昨日のブログ、読んでいただけました?
その中に登場する、我が所属調教師。私にとっては、最高の所属調教師である事は昨日説明しましたが、私がデビューした時、我が厩舎には、兄弟子のジョッキーがいたんです。
昨日は移籍の話だったので、兄弟子について全く触れませんでしたが、高崎の内情を知ってる方なら、「キレイに書きすぎだろ。」と言われそうなので、リアリティを追求している『RedView』ですから、補足説明をしたいと思います。
兄弟子と調教師は、元々同じ厩舎に所属しており、そこから調教師は独立し開業。しばらく間があって、元の厩舎が廃業したため、兄弟子を所属にした・・という経緯があり、我が所属調教師が育てたジョッキーではなかった。
私がデビューする前から、兄弟子は所属厩舎の馬を半分も乗ってなく、私がデビューしてからは、私の乗り切れない気性の荒い馬を1,2頭乗っているだけ。いわゆる、名ばかりの所属だった。
フリーが許されない地方競馬では、こういう事がよくある。3年後、兄弟子は他の厩舎に移籍した。私が追い出したようで、複雑な気持ちだった・・。
同じ調教師に所属しても、環境はこれだけ違う。もちろん、私より兄弟子の方が、技術は数段上だった。
私にとって兄弟子は、とても優しい人だった。騎乗馬を取られたのに、嫌味も言わなかったし、それどころか他厩舎の乗り馬まで回してくれた。でも、所属調教師とは合わなかった。
ここが、ジョッキーの難しい所だ。騎乗馬のためなら、自分と違う考えを受け入れ、頭を下げ続ける。一般的にいう、「営業」が出来るジョッッキーと、職人気質で強いポリシーを持ち、それを曲げる事が出来ないジョッキーがいる。どちらがいい悪いは、一概には言えない。でも後者の場合、必ず摩擦が起こる。
兄弟子の存在があったからこそ、私は所属調教師とうまくいったのかもしれない。逆に、兄弟子が大成している厩舎では、兄弟子によって潰される場合もある。
私は、本当に周りに恵まれた。実力以上の環境だった。それが分っていたからこそ、移籍には踏み切れない自分がいた。
やっと、復活しました!思いのほか、長々と寝込む事になってしまいましたが・・
私が寝込んでいる間に、私の大好きなジョッキーがまた1人、引退してしまいました。
益田から川崎に移籍した、沖野耕二ジョッキー。益田に遠征した時、関係者の温かさと騎手のレベルの高さに感銘を受けました。土地柄もあるでしょうが、トップに立つ沖野ジョッキーの、技術と人柄による所が大きいと感じました。
川崎に移籍してからは、お会いしてないのが残念ですが・・オッズパーク的には南関ネタは関係ないので、今日は移籍の難しさについて、ちょっと触れてみたいと思います。
地方競馬場というものは、それぞれの競馬場で考え方が全く違う。中央でも各競馬場によって乗り方は変りますが、美浦・栗東から遠征する訳で、基本的な競馬の考え方は一緒です。
でも地方は、競走馬に対する気持ちや接し方、ジョッキーの扱いや育て方まで、競馬場によって変ってきます。同じ北関東でも、高崎は若手が育ちやすく、宇都宮では難しかった。同じ地区でも全く環境が違う訳だから、気候や土地柄が違う多地区になれば、馴染むまでに相当の時間がかかる。
特に、デビューしたての人間と違い、1度どこかの競馬場の色に染まっている場合は、余計に難しい。
「前の競馬場では、こうやってました。」なんて通用しない。みんな、自分の競馬場が1番!という愛情とプライドを持っているのだから、質問する事さえ憚られる。
競馬界は実力社会である。でも、純粋な実力社会では、決してない。ジョッキーは、所属調教師の考え方1つで、育ちもするし、死にもする。周りの環境が、成績に直結するのだ。
私自身は、所属調教師にとても恵まれた。父娘のような関係だったし、所属厩舎の馬は、ゲート難以外すべて乗せてくれた。そして、「自厩舎の調教より、他厩舎を優先しなさい。」と言い、他の調教師に私を乗せてくれるよう、頭を下げてくれた。こんな調教師は、滅多にいない。そして高崎自体も、若手にチャンスの多い競馬場だった。
