ポイントは、3歳2冠を制しているグランシングの古馬重賞初挑戦。前走A3特別は、他馬に囲まれる厳しい展開ながら、4コーナーで内から抜け出し2着に1馬身半差をつける完勝だった。しかし同日に同じ1400メートルで行われたA2特別と勝ちタイムを比べると、1秒4も遅い1分34秒7。過去には1分32秒台も出しているが、古馬オープン級の勝ちタイムはもっと速い。いきなりこのクラスで金星は厳しいと見る。
トレノ賞、続くA1特別(よさこい祭り特別)と連勝したスパイナルコードが人気になりそうだが、ともに道悪での逃げ切りだった。今週金土日と好天が続きそうで、良馬場が期待される今回はオリジナルステップの巻き返しに期待したい。トレノ賞は2着、よさこい祭り特別は5着と、着順こそ落としているものの、着差は詰めている。前2走と同じようにスパイナルコードをマークし、今回は差し切ると見る。
5歳になって充実したスパイナルコードが3連勝の可能性も、もちろんある。もしここも勝つようであれば、この〜2年、高知の古馬戦線は確たる主役不在だったが、この馬が短距離戦線を引っぱっていくことになりそう。
グランシングは、持ちタイムは足りないとはいえ、前走はスローな流れだった。このメンバーに入れば、確実にタイムは詰めてくるだろう。
よさこい祭り特別でスパイナルコードに1馬身半+クビ差の3着まで迫ったオオキナキタイ、前走A2戦を勝って好調のパッショネートキスなども連下なら。
◎オリジナルステップ
○スパイナルコード
▲グランシング
△オオキナキタイ
△パッショネートキス
抜けた実力馬がなく、重賞で勝ったり負けたりという馬が何頭もいて、難解な一戦。
ここは重賞初制覇のかかるエーシンアクセランから狙ってみたい。今シーズン、重賞戦線では勝てないレースが続いているが、A2特別を完勝で2連勝中。何より1600メートルは16戦14勝、2着1回という得意の舞台。勢いと距離適性で重賞初制覇といきたいところ。
勢いなら負けていないのがカモンネイチャ。前々走の船橋遠征を別とすれば、東海地区ではA3特別、A2特別、重賞と3連勝中。前走名港盃は、外枠から3番手の好位につけると、ゴール前で力強く差し切った。こちらもマイルは11戦7勝、2着3回と得意の舞台だ。
重賞9勝と実績上位のウイニングウインドだが、今年重賞で3戦していずれも1秒以上の差をつけられての敗戦と、8歳になっての衰えは否めない。ただ、前走名港盃は出負けして馬群に揉まれる、らしくないレースだっただけに、まだ見限るわけにはいかない。
ミツアキタービンは毎度毎度書いているように脚元次第。3月のマーチカップではエーシンアクセラン以下に6馬身差をつける圧勝。力を発揮できる状態にあれば、このメンバーなら圧勝もあるのだが。
ケイアイカルディナは、前走園田に遠征したオッズパークグランプリ2009こそ5着に敗れたものの、昨年3月に笠松に移籍後笠松・名古屋では4着を外さない堅実なレースぶりでオープンまでクラスを上げてきた。馬券圏内の争いには食い込んできそうだ。
名港盃2着のテキサスイーグル、昨年末の東海ゴールドカップを制したオグリシルクなども上位争いに食い込む力はあるが、近走の成績や、休み明けであることなどから、さすがに印が回らなかった。
◎エーシンアクセラン
○カモンネイチャ
▲ウイニングウインド
△ミツアキタービン
△ケイアイカルディナ
兵庫の古馬3強の1頭アルドラゴンにとっては、ライバルのチャンストウライ、ベストタイザン不在のここは負けられない一戦。前走オッズパークグランプリ2009は、東海の2頭に先着を許したが、地元最先着の3着は確保した。5月に遠征したさきたま杯JpnIII(7着)のあとは調子を上げているようだ。
年明けの新春賞を制した4歳馬バンバンバンクが、再び歴戦の古馬との重賞で上位争いに食い込みたいところ。前走5頭立てのA1特別は1番人気ながら4着だったが、叩き2戦目の今回は上積みに期待したいところ。
昨年3歳時の最終戦、楠賞ではバンバンバンクからやや離された3着だったツルマルメジャーだが、年明け後は7戦してオール連対。古馬一線級とは初対戦となるが、勢いに期待したいところ。
昨年の姫山菊花賞以来勝ち星から遠ざかっているモエレトレジャーは、さすがに近走衰えは隠せないが、ここ2戦のA1特別は逃げ粘ってともに2着。今回もマイペースの逃げに持ち込みたいところ。
