
エスポワールシチーの回避は陣営の判断なので仕方ないが、サクセスブロッケンは結局補欠1番のまま除外となってしまった。フェブラリーステークスGIで世代交代と言われた4歳世代の有力馬が1頭もいないのはなんとも残念だ。
ならばヴァーミリアンの3連覇に期待したい。2番人気に支持されたフェブラリーステークスGIで6着に完敗したときは年齢的な限界かとも思われたが、4カ月ぶりとなった帝王賞JpnIでは持ったままでフリオーソを突き放してまだまだ衰えのないところを見せた。カネヒキリ、ブルーコンコルドとGI(JpnI)8勝の日本記録を争っているが、帝王賞JpnIを勝ったことで2頭に並びかけたヴァーミリアンが一気に抜け出す可能性は大きい。
相手にはワンダースピード。前走シリウスステークスGIIIでの5着は、トップハンデで最後に伸びを欠いたため。昨年12月の名古屋グランプリJpnIIから5月の東海ステークスGIIまで5戦3勝、2着2回と地方・中央のダートグレードできわめて安定した成績を残している。今回と同じ舞台の名古屋大賞典JpnIIIでは、スマートファルコンに半馬身差まで迫る2着。今回のメンバーなら上位争いは必至だ。
ブルーコンコルドは、4連覇のかかったマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIでは残念ながら離された5着。ただし見限るのはまだ早いように思う。南部杯は1月の川崎記念JpnI以来の休み明け。上積みが期待される今回は、エスポワールシチー、サクセスブロッケンという4歳2強が不在で、むしろ南部杯より相手関係は楽になったといえる。昨年はJBCスプリントJpnIのほうに出走し、1番人気と期待されながら4着。さすがに年齢的にズブくなっていて、短い距離でこのメンバーではと陣営が語っていただけに、今回はクラシックへの参戦となったのだろう。名古屋は05年にJBCスプリントを制しているコースだけに、馬券圏内は十分に狙える位置にいる。
重賞ではなかなか勝ちきれなかったマコトスパルビエロだが、ここに来てマーキュリーカップJpnIII、日本テレビ盃JpnIIと連勝し、ひと皮むけた感じ。前走日本テレビ盃は、直線でフェラーリピサに一旦は離されながら、ゴール前で相手が失速したところを差し切った。いきなり今回のメンバーで勝ちきるところまではどうか。
フリオーソが回避し、地方勢の期待はマルヨフェニックスにかかる。昨年の帝王賞JpnIは4着、今年は6着と、一線級を相手に善戦しているだけに、ダートグレードでも勝負になる力は十分にある。難点はスタート。昨年の帝王賞でも「出遅れなければもう少し勝負になっていた」と尾島徹騎手が悔しがっていた。前走姫山菊花賞も煽った感じで後方からとなったが、さすがに地方同士の交流では力の違いを見せつけて完勝だった。好スタートをきって悔いのないレースをしてほしいところ。
◎ヴァーミリアン
○ワンダースピード
▲ブルーコンコルド
△マコトスパルビエロ
△マルヨフェニックス
連覇を目指していたバンブーエールの戦線離脱はなんとも残念だった。これでGI(JpnI)勝ち馬が、一昨年の覇者フジノウェーブだけになった。
補欠から繰り上がれば本命にするんだがと思っていたフェラーリピサが、JRA所属馬の繰り上がり期限ギリギリにメイショウバトラーが回避してくれたことでめでたく出走枠に入った。しかし結局出走取消とは、さらにこちらも残念。
