栄冠賞を制したクラーベセクレタが久々の地元戦。中央の芝に挑戦したラベンダー賞は7着、クローバー賞は8着と結果を残すことはできなかったが、着差を見ればどちらも1秒以内の差で、それほど負けているわけではない。8頭立てと少頭数の今回のメンバーなら力上位は間違いなく、問題は初めての1700メートル戦だが、血統的には距離延長でマイナスということはない。父ワイルドラッシュは、今年のダート戦線でもっとも勢いがある種牡馬でもある。
マツリバヤシは、栄冠賞3着に続いて、リリーカップではラスワロフスキーのレコード勝ちに2馬身差の2着、前走ブリーダーズゴールドジュニアカップでも4コーナーで先頭に立ち、勝ったモエレフウウンジからコンマ3秒差の3着とよく粘った。なかなか勝ち切れない面があるのかもしれないが、クラーベセクレタを負かす可能性があるのはこの馬だけだろう。
キモンレッドの前走リリーカップは、スタートで大きく出遅れ、4コーナーでも後方2番手という位置から、36秒5という上がりで4着まで追い込んできた。父サウスヴィグラスという血統ゆえ初の17000メートルという距離が気になるところだが、展開次第では上位を脅かす可能性はある。
トーセンノーブルは、デビュー5戦目のアタックチャレンジで初勝利を飾ると、続くウィナーズチャレンジも勝利。初の1700メートルで好タイムをマークした。連勝中の勢いもあり、上位食い込みを狙う。
◎クラーベセクレタ
○マツリバヤシ
▲キモンレッド
△トーセンノーブル
デビュー戦のJRA認定レースを勝ったのみで、2走目には門別のリリーカップに遠征したカラカルが中心。そのリリーカップは勝ち馬から1秒4差の5着だったが、何といっても勝った馬がその後にJRAのダート500万下を楽に逃げ切ったラスワロフスキーなら、かなりのレベルと見るべき。たとえば、芝とダートの違いがあるとはいえ、19日に行われた盛岡のジュニアグランプリでは、デビュー2戦目の重賞イノセントカップで勝ち馬(モエレフウウンジ)に1秒4差をつけられて8着に敗れていたスクランブルエッグが、ゴール前で差し切ってあっさり勝った。ホッカイドウ競馬の2歳重賞戦線は、まだまだ経験が浅い他地区の2歳戦に比べればきわめて高いレベルにある。そうした相手と戦った経験は必ず生きてくる。
相手筆頭はシークレットベース。デビュー戦こそ3着だったが、その後1、1、2着と安定した成績で、負けたレースも牝馬には先着されていない。前々走、JRA認定レースを制したときの園田1400メートル1分32秒8も、良馬場ならまずまずのタイム。
不良馬場だが園田1400メートルの持ちタイムナンバー1は、1分31秒9のリジョウクラウン。砂を被せられるレースを経験し、後方からロングスパートで長く使える脚も魅力的。距離はむしろさらに長いほうがいいかもしれない。
シークレットベースやリジョウクラウンと差のないレースをしているヒマラヤイツカ、19日の兼六園ジュニアカップを制したエルウェーオージャに接戦の2着があるクインオブターフ、笠松のマルヨルビーなども展開や成長力次第ではチャンスはありそう。
◎カラカル
○シークレットベース
▲リジョウクラウン
△ヒマラヤイツカ
△クインオブターフ
△マルヨルビー
グランダム・ジャパン古馬シーズンの第5戦。目下ポイントトップのエレーヌをはじめとする笠松ガールズの遠征に、ショウリダバンザイの凱旋出走、地元ホッカイドウ勢にも有力馬がいて、興味深い一戦となった。
狙いはアンペア。南関東では関東オークスJpnIIでの3着があるのみでまったく期待はずれの成績だったが、今シーズン門別に戻ってからは1200メートル戦のみを使われ4戦2勝、2着2回。中でも重賞のエトワール賞ではラブミーチャンを猛然と追い詰めアタマ差の2着。そのラブミーチャンが古馬相手の北海道スプリントカップJpnIIIで3着に粘っていることを考えれば、ダートグレード級のスピードがあると言っていいだろう。問題は1800メートルという距離だが、2歳時には旭川1600メートルのエーデルワイス賞JpnIIIで6馬身差の圧勝があり、2100メートルの関東オークスでも直線まで逃げ粘って3着。折り合いも問題なく、距離はこなせると見る。
ショウリダバンザイは、北海道デビューで2歳時には期待されながらも重賞タイトルには至らず。しかし移籍した南関東では浦和・桜花賞を制し、東京プリンセス賞でも僅差の2着。馬主がホッカイドウ競馬の元調教師でもあり、所属する大井のトゥインクルレディー賞には目も向けずここに臨んできたからには、期待も大きいのだろう。
