帯広記念の結果には呆然とさせられた。
一昨年の再現でスターエンジェルから高配当を狙ったのだが、1、2着とも無印の馬に来られるという情けない結果。
フクイズミを嫌った人は、おそらく880キロという初めての重量で、自慢の末脚が殺されると思ったのではないだろうか。いやいやまったくそんなことはなかった。
今回のフクイズミの快走を見てミホノブルボンを思い出した。
ミホノブルボンは2歳時の朝日杯を制したが血統的にもマイラーだと思われ、「1800メートルは長すぎるだろう」と言われていた3歳初戦のスプリングSを勝ち、その後も、もう無理、もう無理と言われながら、2000メートルの皐月賞、2400メートルの日本ダービーまで勝ってしまった。
フクイズミも、07年のチャンピオンカップでは、「いきなり800キロは無理だろう」と言われながら3番人気で勝利。820キロになれば厳しいだろうと言われた昨年の岩見沢記念も3番人気で勝って、今回はとうとう880キロ。恐れ入りましたというしかない。
ばんえい記念には出てくるのだろうか。
もしそうなると、トモエパワー、カネサブラックと、松井浩文厩舎は3頭出しになってしまうので、おそらく使わないのではないかとぼくは思うのだが、どうだろう。
さて、天馬賞。4歳シーズン三冠の最終戦は、三冠のなかで唯一の定量戦。オープン格付はカネサリュウ、シベチャタイガー、アローファイターの3頭。500万未満はニシキガール、ペガサスプリティーの2頭。そのほかの5頭は400万未満というメンバー構成。
定量戦となれば、やはりオープン馬を中心に馬券を組み立てる。本命はシベチャタイガー。ばんえい菊花賞を制して以降は、銀河賞を勝ったのみで、それ以降も再び苦戦が続いている。とはいえ、8番人気で銀河賞を勝ったときも、それまで400万未満や同世代同士のオープンで重量を課されて掲示板にも載れない苦戦を続けていた。ここのところオープンクラスで苦戦をしているとはいえ、勝ち馬から10秒台程度の差で、まったく見せ場がないレースばかりではない。となれば、銀河賞のときより力をつけているのは明らか。同世代が相手で定量なら勝負と見るべきだろう。
相手筆頭は、400万未満特別、500万未満特別と連勝の勢いでペガサスプリティー。10番枠でスピードが生かせる展開になればこの馬の一発もありそう。
柏林賞、銀河賞はともにトップハンデながら4、3着と好走したアローファイターも定量で戦えるなら力は上。ここ5戦はオープンで常に善戦。一応印に順番はつけたが、ここまで上位3頭は差がないと見る。
前走オープンで4着のカネサリュウ、400万未満特別まで3連勝のアアモンドヤワラにもチャンスはある。
◎シベチャタイガー
○ペガサスプリティー
▲アローファイター
△カネサリュウ
△アアモンドヤワラ
サラブレッドのレースとなって2年目。出走馬の父の欄にブラックホーク、サクラローレル、ステイゴールドなどの名前を見ると、競馬というのはこれほどまでに劇的に変われるものなだんだなあと思う。
昨年の覇者ナムラベンケイは、その後しばらく勝ち切れないレースが続いたが、ここにきてA1特別を3連勝と絶好調。しかもその3戦ともに他馬より1頭だけ重い57〜58キロを背負ってのもの。今回55キロなら、連覇濃厚と見るべきだろう。
ムサシボーは福山転入後、A3、A2と連勝して、A1特別で2戦連続ナムラベンケイの2着。今回も相手筆頭。
福山菊花賞を9番人気で制したサムライランボーは、その後3戦してナムラベンケイの2、3、4着。このメンバーでも確実に上位に食い込む力はある。
一発を期待するなら明けて11歳のブラックパワー。8月の金杯は、ナムラベンケイを寄せつけず8番人気での勝利。その後の成績は冴えないが、前走A2特別とはいえ金杯以来の勝利で勢いをつけた。
3歳の終盤に鞆の浦賞、福山王冠を制したクラマテングだが、古馬との勝ち鞍がB3までではこのメンバーに入ると苦しい。今回は見送る。
◎ナムラベンケイ
○ムサシボー
