連覇を目指していたバンブーエールの戦線離脱はなんとも残念だった。これでGI(JpnI)勝ち馬が、一昨年の覇者フジノウェーブだけになった。
補欠から繰り上がれば本命にするんだがと思っていたフェラーリピサが、JRA所属馬の繰り上がり期限ギリギリにメイショウバトラーが回避してくれたことでめでたく出走枠に入った。しかし結局出走取消とは、さらにこちらも残念。
というわけで本命はアドマイヤスバル。前走白山大賞典JpnIIIが6歳にしての重賞初制覇。2番手から向正面でウォータクティクスを交わすと、後続を寄せ付けずの完勝だった。その前走、ブリーダーズゴールドカップJpnIIでは、調子を上げていたスマートファルコンに1馬身差まで迫ったレースも見どころがあった。臨戦過程からクラシックのほうに行きそうな気もしたが、クラシックでは除外確実と見てスプリントのほうに出走してきたのだろうか。だとすれば、その理由も、白山大賞典JpnIIIからというローテーションも、昨年2着のスマートファルコンと同じ。1400メートルの距離だが、根岸ステークスGIIIでは一昨年が勝ち馬から0秒3差の3着、今年が勝ったフェラーリピサから0秒3差の4着と好走しているだけに問題はなさそうだ。
兵庫チャンピオンシップJpnIIでゴールデンチケットの2着に敗れてからやや足踏みが続いているスーニだが、前走東京盃JpnIIは初の古馬との対戦ながら2着とまずまずの好走。やはり折り合いがつきやすい短い距離のほうがよさそうだ。ただ1周1100メートルと小回りの名古屋コースには不安が残る。
今回、このレースを興味深いものにしているのがビービーガルダンの参戦だろう。スプリンターズステークスGIで同着にしてもいいような2着と激走したスピードは認めるが、ダートは今回が初めて。地方競馬でのダートグレードの歴史も早いもので10年を超えたが、こうした芝のGIで活躍した馬が初めてダートグレードに参戦してきて、期待どおりの結果を残したことはほとんどない。もちろん実力があることは確かなので2着や3着はあるのだが、快勝というまではやはり難しい。ただし名古屋は安藤勝己騎手にとって準地元ともいえるコースだけに、馬の能力を十二分に引き出すことは考えられる。
高知のポートジェネラルは、東京スプリントJpnIIIでは直線半ばまで逃げ粘ってあわやの4着だった。前走東京盃JpnIIはさすがにペースが厳しく15着に敗れたが、今回はそれほどペースは速くならないだろう。軽視されて楽に逃げさせてもらえれば、上位に粘りこむ可能性は十分に考えられる。
10歳のリミットレスビッドは昨年5月のさきたま杯JpnIII以来勝ち星から遠ざかっているが、その後も地方のJpnIIIで3度の3着がある。あまりに人気が落ちるようなら、連下として押さえておきたいところ。
フジノウェーブは、同じ1400メートルで行われた昨年のJBCスプリントJpnIで7着。1200メートルのスペシャリストというべきで、1400メートル戦は7戦して浦和の下級条件で1勝したのみ。それ以外はすべて4着以下で、このメンバーではやはり厳しいと思う。
◎アドマイヤスバル
○スーニ
▲ビービーガルダン
△ポートジェネラル
△リミットレスビッド
編集部注:フェラーリピサは出走取消となりました。