というわけで本命はアドマイヤスバル。前走白山大賞典JpnIIIが6歳にしての重賞初制覇。2番手から向正面でウォータクティクスを交わすと、後続を寄せ付けずの完勝だった。その前走、ブリーダーズゴールドカップJpnIIでは、調子を上げていたスマートファルコンに1馬身差まで迫ったレースも見どころがあった。臨戦過程からクラシックのほうに行きそうな気もしたが、クラシックでは除外確実と見てスプリントのほうに出走してきたのだろうか。だとすれば、その理由も、白山大賞典JpnIIIからというローテーションも、昨年2着のスマートファルコンと同じ。1400メートルの距離だが、根岸ステークスGIIIでは一昨年が勝ち馬から0秒3差の3着、今年が勝ったフェラーリピサから0秒3差の4着と好走しているだけに問題はなさそうだ。
兵庫チャンピオンシップJpnIIでゴールデンチケットの2着に敗れてからやや足踏みが続いているスーニだが、前走東京盃JpnIIは初の古馬との対戦ながら2着とまずまずの好走。やはり折り合いがつきやすい短い距離のほうがよさそうだ。ただ1周1100メートルと小回りの名古屋コースには不安が残る。
今回、このレースを興味深いものにしているのがビービーガルダンの参戦だろう。スプリンターズステークスGIで同着にしてもいいような2着と激走したスピードは認めるが、ダートは今回が初めて。地方競馬でのダートグレードの歴史も早いもので10年を超えたが、こうした芝のGIで活躍した馬が初めてダートグレードに参戦してきて、期待どおりの結果を残したことはほとんどない。もちろん実力があることは確かなので2着や3着はあるのだが、快勝というまではやはり難しい。ただし名古屋は安藤勝己騎手にとって準地元ともいえるコースだけに、馬の能力を十二分に引き出すことは考えられる。
高知のポートジェネラルは、東京スプリントJpnIIIでは直線半ばまで逃げ粘ってあわやの4着だった。前走東京盃JpnIIはさすがにペースが厳しく15着に敗れたが、今回はそれほどペースは速くならないだろう。軽視されて楽に逃げさせてもらえれば、上位に粘りこむ可能性は十分に考えられる。
10歳のリミットレスビッドは昨年5月のさきたま杯JpnIII以来勝ち星から遠ざかっているが、その後も地方のJpnIIIで3度の3着がある。あまりに人気が落ちるようなら、連下として押さえておきたいところ。
フジノウェーブは、同じ1400メートルで行われた昨年のJBCスプリントJpnIで7着。1200メートルのスペシャリストというべきで、1400メートル戦は7戦して浦和の下級条件で1勝したのみ。それ以外はすべて4着以下で、このメンバーではやはり厳しいと思う。
◎アドマイヤスバル
○スーニ
▲ビービーガルダン
△ポートジェネラル
△リミットレスビッド
編集部注:フェラーリピサは出走取消となりました。
地元名古屋に無敗馬が2頭いるが、名馬の登竜門としても知られる笠松の秋風ジュニアを勝ち、その後にJRA認定レースも勝ったマルヨサイレンスが力をつけてきた。その秋風ジュニアでマルヨサイレンスの2着だったバトルアツヒメ、4着だったヨザクラチグサが、10月30日に行われた笠松・ジュニアクラウンでそれぞれ3、2着。マルヨサイレンスがそのジュニアクラウンに出ていれば間違いなく勝ち負けだっただろうが、1着賞金がその3倍、300万円のここを使ってきたのは期待の表れだろう。
10月21日名古屋のサラ2歳特別を好タイムで勝ってデビューから2連勝としたヘイハチキングが相手筆頭だが、ほかにもまだ底を見せていない馬が多い。
ホッカイドウ競馬のJRA認定アタックチャレンジ2着があり、名古屋転入初戦を5馬身差で楽勝したアミーズホープは、経験の差からここでいきなりという可能性もある。
デビューから3連勝のメモリーキャップもまだ底を見せていない1頭。
パラダイスラビーダは、金沢の兼六園ジュニアカップに遠征して2着。その後JRAの芝オープンは惨敗だったものの、前走はヘイハチキングの2着。この馬も巻き返す可能性はある。
◎マルヨサイレンス
○ヘイハチキング
▲アミーズホープ
△メモリーキャップ
△パラダイスラビーダ