デビュー3場所目で初優勝を飾った野本怜菜選手(埼玉114期)。活躍が期待される今後の意気込みなどを伺いました。
山口:8月京王閣では初優勝おめでとうございます。
野本:ありがとうございます!デビュー戦やその次の場所が苦戦続きで、しかも今回は追加でメンバーも強い選手たちが多かったので、その中で優勝することが出来て、とても嬉しいです。
山口:デビュー戦からお話伺いたいんですが、地元大宮でのデビュー戦はいかがでしたか?
野本:練習で慣れているバンクなので、緊張はしないかなと思っていたんですが、やっぱり変な力が入ってしまい、ガチガチでした。練習通りの走りが出来なかったので、とても悔しかったです。
山口:2日目は自力も出していましたが、初日は動けなかったということですか?
野本:そうですね。初日、結果だけ見たら2着ですがマークで流れ込む形でした。
レース形態の練習もしていたんですが、本番だと流れも全然違っていたので想定通りにはならず、プロの世界というのを痛感しました。
決勝も思い通りには走れなかったので、悔しいデビュー戦でした。
山口:デビュー戦の後に、次の場所に向かって対策したことはありますか?
野本:2戦目が33バンクの富山だったので、直前には前橋競輪場で練習させてもらって臨みました。
山口:最終日(一般戦)には初勝利もありましたね。
野本:初勝利は嬉しかったんですが、一般戦での勝利だったので、予選で勝てたら良かったなと思いました。
最終日はオッズも自分を中心に人気になっていたので、「これは勝たなきゃいけない」とプレッシャーもかかりましたが、レースは想定通りの展開になったので、地力を発揮して勝てたのは良かった部分ですね。
山口:3場所目・京王閣は初日から児玉碧衣選手(福岡108期)と対戦でしたね。
野本:初日は本当に自力の選手が多く、児玉選手以外にも石井貴子選手(東京104期)や土屋珠里(栃木110期)もいました。
ちょうど自分が仕掛けようと思った時に児玉選手もあがってきたので、その後ろにうまくきりかえられたと思います。レース中は結構冷静に走れましたね。
山口:2日目は自ら仕掛けていきました。
野本:児玉選手が後ろで動かなかったので、自分でレースを動かさないとと思い仕掛けました。初日はきりかえて追走したので、マークの決まり手だったので、自力も出したかったので動いていきました。
山口:2日間の他の選手の走りや仕掛けを見て、決勝はどう走るか対策はしましたか?
野本:この2日間もそうなんですが、これまで各選手がどういう走りをしていたのか、レースダイジェストなどで見ていたので、何となく各選手の動きは頭に入っていました。
なので道中も想定通りで、その予想が当たっていたというのも、自分に展開が向いたと思います。
そこから自分の位置や仕掛けを考えました。
山口:それは後輩期ならではの対策ですね。レースダイジェストは遡って見られますもんね。
野本:そうですね。学校の時や卒業してからも、先輩期の選手のクセやこの辺りで仕掛けるんだなというのを勉強していましたし、今回は京王閣に参加する選手の過去のVTRを見てからレースに参加したので、対策は出来たかなと思います。
山口:なるほど!そして、決勝はインコースに包まれる場面もありましたが、BSからの捲りはすごかったですね。
野本:打鐘のときは出遅れてしまったので焦ったんですが、今自分がいる位置と他の選手の位置を把握して、仕掛ける場所を考えてから捲りにいきました。
4コーナーでは前に石井貴子選手が見えて、インかアウトか、コースを迷ったんですがその時にちょうど空いたので思い切り踏んだら、直線で伸びましたね。
山口:3コーナーから2センター辺りでは、3車併走の真ん中でしたが......。
野本:私の前に、中西叶美選手(愛知112期)がいたので、少しだけ追走のような形になって、逆に余裕を持てました。
いろんな展開が私に向いたなと思います。
山口:このメンバーでの初優勝は、大きいですね。
野本:そうですね。自力も強い選手、トップ選手との対戦で優勝出来たのは、本当に価値があると思います。
山口:そもそも選手になろうと思ったきっかけは何だったんですか?
野本:高校3年の時にガールズサマーキャンプに参加したのが大きなきっかけになりました。高校までは陸上をしていたんですが、そこで鍛えた脚力をいかせると思ったんです。なので思い切って飛び込みました!
山口:適性入学ですが、競輪学校時代はいかがでしたか?
野本:最初は技能の生徒と力の差があったんですが、だんだん自転車にも慣れタイムも出せるようになってきました。記録会やトーナメントでの成績は、自分の中で自信に繋がりましたね。
競争訓練というレース形態の訓練があるんですが、先行、捲り、追い込み......いろんな決まり手をやってみて、その中から自分にあったものを見つけようと試していました。
同期の中では、割と自力でも動ける方だなと思ったので、いろんな決まり手を試してみて良かったと思います。
山口:今後の戦法はやっぱり自力メインになるんでしょうか?
野本:そうですね。動けるときはしっかり動いていきたいんですか、展開によっては飛びついたりも出来ると思ったので、自在という感じになると思います。
山口:目標の選手はいますか?
野本:加瀬加奈子選手(新潟102期)です!
何度も大怪我などを乗り越えて復帰し、力強い走りで結果も出されているのがとても格好良いし、憧れです。
今はお休みされていますが、もし復帰されたときはぜひ対戦したいです!
山口:自分の強みは何でしょうか?
野本:状況を判断して自在に動けるところでしょうか。自力を出すべきところでは力を発揮し、展開によって走れるところだと思いました。
特に京王閣での優勝はそれが体現できたので、すごく自信になりました。
山口:目標は何ですか?
野本:今後はオッズパーク杯ガールズグランプリに、連続して出られるように、そしていずれは優勝をしたいです!
山口:お客様のご声援は聞こえますか?
野本:選手紹介の時はすごく大きなご声援をいただけてとても嬉しいです。その時は意識して聞くようにしていて、がんばれ、の声に力をもらっています。
それを更に力にかえて頑張りたいです。
山口:では最後にオッズパーク会員のファンの方へメッセージをお願いします。
野本:初優勝をすることが出来てすごく自信になりました。今後も練習して、確定板にのれるように頑張ります。応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
※写真提供:公益財団法人 JKA