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2007年5月24日 アーカイブ

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馬券おやじは今日も行く(第33回) 古林英一

2007年5月24日(木)

地方競馬新時代の夜明けへ

 先週の当コラムで旋丸姐さんが述べておられたように、NPO法人「とかち馬文化を支える会」(以下、「支える会」と略称)の設立総会が開催された。

 小生、この「支える会」の設立はわが国の近代競馬百数十年の歴史のなかで歴史を画する大きな出来事であると思っている。

 小生は法学者でもなければ政治学者でもないので、小生の法解釈は素人解釈であることを予め断っておく。もっとも、わが国は憲法すら解釈次第でどうにでもなるというお国柄なので、小生の競馬法解釈なんぞはかわいいものである。

 競馬法には競馬の目的は記載されていない。地方競馬の場合、「都道府県は、その行なう競馬の収益をもつて、畜産の振興、社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、スポーツの振興及び災害の復旧のための施策を行なうのに必要な経費の財源に充てるよう努めるものとする」(競馬法第23条の3)とあるだけである。

 つまり、儲かったらその儲けは上記の目的に使えということが規定されているだけである。自治体が儲けるために競馬を行うとはどこにも書いていないのである。このあたりは、競艇、競輪、オートレースとは異なっている。競輪・競艇・オートでは地方財政への寄与が目的として謳われている。

 そこで、小生の提案する解釈改憲ならぬ解釈改競馬法である。ひとことでいえば、競馬そのものの目的は市民自らが決めようという提案である。儲けが出ようと出まいと、市民が競馬という営みを市民自らの目的のために利用すればよいのである。いいかえれば、学校、図書館、美術館、公園などと同様に、競馬・競馬場を地域社会の公共資本として位置づけようということである。

 「支える会」の定款第3条は「この法人は、…(中略)…馬資源を活用したまちづくり・経済活動の活性化に寄与することを目的とする」と謳っている。これはまさに地方競馬の新たな位置づけを、市民の側から宣言するものと小生はみている。

 競馬は市民の娯楽である。お上になけなしのお金を上納するためにワシらは遊んどるわけじゃない。競馬を市民自らの営為とし、競馬・馬・人・競馬場を地域の共有資源として活用することが、これからの地方競馬存続の方向ではないだろうか。逆にいえば、市民がそうした意識を持ちうる競馬・競馬場づくりができなければ、地方競馬の明日はないと小生は思う。

 そう考えると、この支える会の定款は、わが国競馬史における、いわばフランス革命における人権宣言、アメリカ独立の独立宣言、日本国憲法、はたまた明治維新の五箇条の御誓文(これはちょっと違うかも…)のごとき、新たな時代の夜明けを高らかに宣言した革命的歴史的文書である(いうことが大げさだとわれながら思うが、ここらが小生の「学者」たるところなんである)。

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