遠征してきた。
中心は、やはりその佐賀勢。デビューから3連勝で九州ジュニアグランプリを制したリョウマニッポン。半年ぶりの復帰戦となった前走は8着惨敗だったが、休み明けに加え、古馬のB2級というクラスでは仕方のない結果。叩き2戦目で再びタイトルを狙う。2000メートルの距離はもちろん初めてだが、父が英セントレジャーを制したルールオブロー、母父がジャパンカップを制したシングルピールなら、血統的にはむしろ大歓迎だ。
3歳になってからの実績ではリリーが断然。重賞勝ちはないものの、花吹雪賞、飛燕賞、ル・プランタン賞といずれも2着。その3戦で先着されたのが、ヒシダイアナ、マンボビーンと、グランダム・ジャパンのシリーズで活躍している馬たちだけに、今回のメンバーに入ればチャンスは十分。
今年は連勝中の荒尾勢が侮れない。リバースターリングは、中央未勝利で転入して2着のあと3連勝。その3勝とも、いずれも2着馬に1秒以上の差をつけた。前走も2番手から4コーナー手前で先頭に立つと、直線はまったく持ったままで2着に8馬身差。戦った相手が3歳2組までとはいえ、まだまだ底を見せていない。荒尾勢悲願の勝利は、この馬にかかっているといえそうだ。
テイエムリニアも中央未勝利から転入して4連勝。前走の3歳1組戦は、2着馬との着差こそ2馬身だったが、最後は宮平鷹志騎手が後続の脚色を確認しながら余裕を持っての勝利。この馬もまだまだ上がありそうだ。
佐賀勢ではやや実績が見劣るキャンベルだが、それでも花吹雪賞での3着は、2着のリリーから1馬身半差。古馬C1級でもそれほど差のない3着があり、連下なら狙えそう。
アミフジエンブレムは3歳3組戦を2連勝。前走、距離が1300メートルに伸びて7馬身差の圧勝を見せただけに、成長ぶりがうかがえる。
◎リョウマニッポン
○リリー
▲リバースターリング
△テイエムリニア
△キャンベル
△アミフジエンブレム
地方競馬の3歳戦線では牝馬が強いということがたびたびあるが、出走馬がすべて牝馬の「ダービー」というのもめずらしいのではないか。
実績最上位はユメミルチカラ。福山プリンセスカップを勝ち、若草賞7着を挟んで、前走古馬B1B2特別も快勝。この時期の3歳馬としては相当な実力の持ち主。ただ圧勝もあれば、たまに惨敗もあるというタイプだけに、連単の頭固定は危険かもしれない。
相手には、重賞で2着3着4着があるマルサンスパイス。前走古馬C1特別で約半年ぶりの勝ち星をマーク。とはいえ大崩れも少なく、安定した成績だけに、ここで一発の可能性もおおいにある。
ムツミマックスは、ヤングチャンピオンと若駒賞を連勝したときには注目を集めたが、その後はさっぱりという成績。連勝していたころの勢いが戻れば。
おそらく以上3頭の勝負だが、前々走で3歳2組戦を勝ったミサゴドライヴが馬券圏内にからんでこられるかどうか。
◎ユメミルチカラ
○マルサンスパイス
▲ムツミマックス
△ミサゴドライヴ
昨年7月3日にオグリキャップが死亡してから初めてのオグリキャップ記念。この記念レースも、第20回の節目となる。当日は、オグリキャップのイラスト入ったハンドタオル、マグカップや、笠松競馬場のポロシャツなどが抽選でプレゼントされるほか、オグリキャップ像リフレッシュセレモニーや、岩手競馬応援セレモニーなどが行われる。お近くの方は、ぜひ笠松競馬場へ!
