ミヤノオードリーのロータスクラウン賞での圧勝は衝撃的だった。スタート後は最後方も、3コーナーで先頭に立つと、直線はぶっちぎりとなった。6月までは3歳1組特別で勝ちきれないレースが続いていたが、2度のJRA小倉の芝挑戦で相当力をつけたのだろうか。地方では初の古馬との対戦となった前走、雷山特別でも、中団追走から向正面で仕掛け、3コーナー過ぎでは早くも単独で先頭に立って楽勝。もしここを勝てば、3歳馬による九州大賞典制覇は初めてのこととなる。
このレース3連覇を狙うのがワンパクメロ。雷山特別ではミヤノオードリーの3着に敗れたが、重賞のここでは負けられないところ。暮れの中島記念3連覇にも向けて、ここで弾みをつけたいところ。
ヘイアンレジェンドは中央2勝から転入して、A級特別で3戦1勝、2着2回。雷山特別では、ミヤノオードリーとワンパクメロの間に食い込む2着。今回もこの3頭の争いとなりそうだ。
荒尾からは九州記念で1、2着のタニノウィンザー、テットウテツビが遠征してきた。佐賀勢を相手に上位に食い込めるかどうか。
◎ミヤノオードリー
○ワンパクメロ
▲ヘイアンレジェンド
△タニノウィンザー
△テットウテツビ
スプリングカップを圧勝したヒカルベガがそろそろ復帰という噂を聞いていたのだが、どうしたのだろう。そろそろ戦線に復帰してほしいものだが。
連覇を狙うノーブルシーズ。百万石賞勝利以来の復帰戦となった前走11月1日のダイヤモンド特別(A1)は、4番手を追走していたものの向正面から押しても引いても前にいけず。勝ったビッグドンから3秒5も離された最下位だった。いくら休養明けのひと叩きとしえも負けすぎ。巻き返しまではどうだろう。
ここは中央から転入2戦目のトウショウデザイアに期待してみたい。半姉がスイープトウショウで、父はキングカメハメハという良血。中央では3度の2着が最高という成績で、勝ち星は挙げられなかったものの、ダートでは7戦して掲示板を外したのは1度だけと堅実に走っていた。転入初戦となった11月2日のルビー特別(A2)は、楽にハナを奪うと3コーナーから後続勢に迫られながらも、距離を測りながら先頭をキープ。直線軽く追い出されると楽々と突き放した。レースぶりから距離延長も問題なさそうで、いきなりのタイトル奪取となるかどうか。移籍に際しても、オーナーが替わっているわけではないので、それだけ期待もしているのではないだろうか。吉田晃浩騎手は、今年金沢リーディングで吉原寛人騎手に次ぐ2位。白山大賞典JpnIIIでもサカラートを代打騎乗で2着に導き、穴馬券を演出した。鞍上の勢いにも期待したい。
相手には、06年以来3年ぶりにこのレース制覇がかかるビッグドン。前走のダイヤモンド特別(A1)では、離れた最後方を追走し、直線では大外から豪快に差し切った。すでに9歳だが、ゆったり流れる長距離戦ならまだまだやれそう。
ナムラグローリーは、中央から転入して5戦3勝。前々走でオータムスプリントカップを制し、前走10月20日のダイヤモンド特別(A1)では5馬身差圧勝と調子を上げてきている。
中央から転入して4戦したタカラトゥルーは、A2特別で2勝、A1特別では2、3着とちょっと足りないが、連下なら食い込む可能性も。
◎トウショウデザイア
○ビッグドン
▲ナムラグローリー
△ノーブルシーズ
△タカラトゥルー
岩手のこの世代では一歩も二歩も抜けた感じのロックハンドスターと、北海道から遠征してきた2頭の争い。
ロックハンドスターは、前々走のジュニアグランプリでは直線単独で先頭に立ったものの、北海道から遠征してきたボヘミアンに最後クビ差とらえられた。芝とダートの違いがあるため単純には比較できないものの、ボヘミアンはフレッシュチャレンジを勝ったあと、地元北海道では結果を残せていない。対してモエレクリューガーは、オープン勝ちもあり、サンライズカップではその後北海道2歳優駿JpnIIIを圧勝するビッグバンの2着があるなど、ボヘミアンより能力が上なのは確か。前走未来優駿のサッポロクラシックカップ1番人気になりながら6着に敗れてしまったが、これは距離不足だろう。というわけでモエレクリューガーを本命にする。
ロックハンドスターは、前走若駒賞での楽勝を見れば、やはりダートでこそという感じはあり、地元の利も考えればあっさり勝ってもおかしくない。この馬が全国レベルでどの程度の能力があるのか、力を試される一戦となりそうだ。
ショウリダバンザイは、デビュー戦を圧勝。ホッカイドウ競馬の元調教師、林正夫さんの持ち馬として注目された。その後、重賞では惜しいとこまではいくものの、勝ち負けまではというレースが続いている。前走エーデルワイス賞JpnIIIも着順こそ6着だが、勝ったオノユウから0秒5差とそれほど負けているわけではない。ゴール前でのもうひと押しが足りない感じで、距離延長の1600メートルが初めてなだけに、上記2頭と比較すると不安のほうが大きい。
地元岩手勢でまだ底を見せていない馬といえば1戦1勝のキモンイエローくらいしかなく、ロックハンドスターと勝ち負けになる馬は見当たらない。リュウノボーイがジュニアグランプリ3着、若駒賞2着と、ロックハンドスターに次ぐ着順に好走している。とはいえ、地元岩手での5戦のうち唯一の惨敗が水沢でのレースということもあり、あまり強くは推せない。自分のレースに徹して、今回もロックハンドスターに次ぐ着順を確保できるかどうかだろう。
◎モエレクリューガー
○ロックハンドスター
▲ショウリダバンザイ
△リュウノボーイ