ともに2戦2勝のシーグランディとベストマイヒーローの2頭が人気を集めそう。いずれも後続に差をつけての完勝というレース内容だが、ベストマイヒーローのほうを中心にする。デビュー戦の芝1000メートルのJRA認定レースは9馬身差、続く水沢の1400メートル戦は8馬身差と圧勝で、いずれも直線ほどんど追われず楽に突き放していただけに、この先どこまで強くなるのか楽しみなところ。2頭ともに騎乗していた菅原勲騎手がこちらを選んだというのも期待の表れかもしれない。
相手にもシーグランディといきたいところだが、2歳戦といえばやはりホッカイドウ勢が怖い。このレースも一昨年、昨年と連勝中だ。スクランブルエッグはフレッシュチャレンジ勝ちのあとに挑戦した重賞のイノセントカップでは、勝ったモエレフウウンジから1秒4差をつけられて8着。しかしそのモエレフウウンジが続くブリーダーズゴールドジュニアカップも完勝で連勝しているだけに、イノセントカップの出走馬も岩手の2歳戦線と比べれば相当にレベルが高かかった可能性がある。血統的に芝も問題なさそうで、岩手勢をあっさり一蹴してもおかしくはない。
シーグランディには、前走の若鮎賞で今回と同じ盛岡1600メートルを経験しているというアドバンテージがある。その勝ちタイム1分41秒6は、例年のジュニアグランプリの勝ちタイムと比較してもそれほど変わらない。相手のレベルが上がり、さらにタイムを詰めてくるであろうことを考えれば、この馬があっさりという場面も考えられる。
ホッカイドウ勢のもう1頭、フレッシュチャレンジを勝ったのみのスカイキングラブも怖い存在。
岩手で連下候補は、若鮎賞3着で、前走ビギナーズカップを勝っているリュウノフラッシュあたりか。
◎ベストマイヒーロー
○スクランブルエッグ
▲シーグランディ
△スカイキングラブ
△リュウノフラッシュ
近年でも未勝利馬が連対することがたびたびあり、馬券的には難解なレース。
しかし今年は笠松のマルヨコンバットの素質が抜けている。JRA認定新馬戦を6馬身差で圧勝し、続く秋風ジュニアも3馬身差で完勝。秋風ジュニアは重賞ではないものの、過去の勝ち馬にはオグリキャップやライデンリーダーなど歴史に残る名馬が多い。マルヨコンバットもそうした笠松を代表する名馬に続けるかどうか。
相手筆頭はオートフォーカス。中央2戦未勝利から早くもこの時期に名古屋に転厩して2連勝。1勝目は5馬身差の圧勝。2勝目の前走は2馬身半まで差を詰められたが、最後は追うのをやめてのゴールだっただけに、まだまだ余裕はありそうだ。
地元勢で人気を集めそうなのはデビューから圧勝で2連勝のナエマ。前走の2歳1組戦は今回と同じ1400メートル戦で、一旦2番手に控え、直線で後続を突き放すという強い勝ち方。しかし勝ちタイムの1分33秒3は、過去の兼六園ジュニアカップの勝ちタイムを見ると、さらにタイムを詰めなければ勝ち負けまでは厳しそう。コースが違うので単純な比較はできないが、同じ1400メートルでもマルヨコンバットの秋風ジュニアの勝ちタイムとは5秒4もの差がある。それだけのタイムを詰めるのは容易ではなさそうだ。
ダンシングサクラは、デビュー戦ではナエマに6馬身ちぎられての2着だったが、前走のJRA認定戦(1400メートル)の勝ちタイムは、ナエマの前走を上回るもの。さらに力をつけていればあっと言わせる場面があるかもしれない。
デビュー戦を6馬身差圧勝のシンカンタカフジも可能性を感じさせる。
◎マルヨコンバット
○オートフォーカス
▲ナエマ
△ダンシングサクラ
△シンカンタカフジ
地元同士ならフサイチバルドルが断然。4月の二十四万石賞から5連勝中。普通にレースができればまず負けることは考えられない。
相手にはホーマンクラフト。中央1000万下から高知に移籍して5戦4勝。負けたのは、福永洋一記念でのフサイチバルドルの2着のみ。このときは着差こそ2馬身だが、フサイチバルドルの完勝だっただけに、逆転までは難しそう。とはいえホーマンクラフトもその後は福山遠征も含めて3連勝中なだけに、フサイチバルドル以外の相手には負けないだろう。
