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2005年8月 アーカイブ

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レース回顧(8/27~8/29)

2005年8月30日(火)

 夏は牝馬の季節と言われますが、今回は後述するサダエリコやヤマノトップレディのほかにも、ラヴクイーン、エンジュダイヤ、ウィナーサマーら3歳牝馬勢が勝利を挙げるなど活躍しました。9月4日(日)には重賞のクインカップ(4歳牝馬)も行われるので、来週も牝馬の奮闘に期待しましょう。
 27日(土)に行われたダリア特別(650万円未満)は、4番人気のヤマトモンジューが優勝しました。近2走はともに4着と精彩を欠いていましたが、今回は第2障害を先頭で越える安定したレースを見せました。なお断然人気に推されたコウリュウオーザは、障害でもたつき3着に敗れています。
 28日(日)の紅バラ賞(3歳以上オープン)は、サダエリコが完勝。一歩先に抜け出したミサイルテンリュウを残り10メートル付近で交わす、余裕のレースを見せました。とにかく終いの脚がしっかりしてきたのが、好調の要因でしょう。2着は粘り込んだミサイルテンリュウ。今回も持ち前の障害力を見せ、あわやと思わせましたが、やはり相手が悪かった印象。僅差の3着にはシンエイキンカイが追い込みました。
 29日(月)のリンドウ特別(550万円未満)はヤマノトップレディが優勝。これで4戦続けての連対となり、好調をキープしているようです。

今週(8/27~8/29)のみどころ

2005年8月26日(金)

 先週は小雨がぱらつき、やや軽めの馬場状態となりました。今週末も同じように弱い雨が降るようで、馬場のチェックと、軽馬場適性のチェックが重要事項となりそうです。
 28日(日)のメインレースは紅バラ賞(3歳以上オープン)。サダエリコ、シンエイキンカイらの実績馬のほか、ミサイルテンリュウやヤマノキャプテンなど勢いのある馬が出走を予定しています。注目はミサイルテンリュウで、前走の藻岩山特別を楽勝。今回は相手が一段と強くなりますが、北斗賞2着の実績を考えれば好勝負が期待できそう。メンバーが固定されつつあるオープン戦線に風穴を開けることができるか注目されます。
 27日(土)には650万円未満による一戦、ダリア特別。ここはやはりコウリュウオーザが中心となるでしょう。今季の岩見沢開催は6戦4勝、4着以下がない安定ぶりを見せています。ほかヤマトモンジュー、タカラボーイあたりにも期待したいところ。
 29日(月)に行われるのは、りんどう特別(550万円未満)。桂沢湖特別2、3着のヤマノトップレディ、コマタイショウあたりが人気となるでしょう。別路線では4歳限定の大倉山特別を勝ったホクトキングが有力です。

やっぱり馬が好き(第7回)  旋丸 巴

愛しのペルシュロン

 犬の世界では、最近は「雑種」という言葉を使わないらしい。「ミックス」と称するというのだけれど、うーん、何だか欺瞞的だなぁ。

 馬の世界での雑種、もとい、ミックスは何と呼ばれているか、というと、ご承知の通り「半血(はんけつ)」というのですね。

 ばんえい競馬に供される馬は、主にブルトン、ペルシュロン、ベルジアンといった品種の馬を基礎にして生産されていて、ペルシュロンは持久力に富み、ブルトンは瞬発力に優れ、ベルジアンはスピード豊か、と各々、品種別に特徴があるのだけれど、近年は、それら各品種の優秀性をうまく取り合わせた半血の生産が盛ん。手元の資料によれば、平成15年の出走全馬739頭のうち、半血は726頭。実に98%が半血馬なのである。

 反対に純血馬は年々減少。ペルシュロンについて言えば、純血ペルは平成15年には3頭。ペル系5頭を加えても、8頭と極めて少数派でしかない。けれど、そんなペルシュロンが、今、生産界では密かに再注目されている、という。

 先年、大活躍したサカノタイソンの父・武潮は純ペルであるし、アサギリ、フクイチ、そして、ばんえい初の1億円馬キンタローも、みんなペル系。生産者の中に、ペル系見直しの風潮が広まっても不思議はない。

 かく言う私もペルシュロンのファン。気品ある容姿が素敵で、数少ない純血馬が登場した時など無条件で馬券を買うほどである。

 だから、昨年、書店で『死を呼ぶペルシュロン』(晶文社)という本を見つけた時には「重種馬の本なんて珍しい」と飛びついた。そして、そして、実際、この本には正真正銘ペルシュロン種の馬が登場するのだが……。殺人現場にペルが立っていた、という、それだけの話で、期待して読んだ私は愕然とさせられた。もっとも、結末ではペルシュロンがテーマを暗喩していて、「さすがに欧米の馬文化は深い」と感心させらもする。