移籍する事で、今までの環境はすべて変る。それが吉と出るか凶と出るか・・ジョッキー自身の技術も関係するけれど・・ある意味、賭けだ。
高崎から佐賀に移籍した浅沼傑ジョッキー。常に一生懸命で、バカがつくほど(傑君ごめん・・)真面目。みんなが嫌がる馬に喜んで乗って、それで怪我をしてもその姿勢を崩す事はなかった。傑なら、移籍もうまく行くだろう・・そう思っていたけれど、色々大変な思いをしている様子。
高崎と違い、佐賀は若手が育ち難い環境。加えて、馬主の考え方も全く違う。レースに至っては、同じ所を探す方が難しい・・。現在は厩舎が変り、同じ高崎から移籍した佐藤厩舎に所属している。
明日は、1・5・7レースに騎乗予定。もうすぐ2人目の子供が産まれるし、先月あたりから調子も上向き、ファンクラブまであるようで、是非頑張ってほしいと思う。
「ジョッキーを続けられて良かったね。」と簡単に人は言う。でも、ジョッキーを続ける方が過酷な場合もある事を私は知っている。
昨日のラベンダー賞、道営の「インパーフェクト」がクビ差で勝利した。ポスト・バルクと言われるだけに、これからさらに注目されるでしょう。
鞍上は、山口竜一騎手。宇都宮廃止後、道営に移籍して大活躍中!
まだ、高崎も宇都宮も健在だった頃、北関東の交流はさかんで、山口騎手とも一緒のレースに乗りました。とてもひょうきんな方で、いつも笑わされていたけれど、高崎が終了した後の宇都宮開催でお会いした時、「赤見ちゃん、悔しいよな・・」と真剣に言った顔が忘れられない。
「お前は女なんだから、競馬界から離れて結婚しろ」と忠告してきた人が多い中で、山口騎手は、
「移籍出来るなら、まだまだ続けた方がいい。」と言ってくれた。その時は、年齢的な事で山口騎手自身は移籍を諦めかけていたようだったけれど、晴れて道営に移籍し、活躍している姿は眩しいくらい。
地方競馬にまた一つ明るい話題が増えて、とても嬉しく思う今日この頃。私自身はどうやら高熱にやられている模様・・体温を測ると余計具合が悪くなりそうなので測ってないけど・・この10数年経験していない体調の悪さ&ニューハーフですか?ってくらいのハスキーヴォイス・・。
ドクター・赤見の分析によると、急激なジム通いで体力を消耗していたところに、気温の変化が加わり、レストランのクーラーに止めを刺されたよう。
現役時代、開催中に体調が悪くなると、調整ルームの食堂のマスターが、必ず「卵酒」を作ってくれた。みんなは、「ウゲー」とか「マズそー」とか言ってたけど、これを飲むと一発で元気になった。
この東京砂漠では誰も作ってくれないので、フラフラする体で買い物に行き、狭いキッチンで卵酒を作って飲んだ。
このブログは酒気帯びで書いたので、誤字脱字があったらあしからず・・。
明日の盛岡8レース、『オンワードジェダイ』が出走する。
中央でデビューし、なかなか未勝利を脱出出来ず、高崎に移籍してこないかなぁ〜と狙っていた所、名古屋に移籍してしまった馬だ。
現在は年齢もあり、さすがに上積みは見込めないけれど、元気に走ってるんだな、と懐かしく思う。
デビューした頃よく、「ファンや馬主さんだけじゃなく、生産牧場の事も考えて競馬しろ!」と言われた。
一度も行った事のない遠い北海道の牧場に対して、何も考えていなかった私。中央のレースじゃないんだし、高崎の下級クラスのレースで一喜一憂しているとは思えなかった。
私の勝ち星の半分近くは、オンワード牧場の生産馬である。その牧場に対して、ありがたさがわかってない!という事で、挨拶に行った事がある。
広い牧場で、たくさんの馬たちが放牧されている姿は圧巻だった。事務所に行くと、場長さんに、
「3着が好きな赤見騎手ですね。」と笑顔で言われ、しどろもどろになってしまった私・・。そして大きな黒板に、勝ったレースと馬名・騎手名が書かれていて、もちろん私の名前もあった。