連覇のかかるスパイナルコードは、昨年のこのレースまで連戦連勝で勝ちまくったが、その後はいまひとつの成績。今年も得意の夏を迎えて良化したが、トレノ賞ではフサイチバルドルから4馬身差の2着。ここ2戦は勝ち馬から1秒以上の差をつけられているだけに、上記2頭に迫るまではどうか。
重賞勝ちこそないものの近走は重賞でたびたび掲示板を確保しているゲイリージュピター、今年は常に上位争いも勝ち星に恵まれないグランシングあたりが3連単の3着争いか。
ところで、フサイチバルドルの赤岡修次騎手と田中守調教師の今シーズンの成績がすごい。
6月ごろまで全国リーディングだった赤岡騎手は、その後さすがに大井の戸崎圭太騎手に逆転されたものの、9月14日現在193勝で全国2位をキープ。なんといってもすごいのがその勝率で、44.1%。昨年は35.6%でNARグランプリの最優秀勝率騎手賞を受賞したが、それを大きく上まわる勢いで、今年もこのタイトルはほぼ確定だろう。
さらにスゴイのが田中守調教師。同日現在で190勝は、全国リーディングのトップを独走。昨年は名古屋の角田輝也調教師が、自身の記録を更新する239勝でトップだったが、その角田調教師は現在155勝で2位。その角田調教師が昨年よりややペースが遅いとはいえ、それでも年間220勝ペース。田中調教師の勝ち星がいかにすごいかがわかる。単純計算ではなんと年間270勝ペースだ。ちなみに田中調教師は9月4日、高知の最終第11レースで通算1000勝を達成している。
◎フサイチバルドル
○ホーマンクラフト
▲スパイナルコード
△ゲイリージュピター
△グランシング
ゴールドマインは、昨年秋に中央から転入し、水沢コースに限れば10戦7勝。1月のトウケイニセイ記念では3キロも軽いマヨノエンゼルに1馬身1/4差で敗れたが、今シーズンの水沢ではシアンモア記念で東海勢2頭に先着を許したのみで地元に敵なし。舞台が水沢で、定量の地元同士の対戦なら負けられないところだろう。
昨年3歳でこの青藍賞を制したマヨノエンゼルは、その後年末の桐花賞でゴールドマインの2着、トウケイニセイ記念では軽量を味方に逆転勝利を果たした。今シーズンは古馬一線級での活躍が期待されたが、ここまで4戦して3着が最高という成績。残念ながら期待ほどの結果は残せていない。
ならば、中央から転入2戦目の前走A級戦を2番手から余裕を持って抜け出したエスユーペニーに期待してみたい。水沢1600メートルの良馬場1分41秒7は、昨年の勝ちタイムからコンマ1秒遅いだけ。タイム的にはここで通用しても不思議はない。
水沢大得意のマイネベリンダは、前走ビューチフル・ドリーマーカップであっと驚く逃げ切り勝ち。牡馬との重賞でどこまでやれるか。今回もハナを切れそうなメンバーだが、ノーマークだった前走のように楽に逃げさせてもらえるかどうか。
◎ゴールドマイン
○エスユーペニー
▲マヨノエンゼル
△マイネベリンダ
ムツミマーベラスは、同世代同士なら牡馬を含めての断然の実績で、牝馬同士ならなおさらだ。ここまで14戦13勝、2着1回。唯一先着を許したのは、福山ダービーでのフォーインワン(牡)のみ。前々走では古馬A3特別を逃げ切って楽勝。今回と同じようなメンバーだった前走の特別戦でも4馬身差の完勝。アクシデントでもない限り、ここは負けそうもない。
相手はビクトリーヒマワリかナカドイセンプーのどちらか。ナカドイセンプーにはたびたびムツミマーベラスの2着という成績があるが、勝ち星は昨年2歳時の10月以来ごぶさた。一方のビクトリーヒマワリはここ5戦いずれも3着以内で、特に近2走は古馬B6、B5と連勝中。順調度でビクトリーヒマワリを上位にとる。
福山プリンセスカップを制したワイエスオジョー、3歳1組特別勝利に続いて古馬C級で3戦連続連対のナカドイホーセキあたりが3着争いに加われるかどうか。
◎ムツミマーベラス
○ビクトリーヒマワリ
▲ナカドイセンプー
△ワイエスオジョー
△ナカドイホーセキ