笠松から2頭が遠征してきたが、格付け的にもやや力不足。兵庫勢でも近走A1で善戦しているのが印をつけた5頭。おそらくこの5頭の争いだろうが、抜けた馬がなくどれを中心にするか迷うところ。
ここは、9歳にして重賞初勝利を狙うラガーリーダーを中心にしてみたい。年齢のわりにはそれほど出走は多くなく、ここまで35戦。兵庫デビューで中央でも準オープンで入着経験あり。古馬3強不在のここなら十分に勝負になるだろう。中央から戻ったあともオープンクラスで3着を外したのは一度だけ。重賞初挑戦となった今年の新春賞ではバンバンバンクにアタマ差2着。そのバンバンバンクも不在ならますますチャンスは大きそうだ。
対抗格はアルアルアルかエンタノメガミだが、アルアルアルは3歳以降まだ勝ち星がないだけに、エンタノメガミを上にとる。近走やや安定感に欠けるエンタノメガミだが、1400メートルだけを見てみれば、今年4戦2勝、3着4着各1回と大崩れがない。特にA1での勝ち星は2つとも1400メートル戦。牝馬ながら一発の可能性もありそうだ。
4月の格付け変更後にA1特別を勝っているホールドマイラヴ、同じくA1特別で2着のあるタガノコマンダーは連下候補。
勝つ可能性があるのは、▲までの3頭だろう。
◎ラガーリーダー
○エンタノメガミ
▲アルアルアル
△ホールドマイラヴ
△タガノコマンダー
キクノアローは、条件戦を勝ち上がってきて重賞初挑戦となった07年のダイオライト記念JpnIIを勝ったときは、ダートグレード戦線にまた強い馬が現れたと思わせたが、結局その後は勝ち星を挙げられないまま兵庫に転厩してきた。そして転入初戦となった5頭立てのA1特別では、ハナを奪って一旦はアルアルアルに並びかけられながらも直線余裕で突き放した。着差は2馬身半だが、それ以上の楽勝といえるレース内容。兵庫では現在、チャンストウライン、アルドラゴン、ベストタイザンの古馬3強が他地区に遠征するなどして活躍しているが、キクノアローがこの3強に割って入ることができるかどうか。そういう意味でもここは負けられない一戦。
対抗には名古屋の10歳馬、マヤノグレイシー。1年近く勝ち星から遠ざかっているが、今年になってもマイル争覇で3着、オグリキャップ記念でもクインオブクインに1馬身半まで迫る3着と、東海地区の一線級を相手に善戦している。今回は吉原寛人騎手が鞍上ということもあり、展開次第では一発があるかもしれない。
ケイアイマイスキーは南関東から笠松に移籍し、1400〜1600メートルのA2特別で1、2、3着。距離は長いほうがよさそうなだけに、上位を狙いたいところ。
兵庫のオープンクラスで常に善戦しているユーガットテーストにもチャンスはありそう。
ヒカルベガ、ノーブルシーズがそろって不在の地元勢はやや手薄になった。中でも馬インフルエンザの影響で08年3月に行われたこのレースを制したビッグドンが大将格。2年ほど前の勢いがあればここでも本命だが、昨年あたりからは地元でも取りこぼしが多い。3走前の百万石賞で2着とはいえ、ノーブルシーズに9馬身差をつけられており、そのノーブルシーズが東海地区に遠征して歯が立たない状況では3連複・3連単にからめるかどうかだろう。
◎キクノアロー
○マヤノグレイシー
▲ケイアイマイスキー
△ユーガットテースト
△ビッグドン
クインオブクインは昨年北海道に移籍してまったく成績を残せず、もう終わったかと思わせたが、笠松に戻ったらやはり牡馬相手の重賞を制すなど衰えがないところを見せた。そして今度は岩手に来たら、果たして無敵の活躍となりそうな状況。さすがにマーキュリーカップJpnIIIは中央馬にこそかなわなかったが、地方馬では最先着。その前後に出走したオープンクラスのレースはいずれも逃げ切り圧勝。前走牝馬同士のフェアリーカップは、まったくの持ったままでサイレントエクセルに4馬身差をつけ圧勝。さらに4馬身差の3着にピンクゴールドが入り、4着にマツリダワルツで人気順の結果。5頭立てで上位4頭が今回のビューチフル・ドリーマーカップに出走してきた。フェアリーカップでの4馬身、4馬身という着差の間に食い込んでくる馬がいるかどうかがカギとなりそうだ。
