馬インフルエンザの影響で冬季休催明けのこの時期に延期となった金沢のイヌワシ賞は、フルゲート12頭のうち半分の6頭が他地区からの遠征馬。地元馬6頭のうち笠松でレースを使っていたケンゴウザン以外は休み明けとなるのがどうかだが、1年以上地元では連対をはずしていないビッグドンと他地区勢の争いとなりそうだ。
他地区勢で重賞を勝っているのがケイアイダンシング(06年5月、園田フレンドリーカップ)くらいなら、地元のビッグドンでイケそうだ。
重賞勝ちがないとはいえ、2歳の中央在籍時に北海道2歳優駿GIIIで1位入線6着降着という成績のあるエイシンセイテンも差はない。前走笠松のマーチカップでも、重賞戦線で活躍するウイニングウインドから半馬身差の2着という成績もある。
ビッグドンは当日の仕上がり次第だが、以上3頭の争いとなりそう。
笠松に遠征した白銀争覇は7着だったマツノショウマだが、11月の北國王冠で2着のあるマツノショウマにも一発の可能性はありそうだ。
◎ビッグドン
○ケイアイフウジン
▲エイシンセイテン
△マツノショウマ
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ファイナルグランプリは、昨年までアラブの重賞として年度の最後に行われていたローゼンホーマ記念の代わりに、サラ・アラ混合の重賞として新設された。距離もローゼンホーマ記念と同じ1800メートルで、アラブ4頭、サラブレッド4頭の争いとなった。
アラブでは、完全復調で3連勝中のユノフォーティーン、そしてその3戦でいずれも2着のフジノコウザンが実績も実力も上位。
サラブレッドでは、昨年11月の福山菊花賞で目下の福山サラブレッド最強馬ナムラベンケイに土をつけたファニーカイザーが上位。ただ、前走は勝ったものの前々走までの3戦でいずれも掲示板をはずしているのが気になるところ。コスモハードリカーも前走のマイラーズカップでナムラベンケイを負かしているものの、距離適性はマイル以下のようで、今回は1800メートルという距離が気になる。
ここは応援の意味も込めてユノフォーティーンから。ファニーカイザーも本来の力を出せればアラブには負けないと思うのだが。
◎ユノフォーティーン
○ファニーカイザー
▲フジノコウザン
△コスモハードリカー
前日のキングカップに続いて、サラ・アラ混合で行われる3歳牝馬によるクイーンカップ。しかしアラブ系はルパンアクセル1頭のみで、モナクキララは父スマートボーイでアラブ血量25%を割ったサラ系だ。
ここはやはり福山所属馬として初めてJRAに出走したウルトラエナジーから。
そのJRAに挑戦したダート1400メートル戦はしんがり16着。結果はともかく、果敢にハナを切れたことだけで見せ場はたっぷりだった。前走古馬のC2級1組でも逃げて2着に粘っているだけに、このメンバーでは能力上位。
2歳時のヤングチャンピオン5着があり、前走C2級2組を勝っているサンディナナが相手。どうやらこの2頭の力が抜けている感じで、連勝は2頭の組合せほぼ1点。
どちらかが崩れたときの連下に、ヤングチャンピオンでサンディナナに先着の3着だったスターハンセンを押さえる程度でいいだろう。年明け後は3歳戦を5戦していずれも掲示板確保と堅実だ。
◎ウルトラエナジー
○サンディナナ
△スターハンセン
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佐賀所属馬だけでの争いとなったはがくれ大賞典。
こちらはワンパクメロとオリオンザクロノスの一騎打ち。
ワンパクメロは、9連勝で臨んだ佐賀記念JpnIIIは8着だったものの、前走のオープンでは6馬身差の圧勝。
一方のオリオンザクロノスは、昨秋中央から転入し、初戦こそ2着だったものの、その後はオープン下のクラスで4連勝。重賞初挑戦で、初めての一線級との対戦となるだけに、ここが試金石となる。
連下候補として、前々走A1特別勝ち、前走オープンでワンパクメロの2着のシルクアルタイル、そしてオリオンザクロノスと差のない競馬をしているユウワン。
◎ワンパクメロ
○オリオンザクロノス
△シルクアルタイル
△ユウワン
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いよいよ迎えたばんえい競馬の大一番、ばんえい記念は、900キロの帯広記念で第2障害を一発でクリアしたナリタボブサップが不動の本命。
そのほか詳しい能書きはばんえい競馬情報局をご覧ください。
◎ナリタボブサップ
○シンエイキンカイ
▲トモエパワー
△ミサイルテンリュウ
△スーパークリントン
昨年は「サラ系キングカップ」「サラ系クイーンカップ」として、従来のアラブ系の重賞とは別に行われたこれらのレースだが、今年はすでにアラブ系3歳馬の入厩数が少ないため、サラ・アラ混合で行われることになった。
ただ今年、出走10頭中アラブは2頭のみで、福山でも明け3歳世代からは完全にサラブレッド中心のレース体系となっている。
本命は、おそらく1番人気間違いないであろうマルチグランドボス。昨年12月にはヤングチャンピオンを制覇。そして今年園田に遠征した園田ユースカップでの4着は、このメンバーに入れば断然の実績。
