強力外来勢が地元勢に襲いかかる!
今回の山陽は3日間の短期決戦。初日がいきなり最終予選で、いち早くセッティングを見つけられた選手が有利になる。地元山陽勢にアドバンテージがあるかに見えるが、山陽オートは開催日数が少なく外来勢にも付け入る隙は十分ある。
今回の地元S級は4者のみの予定。その中でランクトップは岩崎亮一だ。岩崎の前走は川口の一般開催だったが、ここでは思うような成績を残せなかった。4日間のシリーズで白星がなく、準決は得意の重走路だったが、雨巧者が揃ってこのレースでは8着と惨敗してしまった。この時の悔しい思いは今回の地元開催にぶつけたいところ。
角南一如も前走は川口だった。初日からマズマズの走りをすると優勝戦まで進んだが、レースは1周目で落車。試走は良走路だったが、レースまでの間に雨が降ってしまい重走路での競走になってしまったのが影響したか。今回は落車明けなので初日の試走には注目したい。せっかく良化の兆しが出ていたので、悪い影響がなければいいが。丹村飛竜も前走は川口。準決4着で優出はならなかったが、それ以外の3走は1着を2本含むオール連対。上々の動きを見せていた。人見剛志は前走の伊勢崎ではいいところを見せられなかった。
外来の注目は青山周平、篠原睦、田中茂といったあたり。青山は連続準優勝後の前走では、ここもしっかりと優勝戦まで進んでいた。優勝戦は重走路で5着だったが、準決は重走路で1着を取っていたように雨でも結果を残せている。良走路ではエンジンが高いレベルにあるので、今回も天候に左右されない強さを見せてくれそう。篠原も連続で準優勝の後、地元のミッドナイトに参戦。ここでもそれなりの走りを見せていた。田中茂は前走が伊勢崎だった。予選道中を無難にこなすと、優勝戦でも逃げる藤本梨恵を追って2着入線の準優勝だった。やはり全天候型の強みを見せた形。今回もいい流れで乗り込んでくる。
川口から唯一S級として参戦なのは中野憲人。最後方からのレースになるが、混戦になるようだと連対のチャンスが増してくる。今回は弟子の黒川京介も来場。同期一番乗りで優勝を経験すると、その後はハンデを背負ってのレース展開に苦しんでいるが、単騎0ハンからのレースや、序盤で抜け出せるようなハンデ構成の時は狙ってみたい一人。その黒川の活躍に、地元山陽の新人が触発される可能性もある。
A級では連続優出して地元のミッドナイトを走っていた久門徹が上昇気配。松尾隆広は前走の川口で優出しており、調子を上げてきている。その優勝戦には梅内幹雄も乗っていたが、1周1コーナーでまさかの落車。角南同様に初日の試走気配が大事になってくる。
B級では、以前のスタート力が戻ってきている藤達也の速攻に注意。逆に岩永清文はスタートに甘さを残しているが、道中のイン巻き返しはなかなかに強烈。さらに、近況は雨走路でも激走が目立ち、天候に関わらず車券に絡んできている。新人では伊勢崎から田崎萌が山陽初参戦。落車で長期欠場していた以前の動きが戻っているので、十分車券の対象になる。
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主な出場予定選手
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岩崎 亮一〔山陽 S-27(25期)〕
人見 剛志〔山陽 S-36(28期)〕
角南 一如〔山陽 S-42(27期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-45(29期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-17(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-25(26期)〕
中野 憲人〔川口 S-40(24期)〕
圧巻の走りで鈴木圭一郎が完全優勝達成!
ほぼ天候に恵まれた浜松のGIIウィナーズカップのシリーズは、優勝戦も良走路で行われた。予選準決を負けなしできていた鈴木圭一郎は試走31で3番時計となったが、レースは果たして。
試走一番時計は中村友和と新井恵匠で30。次いで、鈴木圭が31、阿部剛士と重富大輔が32、青島正樹と金子大輔が35、鈴木静二が最も悪く36だった。
0ハン単騎の鈴木静二はスタートを残す。10線のスタートは凄まじいシーンが見られた。7車並びの大外に置かれた鈴木圭が、内枠勢を全て包み込んで1コーナーに突っ込んで行く。つまり、この時点で2番手を奪取。そして1周4コーナーで鈴木静のインをすくって先頭に立つ。ここからは完全に一人旅。後ろでは新井がすぐに2番手に付けていたが、鈴木圭との差を詰めることはできなかった。そこから大きく離されて阿部が3着をキープ。金子は試走タイムが表すように、レースに参加できなかった。
それにしても鈴木圭は強かった。優勝戦に限らず5日間全てで全く不安のない走り。鈴木圭を1着固定で車券を持っているファンからすれば、まさに安心してレースを見ていられた。「任せて安心レーサー」の異名は一時、浦田信輔に与えられていたが、今や鈴木圭に移行する時期に来ているだろう。現在23歳の鈴木圭。まだまだ伸び代があるにも関わらず、すでに不動の王者に君臨している。今後どのような発展段階を見せてくれるのか、またオートレースを魅せつづけてくれるのか、ほんとうに楽しみでならない。