
5日に行われる駿蹄賞、兵庫大賞典は、ともに本命馬がはっきりしている。
まず駿蹄賞は、サチコゴージャス。
年明け後は負けナシの5連勝で、そのうち重賞4勝。レースごとに力強さを増していて、前走の新緑賞では逃げたケイゾクをぴったりマークし、直線ではまるで子ども扱いにして楽勝。今回これといって強敵になりそうな馬も見当たらず、ここも無事に通過だろう。父がグランドオペラで、あのメイセイオペラと同じなのも期待をいだかせる。
相手には今一度ケイゾクを狙ってみたい。走るときと走らないときがはっきりしていて、勝つかまったくダメかというタイプ。サチコゴージャスを負かしにいくと惨敗もあるかもしれないが、サチコゴージャス以外のメンバーが相手なら力は上だ。
名古屋転入後5連勝、残念ながら前走2着で連勝は途切れてしまったグラスゴーロックは、まだ底を見せていないだけに今後が楽しみ。
スプリングカップで2着のシンプウライアンに4馬身差をつけて圧勝したノゾミカイザーも相手候補。
先を考えれば、サチコゴージャスにもここも楽勝してもらいたいところ。
◎サチコゴージャス
○ケイゾク
△グラスゴーロック
△ノゾミカイザー
-------------------------
チャンストウライ不在の兵庫大賞典は、アルドラゴンで断然。連覇を狙った名古屋大賞典JpnIIIは、最後の最後でメイショウトウコンに差されてしまった。今回ほかに重賞勝ち馬がいないというメンバー構成では、負けられない一戦。
こちらも駿蹄賞同様、アルドラゴンに真っ向勝負なら惨敗もあるだろうし、最初から2着狙いならちょっと格下の馬でも上位に入れそうで、予想は難しい。六甲盃では2番人気ながら5着に破れたものの、距離適性を考えればタマモアーチストが相手。
転入後まだ2戦しかしていないスナークエベレストには未知の魅力。
今回はじめて田中学騎手が手綱をとるマルノユビキタスがどこまで迫れるか。
六甲盃は10番人気ながらアルドラゴンの2着だったムサシボーだが、展開に恵まれた面があり、ここでは見送る。
◎アルドラゴン
○タマモアーチスト
△スナークエベレスト
△マルノユビキタス
金沢の今年の3歳世代は、ここまでことごとく人気馬が負け、という重賞が続いていて、力関係がよくわからん、というのが正直なところ。
馬インフルエンザの影響で、金沢限定で行われた9月10日の兼六園ジュニアカップは、デビューから2連勝で1番人気に推されたスカイヒーローが3着に敗れ、3番人気エムザックライアン、4番人気マイアンジェリカという決着。
12月2日のサラブレッドヤングチャンピオンでは、1番人気マツノヴェイロンが8着に沈み、5番人気ソルトバイオ、6番人気キヌガサスターという決着で、連勝馬券はすべて万馬券。兼六園ジュニアカップの1、2着馬は、6着、3着という結果。
1月4日に行われた牝馬のプリンセスカップでは、なんと9番人気のティアミホが勝ち、マイアンジェリカが2着。1番人気のフジヤマオードリーは3着だった。
そしてこれら重賞の連対馬は、いずれもその後順調に勝ち進んでるわけでないというのを見れば、今回もいかに混戦かというのがわかる。
で、一応本命にはキヌガサスター。デビューから7戦していずれも3着以内という堅実な成績が目を引く。明け3歳になってからは2戦2勝。3歳になってもっとも成長しているのはこの馬ではないかという可能性を感じさせる。
中央や名古屋への遠征では勝負にならなかったが、その後地元で1、2、1着というマツノヴェイロンが相手。
近走復調気配のエムザックライアン、デビューから11戦してすべて4着以内というマイアンジェリカなども堅実に走っている。
どれが強いかわからないというメンバー構成なら、4月デビューのスタートップガンにも可能性がありそう。