昨年のこのレース、1番人気に推されながらまさかの惨敗で3連覇を逃したサイレントエクセルだが、その後は1勝しかしていないとはいえ、地元で先着された牝馬は前走のクインオブクインのみ。A一組での勝ち星や北上川大賞典での2着などがあり、このクラスで戦えそうなのはクインオブクインを除けばほかになく、やはりこの馬を2番手にするしかなさそうだ。
3歳のアンダーゴールドは、デビューから10戦も勝てなかったのが、今年6月からひまわり賞まで3連勝。いきなり力をつけた感じだ。古馬との対戦が今回初めてとなるのが不安だが、未知の魅力に期待して3番手にした。
昨年の覇者ジュリアは今シーズンの4戦まったくいいところがない。ピンクゴールドやマツリダワルツにかなり差をつけられて負けている状況だが、本来の力はこんなものではないはず。一応押さえに名前を挙げておく。
◎クインオブクイン
○サイレントエクセル
▲アンダーゴールド
△ピンクゴールド
△ジュリア
門別グランシャリオナイターでの開催となり、地方競馬で現在行われている重賞では最長距離、2600メートルで争われることになったホッカイドウ3歳の3冠目。
2冠目の北海優駿を制したアラベスクシーズは、ジャパンダートダービーJpnIに挑戦(10着)し、そのまま大井の鷹見浩厩舎へ転厩。その北海優駿でアラベスクシーズと直線叩き合いとなり、わずかアタマ差で2着に敗れたのがフーガ。続く3歳オープンの天秤座特別では、4コーナー手前まで最後方も、直線ほとんど持ったままで大外から楽々と差し切った。その後華月賞を制すエイガゴールドに3馬身の決定的な差をつけて圧倒。レースぶりから距離延長もこの馬にとってはプラスで、ここで初タイトルを獲りたいところ。
華月賞を制したエイガゴールドがやはり相手。ただ、天秤座特別で1キロ重いフーガに歯が立たなかったのが、今回は同斤量。逆転までは難しそうだ。
ここに食い込みたいのがムサシ。華月賞では直線を向いて先頭に立ち、ゴール前でエイガゴールドにアタマ差交わされたが、最後までよく粘って2着。以前は逃げて直線後退というレースが多かったが、最近は好位に控えて粘り込むというレースもできるようになった。マイペースで先行できれば怖い存在だ。
今シーズン3歳オープンで3勝を挙げているウィナーズダンスや、前々走さそり座特別で、そのウィナーズダンスに1馬身差まで迫ったビービーボルケーノがこのメンバーに入ってどこまでやれるか。
◎フーガ
○エイガゴールド
▲ムサシ
△ウィナーズダンス
△ビービーボルケーノ
アクシデントでもない限り、ギオンゴールドで間違いない。デビューから12戦11勝、2着1回。唯一、九州ジュニアチャンピオンでの敗戦が今となっては悔やまれる。前走では、なんと古馬オープンの黒髪山特別まで勝ってしまった。佐賀のこのクラスの馬が、何も荒尾の3歳馬同士のレースに遠征してこなくてもよさそうなものだが、おそらく賞金を稼いでしまったがゆえに使いどころが難しいのだろう。同世代同士の定量戦のここで負けるわけにはいかない。
焦点は2着争いだが、地元荒尾勢では、8月9日の荒尾商工会議所杯で接戦を演じた3頭が実力上位。3頭ともに、古馬C級の上位組での勝ち星がある。
その荒尾商工会議所杯では1番人気に推されながら3着に敗れたサチノユニヴァースだが、直線追いづらそうで伸びを欠いてしまった。ここは巻き返すと見る。
直線一番の伸びで勝ち馬にアタマ差まで迫ったテイエムヒッカテは、末脚が生きる展開になれば今回もチャンス。
逃げ切ったテイエムマーメイドは、ギオンゴールドがペースをつくる展開で、前回のようなマイペースのレースはできないと見て評価を落とした。5走前の荒尾クイーン特別、4走前のあじさい特別ではいずれも逃げて、好位マークのサチノユニヴァースに差されている。
ただ、実力断然の馬が1頭いる場合の相手探しは難しい。2、3番手の馬が真っ向勝負にいって惨敗し、着狙いの伏兵が台頭するというケースがよくあるからだ。勝つのはギオンゴールド、2着は人気薄、という結果も十分考えられるが、では人気薄のどの馬が台頭する可能性があるかというとむずかしい。
◎ギオンゴールド
○サチノユニヴァース
▲テイエムヒッカテ
△テイエムマーメイド