ちなみに園田ユースカップを勝ったのは名古屋の牝馬サチコゴージャスだが、断然人気となった地元兵庫の2歳チャンピオン・アルアルアルを競り負かしての勝利。そして3月14日に笠松で行われた3歳牝馬の若草賞でも、直線持ったままで大差の圧勝という快進撃だ。
繰り返しになるが、レベルが高かった園田ユースカップでの4着というのは、価値が高い。
その園田ユースカップで7着だったテンテンマルスは、続く3歳1組戦を勝っているだけにここでも好勝負。
3カ月半の休み明けを快勝したブレーヴヒーローは、重賞経験こそないものの、ここまで6戦3勝、2着2回、3着1回という成績で未知の魅力がある。
マルチグランドボスから、相手はこの2頭でいいだろう。
連下に食い込む可能性があるとすれば、前走3歳2組戦を勝ったウィナーズディア、3歳1組戦で好走しているバクシンスターまで。
◎マルチグランドボス
○テンテンマルス
▲ブレーヴヒーロー
△ウィナーズディア
△バクシンスター
名古屋大賞典JpnIIIは、年末から年明けの川崎記念、フェブラリーステークスと続くダートJpnI(GI)路線が一段落した時期だからなのか、ダート戦線の有力馬が参戦して人気になっても、思わぬ伏兵が台頭することがよくある。
昨年は東京大賞典を勝ってフェブラリーステークスでも2着だったブルーコンコルドと、ダイオライト記念を圧勝してきたキクノアローに人気が集中。ところがそれぞれ3、4着に敗れ、オープン実績のない5番人気のアルドラゴンが勝った。
05年には4番人気のレマーズガールが2着、03年には地元名古屋の5番人気マルカセンリョウが勝った。
今年も一筋縄ではいかなそうなメンバー構成となった。中央勢3頭は、いずれも実績はあるものの不安要素も大きい。特にキクノアローは近走まったくの不振。サラカートにしても前走ダイオライト記念JpnIIは3着だが、勝ち馬からは離されていた。しかも05年9月の日本テレビ盃GII以来勝ち星から遠ざかっている。
中央勢の最有力は、前々走の平安ステークスGIII2着のメイショウトウコンだが、これも好走も凡走もあるタイプだけに、絶対の中心には推しにくい。
ならば連覇のかかるアルドラゴンから。兵庫への移籍は、地方で行われるダートグレードに確実に出走するためだろうか。今年園田ではJBCもあり、そこを目標としているのかもしれない。相変わらず中央のダートオープンでは2桁着順ばかりだったが、兵庫に移籍して2連勝。しかも前走六甲盃は直線だけで楽に5馬身抜け出す楽勝だった。地方のダートでこそ、というタイプであれば、今年も十分に期待できる。
近走の実績ということでは、やはりメイショウトウコンが最上位。
キングスゾーン、クインオブクインもダートグレードでの実績があり、両馬とも名古屋の小回りコースはアドバンテージとなるだろう。
休養明け2戦目となるサカラートがどこまで。
◎アルドラゴン
○メイショウトウコン
▲キングスゾーン
△クインオブクイン
△サカラート
3歳牝馬による東海・北陸・近畿・中国地区の交流だが、東海以外からの遠征馬は、ここまで19戦して未勝利という兵庫のラストストーンのみ。北海道から転入後は7着が最高という成績だけに、ここは東海勢同士の争いと見ていいだろう。
前日のマーチカップに続いて軸が堅そうな一戦。ここにきての充実ぶりが目立つのがサチコゴージャス。前走園田ユースカップは、兵庫ジュニアグランプリJpnIIで3着など兵庫の2歳チャンピオンとなったアルアルアルをぴったり2番手でマークすると、直線で単独抜け出し、笠松のアイファーダイオーの追撃をクビ差でしのいだ。年明け後は無傷の3連勝。牝馬同士のここは園田ユースカップより楽な戦いになりそうだ。
相手はヒデフジ。北海道でJRA認定未勝利など2勝を挙げ、笠松に移籍。前走中央への挑戦は惨敗だったが、前々走笠松での緒戦はゴールドジュニア当日に行われた3歳1組戦で、道中は後方追走も、3コーナーから進出すると先行していた2頭を直線で捕え2馬身半突き放す楽勝。重賞は今回が初挑戦となるが、一気に突き抜けても不思議はない素質はありそうだ。
ライデンリーダー記念を8馬身差で圧勝して期待されたカキツバタフェローだが、その後の2戦、園田クイーンセレクションとゴールドジュニアは、ともに1番人気を裏切る期待はずれのレースぶり。ライデンリーダー記念のときのようなレースができれば、サチコゴージャスに迫れると思うのだが。逆にここでも凡走するようなら今後の重賞戦線は厳しいかもしれない。
トミノプリズムは北海道時代は未勝利も、笠松移籍後は3歳の条件戦で3、1、1着と底を見せていない。
イーストミーは年明け後は重賞を3戦していずれも見せ場がないが、2歳時のゴールドウイング賞がデビュー4戦目での初勝利だったように、突然大駆けの可能性はある。
印をつけた5頭のうち、カキツバタフェローとイーストミーは東海地区デビューの重賞勝ち馬だが、それ以外の3頭はいずれも北海道デビュー馬。やはり北海道出身馬には、2歳時に成績を残していなくても、秘めた素質を持った馬がたくさんいる。
◎サチコゴージャス
○ヒデフジ
▲カキツバタフェロー
△トミノプリズム
△イーストミー