▲サムライランボー
△ブラックパワー
微妙なハンデでどの馬にもチャンスがありそうで難解な一戦。
54.5キロなら明け4歳のバンバンバンクに期待してみたい。前走、初の古馬重賞挑戦となった園田金盃は、勝ったアルドラゴンからは離されたものの、直線よく伸びてそれ以外は完封する2着。アルドラゴン不在のここは大きなチャンス。
ラガーリーダーは、中央から再転入後S1特別で5戦していずれも3着以内。前走初勝利はメンバー中最軽量の52キロだった。安定した成績で今回のメンバーならチャンスはありそうだが、今回55キロがちょっと微妙。
モエレトレジャーはトップハンデの57.5キロ。この重量は厳しそうだが、8月の摂津盃を逃げ切ったときもハンデ戦でトップハンデの57キロだった。先行争いになりそうなのはラガーリーダーくらいで、マイペースで逃げられればチャンスはある。
ボールドグレインは11戦連続連対中も、牡馬の古馬一線級とは初対戦。52キロの軽ハンデで上位進出を狙う。
キングスランソンは1年以上勝ち星から遠ざかっているが、ここ5戦のS1では2着が4回。勝つまでは厳しいだろうが連下なら。
マイエンブレムは楠賞でバンバンバンクの4馬身差2着。中央時代も含め、まだキャリア6戦。51キロの最軽量ハンデなら上位食い込みの可能性はありそう。
◎バンバンバンク
○ラガーリーダー
▲モエレトレジャー
△ボールドグレイン
△キングスランソン
△マイエンブレム
ムーンバレイの実績が断然。11月の東海菊花賞が重賞2勝目とは意外な感じ。重賞はもっと勝っているような気がしたのだが、頻繁に遠征していた2007年はダートグレードを中心に使われていたのでなかなかな勝てなかっただけ。その時期に地方重賞を使っていれば、もっとタイトルは獲れていただろう。53キロで出られるのも断然有利。
チョウカイロイヤルは、中央から転入3戦目となった前走A1特別で、移籍後の初勝利。中央時代はダートオープンで3着が最高という成績。トップハンデの57キロをこなせるかどうか。
マルカキセキはこれが中央からの転入初戦。中央ではおもに芝の短距離で走り、オープン勝ちの実績。とはいえ、最後に勝ったのは05年11月で、近走は着外の連続。中央時代に管理していた瀬戸口勉さんが調教師を引退され、現在のオーナーとなっている。1900メートルは初めてだが、父フジキセキ、母の父ジェイドロバリーなら血統的にはこなしてもおかしくない。
テーマミュージックは05年に遠征した金沢のイヌワシ賞を勝ったが、最近では重賞入着級。レオマジックは勝ち星がA2までで、近走のA1特別はやや苦戦。どちらも勝ち負けは難しそうだが、連下なら。
◎ムーンバレイ
○チョウカイロイヤル
▲マルカキセキ
△テーマミュージック
△レオマジック
暮れのライデンリーダー記念にレトリーブが出ていなかったので、どうしたのだろうと思っていたら、ここにいた。距離は同じ1600メートル、1着賞金も同じ200万円。なぜにわざわざ名古屋に遠征してきたのだろうか。ライデンリーダー記念ではニュースターガールにはかなわないと見て、こちらを選んだというのがもっともな理由のように思えるが、どうだろう。それだけ気合を入れての遠征とみて、本命にする。
相手はもちろんメンバー中唯一の重賞勝ち馬ダイナマイトボディ。その後通算4度目の挑戦でようやくJRA認定競走も勝った。厩舎では相当に期待の高い馬のようで、中央遠征のために認定レースはどうしても勝っておきたかったようだ。
3番手に、そのダイナマイトボディに11月の認定戦で土をつけているシルバーウインド。ここまで5戦2勝、2着2回と成績も安定している。
さらには12月3日の2歳1組戦でそのシルバーウインドに土をつけているゴールドサンサン。中央未勝利で転入し、4連勝のあとダートグレードに遠征して鍛えたマイネルヘリオスが地元に戻ってどんなレースを見せるか。
◎レトリーブ
○ダイナマイトボディ
▲シルバーウインド
△ゴールドサンサン
△マイネルヘリオス