マイル争覇の予想の前に。31日名古屋のレース一覧を見てアレ?っと思った。第7レースに「祝!渡辺博文1900勝記念」と。渡辺博文騎手といえば福山の所属。なぜその協賛レースが名古屋で?
で、マイル争覇だが、昨年佐賀のサマーチャンピオンJpnIIIでダートグレード初制覇を果たしたキングスゾーンがここに出てきた。地元名古屋で走るのは昨年5月のかきつばた記念JpnIII(6着)以来のこととなる。これで18戦連続での重賞出走。そのうち地元重賞は3戦のみで(この間、笠松での出走はなし)、それ以外はほとんど休みなく遠征競馬ばかり。休みなく遠征ということでは、コスモバルクとキングスゾーンが東西の横綱といえそうだ。そのタフさ加減にはまったく頭が下がる。
実績的にはやはりキングスゾーンが断然。馬齢重量戦で、牝馬イブキオトヒメの55キロ以外は全馬57キロと同斤量なら、ここで負けるわけにはいかない。
相手はレオカーディナル。中央から転入後2連勝。サクラバクシンオー産駒ということで中央時代は芝の短距離ばかり使われていたが、前走1900メートルの名古屋記念はマイペースに持ち込んでの逃げ切りで重賞初制覇。仮に今回のメンバーでキングスゾーンがいなければ再び楽に逃げ切りとなりそうだが、キングスゾーンと真っ向勝負で競りかけられれば惨敗の可能性もある。展開的には断然の2番手というわけではない。
そこに付け込む可能性があるのは、名古屋記念2着のコスモスパーブ、東海ゴールドカップは1番人気も5着だったラントゥザフリーズ、重賞以外の一般戦では兵庫時代から22戦も連対を外していないイブキオトヒメなど。
ただキングスゾーンからではオッズ的に馬券を買いにくそう。穴を狙うならキングスゾーン1着固定の3連単で、2着、3着には手広く人気薄に流したらどうだろう。
◎キングスゾーン
○レオカーディナル
▲コスモスパーブ
△ラントゥザフリーズ
△イブキオトヒメ
当初は8月28日に予定されていたレースだが、馬インフルエンザの影響でここまで延期された。九州産馬限定の全国交流で、中央所属馬は1000万下クラス。荒尾でのトライアル2戦はすでに7月に行われているので、間が5カ月もあいての本番となる。
九州産馬限定レースといえば、かつては日本軽種馬協会の九州種馬場に繋養されている種牡馬の産駒がほとんどだったのが、近年は「持込」の九州産が増えてきた。要するに種牡馬が選び放題の北海道で種付けして、出産は九州の牧場でというもの。今回の出走馬でいえば、ブラックホーク、ダンシングブレーヴ、スペシャルウィークなどがそれに当たる。
馬の移動が以前とは比べものにならないくらい活発になった今では、より強い馬を作ろうと思えば、当然そういう傾向になるのだろう。
中心は、7月24日に行われたトライアル、えびの特別を大差で圧勝したテイエムミゴテカ。九州産馬限定の主要レースは皆勤で、2歳時JRA小倉で行われたひまわり賞は2着。3歳時に荒尾で行われたたんぽぽ賞も2着。そして昨年度(06年)、やはりえびの特別を制して1番人気で臨んだ霧島賞は、JRAのターボフラッシュとの叩き合いとなり、惜しくも半馬身差の2着に敗れていた。今年はその雪辱を果たしたいところ。
相手には、もうひとつのトライアル、7月31日の大隅特別を制した佐賀のナセ。こちらは父がかつて九州種馬場で繋養されていたサイレントハンターで、純粋の九州産ということになる。
大隅特別は5着だったが、今回は地元荒尾の吉田隆二騎手が手綱をとるテイエムヨカドーが3番手。
同レース4着の地元荒尾所属馬ノースダンシング、同2着馬カシノカスケードなども連下候補。
◎テイエムミゴテカ
○ナセ
▲テイエムヨカドー
△ノースダンシング
△カシノカスケード
昨年までは「新春賞」として行われていたレースだが、先週、サラブレッドA2の重賞として「新春賞」が行われたため、新たに「アラブ新春賞」として行われる。
A2クラスのレースとはいえ、このクラスで勝ち負けしている馬がほとんどいないというメンバー構成。そんな中でもこのクラスでの安定勢力モナクリュウオーが中心ということになるだろう。前走福山アラブ大賞典はさすがに相手が強く9着に敗れたが、前々走のA2特別では、福山アラブ大賞典の勝ち馬となるホワイトモンスターに2馬身半差の2着だった。ここは3歳時の鞆の浦賞以来となるタイトル奪取のチャンス。
下のクラスから上がってきた馬では、まずパラディースに期待してみたい。前々走のB1特別を1番人気で勝ち上がり、前走のA1A2戦でも1番人気。残念ながら4着に敗れてしまったが、今回は内田利雄騎手に乗替る。内田利雄騎手は福山での期間限定騎乗がこの日で終了。今回の福山所属期間中には何度か重賞に騎乗し、惜しいレースがいくつかあった。最後に馬の能力以上のものを引き出してくれるのではと期待も込めての対抗。
B級からの上がり馬ではデラノキセキのほうが上かもしれない。B2特別を2連勝のあと、1番人気に推されたB1特別では直線追い込んでアポロセンスイに半馬身届かずの2着。追い込み脚質だけに、展開がはまれば一発の可能性も十分。