○月○日高崎オークフェニックス・赤見
○月○日高崎オークレインボー・赤見
○月○日高崎オンワードクラフト・赤見
といった具合。
私は申し訳なさでいっぱいだった。この黒板に書いてある数よりも、2着3着の方が多かったし、遠い北海道で、喜んだり悔しがったりしている人達がいるなんて、想像していなかった。
帰りの車の中で、「よくわかっただろ。」と新谷さんに言われ、頷く事しか出来なかった。
ジョッキーとは、生産牧場・馬主・調教師・厩務員・ファンの期待を背負いレースに挑まなければならない。ちょっとしたミスで負けるなんて、本来許されない事であり、もし自分のミスで負けたなら、その責任を感じ、同じ事はしてはいけないと、実感した。 私のように、ノー天気に、「次は頑張ろう!」ではダメなんだな。
まぁ、その後も2着3着になる事が多かったけれど、そのたびに北海道の牧場が脳裏にちらついた。
「自分の責任の重さがわかっていれば、それでいい。」と新谷さんは言うけれど、今でも、オンワード牧場には足を向けて眠れないと感じている。
地方競馬も大変な時期だけど、北海道もかなり大変な事になっている今、私に出来る事は、現場で働く人達の姿を伝える事だと思う。
近々、北海道に行けそうな予感なので、色々取材したいと思います!!
暑いです!そして、電車やお店は寒いです!!この温度差、なんとかならないものだろうか・・
超頑固な冷え性の私にとって、クーラーは宿敵。でも、クーラーをつけない我が家はサウナ状態のため、時間があるとプールに避難している。
通知表で体育が「5」だった事が自慢の私。でも、走る事は得意だけど、泳ぎはイマサンくらい・・。プールでは、おじいちゃん・おばあちゃんと並び、仲良くウォーキングしてます。
さて、明日マーキュリーカップが行われる盛岡は、東京よりは涼しいのだろうか?と、ついつい暑さの事ばかり考えてしまう。
抜けた馬がいない今回、すべての馬にチャンスがある。私の本命は『ビッグゴールド』。中央から移籍して2連勝。芝では超実績馬で、戦ってきた相手が違う。すんなりハナにでも行ければ、そのままゴールも十分ありえる。同じ移籍・金沢組の『ビッグドン』と共に、地方でもう一花咲かせてほしい。
地方競馬には、中央から移籍して来た馬が多い。四肢が悪い・気性が荒い・走るのが遅い・ゲートに入らない・高齢になった・・等々、理由はたくさんあるけれど、ほとんどがマイナス材料。
競走のレベルが違うから、当たり前の事だけど、中央でデビュー出来なかった馬が、地方ではたいていデビュー出来る。それは何故か・・技術の問題では絶対ない。中央の方が、教育を受けている厩務員さんが多いし、設備も整っている。1番の違いは、替わりの馬がいるかいないか。
中央の場合、超良血や期待馬でもない限り、ある程度の所で見切りをつけなければならない。厩舎に入れておくだけで莫大な預託料が発生する訳で、大口馬主でもない限り、レースに使えない馬をいつまでも放ってはおけない。厩舎によって状況は違うけれど、厩舎に入りきれない馬たちが、牧場で待機している。何ヶ月もかけて、将来性のなさそうな危険な馬を無理矢理デビューさせる必要性は、地方競馬より確実に薄い。
対して地方競馬は、競走馬1頭にも生活がかかっている。なんとかレースに使わなければ、自分たちが食べて行けない。だから、どんなに危険な馬でも競走馬にしなければならない。
これは、賞金の低い競馬場ほど強くなる傾向にあり、1万円にも満たない額を手にするために、誰もが嫌がるような馬に乗り、自分の命を懸けている。
そんなバックグラウンドもあり、生え抜き地方馬でも、移籍地方馬でも、中央勢を倒す姿に感動する。
今回のマーキュリーカップ、チャンスは確実にある。私の印は、
◎ビッグゴールド
○ビッグドン
▲スナークレイアース
△スターキングマン
△レマーズガール
ちょっとロマン派寄り過ぎたかな?でも、こんなチャンスは滅多にない!明日は地方馬ワンツーで、美味しいビールを飲みたいな♪