ライネスゴルトは重賞初挑戦となった水沢のビューチフル・ドリーマーカップは、出遅れが響いて4着まで。あらためて、この牝馬の一線級を相手に真価が問われる。
エレーヌ、トウホクビジンは、グランダム・ジャパン古馬シーズンの1~3戦を戦ってきて、さすがに輸送による疲れが心配。両馬ともに中4日のビューチフル・ドリーマーカップでは馬体を減らしていただけに、馬体重を戻していなければ厳しいかもしれない。
マチカネオイカゼは、中央2勝から転入して牡馬相手のオープンで2戦連続2着。牝馬同士なら上位食い込みの可能性も。
◎アンペア
○ショウリダバンザイ
▲ライネスゴルト
△エレーヌ
△トウホクビジン
△マチカネオイカゼ
金沢の地区交流重賞というと、どうしても東海地区が優位で、ここにも3頭が遠征してきた。しかし今回は、名古屋のハクシンフリーダムとナックザワールドは、ともにA級2組以下で勝ち星から遠ざかっているという近況。笠松のエムオーミサイルも今年3歳になってから勝ち星がない。地元金沢勢としては、さすがにこうした相手に負けるわけにはいかないだろう。
中心はドゥミポワント。金沢では1500メートル以上しか経験がないが、中央では1200~1400メートルを中心に使われ、父サウスヴィグラスという血統からも、距離短縮はプラス材料。地元勢はA1組の常連がナムラグローリーくらいしかいないという今回のメンバー構成で、百万石賞ではそのナムラグローリーに先着されているものの、着差はコンマ6秒。前走A2特別を圧勝している勢いがあれば逆転も可能だろう。
相手は当然そのナムラグローリー。前走イヌワシ賞は5着だったが、昨年もイヌワシ賞は4着で、その後このレースを6番人気という評価を覆して制した。今回の相手関係なら十分に連覇を狙える。
ゲイリーアイトーンは、今シーズン南関東から転入して、春にはA1特別を2連勝した実績。前走はA2特別で僅差の2着で、あっと言わせる場面があってもおかしくはない。
遠征勢で実績最上位は、昨年末の尾張名古屋杯を制しているハクシンフリーダム。それ以来勝ち星がないものの、3走前にはJRA500万下との条件交流で1馬身半差の2着。それ以前は勝ち馬から2秒以上の差をつけられて負け続けていたものが、その条件交流以降の3戦は1秒以内の差。調子はよさそうだ。
A3特別2連勝で臨むクイーンズコートも勢いで上位を狙う。
◎ドゥミポワント
○ナムラグローリー
▲ゲイリーアイトーン
△ハクシンフリーダム
△クイーンズコート
帯広単独開催になって以降の過去3回、いずれもトップハンデの馬は勝てず。特に近2年は1番人気に支持されての敗戦。とはいえ昨年のライデンロックは最軽量馬と50キロの差がありながらの2着はむしろがんばった。
今回はイレネー記念に加え、3歳の2冠を制したキタノタイショウがトップハンデの730キロ。4歳1冠目の柏林賞では2番人気ながら7着。先着された牡馬・セン馬は、いずれも30キロ差があった馬。10キロ差、20キロ差の馬には1頭も先着されていなかった。今回30キロ差がある牡馬はスギノハリアーとフクドリの2頭しかいない。前々走ではオープン2組の特別を勝ち、ゴールデンホース賞も連勝と好調なだけに、相手関係を考えてもチャンスは十分にありそうだ。
しかし本命として狙ってみたいのはトモエエーカン。ここ9戦で7勝と、B1級からA2級まで勝ち上がってきた。4歳1冠目の柏林賞には出走せず、今回キタノタイショウより20キロ軽い710キロなら勝負になると見る。ここ4戦は大口騎手だったが、今回は藤野騎手に乗替った。逆に藤野騎手が主戦だったスギノハリアーは大口騎手に乗替り。このジョッキーの入れ替えはどういう意図があるのか気になるところではある。
穴なら負担重量に恵まれたフクドリ。柏林賞で先着されたジャングルソング、コマクイン、アアモンドヤマトらとの相対比較で、今回は10キロ軽くなっているのは魅力だ。
コマクインは、柏林賞、はまなす賞ともに2着。今回も当然上位争いにはからんでくるだろう。
柏林賞では1番人気に支持されながら9着に敗れたアオノレクサスだが、障害をうまく切れれば上位争いの力は十分にある。
◎トモエエーカン
○キタノタイショウ
▲フクドリ
△コマクイン
△アオノレクサス