とはいえ、ここまでの重賞が最初に書いたような結果なので、またまた思わぬ伏兵が、ということも考えておいたほうがよさそうだ。
◎キヌガサスター
○マツノヴェイロン
▲エムザックライアン
△マイアンジェリカ
△スタートップガン
---------------------
昨年まで福山桜花賞として行われていたレースが今年からサラブレッドのレースとなったため、同条件のアラブのレースとして福山さつき賞が新設された。
福山でもアラブの層がだいぶ薄くなってきたのを象徴するかのように、重賞のここにもB級からの出走がある。それだけに力関係のはっきりとしたメンバー構成。
ここは素直に、重賞11勝という実績ナンバー1のユノフォーティーンから。今回唯一55キロ(他馬はすべて53キロ)を背負うが、この程度なら問題ないだろう。一昨年、昨年と福山桜花賞を連覇していて、今年勝てば実質3連覇となる。
ユノフォーティーンは目下5連勝中で、その5戦でいずれも2着なのがフジノコウザン。一戦ごとに着差を詰めていて、前走がハナ差なので今回は逆転か、とも考えたくなるが、フジノコウザンは2000メートルを超える距離に実績がなく、ここは狙いを落とす。
この距離なら、福山アラブ大賞典で、重賞初挑戦初制覇を果たしたホワイトモンスターを2番手に評価。
休み明けをひと叩きしたバクシンオーがどこまで。
◎ユノフォーティーン
○ホワイトモンスター
▲フジノコウザン
△バクシンオー
昨年まで「九州皐月賞荒尾ダービー」として行われていたが、今年から単に「荒尾ダービー」となった。なった、というより戻ったと言ったほうがいいだろうか。三冠目が九州菊花賞からロータスクラウン賞(佐賀)に変わっているので、一冠目もわざわざ「皐月賞」を名乗る必要もない。荒尾ダービーだけのほうがまぎらわしくなくていいと思う。
さて、その荒尾ダービーだが、九州地区交流(現在は四国も)となった2000年以降、8年連続で佐賀勢が勝利。荒尾勢は2度の2着があるのみと、佐賀勢が圧倒という結果となっている。
かといって、佐賀から必ずしも世代最強馬が荒尾ダービーに遠征してくるというわけではなく、過去8回で荒尾ダービーと九州ダービー栄城賞の二冠を制したのは2002年のカシノオウサマしかいない。ちなみにカシノオウサマは、その後九州菊花賞(現・ロータスクラウン賞)を制し、九州三冠馬となった。
今年は佐賀から3頭が遠征。地元荒尾勢は、2歳時の九州ジュニアグランプリ2着のテイエムワッゼエ、正月の門松賞3着のエイコウピュアーあたりが実績上位で、重賞勝ち馬がいないというメンバーでは、やはり佐賀勢を中心にせざるをえない。
中心はキングサンディ。九州ジュニアチャンピオンを制し、前々走の飛燕賞では勝ったパラダイスセントからクビ+半馬身差の3着。前走はすでに古馬B2に格付けされてのレース(4着)で、このメンバーに入ってはまさに格が違う。
相手は、飛燕賞でキングサンディにアタマ差4着のミトノコウモンダ。ちなみにこのミトノコウモンダという馬名については、飛燕賞の予想のときに書いているので興味のある方はどうぞ。
荒尾勢で一発があるとすれば、スズナリジッコウ。2歳時はデビューから2連勝した程度で、九州ジュニアグランプリでも勝ち馬から2秒7も離された5着と目立った成績ではなかった。しかし今年2月の九州産限定のたんぽぽ賞では11番人気ながら地方最先着、勝ち馬から0秒4差の4着と好走。その後2連勝し、前走ル・プランタン賞では荒尾からは単騎の遠征で、着順こそ7着だったものの、勝ち馬とは1秒1差とそれほど負けていない。先に挙げた荒尾の2頭より力をつけていると見るべきだろう。
荒尾ダービートライアルのスイートピー賞を勝っているテイエムワッゼエも見限れない。
◎キングサンディ
○ミトノコウモンダ
▲スズナリジッコウ
△テイエムワッゼエ