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2007年9月20日 アーカイブ

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やっぱり馬が好き(第39回) 旋丸 巴

2007年9月20日(木)

アベケンさんの活躍

 6月から始まったナイトレースも終わり、いよいよ今週末からは後半戦に突入。ということで、前半戦を振り返ってみると……。

 勿論、出来事は様々あったけれど、私個人としては、安部憲二騎手の活躍! これに一番注目していて、何しろ、6月24日の旭川記念では落馬負傷した鈴木恵介騎手に代わってミサイルテンリュウを繰り、見事、優勝。7月29日の、ばんえい大賞典でも、初めて手綱を取ったプリンセスモモで制覇。リーディング争いでは、ベテラン名手が居並ぶ10位以内に食い込む快進撃を続けているのだから、凄いじゃないですか。

 という訳で、過日、安部憲二騎手=アベケンさんに突撃インタビューを試みたのだが……。
 
 お会いした最初に、「凄いですね」と正直に感想を申し上げたら、「いや、旭川記念の時は勝堤さんがヒントをくれたから」とのこと。

 「勝堤さん」とは、言わずと知れたリーディングジョッキー鈴木勝堤騎手のことだけど、アベケンさんの話によると、以前、ミサイルテンリュウに乗ったことのある勝堤さんが、急遽代打を頼まれたアベケンさんに、こう言ったそうである。

 「ミサイルは、××を、うんと強くしたような馬だよ」と。××というのは、アベケンさんも乗ったことのある馬のこと。

 「そう言われたから、俺も作戦を立てやすかったんだ」と、アベケンさんは笑ったけど、そういう「謎かけ」みたいな、しかし、的確なヒントをくれる勝堤さんもさすがだし、それを解読してキッチリ優勝に繋げるアベケンさんも、あっぱれ。これぞ「プロの会話」だと、陶然してしまった。

 他にも、馬の扱い方、レースでの騎手間の心理戦など色々なお話を聞いたけど、日頃はヤンチャな笑顔で冗談ばかり言っているアベケンさんが、実は、誠に精緻な計算の上に立ってレースをする「頭脳派騎手」であることに、今更ながら気が付いた。

 そう言えば、カニ汁サービスや餅つき大会など、調騎会が行うファンサービスの時には必ず顔を出し、忙しく立ち働くアベケンさんである。人一倍「真面目」な性格であることは、これを見ても分かったはずなんだけど、あの人懐っこい笑顔と豪胆な話し振りで、すっかり騙されていたわけですね。

 ナイトレース後半、少しナリを潜めていたアベケンさんだけれど、9月16日には3勝をあげたりと油断は禁物。

 「忘れた頃の安部憲二」という格言もあるくらいで、後半戦も、この「ヤンチャな笑顔の策略家」から目が離せないのである。

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精緻な計算で勝負する安部憲二騎手(photo by YUKA.S)

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ふれあい動物園で、服部調教師と共に「ハムスターレース」で子供たちを楽しませるアベケンさん

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