シンワコウジは、昨年10月の岐阜金賞でまさかの8着に敗れて以降は、11戦して9勝。その中には尾張名古屋杯のタイトルもある。唯一、連対を外す4着に完敗したのは、前々走のムーンライトオープンだった。このときは、スタート後に馬群の中で砂を被って嫌がり、終始外々を回らされる展開。4コーナーでは逃げ切ったサンキンスピーチに迫る場面もあったが、直線で完全にレースをやめてしまい、ゴール前で後続に交わされての4着。まったく、らしくないレースだった。そのとき先着された3頭のうちでは、2着のサンキストゴールドと、3着のケイウンヘイローが出走してきた。しかしシンワコウジにとっては、すでに勝負付けが済んでる相手。ほかにこれといったオープンでの活躍馬もいないことから、シンワコウジの重賞2勝目はほぼ確実だろう。
オープンクラスでの実績を見れば、相手筆頭はサンキストゴールドだが、それにしても昨年の10月2日以来勝ち星から遠ざかっている。
ホウライエイブルは、昨年の岐阜金賞ではシンワコウジに先着する4着。それ以降は、15戦して連対を外したのが2度だけという、シンワコウジにも劣らない成績に見える。しかし、2度出走したオープン特別は、着順こそ2、3着だが、勝ち馬からは1秒以上離されていた。オープンクラスに入ると、ややカベがありそうだ。
ワイティタッチは昨年6月以降、勝ち星から遠ざかっているものの、重賞やオープンクラスでも大崩れはしていない。連下までなら可能性はありそうだ。
◎シンワコウジ
○サンキストゴールド
▲ホウライエイブル
△ワイディタッチ
グランダム・ジャパンの古馬シーズンがいよいよここからスタート。
3歳シーズンは、日本全国に遠征した「笠松ガールズ」がいればこそ盛り上がったような感じだったが、さすがに古馬シーズンには全国各地から有力馬が遠征してきた。
中心は、やはり南関東で重賞勝ちのあるジョーイロンデル。前走、スパーキングレディーカップJpnIIIこそ8着だったが、昨年夏に自己条件で2度の惨敗があって以降はずっと連対を続け、4月にはしらさぎ賞を制した。距離面でも1400~1600メートルに良積が集中しているだけに、今回の1500メートルはプラス材料。ただ、今までずっと手綱をとってきた戸崎騎手が地元での騎乗があるため騎乗できないのはちょっと心配。逆に橋本直哉騎手には、巡ってきたチャンスをぜひともモノにしてほしいところ。
相手にはキーポケット。昨年まで、重賞は牝馬限定戦しか出走がなかったが、今年正月の新春賞では、初めて牡馬と対戦する重賞だったにもかかわらず、カラテチョップをハナ差でしりぞけて勝利。さらに福山牝馬特別を1番人気で制し3連勝。約5カ月ぶりとなる今回は、どれだけ仕上がっているかがカギとなりそう。
名古屋のシルバーウインドは、昨年は3歳の重賞を2勝したほか、古馬牝馬との重賞秋桜賞も制した。そして前走は、古馬オープン特別初挑戦ながら4馬身差完勝。ここでいきなり通用しても不思議はない。
しばらく勝ち星から遠ざかっているトウホクビジンだが、5走前のさきたま杯JpnIIIでは、メンバー中最速の上がりを記録して4着。展開がハマれば一発の可能性も。
兵庫のアートオブロマンスは、ここ5戦連続連対で、A2の特別まで勝利。昨年秋の兵庫クイーンカップは力及ばずの8着という結果だったが、近走好調なだけにどこまでやれるか。
◎ジョーイロンデル
○キーポケット
▲シルバーウインド
△トウホクビジン
△アートオブロマンス
近年は特別に格下げとなっていたが、04年以来、重賞に復活した3・4歳馬による、はまなす賞。
好調コマクインが最軽量で出られるのは有利。柏林賞は先頭で障害を越えて後続を突き放し、一気に追い込んできたジャングルソングに差されはしたものの、ゴール前は一杯になりながら2着に粘った。その後にA2-1組と、A2-1・2組決勝を連勝。これで5月10日から9戦連続で3着以内を確保と、実に安定したレースぶりだ。今回は柏林賞と同じ670キロ。対するジャングルソングが柏林賞より10キロ重い700キロとなれば、コマクインに重賞初制覇のチャンスだろう。