高知から遠征のブラッドディガーは、今年5月に高知に転入して勝ち星こそないものの、今の高知勢の勢いなら一発があるかもしれない。
◎アルドラゴン
○バンバンバンク
▲ツルマルメジャー
△モエレトレジャー
△ブラッドディガー
連覇を狙うヴァンクルタテヤマか、前走プロキオンステークスGIIIを制してきたランザローテか、2頭の争いだろう。
ヴァンクルタテヤマは、前走北海道スプリントカップJpnIIIで2番手追走から直線抜け出す強い勝ち方。今年は昨年より1キロ重い58キロのトップハンデだが、他の中央馬とは、もっとも軽いオフィサーとでも2キロ差しかない。連覇の可能性は高いと見る。
ランザローテは、前走プロキオンステークスGIIIで、トーホウドルチェを競り落とし、さらに3キロ差とはいえバンブーエールを完封した。しかも1400メートルはここまで4戦して負けなし。ただし不安がないわけではない。地方遠征が初めてで、中央と違って深い砂がどうか。さらにはオープンクラスで初めて背負う57キロ。勝っても不思議はないが、ヴァンクルタテヤマと比較して未知の部分があるので2番手とした。
一昨年の覇者キングスゾーンが2頭に割って入れるかどうか。最近はダートグレードでは厳しいレースが続いているが、昨年3着のときと比較して、ヴァンクルタテヤマがプラス1キロなのに対して、こちらはマイナス1キロ。斤量差を生かしてどこまで迫れるか。
△は3頭つけたが、いずれも3連単の3着候補。注目は7連勝で福山スプリントカップまで制した高知のファンドリコンドル。中央時は、メイショウサムソンの帯同馬としてフランス遠征まで経験した馬。高知勢は遠征競馬でほんとうにがんばっていて、14日のクラスターカップJpnIIIでも中央勢にはかなわなかったものの、リワードパットンが真っ向勝負で地方最先着の5着に食い込んだ。中央時代は500万下で頭打ちだったが、このメンバーに入ってどこまでやれるか。
◎ヴァンクルタテヤマ
○ランザローテ
▲キングスゾーン
△オフィサー
△ファンドリコンドル
△リミットレスビッド
今年は全国的に雨が多い。東北地方なんか結局梅雨明け宣言なしだった。東京辺りでは、近年は最低気温28度とかいう熱帯夜も覚悟しなければならないのだが、今年は寝苦しいというほどの夜はほとんどなく、むしろ油断して窓を開けっぱなしで寝ていると、明け方涼しすぎて眼が覚めてしまうほとだ。
北海道は、雨がいつもの年の2倍以上だそうだ。おかげで門別も帯広も湿った馬場ばかり。門別ではあまりレベルの高くないレースでレコードが出たり、ばんえい帯広では第2障害の手前で止めずにそのまま仕掛けるというような場面が何度もあった。自然現象なので誰を責めるわけにもいかないのだが、競馬としては、どちらもあまりおもしろくない。
しかし、今週末の帯広ははようやくそこそこ乾いた馬場での競馬にもなりそうだ。金曜日もピーカン、土曜日も晴れそうだ。
そういう馬場になれば、勝つのはフクイズミ。今シーズン開幕後の2戦は湿った馬場で出番なし。4.6%まで回復した旭川記念は、なんと第2障害を先頭で越えるという積極的なレースぶりで圧倒。北斗賞は7.4%という馬場でまったく持ち味を生かせず4着だった。傾向ははっきりしている。今シーズン6戦して7%以上だった3戦はいずれも4着以下。そして4%台以下だった3戦はいずれも勝利。あまりにもはっきりした結果だ。金曜日はピーカン。土曜日も晴れ。日曜日まで雨が降りそうな感じはなく、そうなれば勝つのはフクイズミ。万が一、ピンポイント予報が外れて当日の馬場が7%以上になるなら狙いは下げるが、たぶんだいじょうぶだろう。
相手は、昨年あっといわせたニシキダイジン。今季の格付けは準オープンで、昨年より10キロ軽い負担重量は有利。
今シーズン充実目覚しいホクショウダイヤが3番手。旭川記念、北斗賞での2着は、その後のレースぶりを見てもフロックではなさそうだ。
今シーズン、早くも重賞2勝のカネサブラックだが、さすがにトップハンデでは強くは推しにくい。
スーパークリントンは、800キロ以上の負担重量で乾いた馬場になれば出番があるかもしれない。
◎フクイズミ
○ニシキダイジン
▲ホクショウダイヤ
△カネサブラック
△スーパークリントン