 馬について過度の期待は禁物だけど、ばんえいとミステリーが好きな方には、いいかも。

レース回顧(8/20~8/22)

2005年8月22日(月)

 もうもうと砂が舞い上がる中で行われていた岩見沢開催ですが、今回はやや湿った状態でレースが行われました。それもあってか、3日間の配当金は荒れ模様。それでもツルマキシンザンやミサイルテンリュウなど、実力馬はきっちり勝利を挙げており、好調ぶりがうかがえました。
 21日(日)のはまなす賞(3歳オープン)は、スーパークリントンとキョウワテンリュウが回避して8頭立てで行われました。これを制したのはカネサブラック。3番手で障害をクリアすると、先に抜けたエンジュダイヤ、ウィナーサマーの牝馬2頭を、残り10メートル付近で交わしてゴールイン。同じ3歳限定のクリスタル特別(旭川)では、1番人気に推されながら5着に敗れましたが、今回のレースで雪辱した格好となりました。エンジュダイヤが2着で、これで今年の岩見沢開催は4戦4連対。ウィナーサマーも3着と、堅実なレースを見せました。
 同じく21日の青雲賞(2歳オープン)は、ニシキセンプーが優勝。真っ先に障害を抜け出すと、追いすがるヒロノドラゴンを振り切りました。これで通算3勝目。トカチプリティーの全弟だけに、今後も注目したいところ。なお1番人気に推されたメダマは、いいところがなく5着に敗退。軽くなった馬場が微妙に影響したのかもしれません。また、この日の第9レース(800万円未満)は、ツルマキシンザンが優勝しました。
 22日(月)の藻岩山特別(3歳以上オープン)は、ミサイルテンリュウが快勝。他馬が仕掛けないうちに障害をクリアする余裕の展開で、実力の違いを見せつけました。2着は昇級初戦のヤマノキャプテンで、いったんはホクリュウイチに交わされ3番手に後退したものの、ゴール前で差し返す根性を見せました。2番人気のグレートサンデーは障害に手間取り3戦連続最下位と、調子が戻っていないようです。またこの日の第10レース(470万円未満)は、好調のミスターハヤサキが楽勝を演じました。
 20日(土)の桂沢湖特別(550万円未満)は、マコトファイヤーが優勝。2着にヤマノトップレディが入り、人気サイドでの決着となりました。また、第10レース(470万円未満)はホクショウファイトが優勝して、今季15戦で4着以下が一度もない安定度を誇っています。

映像はこちら

馬券おやじは今日も行く(第6回)  古林英一

2005年8月19日(金)

ばんえい競馬のルーツ
~ばんば大会を見に行く~

 本題に入る前にちょいとおしらせ。

【その1】
 北海道限定の話題で恐縮ですが、読売新聞札幌圏版に、7月28日から8月3日まで、「蘇れ!ばんえい競馬」という連載記事が掲載されました。全国のばんえいファンのみなさん、これは必見ですよ! どうでもいい話ですけど、最終日には小生のコメントもあったりして……。

【その2】
 これまた北海道限定の話ですが、不肖この私、11日放送のuhbの人気番組『トークでのりゆき』にちょこっと出演しました。実は放送当日は四日市ナイター競輪参戦とそのついでに三重大学大学院の集中講義のため……逆です、集中講義のついでにナイター競輪参戦のため、旅に出てたので自分では見てません。

【その3】
 8月4日付け毎日新聞道内版に、北海学園大学経済学部の古林英一教授(ワシやワシや)のコメント記事が出ております。なんでもこの教授のご専門は「公営競技論」だそうで……。おいおい、いつからそんな学問が出来たんや!?と自分で突っ込みをいれたくなりますな。なお、この記事はこちらで見ることができます(早くしないとリンク切れになるよ~)。

 さて、本題。

 真夏の大一番・ばんえいグランプリはスーパーペガサス、サダエリコの1・2着で決着。小生も勇躍岩見沢競馬場に参戦したのである。小生はアンローズで勝負っ!と思ってたのに、肝心のアンローズは不参加。小生、アンローズ好きなんですよねえ。おっちゃん、そもそも大柄できれいなおねーちゃんが好きなもので……(^_^;) それはともあれ、アンローズが出ないなら、スーパーペガサス→サダエリコの1点勝負かとも思ったのだが、つい頭をもたげるスケベ根性。「そろそろ、ミサキスーパーあたりが」とか「軽量トカチプリティーがさっさと2障害を越えて」とか、果ては「今年度未勝利もこのレースと相性のいいヒカルセンプーも」と妄想は限りなく拡がり、挙げ句に「スーパーペガサスとサダエリコでは面白くないっ!」なんぞという訳のわからん結論に達したのであった。

