松尾啓史が劇的大逆転で記念レース連覇!
2月25日に行われた伊勢崎のGIIレジェンドカップは、山陽の26期・松尾啓史が制した。松尾は前走の浜松GI優勝に続き、記念レースで連続優勝。完全に好調の波に乗れている。
レースはまず0ハンの笠原三義が逃げ態勢に入る。10線の田方秀和は笠原を追うことができず、20線勢の標的にされてしまう。その20線でスタート行ったのは最内の谷津圭治に森且行の25期両者。大外の高橋貢も同ハンからは3番手発進と上々のスタートだった。笠原の逃げに対し、谷津や森は差を詰めることができない。序盤で好位を奪った高橋貢が4周回で笠原を捕え、独走態勢に持ち込む。残り4周を残し、高橋貢の勝利が決まったかにみえた。しかし、この高橋貢を追って行く車があった。それが松尾。2番手に立ってからは高橋貢を抜くタイミングを計っていた。最大のチャンスは青旗前の7周4コーナー。松尾はキッチリと抜く態勢を整え、高橋貢のインに車を向けたが入り切るまでは行かず、このままレースが終わるかに思えた。しかし、最後にドラマが待っていた。8周4コーナーでも高橋貢のインに車を向けると、ゴール手前でチョイ差しが決まり見事な大逆転が決まった。
このレースでも8番手からの競争となってしまった松尾。スタートを含めて序盤の動きには不安があり、長年それが解消しない状況が続いている。しかし、その弱点を補って余りあるレース後半の伸び。強烈な追い込みが松尾の最大の武器。今はエンジンも乗り手も絶好調で、周回が多いレースでは持ち味を最大限に発揮できている。今回のレースを見ても分かるように、松尾の走りはSG優勝戦の10周戦に向いている。もちろんレース序盤の動きが安定してくれば、チャンスは何倍も増してくる。そうでなくても今の状態を保てれば、もっと大きな栄冠がその手に近づいてくるだろう。今後の松尾が楽しみでならない。