連覇を目指すヒシウォーシイが断然だ。昨年3月のマーチカップから今年2月の梅見月杯まで、1年近く負けなしで12連勝。前走名古屋大賞典JpnIIIは、さすがにエスポワールシチー以下の中央勢が強力で4着に敗れたが、それでも当然のように地方馬最先着。その後に東京スプリントJpnIIIを制すセレスハントには先着し、中央勢上位独占は許さなかった。これまで8戦全勝と得意の笠松が舞台での地方全国交流なら負けられないところだ。
そのヒシウォーシイに土をつける可能性があるとすれば、佐賀から遠征のマンオブパーサー。さすがにダービーグランプリGIを制したころの力はないだろうが、佐賀に移籍してからは圧倒的な強さを示していた。年末の中島記念から年明けのオープン特別は期待を裏切ったが、前走はがくれ大賞典では2着に6馬身差をつける圧勝で、久々に強いレースを見せた。船橋から佐賀に移籍したのは脚部不安でなかなか仕上げられなかったためだが、脚元さえ万全の状態なら前走同様圧勝まであるかもしれない。
マイネルアラバンサは、前走ややメンバーの軽かったマーチステークスを勝って東海地区で重賞4勝目。ヒシウォーシイとの対戦では分が悪いが、これまで名古屋・笠松では12戦して3着を外したのが2回のみと堅実な成績。ここも2着、3着なら十分に狙える。
トウホクビジンは、前走の東海クラウンがじつに35戦ぶりの勝利。東海地区での古馬オープンクラスの勝利は、これが初めてだった。とはいえ、厳しいローテーションで全国を駆け巡り、ダートグレードで3着、4着の経験が1度ずつある。展開次第では上位に食い込む可能性も十分だ。
高知勢は08年のこのレースで1着3着と激走。ハンドシェイクも前走地元の重賞・二十四万石賞できわどい2着と好走しているだけに、あっと驚かせる場面があるかもしれない。
◎ヒシウォーシイ
○マンオブパーサー
▲マイネルアラバンサ
△トウホクビジン
△ハンドシェイク
メンバー中唯一の重賞勝ち馬がラスワロフスキーで、中央のダート500万下も1番人気で勝っているとあれば、実績では断然。デビュー戦の1200メートルで4着に負けていることや、7カ月半ぶりの実戦となるのが不安材料だが、シーズン初日のレースだけにそうした不安はどの馬にもある。スピードで一気に押し切ってしまう可能性が高い。
ピエールタイガーは、ブリーダーズゴールドジュニアカップ4着に、未来優駿のサッポロクラシックカップ(特別)を勝ったという実績。その後大井に移籍し、準重賞の雲取賞で5着。その次走に予定されていたのが、大地震当日で、そのレースが取止めとなって北海道に復帰した。3月まで南関東でレースに使える状態あったとあったというのは、大きなアドバンテージだ。
ハピネスハンターは、2着3着が続き、昨シーズン終盤にようやく2連勝。重賞経験はないが、6戦して3着を一度も外していないという安定ぶりが光る。
昨シーズンのスーパーフレッシュチャレンジを制して以来ちょうど1年ぶりの実戦となるパフォーマンス、栄冠賞を取消して以来のラビットファレル、南関東で5戦して2着3回、3着2回のマーベラスタイムなど、手広く狙ってみたい。
◎ラスワロフスキー
○ピエールタイガー
▲ハピネスハンター
△パフォーマンス
△ラビットファレル
△マーベラスタイム
グランダム・ジャパン3歳シーズンは、初戦の浦和・桜花賞が中止となり、福山・若草賞に続いてここが2戦目。5月2日に予定されていた水沢・留守杯日高賞もすでに中止が発表され、今年のグランダム・ジャパン3歳シーズンは全5戦での争いとなりそうだ。
その初戦となった若草賞を制したのが、兵庫のリジョウクラウン。初重賞挑戦となった昨年9月の園田プリンセスカップを制し、しかしその後はなかなか勝ちきれないレースが続き、若草賞は6戦ぶりの勝利だった。後方追走から向正面でロングスパートという極端な脚質なだけに、たびたび前を捕えきれずというレースになるのは仕方のないところ。しかし初距離の1800メートル戦となった前走若草賞は、4コーナー手前で早めに前のマンボビーンを射程圏にとらえ、直線で交わし去った。今回も同じ1800メートル。ゆったりした流れで早めに先団に取りつき、抜け出しを狙う。
地元に戻って期待したいのがヒシダイアナ。前走若草賞は1番人気に支持されながら、兵庫の2頭から離されての3着。最後方に下げるという展開的に厳しい面もあった。好位から中団につけ、地の利を生かせば逆転も可能だろう。
園田クイーンセレクションを制したマンボビーンは、笠松、大井、福山と遠征経験が豊富。いずれも好走といえる内容のレースをしているだけに、今回も上位には食い込んでくるだろう。
どの程度の力を秘めているのか楽しみな存在なのが、福山のフレアリングマリーだ。道営では未勝利だったが、福山に転入後は負けなしの6連勝。しかもクラスを上げるごとに着差を広げて勝っている。初の1800メートル戦となった前走も4馬身差の完勝。今回も同じ1800メートルなら一発を期待してもいいかもしれない。
地元佐賀のリリーは、重賞での2戦ともヒシダイアナの2着に敗れているが、前走は古馬C1級との対戦で勝利。力をつけている可能性はある。
◎リジョウクラウン
○ヒシダイアナ
▲マンボビーン
△フレアリングマリー
△リリー