鈴木圭一郎が大会連覇を狙う!
山陽オートで行われている第53回GIスピード王決定戦も優勝戦の日を迎えた。準決では最重ハンの内枠勢や地元勢の活躍が目立ち、青山周平、永井大介、木村武之、佐藤貴也などが敗れる波乱があった。優勝戦はGIのファイナルを決めるに相応しい顔ぶれ。そして、鈴木圭一郎が昨年に続いて今回も優勝を決めるのか。
まずは準決のレースの特徴を振り返る。最重ハンの内枠勢が活躍できたのは、スタート後1~2周で好位を奪い、そのまま態勢が変わらぬケースが多かったためだ。これは夏場によくある傾向で、レース前半で態勢が固まると、その後の順位変動が少なくなる。なぜかと言うと、走路温度が上がり、追い込みが効きづらくなると序盤で勝負が決まってしまうからだ。しかし、今回は真冬とも言える気象状況。熱走路で追い込みが効きにくいわけでもなく、逃げる方もシッカリとタイムが出ている。優勝戦も当然、序盤で好位を奪えた選手が圧倒的有利になりそう。
肝心の序盤争いだが、単純なスタート力では鈴木圭がトップで、次に同期の鈴木宏和か。次いで丸山智史、岩崎亮一、佐々木啓、松尾啓史、別府敬剛、阿部仁志。実際のスタート争いだが、0ハンの阿部は残しそう。10線は内枠の鈴木宏が先行か、もしくは最内の丸山が飛び出すか。大外から鈴木圭も3番手には出られそうだ。他はほぼ枠ナリとみた。
阿部は準決でも丸山に捕まっているように、2周延びる優勝戦で逃げ切るまでは考えにくい。道中で交わされると見た。その1番手が鈴木宏か丸山で、どちらが逃げるにしてもペースは上がりそう。準決では鈴木宏が3・363、丸山が3・373の上がりタイムをマークしている。この両者の押し切りも十分考えられる。
それを阻止しそうなのが鈴木圭。準決は12Rで、走路温度が一番下がっていたとはいえ、上がり3・350の一番時計を叩き出している。10線7車並んだ大外からでも3番手発進は望めそうで、丸山や鈴木宏が阿部に少しでも手間取るようなら先に交わしてしまうかもしれない。8周戦になるのも大きな強み。次元の違う走りを披露しそうだ。
相手には鈴木宏と丸山。理由はすでに述べているが、今回のレース傾向に、ハンデ位置など優勝戦の条件が整いすぎている。あっさりと抜け出して持ち味を出してくると両者とも記念初優勝が見えてくる。次に岩崎。外寄りに置かれてはいるが、別府と佐々木より先に出るケースも十分で、昨年の同大会で準優勝の悔しい結果に終わった思いを、この優勝戦にぶつけたいところだろう。最後に松尾。7号車からのレースでは、鈴木圭にも行かれ、最後方からのレースになる事も考えられるが、道中の追いアシは優勝戦メンバーの中でも一番かもしれない。準決で、一番厳しい展開から優出をもぎ取ったのは松尾だけ。その追い込みが優勝戦でも炸裂するか。
他にも今節はスタートの切れが良い別府も怖い。いつになくタイムも出ている印象。佐々木もそつのない走りで上位争いに加わってくるかもしれないし、阿部も10線勢が激しく競り合うようなら、その間に大きなリードを作れるかも。
◎鈴木圭一郎
○鈴木宏和
△丸山智史
△岩崎亮一
▲松尾啓史