松山競輪場で行われた第13回国際自転車トラック競技支援競輪(GIII)。この大会で117期で最初の記念競輪の覇者となった、広島の大型ルーキー町田太我選手(広島・117期)。その嬉しさはすでに次の闘いに向けての原動力に。目指すは特別競輪の決勝戦に勝ち進むこと。そんな町田選手に松山記念競輪の振り返りと今後の抱負について伺いました。
星野:松山記念競輪、優勝おめでとうございます。
町田:ありがとうございます。
星野:今のお気持ちはいかがですか?
町田:そうですね。直後は本当に嬉しかったんですが、今はもういつもと変わらない感じです。次のレースに向けての気持ちに切り替わってますね。
星野:今回は町田選手にとって4回目の記念競輪でした。過去3回、すべて決勝戦に勝ち進んでいますが、開催を迎えるにあたってどんな気持ちでしたか?
町田:確実に決勝戦に行きたいなと思っていました。初日からそれしか考えていませんでしたね。そして、今まで記念競輪の決勝戦はすべて9着だったので、また9着なんだろうなとも思っていました。
星野:でも、どのレースも積極的に動いていますよね。
町田:やっばり内容が良くないと次に繋がって行かないと思っているので、しっかり仕掛けたいって気持ちがありますね。デビューしてからずっと3日制の開催を走っていたので、記念競輪になると1日増えて4日間になります。4日間しっかりと先行で戦える体力がまだまだないなって感じでした。
星野:では、今回の決勝戦を振り返っていただきたいのですが、同期の菊池岳仁選手(長野117期)との対戦が注目されていました。
町田:菊池とは、競輪養成所の時から仲がいいんです。入所してから最初の記録会でお互いゴールデンキャップを取ったってのもあるかもしれません。その頃から、菊池とは自転車の話ばっかりしています。だから、お互い頑張ろうな!って走る前に話していましたし、二人でいいレースをしたいと思っていました。
星野:菊池選手も初日から積極的に戦っていましたし、どちらが主導権を握るんだろう。と思って見ていました。決勝戦はどんなレースをイメージしていましたか?
町田:そうですね。主導権をとる走りをしたいと思っていました。菊池のレースもずっと見てきているので、一瞬スピードが緩むであろう所も分かっていました。そこに向けて仕掛けていきました。
星野:その仕掛けに連携していた吉永好宏(広島80期)選手が離れてしまって、菊池選手が2番手に嵌っていました。そこから、菊池選手も踏み上げて来ましたが、この辺りはいかがでしたか?
町田:必死だったので、後ろに誰がいたのかも分かりませんでしたし、後ろから誰か来たので、合わせて踏んだ感じでした。なので、最後までそれが菊池だとは分かりませんでした。それだけ無我夢中でした。
星野:そして、117期で初めての記念制覇のゴールとなりましたね。
町田:同期の中で1番に優勝したいとか、全然思ったことがなくって、117期で一番だったから嬉しいってのはあまりないですね。それより、記念で優勝出来たことが嬉しいです。
星野:デビューして1年程ですけど、1年前にイメージしていた自分と比較してどうですか?
町田:デビューするときは、1年後はチャレンジ戦で9連勝して特別昇班でA級の1、2班戦を走っているかなと思っていたので、S級にいる事だけでもびっくりしています。それが記念まで優勝出来るなんて。
星野:さっきもおっしゃっていましたが、1つ1つのレースが結果に繋がったんじゃないですか?
町田:そうですね。1つ1つ力を出し切って走っていれば、それが結果に繋がってくると実感できました。だから、次にサマーナイトフェスティバル(GII)がありますが、そこに向けてと言うより、目の前のレースで1つ1つ力を出し切ってやっていく、これが大きな舞台でも結果に繋がるんじゃないかなと思います。
星野:そうなんですね。そして、広島には競輪界No.1の選手がいますね。環境も良いのではないですか?
町田:本当に環境には恵まれていると思います。松浦さん(松浦悠士選手・広島98期)は、僕のレースを全部見てくれていて、練習が一緒になった時とかにアドバイスもしていただいています。勉強になりますね。今回も優勝した時に「おめでとう」ってメールもいただきました。もちろん師匠(吉本哲郎選手・広島84期)からも走り方の細かい事を、教えていただいています。
星野:記念競輪を優勝して次の目標はいかがですか?
町田:やっぱり特別競輪の決勝に乗ることですね!
星野:同期では先に、特別競輪を走っている選手もいますね。
町田:同期が大きな舞台で走っているのを見ていると、すごいとしか言いようがなくて、でも刺激になりますね。自分もどこまでやれるのか楽しみになります。
星野:その為に、今、強化されている所や課題はありますか?
町田:もっとダッシュをつけていきたいですね。後は、内側を走っている選手の横スレスレを走るのが一番ゴールへの近道なんですけど、そこを走るとフォームが崩れそうになるので、大回りしてしまうんです。今はその辺りを練習をしている所です。後は師匠や松浦さんから、仕掛けるタイミングなど、人のペースに惑わされないように、自分のペースで!と言われます。それも課題ですね。
星野:ライバルはいますか?
町田:石原颯(香川117期)です!
星野:即答でしたね(笑)
町田:彼は香川県の選手で地区も近いですし、レーススタイルも良く似ているのでお互い意識し合ってます。彼が奈良記念の決勝戦に勝ち上がった時の取材でも、「町田くんは、記念で決勝9着が続いているので僕はそれ以上の着になれるようにがんばります」と答えてましたから(笑)良いライバル関係だと思っています。
星野:同期で切磋琢磨して、特別競輪でも活躍されるのを楽しみにしています。では、最後にオッズパークの会員の皆さんへメッセージをお願いします
町田:いつも応援ありがとうございます。これからも一戦一戦、力を出し切るレースをしていきます。そして、また優勝できるように頑張っていきますので変わらず、応援をよろしくお願いします。
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※インタビュー / 星野めぐみ(ほしのめぐみ)
大阪府出身。タレント、アナウンサー、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社