ガールズ選手と大学生活を両立させていた、102期の増茂るるこ選手(東京)。2015年に無事大学を卒業し、現在はガールズ1本に集中しています。7月15日から伊東温泉競輪で実施される、ガールズケイリンフェスティバルに向けて、お話しを伺いました。
赤見:ガールズケイリンフェスティバル出場が決まりましたけれども、今の調子はいかがですか?
増茂:着々と仕上がっていると思います。去年もギリギリの出場だったんですけど、今年もなんとか出場が決まってホッとしました。ギリギリでの出場ではあるんですけど、爪痕を残せるように、しっかりと存在感を出して行けたらいいなと思っています。
赤見:増茂選手はガールズ1期の102期生ですけれども、選手を目指したきっかけがかなり特殊ですね。
増茂:そうなんですよ(笑)。大学の時に競輪場でアルバイトをしていて勧められて、という形です。わたしは体育大学に行っていたんですけど、小学生くらいから体育教師になりたかったし、大学がとても楽しかったので、最初は競輪選手になるつもりはなかったんですけどね。
赤見:何が決め手になったんですか?
増茂:母が、すごいごり押しで勧めて来たんです(笑)。高校までずっと真剣に部活をやっていて、大学ではサークルみたいな感じで全然運動しなかったんです。そういうのを見ていて、物足りなかったのかもしれないですね。「やってみれば?」って言われて、そこから話がトントン拍子に進んで、師匠を紹介していただいて、それで選手になりました。
赤見:大学を休学するというのは大きかったんじゃないですか?
増茂:大学が楽しかったので、本当に休学したくなかったし、休学するなら辞めたいと思っていたんです。でも、競輪学校の先生や、親とか周りの人たちから、大学はせっかくだから卒業した方がいいって言われて。その後押しがあったから、休学して復学という形にできたと思います。
赤見:競輪学校を受けると決めた頃は、自転車には乗っていたんですか?
増茂:全然です。普通にママチャリに乗ってた程度で(笑)。でも運動は好きだったので、特に抵抗はなかったです。
赤見:師匠も競輪学校側も、初めてのガールズ選手ということでかなり手探りな面があったと思いますが。
増茂:全然そういうのを考えないで競輪学校に入って、本当に手探りだったと思うんですけど、意外にそれを楽しんでいました(笑)。
赤見:実際にデビューした時はいかがでしたか?
増茂:1期生で、競輪学校からずっと同じメンバーでデビューしたので、デビュー戦も知っている顔ばっかりでした。ただ、お客さんはすごくたくさんいて、そこは緊張しましたけど楽しかったです。
赤見:デビューした後に大学に復学して卒業していますけれども、両立は大変だったんじゃないですか?
増茂:けっこう大変だったんですけど、その分時間が限られていたので、逆に集中して勉強も練習もできたかなと思っています。大学を1年行って、1年休学して競輪学校に行って。デビューしてから復学して3年間通いました。学年が1つずれたので、体育大なので実技がけっこうあるんですよ。それを友達がいない中でやらなきゃいけないっていうのがしんどかったですね。でも、これも体育大ならではかもしれないですけど、自分の学びたいことだけ学んで単位を取ればいいので、卒論も競輪のことにしました。
赤見:どんなテーマにしたんですか?
増茂:自分のトレーニングと、小林莉子選手や奥井迪選手に手伝ってもらって、データを取って、トレーニングを1ヵ月した結果を比べて、何が足りないかみたいなことをテーマにしました。自分の好きなこと、興味のあることで進めていけたので、楽しかったですね。大変なこともありましたけど、結果的に今が楽しいので、この道を選んだことは後悔していないです。
赤見:ガールズ選手の人数が増えて、後輩が増えている現状はいかがですか?
増茂:どんどん強い選手が出てきているので、なんとか埋もれないようにはしなきゃなと思っています。レースでもいろいろ動きが増えましたし、1期生だけだった時と比べるとバリエーションが出てきましたよね。展開も複雑になったなと感じます。
赤見:その中で、モチベーションになっていることはありますか?
増茂:あんまり負けず嫌いじゃないというか、人に対する負けず嫌いがあんまりないんですよ。自分に対する負けず嫌いはあるんですけど。だから、自分のやりたいように楽しく進んでいければなって思っています。今も楽しめているんですけど成績が伴っていないので...。やっぱり、強ければ強いほど楽しいじゃないですか。だからもっと脚力が欲しいですね。そのために練習がんばっています。
赤見:どんなトレーニングに力を入れているんですか?
増茂:今まではバンク練習ばっかりやっていたんですけど、今年に入ってから街道練習も行くようになりました。持久力がないし、自分の戦法も自力だし、弱点を補えるようにしたいなと思いまして。それが少しずつ結果に繋がっているかなと思います。
赤見:今の目標を教えて下さい。
増茂:みんなグランプリって言うと思うんですけど...、それだと目標が高すぎて具体的に見えないので、目の前にある1走1走を大事に走りたいです。
赤見:では、オッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
増茂:いつも応援していただき、ありがとうございます。他の人よりいろんなことをやりながら走っているつもりです。飛ぶ時も多いんですけど...(苦笑)、そこを楽しんで見ていただけたら嬉しいです!
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※インタビュー / 赤見千尋
※写真提供:公益財団法人 JKA