 で、結果はご案内のとおり、強い馬2頭が1・2着。まことにもって常識的な結果におわり、小生の妄想は炎天下の岩見沢の空に陽炎のごとく消え去ったのだった。まあしかし、強い馬が強いレースを見せてくれたわけで、レースとしてはいいレースだったように思う(しかない(T_T))。

 さて、グランプリの翌日、長沼町農村広場で第47回長沼町ばんば大会が開催された。夏は大きなばんば大会が全道で開催される季節でもある。

 よく知られているように、ばんえい競馬はばんば大会が公営競技となったものだ。ばんば大会は今でも北海道の各地で20以上が開催されているようだ。様々なスポーツのなかで、プロとアマの垣根がこんなに低い競技も少なかろう。全道各地で開催されるばんば大会にはばんえい競馬の馬や騎手が大勢参加する。大会の開催日が日曜日だと、競馬開催日なので、騎手はさすがに参加できないけれど、それでも馬は結構な数がばんば大会に出場する。

0819a  この長沼町ばんば大会は毎年火曜日に開催されるとのことで、ここには騎手も馬も大勢参加して、アマチュアの愛好家や馬に混じって熱戦を繰り広げる。昨今はポニーばんば競走も盛んにおこなわれており、この長沼町ばんば大会でも全21競走のうち、ポニーばんばが9レース組まれていた。
(写真:ポニーばんば)

0819b  小生が気がついただけでも、山田、尾ケ瀬、皆川、金山、岩本の各調教師、西(弘美)、山本、尾ケ瀬、千葉といったジョッキーたちが参加していた。金山調教師に至ってはレースにも乗っていた。山本騎手などはレース実況までやっていた。他にも騎手が何人か来ていたようだが、なんせ、勝負服を着ているわけではないので、ちょいと見ただけではわからない。山田調教師にうかがったところ、師はムソウリキ以下4頭を連れての参戦だそうな。ムソウリキは前々日の第9レース(550万下)を見事優勝しての参戦だ。さらにいえば、ムソウリキのオーナーは、地元長沼町のかねひろジンギスカンの廣川さん。これは力の入るところだ。
(写真:西弘美騎手(左)と尾ケ瀬騎手)

 レースはU字型コースを使っての4頭立て。西騎手によると、長沼はコースが小回りなのでコースどりがなかなか難しいとのこと。馬も人も真剣勝負なのだが、それでもやはりどこかお祭り気分だ。西騎手らも競馬場で騎乗するときに比べると、表情も心なしか柔らかな感じだ。

 みなさんご承知かもしれないが、西騎手は岩手県のご出身。かの地も馬力大会が盛んな土地だ。西騎手も子供の時から馬力大会に参加していたとのこと。2000勝ジョッキー西弘美にとって、ばんば大会はふるさとを偲ぶひとときなのかもしれない。

 最終第21レースは、アラナミライデン(元競走馬)、ムソウリキ(現役競走馬)、スガノテンリュウ(現役競走馬)の3頭による800キロの高重量戦。さて、このレース、見事に勝ったのは?

 常識的に考えれば、現役競走馬2頭のうちのどっちかということになるんだろうが、ところがどっこい、見事に勝ったのはなんと引退馬のアラナミライデン。後で調べてみたら、このアラナミライデン、昨年の2月に600万下のレースを最後に引退したのだが、この引退レースでは7番人気にも関わらず、ライデンガイモン、オーパスワン、シンエイハヤブサ、ガリバーボーイらを負かして見事有終の美を飾っているのだ。現役を退いてもまだまだ負けないというところだろうか。いやあ、たいしたものだ。貴乃花が朝青龍に勝つようなもの?

 話は変わる。ポニーばんばの番組表を見ていて気がついたのだが、ポニーばんばは体高100cm以上と100cm未満に区分されて番組が編成されていた。そういえば、かつてのばんえい競馬では馬格でクラス分けがなされていたという。きっとこんな感じだったのだろう。故・内田さんが残された名著『まんが・ばんえい読本』などを見ると、草創期のばんえい競馬では、世話役が馬格などをチェックして出場馬をクラス分けし、番組編成をしていたという。それが体重別になり、そして現行の獲得賞金別になったわけだが、見た目でクラス分けというのも、さぞや侃々諤々の議論があったことだろう。

0819c  雲一つない快晴の夏空の下、小生にとってはかつてのばんえい競馬を追体験できた貴重なひとときだった。なお、ばんば大会は、21日には共和町と足寄町で開催され、さらに秋になっても道内各地で開催される。ばんえいファンの皆さんも一度足を運んでみてはいかがだろう? 馬券をはずすことがない(馬券発売がないので当たり前)ので、まことにもって穏やかな気持ちで観戦できますよ~(^^)/

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