デビュー前から自転車競技のナショナルチームに入り、ガールズケイリンでもダッシュのある走りで活躍している太田りゆ選手(埼玉112期)。3月17日(日)に京セラドーム大阪で行われた『関西コレクション2019 SPRING & SUMMER』に出演した時の様子と近況などをお伺いしました。
山口:まずは関西コレクションについて、出演されていかがでしたか?
太田:思ったより近くで、自分と同じくらいかそれより若い女の子達と接することができたので、今までと違うお客さんの層にガールズケイリンをアピールできたと思います。またその影響として、TwitterやInstagramなどSNSのフォロワーがその日だけで100人以上増えたので、具体的にPRの成功を感じられました。私が想像していた以上に、皆さんの中に印象付けられたんだなと思います。
山口:ブースなどでは具体的にどのようなお話をされたんですか?
太田:ガールズケイリンの魅力や、どういう風に選手になるかなどですね。ガールズケイリンは自転車競技を元々やっていなかった現役の選手もたくさんいらっしゃるので、今お話を聞いてくれている皆さんでも目指せるよ、ということを特に伝えました。
私も自転車に乗り始めたのは22歳の時だったんです。競輪学校は適性入学なのでその時に始めました。「22歳で始めて、24歳の今は世界でレースをしています」と言うとかなりインパクトがあったようで、驚かれた方もたくさんいました。若い女の子たちは、私たちが稼いだ賞金の金額を聞いて、驚きつつも興味を示してくれたとは思いました。学生さんは金額を聞いてもリアルではなかったかもしれませんが、同世代の20代くらいの子は、トップだと年間3,000万円ほど稼ぐと言うとかなり反応をしてくれました。
山口:夢がある話ですもんね。そしてランウェイはいかがでしたか?
太田:一生に一度だと思ったので、緊張せずに楽しもうと思っていました。4万4,000人ほどお客さんがいたみたいなのですが、照明がとても強くて見えなかったです(笑)
音響もとてもカッコ良くて、盛り上げてくれたダンサーの子達ともその後仲良くなれたので、とても楽しめました。
山口:深谷知広選手(愛知96期)もいらっしゃっていたんですか?
太田:はい、カメラマンとして来てくれて、たくさん写真を撮ってくれました!私たちも普段一緒に練習しているので、リラックスして楽しんで撮ってもらえましたね。その後SNSでもたくさん写真を使っていたので、来てくださってありがたかったです。
山口:良いPRになったんですね。
太田:そう思います。女の子たちにも、「こういう道もあるんだよ」というのは伝わったと思いました。
山口:近況のレースのお話もお伺いします。今、競技は一段落されたんですよね。
太田:はい、今シーズンのレースは終わり、来シーズンへ向けて練習をしていて、ガールズケイリンも斡旋が入れば走っていきます。また秋頃からワールドカップが始まるので、そこから東京オリンピックまでは競技中心になると思います。ただそれまでは、走る予定なので頑張りたいですね。
山口:久々のレースは3月いわき平でしたが、いかがでしたか?
太田:競技の日程が詰まっておりガールズケイリンへ向けてベストな練習ができた訳ではなかったので、あまり良い状態ではなかったんです。初日2日目と連勝をして、周りからは「余裕ありそうだね」と言われたんですが、自分の中では全く余裕はなく、最終日も負けてしまいました。
日本代表として競技をやっているので、国内では勝たなければいけないとプレッシャーも感じながら最終日に負けてしまったので、お客さんに申し訳なかったです。
山口:高知での【ガールズフレッシュクイーン】は単発レースでしたが、雰囲気は違いましたか?
太田:単発レースはデビューしてから何度か走らせてもらっていますが、あまり良い印象はないです。単発レースだけではなく、ガールズケイリンでは良い結果がまだ出せてはいないのが現状なので、フレッシュクイーンは「必ず優勝をしよう」と臨みましたが、勝てずに終わりました。ナショナルチームの練習も始まっていましたし、私の調子も良かったので悔しいですね。
途中アクシデントもあり、勝てなかったのはそれが原因......と思いたいところですが、それ以前の私の動きが勝てない要因なので、自分に腹が立ち、自分のレースぶりに納得できなかったです。
ガールズケイリンを2場所走って、どちらも納得はできないレースでした。
山口:他の選手の動きが以前と違うな、と感じる事はありましたか?
太田:以前と違うと言うよりも、ガールズケイリンのレースに出場するのが久々すぎて私が他の選手の特徴を掴みきれていないと思います。もちろんある程度は予測できるんですが、全員ではない。逆に最近は海外のレースが続いたので外国人選手のレースぶりの方が頭に入っていますね。
山口:伊東温泉GIIIでの【ガールズケイリンインターナショナル】は、ナショナルチームの小林優香選手(福岡106期)や鈴木奈央選手(静岡110期)が出場するなど、かえって慣れている状況なんでしょうか。
太田:そうですね。外国人選手を始め、優香ちゃんがいて、慣れている状況だと思います。海外では強い選手がたくさんいるので私に期待が掛かってない分、プレッシャーを感じることなく走れますが、ガールズケイリンだと期待をしてもらっているので私からレースを動かさないといけない、そのギャップに戸惑いがありますね。
【ガールズケイリンインターナショナル】は、日本人選手の中では期待されるかもしれませんが、それ以上に外国人選手もいて競技のようなメンタルで走れると思います。日本人選手の方が多いので、展開はガールズケイリンのようになると思いますが、精神面に関しては今までの2場所よりはうまくいく気がします。その中で流れを掴んで、良いレース展開に自分で動かしていけるようにしたいですね。
山口:ガールズケイリンでの今後の目標は何ですか?
太田:近々のガールズケイリンフェスティバルは出られないと思うんですが、その後のオールスター競輪でのレースはファン投票で選んで頂いた際には走れるので、もし走れたら良い結果を残したいですね。1位~7位の【ガールズドリームレース】に選ばれた場合は、私の誕生日(8月17日)にレースがあるんです!なので、そちらに選んでもらえたら嬉しいですね。皆さん、ファン投票よろしくお願いします(笑)。
山口:それは走りたいですね!逆に競技面での目標はいかがでしょうか?
太田:まずは5月後半からロシアにレースに行くので、今はそこへ向けてかなりハードに練習をしています。疲労も溜まってはいるんですが、今は我慢して追い込んでいる途中です。
山口:両立も大変ですが、結果が出てくると良いですね。
太田:どれだけ海外のレースで少しずつ結果が出ていても、国内の方にはガールズケイリンで結果を出さないと見てもらえないと思っています。自転車競技は日本では注目度もまだ低いので、新聞やテレビなどのメディアでも取り上げてもらえません。
日本の皆さんの前で実際に強いレースを見せられるのはガールズケイリンなので、その機会があるなら結果を出していきたいんですが、現状なかなかできていないので、近々出せたら良いなと思います。
山口:最後にオッズパークのファンの方へメッセージをお願いします。
太田:いつも応援ありがとうございます。最終的な大きな目標は東京オリンピックでメダルを獲得することですが、ひとつひとつ間近にある目標を着実に進んでいけるようにしたいと思っています。近くではロシアの大会があるのでそこへ向けて頑張っていますが、ガールズケイリンでも日本のファンの皆さんの前で結果を出せるように日々練習をしています。
ぜひ、8月のオールスター競輪での【ガールズケイリン総選挙】私へ投票していただければ嬉しいですし、引き続き応援もよろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:公益財団法人 JKA