高橋貢がブッチ切りのゴール!
懸念されていた優勝戦の天候は、不安的中とばかりに雨走路になってしまった。試走タイムは永井大介が一番時計の3・53。次いで、高橋貢と鈴木圭一郎が55。早川清太郎が57。荒尾聡が58。前田淳と佐藤貴也が62。渋沢憲司が69と、雨走路とは言え試走タイムに大きな開きがあった。
0メートルオープンのスタートは鈴木が行きかけた。しかし、コーナーでは最内の高橋が突っぱねて逃げ態勢を作る。鈴木は永井に競りかけられ厳しい展開に。そして、永井が鈴木を交わし2番手に上がる。この時、高橋は大きなリードを作っている。そこからも後続に付け入る隙を全く与えない完璧な走りを披露。結果としてブッチ切りの圧勝だった。残りの周回は全く入れ替わりのないレース内容。淡々とレースが運ばれていった。
オートレース業界に身を置いていると各方面から声が聞こてくえる。「高橋貢はもう終わった」。「貢は衰えた」。「もう歳でしょ」。確かに、ここ1、2年の成績を見るとやや低調と思われる節もある。圧倒的な走りで勝つレースが少なくなってはいる。
高橋はこれまで軽いスランプはいくらでもあった。その度に、「いよいろ貢も...」とファンの間では、これまでオート界で頂点を極めた選手の凋落ぶりと重ねて見る傾向があった。しかし、その度に高橋は立ち上がった。何度でも蘇った。今回のムーンライトがいいケース。持てる技術、培ってきた経験、レース直前まで調整を繰り返す惜しみない努力。その全てを出し、己の存在感を示し切れた。
3日間の短期決戦は初日から熱戦!
今回の川口オートは平日3日間の短期決戦。初日がいきなり最終予選となり、全くミスが許されない緊張感満点のレースが展開される。近況の動向から優勝候補を探ってみる。
地元S級は4人の予定。ランクトップは森且行。前走の飯塚ナイターGIでは、優出こそならなかったもののシリーズ全体を通してはマズマズの結果。今回はメンバーが大幅に軽化されるので、優勝戦まで進んでくる可能性は飛躍的にアップ。前走が同じだったのは加賀谷建明と中野憲人。加賀谷は初日と最終日に白星を挙げ、エンジン自体はソコソコ。ただし、ここ半年はフライングを多発しており、スタートで無理できない状態が続いている。それでも前走のような短ハンデ戦がメインの番組よりは、今回のような明らかなハンデ戦の方がレース結果に対するスタート重要度が下がるので、今の加賀谷には向いている。中野は飯塚ナイターには合わなかったようだ。地元での巻き返しに期待したい。最後のS級選手は若井友和。前走は地元4日間。準決3着になり、不完全燃焼に終わった。今回は闘志全開で好結果を出してもらいたい。
外来勢のS級は船橋勢が好調。池田政和と西原智昭で、共に前走の地元開催で優出。池田は大幅な整備を繰り返し、エンジンを上向かせてきた。全盛期ほどではないが、近況の中ではかなり良い方。西原も得意の早仕掛けが決まっており、レース序盤で好位に付けることができる状態。飯塚からは篠原睦が参戦。前走の地元3日間は準決だけ4着になったが、それ以外の2日間は1着。エンジン崩れてはいない。同期の木村武之も前走は同じく飯塚3日間。準決で珍しく反則してしまったが、エンジンの方は悪くなさそうだ。
前回の川口開催で優出したのは高橋義弘と阿部剛士。共にスピードに乗った走りができている。前走が船橋で優出したのは新村嘉之。攻めは荒削りだが、直線の伸びは素晴らしく、強豪相手でも振り切る伸びがある。前走が飯塚3日間開催で優出したのは、越智尚寿、重富大輔、小林瑞季の3人。越智は堅実な走りが戻ってきている。重富はバラける展開で車速を活かせる状態。小林は1戦ごとに力を付けている。
小林と同じ32期勢の動向はと言うと、中山光や高宗良次が調子良い。スタートが良化しているし、道中のスピードも出てきている。岡谷美由紀も攻めはアウト一本だが、粘り強い走りができている。
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主な出場予定選手
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森 且行〔川口 S-19(25期)〕
若井 友和〔川口 S-20(25期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-27(27期)〕
中野 憲人〔川口 S-41(24期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-8(26期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
池田 政和〔船橋 S-36(23期)〕
西原 智昭〔船橋 S-39(28期)〕