柏林賞以来となるジャングルソングも、10キロ増とはいえ、あのレースができればここでも十分にチャンスはある。
連覇のかかるキタノタイショウはトップハンデの720キロ。2番人気に推された柏林賞では見せ場なく7着に敗れたが、昨年の2冠馬として巻き返したいところ。
前走最下位に敗れたアアモンドヤマトだが、柏林賞では今回と同じ690キロでコマクインに僅差のところまで迫る3着。展開次第では、今回も上位に迫る場面は十分にありそう。
◎コマクイン
○ジャングルソング
▲キタノタイショウ
△アアモンドヤマト
中央から転入初戦を大差でぶっちぎったコンゴウプリンセスが断然。中央では二桁着順ばかりだったが、水沢1600メートルをほとんど馬なりで出した1分41秒9は、この時期の3歳牝馬としてはかなりの好タイム。ここはいきなりの重賞制覇に期待したい。
相手には、同世代の牡馬一線級を相手にここ2戦とも2着のイシノウォーニング。ただ、水沢では4戦していずれも2着だが、盛岡では結果を残していないのが気になるところではある。
北海道から岩手に転厩して4連勝と期待されたダイメイジュエリーだが、留守杯日高賞で惨敗してからはもう一息の成績。前走ウイナーカップでも、牝馬ではイシノウォーニングやミスギンレイに先着され5着。ここで巻き返せるかどうか。
ミスギンレイは、ここ2戦ともイシノウォーニングに次ぐ3着。父ユートカイザーは、サンデーサイレンス産駒としてはめずらしく大井でデビューして大きな注目を集めた馬。母ミスハクギンは、重賞12勝を挙げたアラブの活躍馬。地方競馬ファンには懐かしい血統。4歳上の半兄にはダンディキングがいる。
重賞初挑戦のプリンセスマオは、まだ同世代のトップクラスとの対戦がないが、前走で6馬身差の圧勝。その力が本物なら上位争いも。
◎コンゴウプリンセス
○イシノウォーニング
▲ダイメイジュエリー
△ミスギンレイ
△プリンセスマオ
グランダム・ジャパン3歳シーズンの初代女王となったエレーヌは、古馬シーズンのタイトルをも目指し、27日の金沢・読売レディス杯に登録があるため、ここには不在。というわけで、同厩舎の「笠松ガールズ」からコロニアルペガサスとプティフルリールが出走してきた。
「笠松ガールズ」のナンバー2的存在、コロニアルペガサスが、やはりこのメンバーに入ると実績最上位。北海道での2歳シーズンが終了して笠松に移籍して以降、地方馬同士のレースで3着を外したのは浦和・桜花賞の4着のみという安定した成績。仮にエレーヌがいなければ、あといくつタイトルが増えていただろう。
相手筆頭はメモリーキャップ。ラブミーチャンの凱旋で盛り上がったゴールドジュニアでは、コロニアルペガサス(3着)に先着する2着と好走。その後は、地元名古屋では3着を外さない堅実な成績。駿蹄賞、東海ダービーでともに3着だが、そこで先着された牝馬はエレーヌのみで、それが不在とあれば勝ち負けまである。
兵庫のホクセツロマンは、3月の福山・若草賞ではコロニアルペガサスに7馬身ちぎられての2着だったが、5月ののじぎく賞ではエレーヌからコンマ3秒差の3着。ただ、のじぎく賞は、油断したエレーヌがようやくゴール前で差したというレースで、その着差をそのまま評価できるわけではない。今回はアウェーでの戦いとなるだけに、同じように上位争いまで食い込めるかどうか。
評価に悩むのが金沢のスマートパワー。3月のスプリングカップではエレーヌに2秒2差をつけられ6着に敗退しているが、その後に牡馬相手の北日本新聞杯を制した。力をつけているのであれば、上位に食い込む可能性はある。
プティフルリールは重賞で3度の3着があるが、いずれも1秒以上の差をつけられていた。4月の新緑賞(5着)以来の笠松で、馬体をどこまで戻しているかも気になるところ。
◎コロニアルペガサス
○メモリーキャップ
▲ホクセツロマン
△スマートパワー
△プティフルリール