タキノプリンセスは、道営未勝利だがシーズン終了後に転入し、2着2回のあと2連勝。前走、今回と同じ舞台のプリンセス賞では、向正面から追い通しで前をとらえるまでに苦労するズブい面を見せたが、直線で交わすとあっさり突き放した。距離は長いほうがよさそうだ。
道営から転入初戦の2歳1組戦を勝ったオータムストリートが連勝でタイトル奪取の可能性も。その前走は、2番手追走からゴール前で差し切り勝ち。クビ差とらえた相手は、九州ジュニアグランプリで荒尾勢としては最先着(3着)のヌレエフクインだった。道営出身馬はやはり層が厚い。
ダイメイネオは、中央未勝利から転入後4戦して2勝、3着2回。前走、単勝1番人気に支持されたプリンセス賞では直線中団から差を詰めて3着だった。勝ったのは荒尾950メートル戦と佐賀の900メートル戦で、2度の3着は1300メートル以上。この距離はちょっと微妙かもしれない。
ブラックシャインは兵庫から転入し、初戦の2歳1組戦ではオータムストリートからやや離されて3着。続く前走のプリンセス賞では逃げたもののタキノプリンセスに1馬身半差2着。上位2頭とは勝負付けがすんでいる感じだが、馬券圏内を狙える力はある。
コウザンコは、デビュー2戦こそ見どころがなかったが、その後2、2着と力をつけ、前走のJRA認定競走で初勝利。ここにきて成長を見せているだけに、上位勢にどこまで迫れるか。
メンバー中最多の4勝を挙げているサチノシェーバーも、このメンバーに入ってどこまでやれるか。
◎タキノプリンセス
○オータムストリート
▲ダイメイネオ
△ブラックシャイン
△コウザンコ
△サチノシェーバー
A級でもオープンではないクラスのメンバーで争われる重賞だが、シルバーウインドの実績が抜けている。重賞3勝は09年までの成績だが、今年も金沢に遠征しての読売レディス杯で2着、秋桜賞は兵庫勢のワンツー決着となったが勝ち馬からハナ、クビで3着と食い下がった。その後のA2~A1の特別で4戦3勝、2着1回という成績だけを見ても他のメンバーより抜きんでている。不安を探せば、8月以降は1700メートル以上の中距離しか使われていないことだが、それにしてもダート1400メートル戦では9戦7連対という実績を見れば心配はいらないだろう。
2番手以降は優劣をつけるのが難しいが、明け4歳のスマートインパルスに期待。今年秋、船橋から転入初戦の古馬A3特別は勝ち馬から1秒離されて8着惨敗。岐阜金賞4着を挟んで、A4組の一般戦は2着だったものの勝ち馬から1秒差。しかしその後はA4組で1、2着。そして前走ではA3特別を勝つまでに力をつけた。若いだけにさらなる成長が期待される。
連覇を狙っているのがディスパーロ。夏に転厩した道営ではオープンで惨敗続きながらも、前々走では快速馬ポートジェネラルに3馬身差をつけて快勝している。しかし前走では同じようなメンバーを相手に10着に惨敗。こうした成績での再転入初戦だけに、勝っても惨敗でも不思議はなく、判断に迷うところ。
ボニータシチーは、秋桜賞4着、兵庫クイーンカップ6着と重賞ではちょっと足りないが、目下自己条件のA4組では快進撃。まだまだ上が望める。
パレスシュガーは、6~8月ごろはA2~A3の特別で連対していたが、9月にA4の一般戦で3着して以来4か月の休み明け。全盛時の力を発揮できれば上位争いも。
クロスウォーターは、道営のシーズン終了後に名古屋に戻ってA1~A2の特別で入着級。今回のメンバーなら馬券圏内も。
◎シルバーウインド
○スマートインパルス
▲ディスパーロ
△ボニータシチー
△パレスシュガー
△クロスウォーター
荒尾の2000mならタニノウィンザーが断然だ。その得意の舞台で重賞を6連勝中、肥後の国グランプリは3連覇がかかる。