前走A1A2戦で人気薄ながらパラディースらを斥け2着と健闘したフジノユーノス、昨年11月にA2特別を勝った経験のあるハヤヒデキングらも見限れない。
◎モナクリュウオー
○パラディース
▲デラノキセキ
△フジノユーノス
△ハヤヒデキング
園田クイーンセレクションに出走したカキツバタフェローが中7日でここに出てきた。
しかしあの敗戦(6着)は何だったのだろう。中団を追走し、向正面ではもう鞍上の手が動きっぱなし。直線を向くところで4番手まで進出したものの、見せ場らしいところはほとんどなかった。この間隔で使うのだから、おそらく調子が悪いということはないのだろう。今回のメンバー中、ほかに重賞勝ち馬は、ゴールドウイング賞を勝ったイーストミーのみ。実績を見れば、やはりカキツバタフェローが抜けている。
実績馬がいなければ、狙うのは上がり馬。アイドルメンバーは、昨年のゴールドウイング賞こそ惨敗だったものの、その後は6戦して4勝。特に前走の3歳1組特別まで3連勝と力をつけてきている。勢いからはここであっさりがあってもおかしくない。
ライデンリーダー記念ではカキツバタフェローに8馬身ちぎられての2着だったオムネテンプスだが、このときは1番人気で、素質はありそう。今回はひと開催休んでの一戦となるだけに、まだ見限るわけにはいかない。
新春ペガサスカップは9着惨敗も、気になるのがケイゾク。父カルラネイチャーは、昨年笠松の2歳最優秀馬に選出されたチェイリュイと同じ。カルラネイチャー産駒はこの世代、活躍馬が目立っているだけに気になるところ。オムネテンプスと同厩舎で、主戦の佐藤友則騎手が重なったため、今回は東川公則騎手が手綱をとる。
JRA認定レース、2歳1組特別と連勝中のプラチナスピリットが、2カ月ぶりの実戦でどんなレースを見せてくれるか。
◎カキツバタフェロー
○アイドルメンバー
▲オムネテンプス
△ケイゾク
△プラチナスピリット
これもアラブからサラブレッドの重賞となったA2の新春賞。過去5走までで勝ち星があるのがモモカプリンセスとファントムオペラのみ。それも勝ち続けているわけではないということで、なんとも予想が難しいレース。
福山転入後まだ2戦だが、前走A1A2の特別を勝ったファントムオペラから。その前走で4馬身差をつけて斥けたストレイフは、兵庫から移籍して3戦2勝、2着1回。この日最終レースのA1特別にまわった一応の実力馬だ。ただ、ファントムオペラもストレイフも福山ではまだ経験が浅いだけにほんとうの実力がどのあたりにあるかの判断が難しいところではあるのだが。
相手にはイブキカンハダ。9月にA2特別まで勝って、その後はA1特別でやや足りないという実績。ただA1特別初挑戦となった10月のレースでは、アブソルートウインにハナ差の2着、ファニーカイザーには先着しているだけに、それだけの力が出せればここであっさりの可能性もある。
転入後3戦してB2からA1A2の特別まで2着2回、3着1回というヤマノジャスティスも馬券にからむ可能性は十分。勝負になりそうなのはここまでの3頭。
鞆の浦賞を制して3歳チャンピオンとなったモモカプリンセスだが、古馬相手ではB1勝ちまでで、福山大賞典では7着完敗だっただけにここでは連下の押さえまで。
近走A1で不振のブラウンデザートだが昨夏には金杯で2着があり、一発があるかもしれない。
◎ファントムオペラ
○イブキカンハダ
▲ヤマノジャスティス
△モモカプリンセス
△ブラウンデザート
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花吹雪賞にはデビューから3連勝のパラダイスセントが出てきた。昨年、フサイチサガントスで注目を集めた東眞市調教師は、その後にもキリンジ、そして九州ジュニアチャンピオンを制したキングサンディと、次から次へと活躍馬を出している。佐賀のリーディングでも05年は10位だったものの、06年は3位、そして昨年は2位まで躍進してきた。連勝の勢いでパラダイスセントが本命。
未知の魅力でシロイハナズラの一発もあるかもしれない。北海道では未勝利とはいえ、転入初戦は逃げ切りで楽勝。17日の園田クイーンセレクションでも北海道未勝利での転入馬ニックバイエフオーが快勝しているように、この時期の3歳戦は日本全国どこの競馬場でも北海道からの転入馬が活躍している。
あとは前走3歳2組で、今回出走している何頭かを負かして勝っているオリオンクィーン。それから前々走でパラダイスセントの1馬身半差2着だったオリオンオーロラまで。
パラダイスセントとシロイハナズラの組合せを厚く。
◎パラダイスセント
○シロイハナズラ
▲オリオンクィーン
△オリオンオーロラ
ところでシロイハナズラ。馬名を英語にすれば、そのまんまホワイトマズルなので、ホワイトマズルが血統に入っているのかと思えばぜんぜん関係ない。馬そのものは見てないけどたぶん鼻面(正確な日本語ではハナズラではなくハナヅラです)が白いんでしょう。これは母の母の父ノーザンテーストからきてるんだろうか。