テイエムメデテカは、今年9月以降10戦してすべて3着以内。九州記念でもタニノウィンザーの3着があり、逆転までは難しいだろうが、2着は十分狙える。
テイエムジカッドは、9月の阿蘇根子岳カップでテイエムメデテカに1馬身半差をつけて勝利しているが、その後は5着や6着が目立つ成績。実績的には連下争いまで。
テットウテツビも近走は似たような成績だが、重賞となると大阿蘇大賞典、九州記念ともに2着と健闘。大一番で大駆けの場面はあるかもしれない。
中央から転入し、A級特別を5戦して3着が3回あるアタゴオーラも連下争いなら。
◎タニノウィンザー
○テイエムメデテカ
▲テイエムジカッド
△テットウテツビ
△アタゴオーラ
高知のトップホースにには他地区に遠征する馬が多く、その中で今回地元に残ってビッグタイトルを狙うのがフサイチバルドル。7連勝で臨んだ前走、黒潮マイルチャンピオンシップは、ジョインアゲンに一気にまくられ、直線では4馬身差の独走を許す結果になった。ジョインアゲンは、その後船橋の総の国オープンに遠征してキングスゾーンの2着と好走。宿敵ジョインアゲンがいない今回は大きなチャンス。2400mは今回が初めてとなるが、福山で2250mの西日本グランプリを勝っているだけに、問題にはならないだろう。
相手には重賞常連のスパイナルコード。ここまで重賞5勝。短い距離での活躍が目立つが、1900mの珊瑚冠賞を昨年勝っていて、また08年の高知県知事賞では3着という結果を残している。09年10月以来、久々の重賞制覇を目指す。
サムデイシュアーは、中央1000万下からこの秋に転入。A-2特別を勝ったあと、A-1特別ではポートジェネラルなど強力な相手に3着。そして3戦目となった前走では船橋に遠征し、総の国オープンで4着と好走。2着のジョインアゲンとはコンマ1秒差だけに、今回も十分勝負になるだろう。
リバーホークは、南関東からの転入2戦となった前走A-1選抜でポートジェネラル、スパイナルコードなどをまとめて負かして勝利。ここでも上位を狙える。
◎フサイチバルドル
○スパイナルコード
▲サムデイシュアー
△リバーホーク
10月の兵庫若駒賞に続いて、オオエライジンとホクセツサンデーの一騎打ちとなるかどうか。その兵庫若駒賞では、内枠のオオエライジンに、外からホクセツサンデーが並びかけ、コーナーワークの差でオオエライジンがわずかに前に出てそのまま突き放した。今度は枠順が逆になったこともありホクセツサンデーを中心とする。ホクセツサンデーは、その後兵庫ジュニアグランプリJpnIIは着順こそ7着だが、勝ち馬から0秒8差。前走、2歳一組戦では逃げ切り勝ちを決めるスピードを見せた。
対するオオエライジンは、デビューから3連勝となった兵庫若駒賞以来の実戦。出走取消などもあり、必ずしも順調に来たわけではない。近走の経験という意味でも、ホクセツサンデーに一歩譲らざるをえない。とはいえ、ここでもオオエライジンが勝つようであれば本物だろう。
今回は出走馬のほとんどが1400mまでしか経験がなく、1700mは未知の距離。しかし唯一、リジョウクラウンだけが笠松に遠征して1600m戦の経験がある。兵庫若駒賞では2着のホクセツサンデーからさらに6馬身離されての3着だったが、距離延長でどこまで2頭に近づけるか。
兵庫若駒賞では7着だったニシノイーグルだが、前走ではホクセツサンデーに1馬身半差まで迫っての2着。上位3頭にどこまで近づけるか。
前走向正面で一気のまくりを決めたマルヨロイヤル、前走JRA認定レースを好タイムで勝ったグリーンアイズあたりが上位に食い込めるかどうか。
◎ホクセツサンデー
○オオエライジン
▲リジョウクラウン
△ニシノイーグル
△マルヨロイヤル
△グリーンアイズ